【車掌20号の立ち読み】

完売しました
通販の御案内 / 立ち読み目次 / HOME

げっぷでGO! 第一回
1 東急大岡山駅前「東急ストア」

 平成十二年四月二十三日午前十時三十分、げっぷでGO!第一回がスタートした。スタート地点は東急大岡山駅前の東急ストア前である。一ヶ月のげっぷ値が努力目標の20と全く同じ「20」だった部員(私)を称え、その者(私)の近所(徒歩十分)から始めることになったのだ。ここで本日の参加者を紹介しよう。
[行進隊]
◎前嶋かおる(東担当)
車掌編集部員。日に焼けるのが嫌いで「暑い」が口癖。一日平均げっぷ値は24.35回。
◎坂野貴弘(西担当)
車掌編集部員(当時)。今回の行進中に伊藤から二千円借りたのをきっかけに連絡が途絶えた。
◎伊藤岳人(南担当)
車掌編集部員。色男で人気は高いが、いっしょにいてもつまらない。一日平均値7.32回とげっぷもしょぼい。
◎舟久保文恵(北担当)
車掌編集部員。車掌のおかげでコーヒーが飲めるようになったのはよいが、げっぷに節制がないのが欠点。
◎塔島ひろみ(停止担当)
車掌編集長で「げっぷでGO!推進委員会」委員長で「げっぷでGO!」行進隊長。なのでとても偉い人。頑張りやさん。

[電話参加者]
◎川島直樹
北海道札幌市在住。どんな男か全然知らない。
◎富永路子
東京都目黒区在住。「ゲップ得意です。三ツ矢サイダーがあれば限りなく出ます。いつかこのみがいた技を披露したいと思っていました」と言って参加を申し込んできた女。
◎鈴木信孝
千葉県松戸市在住。年賀状を余分に買う癖がある男。

 電話参加者はげっぷが出たら、即時に本隊の所持する携帯電話に連絡する。5人の行進者、および電話参加者の出すげっぷが、我々の針路を次の通り、決めるのである。

前嶋がげっぷをしたら東へ歩く
坂野がげっぷをしたら西へ歩く
伊藤がげっぷをしたら南へ歩く
舟久保がげっぷをしたら北へ歩く
塔島がげっぷをしたらその場に止まる
電話参加者からげっぷの電話がかかってきたら乗物に乗る

(ただし、電話参加者は自分のげっぷが「乗物に乗る」ための号令であることを知らされていない)

 さて、二十分経過、誰もげっぷが出ない。それで、写真のように伊藤と舟久保は黙祷してげっぷを出そうと集中している。前嶋は写真写りのことだけ考えている。
 その甲斐あって十時五十五分、舟久保がげっぷを出すことに成功した。舟久保は北。我々はまず、徒歩で北へ進むことになった。

2 げっぷの電話、かかる
 この「げっぷでGO!」の針路は、全て方位磁石に頼ることになっている。
 北へ行く道は「大岡山北口商店街」。「金物屋、鳥肉屋、薬のセイジョー、家具屋とかペットフードと園芸の店とか並んでいる」(舟久保)。
 この道を北上中、目黒区南3-11地点で着メロが鳴った。記念すべき第一回の電話参加者からの電話である。
 北海道の川島からで、今(11:02)げっぷが出た、ということだ。川島はただげっぷが出たことを知らせるだけの用件で電話をかけた、世界初の人類かもしれない。
「南3-11 かまぼこの愛川の看板が目立つ」(舟久保)。すぐに乗物がないのでそのまま商店街を北上する。

※げっぷでGO!進行に関わる細則
◇歩行中に電話参加者のげっぷが出た場合
→そのままの方向に歩いて一番最初にあった乗物に乗る
◆停止中に電話参加者のげっぷが出た場合
→歩かないでも乗物に乗れる場所にいるときは乗物に乗る、歩かないと乗物がない場所にいるときは無効となる
◇乗車中に行進者のげっぷが出た場合
→乗物を降り、歩きだす、または降りたところに止まる
◆乗車中に電話参加者のげっぷが出た場合
→乗り換える
◇同じ人のげっぷが続いて出た場合
→進み方変わらず
◆乗物が複数個あった場合
→電話参加者に番号で乗物路線を選んでもらう


まだ細則が続くけど、もう入力がいやになったからやめた。これでまだ1ページちょっと。げっぷの行進は162ページも続くのだ。やっぱりひろみさんはキチガイだ。

20号の特長●進行指揮権をげっぷに全面委譲する壮大な壮大な大行進。
目次…げっぷでGO!/げっぷで聞いてみよう!/げっぷで物語ろう「HAPPY青物横丁物語」/げっぷと遠足/げっぷをひとつになど。