【車掌22-3号の立ち読み】

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伊藤岳人の営業日誌

謎のキノコ女出現、やっぱり中野は車掌の時代だ!


★22-3号では…
嶽本野ばらが奥義を伝授
1月10日(金)
 夕方、会社でぐったりしていると、平出さん(元大和書房の編集者で今、フリーでやっている人)から電話があり、銀座に来ているので年始の挨拶をしにいきたいという。なので大西さんと一緒に会いに行く。会社の前のドトールコーヒー。で、席ついて、さっそく「いい雑誌があるんですが……」と車掌をアピール。我ながらさすがにこういう行動もちょっと自己嫌悪になってきた。けっきょく21号を1冊買ってもらうことに。細かいお金が575円しかないというので、25円はおまけ。
■今日の売り上げ
21号 600円

1月12日(日)
 高校時代の美術部の友人たちとの新年会のため、小岩に住む阿部義記宅へ。本当に嫌で嫌で仕方がなかったのだが、酔っぱらった勢いでなんとかがんばって車掌をアピール。が、3人(阿部、信夫、葉山)とも、「全然意味がわからない」「活字の本は読みたくない」「(誌面のデザインが)汚い」など最低の反応で、感触は最悪。それでもなんとか、阿部君には以前原稿を書いてもらったつながりで21号を1冊(しかし結局300円しか出してもらえず半分は自腹)、葉山君には自分の結婚式の写真が掲載されているというつながりで、20号を1冊売ることができた。冷や汗が出た。もう嫌。
■今日の売り上げ
20号 650円
21号 600円(ただし半分自腹)
 計 1250円

1月18日(土)
 と思っていたら、信夫清からこんなメールが届いた。
いとうたけひと様
 写真ありがとうございました。
『車掌』の“営業”企画はどうなりましたか? なんか「あんぱん」と「文庫」のやつ、読んでみようかと最近思いはじめています。後からジワジワと……。プレゼン(?)が良かったのか……。欲しかったら、バックナンバーを申し込めば良いのでしょ。
 では、では、また。

 即効性ではなく、遅効性の営業だったということか。さっそく郵便で「車掌文庫2」を信夫宛に郵送。
■文庫2 350円(ただし今のところ自腹)

★22-3号では…
小林絵理子がコスプレ
1月22日(水)
会社からの帰り道、かなり疲労困憊しながら丸ノ内線に乗り込むと、同じく銀座から乗り込んできた向かいの席の女の人が、カバンから車掌21号を取り出して読み出したので超びっくり。20代前半くらいのOL風の感じの人。
 こんなとき、車掌営業マンとしては、彼女に声をかけてバックナンバーPRのお知らせするべきなのだろうか。
 そう思ったとたん、もう疲れもふっとぶくらい胸がドキドキしてしまう。しかし、隣の席ならいざ知らず、向かいの席で、しかもそのあいだに立っている人もたくさんいるため、話しかけるのは不自然極まりない状況。ナンパと思われたらどうしよう。気持ちを落ち着かせるため、こちらも『リリー&ナンシーの小さなスナック』を読むフリなどしてみるが、やはりどうしても踏ん切りはつかない。見ると、その女性、かなり熱心な感じで、「伝言ハイキング」のページを読んでいる。
 そうしているうちに赤坂見附に電車は着いて、車内はかなり混雑状態になる。これではもう話しかけるのは無理だと諦め、その女性の観察に徹することに。丸顔で茶色の帽子に栗色のコートに黒いパンツ。首にはミント色のスカーフ。一見、普通の勤め人風なのだが、鞄についているピンク色のキノコのキーホルダーだけがすごく変。で、僕の降りる中野坂上駅に着いたところ、なんとその女性も同じ駅で降りるので驚く。これは営業の最大チャンス。しかも彼女は乗り換えではなく、出口に向かっているではないか。心臓の鼓動が最大限に高まるなか、カバンから車掌資料や名刺を出そうと慌てていると、彼女は早い足取りでどんどん改札を抜け出てしまい、駅の外へ。そのスピーディな動きを見たら、すっかり気持ちが萎えてしまう。諦めてしまう。というかホッとしてしまう。小さくなる彼女の背中を立ち止まったまま見送ってしまう。やがて見えなくなる。
(その女性の方、もしこれを読んでいたら、車掌編集部気付「あのときの女は私です」の係まで連絡をお願いします)


キノコキーホルダーのお嬢さんは、ぜひ連絡をして欲しいです。ほかに精神病・小林絵理子がコスプレを語ったり、嶽本野ばらが売れっ子になる奥義を伝授したり、営業特集の中ではもっとも読み応えがある。営業効果がいっこうに出ないためこの号より部数減。なので早めの御購入をお奨めします。