【車掌23-47号の立ち読み】
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徹底調査

伊藤岳人とラーメン47杯
このコーナーでは、伊藤岳人がベスト47に選んだ全国のラーメンを、編集部員たちが実際に食べてレポートする。

26 イレブンフーズ(新馬場)

品川区東品川1-34-23
 最寄り駅は京浜急行新馬場。
 が、交通費を節約するため、新馬場ではなくJR大崎駅から歩いていった。
 すると本当は大崎から2キロ程度のもんなんだけど、地図を持ってくるのを忘れたため、迷いに迷って1時間半くらい、距離にすると5000mくらい彷徨した末、やっと着いた。すごく辛かった。お腹もすいた。この彷徨のドラマだけでラーメンレポートは30枚くらいかけるだろうと思って席についた。
 そしたら、出てきたラーメンが気狂いラーメン!
★23-47号では…
募金と切手で稚内旅行
 ここに辿り着くまでの艱難辛苦はいっぺんに吹き飛んでしまった。
 イレブンフーズは、ぼろアパートの1階にある、汚らしくて場末な感じの、労務者とかが入るっぽいラーメン屋で、カウンターも汚らしく、前の人の垂らしたラーメン汁がこぼれたまんまで、髪の毛とかもくっついていて、客もやっぱり労務者みたいな人ばっかりで、でもとてもおいしそうな匂いが立ちこめていた。
 こんなに汚いけどラーメンは700円、チャーシュー麺は1000円もする。ラーメンを注文し、期待して待つ。
 ラーメンが来たので「写真撮ってもいいですか?」と聞くと、おやじが
「何だよ、もっと早く言ってくれたらもっとカッコよく作ったのに」
と言うので店じゅう大笑い。隣りの客が私のラーメン見て「充分かっこいいよ!」と言っている。店じゅうの注目を浴びながら、恥ずかしい気持ちでいっぱいになりながら、ラーメンの写真を撮り、座り直し、改めてラーメンを見直すと、ゲ!

 そこには気狂いラーメンがあった。

 本当にびっくりしてしまった。ラーメンの中に巨大な豚の塊が2個、突っ込んである。しかも豚といっても肉というよりほとんどが脂だ。それが全部で500gぐらいあるのではないか?

 こんな気狂いラーメン、食べられるわけないじゃん。

 と思ったので、ひとまず脂の固まりのことは置いといて、ラーメンを食べ、スープをすする。
 するととてもおいしい。おやじが話しかけてきた。
おやじ「写真撮ってどうすんの? 雑誌に載せるの?」
私「はあ。」
おやじ「よく載るんだよ、知らないうちに撮ってて、あとで雑誌出来た、って送ってきたりね」
私「はあ。」
おやじ「インターネットが多いね。200くらい載ってるみたい。あとラジオの取材がどうのこうの…」
と調子に乗ってしゃべるおやじ。


★知らないうちに撮って載せてもいいんだー。車掌ならではの淡々としたグルメ企画は、ラーメンごときを有り難がる世の風潮に一石を投じる…わけでもなく、みんな腹壊してました。車掌スタッフは小食だ。ほかの記事は「伊藤岳人稚内へ行く」「伊藤岳人の職場から47分で行けるところの尾行」「47分の伊藤岳人」など。