【車掌22-1号の立ち読み】

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図々しいと嫌われる、おとなしいとぎくしゃくする

大物の扱いは、むずかしい

――南伸坊氏のオフィスへ行く

11月14日
 銀座へ。南伸坊さんに会いに行く。おみやげに埼玉名物「十万石まんじゅう」を差し上げる。立派なオフィスに緊張して何も話せなかった。夜、夫と待ち合わせをしていたが、夫が友達の漫画家の丹波さんに用があるというのでついていく。夫が作るミニコミ用に丹波さんの写真を撮り、お礼に車掌をあげよう(売ろう)と思ったが、丹波さんはこれからライブを見に行くので荷物になってジャマなので延期。(とりあえず丹波さんの分を夫に売った)。 (前嶋)

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 歌舞伎座前で待ち合わせ。歌舞伎座直営の「暫(しばらく)」という茶店で、200円のコーヒーを飲みながら打ち合わせ。(経費計12852円)
議題は、「南伸坊に何をお願いするか?」
前嶋が、南伸坊に車掌営業スタッフとして活躍してもらう、という奇抜なアイデアを発表する。
でもそのあと
「南さんは、怒ると恐いような気がする」(伊藤)
図々しいことを言うと嫌われる。好感を持っていたものが、図々しく言われると、台無しになる」(鈴木)
「こちらから言うのではなく、相手の方から言うように導かないと」(前嶋)
とか慎重発言が相次ぎ、私はビビッてしまった。
 私は南伸坊を軽く考え過ぎていた! 南伸坊は、本当は敷居のとっても高い大物なのだ!
 と今更のように教えられ、あとはシオシオ。
 とりあえず、「表紙にサインをお願いする」というのを第一目標にし、あとは向こうが言ってくれるのを待つ、ということに決まり、トイレに行く。トイレから出て、店を出る。
 南伸坊のオフィスは、とても高級感たっぷりなので、とても緊張するオフィスである。
 前は岳人と二人で行って、出された柏餅を、二人はいつのまにか食べ終わっていて、私は食べる時期を逸してしまい焦って頬張ったら、南伸坊に「これはあんぱんとは違いますか?」というようなことを聞かれ、頬張っているので、返答に困り、冷や汗が出た。  それで今日は出たものはパッパと食べることを目標にした。

 さて、とても緊張しながら、我々は持ってきた手土産を柳下方式(全員それぞれが手土産を渡すこと。車掌18号の「人にものをあげる特集」参照)に次々と出す。ミワは福島銘菓の「ままどーる」、伊藤はぎんなん、前嶋は何か忘れ、坂野はいたかどうかすら忘れた。
 そしてサインのことを頼むと、快諾してくれた! しかも今日持ってきた分だけでなく、これからも送れば送っただけ、サインして送り返してくれる、という。
 サインをしている間に、出てきたチョコと柿をすばやく食べる。
 それでサインが終わると、シーーーーンとなってしまった。
 始終ぎくしゃくした会話。


もともと誰ひとり営業向きの人物がいない車掌営業部。大物とぎくしゃくしたまま別れるのか!? ていうより、しょっぱなからこんな調子で大丈夫なのか!? ダメなんだろうなやっぱし…。