旅する言葉 1992年11月
サハラの風とわかった。
日本はもっと様々な事に失敗しなければならない。
夜。またたく星、あれが南十字星。俺はオリオンをかする大流星をみた。
俺は寝転がり満天の星とサハラの風を感じた。
メルズーガを昇る太陽。俺はまっすぐ立てないほど感動した。
11月 4日 1992年 Merzouga,Maroc.
しかし、どうしても行きたいのだ。
そして、それがどんなものか感じてみたいのだ。
11月 8日 1992年 トドラ谷,Maroc.
矛盾してこそ宗教だ。
11月15日 1992年 Marrakech,Maroc.
人の渦巻く広場とすばらしい自然、なんとすばらしいコントラスト。
11月17日 1992年 Marrakech,Maroc.
写真で表現できないもの、写真の限界。それはなんだろう。
写真は、写真でしかない。
今の俺は、視覚でしかイメージを追っていない様なきがする。
本当は視覚以外にもイメージはあるはずだ。
11月18日 1992年 Marrakech,Maroc.
誘われる様にモロッコのサハラへ。
そこで感じたのはチュニジアで吹いていたのと同じサハラの風だった。
今日からまた一人。一人になれなくては。
11月21日 1992年 Essaouira,Maroc.
空が赤く染まりかけたころ、また一隻漁に出かける。
すでに出かけた船たちは、夕もやの中まるで軍艦のように勇敢だ。
潮の引いた波打ち際、カモメは降り立ち、人は歩く。
いったいそこには何があるのだろう。
11月23日 1992年 Essaouira,Maroc.
サハラで見たオリオンをかする大流星、俺は一生忘れない。
11月24日 1992年 Essaouira,Maroc.
毎朝俺は海辺にあるカフェに行き海を眺める。
いつものように“アン・キャフェ・ノアール”と心でつぶやくと、
いつものようにギャルソンがキャフェ・ノアールを持ってくる。
“ボンジュール” そして俺の一日が始る。
11月26日 1992年 Essaouira,Maroc.
写真とはあいまいなイメージを形にする事が出来る。
もちろん完全なかたちではないが、形のイメージを形にする事が出来る。
抽象画とはなんだろう。形を自分のイメージにくずして絵(形)に
しているのか、くずしたイメージをもっていてそれを絵にしているのだろうか。
もちろんバランスとはシンメトリーという意味ではない。
11月29日 1992年 Asilah,Maroc.
むかし、写真を撮られると魂までとられつと思い写真を撮られる事を
嫌がった人がいた。
でも俺は思うのだ、実際魂を一瞬でも吸い取っていたのではないかと。
11月30日 1992年 Algeciras,Spein.