1-2 カラスによる果実の食害防止対策について T 

 毎年、果実がカラスの食害を受けるので、色々と対策を考えますが、簡単
にできる方法が見当たらない。果実にビニールの袋を掛けても、すぐに食い
破られてしまう。
 一番手っ取り早い方法は果樹の上からネットを掛けることですが、支柱を
立てることが大変なので、果樹の上から直接ネットをかけると、葉がネット
でこすれ、傷んでしまう。この改善策として、ネットを木の下側から掛ける
ことにより、葉の傷みが少なくなった。(下の写真)
 
 ネットを木の下側から掛けた場合、カラスが木の枝にとまり、ネット越し
に果実を突っつくことが、できないようにネットを張る工夫も必要。

 しかし、ネットを木の下側から掛けられない場合も多くある。
 そこで、考えたのがペットボトルの中に果実を入れてしまえば、カラスも
そう簡単には食い破ることができないのではないか、でした。
 
 ペットボトル装着方法@(上の写真参照)
 上の写真のように、ペットボトルを上から縦に半分に割るように底板の上
まで切り、底板は切らずに、強度を保つためにそのまま残す。
 ペットボトルを切る時、上方の蓋のある部分が硬いので、ノコギリ等を使
用して切ると簡単に切れる。それ以外はハサミで簡単に切ることができる。
 これで、上方が開閉可能となるので、ペットボトルの中に果実を入れるこ
とが出来る。
 ペットボトルの中に果実を入れたら、蓋があった部分を針金等で巻き、固
定して、そのまま枝に結び付ける。ペットボトルの胴の中間あたりも、針金
等で巻いておくと、強度の低下防止になるのでお勧めしたい。針金を使わな
くても、丈夫な紐等でもOK。
 最後に、ペットボトルの上方の蓋があった開口部から、虫等が入らないよ
うにビニール袋等を巻き付けて塞ぐとともに、枝に結び付けて固定する。

 ペットボトル装着方法A(下の写真参照)
 左下の写真のように、2リットルのペットボトルを上下真ん中で、半分に
切り、下半分のペットボトルをハサミで、スリット状に切る。(左下の写真
参照)
 上半分のペットボトルに、固定用紐を取り付ける。取り付ける場所は、ペ
ットボトルを半分に切った切り口に近い所で、上・下のペットボトルを組み
合わせた時に下半分のペットボトルのスリットと重なる場所。(左下の写真
参照)
 固定用紐を取り付ける時、ペットボトルに紐が通る穴を開けますが、ペン
チで釘等を挟み、釘等をガスレンジの炎であぶり、高温にしてから、ペット
ボトルに押し当てると簡単に穴が開く。
 上・下のペットボトルを右下の写真のように枝を挟んで組み合わせ、ペッ
トボトルに取り付けた固定用紐を活用して、上・下のペットボトルを固定す
る。
 少し長すぎるように思われるが、様々な果実に使用できるように長めにし
てある。
 ペットボトルのふた(キャップ)は、外して置いた方が、通気・換気性が
良くなる。ただし、害虫が入ってくる危険性は高くなる。
 
 ペットボトル装着時の注意点は、
1 強風に対して風当たりの影響が大きくなり、枝に大きな力がかかり、枝
 が折れる危険性が高くなる。
2 カラスによって、枝ごと折られる危険性もある。
3 ペットボトルの装着によって、内部の通気・換気が悪くなり、果実が腐
 り易くなる。
4 カラスによって、枝ごと折られ、ペットボトルが床(地上)に落ちたら
 ペットボトルの中の果実が、カラスに食べられないように、早めにペット
 ボトルを回収すること。(ペットボトルの中の果実は食べられないことを
 カラスに学習させるため。)
 

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