2006年 SPORTS

    大相撲九州場所(2006年11月25日)

大相撲を観戦するのは9年ぶり。このあいだ見に行ったのは、小錦(現・タレントのKONISHIKI)の現役最後の場所だったっけ。

今回見に行くことになったのは、友人Tさんからチケットをもらったのがきっかけ。
実は懸賞マニアのTさん。「明治ブルガリアヨーグルト」の懸賞に応募し、九州場所のチケットが当選したのだ!
もっとも彼女は「ちゃんこ鍋セット」がほしかったそうなのだが・・
Tさんは岡山在住なので、九州場所を見に行くには遠い。それで福岡に住むわたしに、よかったならとチケットを譲ってくれた。

神屋町のパーキングにクルマを停め、福岡国際センターに配偶者と一緒に向かう。
入り口でモンゴルの青い民族衣装を着た男性を見かけた。あ、これはTVでも見たことのある、朝青龍のお父さんだ。千秋楽を待たずして、きょうにも彼の優勝が決まりそうなので、観戦に来たのかもしれない。
中に入ると売店で先に、Tさんのためのおみやげの「すもうクッキー」を買う。

席は向正面の椅子席だ。
つまり、TV中継している方向とは逆を見ることになる。仕切りのとき、行司さんの背中側を見るわけです。
席目指して歩いていると、目の前になんとNHKの「アクション大相撲」でもおなじみの尾車親方(現役時代の四股名は『琴風』)がいて、携帯で話しているではないか。お電話中でなかったら、握手していただこうかと思ったのだが・・(^^;

椅子席は、一番後方のほうだが、意外と土俵は良く見える。
ちょうど中入りの時間。力士たちが登場し、幕内力士土俵入り、横綱土俵入りのセレモニーがはじまる。
よく、上位が外国人力士ばっかりで面白くない、という声を聞くが、モンゴルやロシア出身の力士にも声援がけっこうかかる。
ひときわ声援が高まるのは、やはり地元福岡県出身の大関・魁皇だろう。
個人的には、カド番も10回目におよび、安定感がなく、取りこぼしが多い彼については、
「大関を名乗るのが恥ずかしいよ!」というのが正直なところ。
わたしは地元出身のスポーツ選手はたいていひいきにして応援するのだが、魁皇のふがいない成績にはいつも歯がゆい思いをしてしまう。
つい「ヘタレ大関」などと辛口で言い募ってしまうが、それでも彼にはこんな大声援が。
地元って、ありがたいよね。

高見盛が登場すると、取り組み前の独特のウォーミングアップのしぐさひとつに掛け声がかかる。
しかし、中入り後前半で一番場内が盛り上がったのはやはり、この時点まで2敗で、全勝の朝青龍の次の勝ち星を挙げていた豊真将だろう。彼が負けて3敗になればその時点で、朝青龍の優勝が決まってしまう。
玉春日と力のこもった長い相撲。大相撲だ。
はらはらしつつも豊真将が玉春日の突き落としをかわして下すと、場内の歓声が一段と大きくなった。

一番人気の魁皇が登場するも、新鋭の稀勢の里にあっさり負けてしまい、館内からは落胆のため息が。
そして結びの一番は、朝青龍対琴欧洲。ここで琴欧洲が勝てば、優勝争いが千秋楽までにもつれこむことになるのだが、結果、朝青龍は琴欧洲に相撲を取らせず、すぐに土俵に転がすことに。
14日目で朝青龍の九州場所3連覇にして、19回目の優勝が決まってしまった。
そのあと、観客からはあきらかに、歓喜ではなく、やけっぱちのように紫色のざぶとんが土俵めがけて飛ばされた。
おいおい、そんな投げ方やめようよ。結びのあと、皇牙が弓取り式をやってるのに、失礼だよ。

館内には、外国人の姿が多く見られた。かれらが「エキサイティング」とか「ソー クール!」なんて話しているのが、英語が苦手の私にも聞き取れる。
こういうスポーツは日本にしかないですからね。

実際にナマの大相撲を現場で見てみると、TV中継とはずいぶん感じが違うことに気付く。
TVは勿論、力士中心の映像になるが、生で見ると、逆に力士以外の人々の動きにも眼がいく。
呼び出しさんがしょっちゅう、土俵を掃いているところ。
きちんと掃いていないと、きわどい勝負のときの判定で、土俵際についた足の形がよくわからないからだ。
呼び出しさんの仕事は文字通り、次の取り組みの力士名を呼び出すことのほかに番付表を書いたり、懸賞金の旗を持って土俵を廻ったりと、多岐にわたる。

行司さんの衣装もほんとうにきらびやか。
ナマで見ると金糸銀糸がきらめいて見える。オレンジ色や紫の派手な衣装の行司さんも次々登場。

土俵入りしたお相撲さんは、取り組みの本番が近づくにつれ肌が上気し、どんどん肌が紅く染まるところが、遠くからでも判ったりする。
大型力士同士のぶつかり合いとなると、館内に「ドスッ!」という音が響き、
「おおっ、すごい!」と観客も思わず声をあげていた。

取り組みが終了し、混雑した国際センターを出ると、やぐらの上でふれ太鼓が威勢よく鳴りつづけている。バチさばきが見事なものだ。この太鼓の響きが暮れなずむ博多の街に溶けていき、ああ、終わったなあという気持ちになる。
そして儀式にのっとった伝統芸能もいいものだなあ、と思う。
それにしてもふれ太鼓の音色ってどうしてあんなに粋なんでしょう。
大相撲とはいわば様式美なのかもしれない。