<増刊・95号> 東京人の九州観

関東に引っ越してはや2年半、首都圏での生活で驚いたことなどを、この「増刊号」でも書きつづってきたが(満員電車での通勤ラッシュは今でもつらいです)、あれれ??と思うことが多いのが、東京人の九州に対するいささか的ハズレともいえる感覚。
以下、会社での東京育ちの社員との会話。


「あなた福岡出身? 九州だと冬はコートが要らないでしょう?」
「いいえ、冬でもけっこう寒いんですよ」
「でも奄美大島に住んでいる知り合いが、冬はコート要らずって言ってたわよ」
「あの・・九州は亜熱帯じゃないですよ(^^;」
ううむ。九州も奄美大島もいっしょくたに思えるんだろうなあ。
ウチの実家なんて福岡だけど山間部なので、冬は結構積雪があるんだけど。
「えーっ!! 九州でも雪が降るの!?」と驚かれた経験を持つ九州人の方々、多いでしょうね。
また、九州は福岡も大分も長崎も南国イメージで、宮崎や鹿児島とおなじように考えてるひとの多いことよ。
暖かくて、通りには椰子の木が茂ってて・・という九州イメージ。
わたしも秋田も山形も青森も似たり寄ったりに思えてしまうので、まあわからなくもないけど。


「ごんふくさん、九州出身だそうですね。わたしの友だちが熊本にいるけど、熊本から台湾が見えるって言ってましたよ」
「いやいや、そんなことはありえないです。きっとお友だち、冗談で言ったんだと思いますよ(^^;・・」
「でも、台湾は九州からすぐなんでしょう」
「まあ、福岡からだと飛行機で1時間ちょっとですけど、見えるなんてことは・・与那国島だったら、晴れていたら台湾の島影が見えるらしいですけど、与那国は沖縄本島から500キロ以上離れてますし」
「えーっ、そうなんですか!?」


もう30年以上前、中学生だった頃、学校の教師から「東京の人からは、九州って未開のさいはての地と思われている」と聞かされ、
「テレビも普及して情報化社会なのに、そんなことないだろう」
と思ったものだが、その後、実際に、多かれ少なかれ似たような感覚を九州に対して持たれているのを実感することに。
東京という日本の中心からは、1200キロも離れた、北海道よりも遠い九州ってそんなものなのだろう。
台湾も奄美大島も九州のすぐ近くという、いささかいびつに思える距離感覚も、
「遠くにあるその他おおぜい」といったひっくくりなのだと思う。


今でも東京から九州に引っ越したりすると「都落ち」という言われてしまう。しかし、この場合の「都」って本来は「京都」をさすんではなかったかと思うんだけど・・(語源は京都から太宰府に左遷された、あの道真公かな?)。
昔聞いた話だが、東京から福岡支店に転勤が決まったサラリーマンが老母から、
「天子さまのおられない土地に住むなんて」嘆かれたそうな。


東京から眺めていては見えないものもあるんだろうな、と、辺境の、マージナルな土地で育ったわたしは思ってしまうこのごろだ。
(2009年8月22日)

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