杜の都、ミステリーの都(仙台に行ってきました2008年4月27日〜28日)

配偶者が宮城県古川市に出張となった。仙台の近くである。
わたしは東北地方へは、いまだ足を踏み入れたことがない。
それもあって、せっかくだから仙台に一緒に出かけようか、ということになった。
配偶者の出張は日帰り扱いだから、宿泊費は当然出ません。念のため(^^;


福岡に居た頃、やはりゴールデンウイークに仙台旅行を計画したものの、調べると仙台行きの飛行機はすべて満席で、断念したことがある。
昨春、関東に引っ越しても、東日本の距離感覚がイマイチわからない九州人のわたしは、東京から仙台へも飛行機利用が多いとばかりに思っていた。
ところが、JR東日本の駅に置いている東北地方への旅行パンフを見ると「新幹線利用の仙台日帰りツアー」なんてのがあるではないか。意外と東京から仙台は近いのだ、と初めて知った次第だ。


仙台といえば杜の都、どくとるマンボウ北杜夫氏のペンネームの由来にもなった土地だ。
わたしの友人夫婦は東北大出身だし、加えて伊達政宗のお膝元、そして30年前のヒット曲「青葉城恋歌」が今でも浮かぶ。
しかし、ここ2年ばかりは「仙台」といえば真っ先にイメージするのが「伊坂幸太郎の小説」なのである。


伊坂氏の愛読者ならご存知だと思うが、千葉出身ながら東北大を卒業した彼は、卒業後も仙台にとどまり、システムエンジニアを経て、作家専業へ。そしてその作品の舞台として、数多く仙台が登場。
架空の街ではなく、出てくる地名も、実際の町名らしい。
小説に登場した場所を、実際に歩いてみたいなあ、と前々からわたしは考えていた。
「アヒルと鴨のコインロッカー」は映画化もされて、仙台でのオールロケだったので、「仙台の街」と言うとつい、映画に出てくるシーンが浮かんでしまう。


4月27日は10時20分東京発の「MAXやまびこ」に乗車。東北新幹線に乗るのも初めてだ。
これは2階建て新幹線。一度、2階建ての列車に乗ってみたかったのでこれを選んだが、「MAXやまびこ」は東海道・山陽新幹線でいえば「こだま」。それで小山や宇都宮や福島など各駅停車になるので、ちょっと時間がかかる。
それにしても東北新幹線の上野駅って地下なんですね。


北上していくと、車窓の光景がだんだん変わってゆく。
東京や千葉ではとうに桜が散っていても、こちらではまだ散り残った桜が沿線に見られたり。
そして山々の植生が「北方系」に変化。九州の山の木々とは明らかに種類が違うな、と思う。


各駅停車なので2時間半近くかかっての到着。
お昼は「冷やし中華」を食べることにした。ガイドブックによれば、冷やし中華って仙台発祥の名物料理なのだそうだ。これもわたしは初めて知った。
一般に飲食店が「冷やし中華始めました」と幟や看板を出すのはかなり暑くなってからだと思う。早くても6月上旬だろう。しかし、仙台の街のあちこちで、「冷やし中華」の幟のかかったお店を見かける。やっぱり郷土料理の一種なんだなあ、と納得。
「北京料理 龍亭」にて、ごまだれの冷やし中華を食す。シコシコした歯ごたえのある麺で、おいしかったですよ。


冷やし中華。1260円です

「青葉城址」へも行ってみたが、この言葉どおり城あとであり、石垣や櫓の一部しか残っていない。
福岡城址みたいな感じですね。
お城へ向かうバスに乗ると広瀬川を渡り、どんどん小高い山を登っていく。
道の両側には広々した東北大学が見える。いかにも「キャンパス」という感じ。
サークル勧誘の看板も見えたりして、つい伊坂幸太郎の小説に出てくる大学生を思い出す。
芽吹き始めた新緑が次々に繰り出されるように車窓に広がり、すがすがしい。


青葉城址は、伊達政宗像ぐらいしかこれといって目玉はないが、仙台市街が一望できる風景がすばらしい。
歩いて上れば途中で息切れするのは確実な高台で、典型的な「山城」だ。


27日当日は、仙台駅前からバスに乗っておよそ50分、市の郊外にある「秋保(あきう)温泉」に泊まる。
山の中の静かな温泉街で、露天風呂も広くてなかなかよかった。
外ではウグイスの鳴き声も聞けたし。
宿で買った笹かまぼこを、わたしの実家と配偶者の実家へ発送してもらう。


翌28日は、念願の仙台の「伊坂ワールド」を歩いてみることにした。
駅のコインロッカーを見れば「ここに神様が閉じ込められているのかな」と思うし、駅前の高架歩道橋は「チルドレン」陣内永瀬を思い出す。


駅から歩いて「定禅寺通り」へ。
通りの両側にも、そして中央分離帯にも、こずえが高いケヤキの木が新緑の季節を迎えて、はっとするほど美しい。
ここは中央分離帯が遊歩道になっているのですごくゆったりした通り。
歩くだけで森林浴できるというか、気持ちがリフレッシュする感じだ。


ケヤキ並木が美しい定禅寺通り

さて、通り沿いにある市役所の前へ。
ここは市民広場になっていて、伊坂氏の最新作「ゴールデンスランバー」にもクライマックスで登場する。
重装備の警察やマスコミが注視の中、容疑者が現れて・・
う〜ん、ここでロケをするとなると大変だろうなあ。
そこから南下していくと、仙台市を南北に貫く「東二番町通り」という大きな道路があるのだが、ここを見ると
「『ゴールデンスランバー』で金田首相がパレード中に暗殺される場所だ!」とドキドキ。
それにしても、人気作家の小説に、自分の住んでいる街がたびたび登場するなんて、仙台市民がうらやましい!!


東二番丁通り。両側には大きなビルが立ち並んでます

さて、今、仙台といえば「楽天イーグルス」。最近、わりと好調である。
なんでも今年の楽天のキャッチフレーズは「考えて野球せい!」だそうな。
いいですねー、やっぱ野球は筋肉だけじゃできないよね、野村監督
27日は地元でマーくんこと田中将大投手が完封勝ち。
ひょっとして「楽天が勝った翌日はコーヒー半額です」なんて喫茶店がないかと探したが・・ありませんでした。
楽天グッズのお店ものぞき「考えて・・」の文字入りグッズがもしやないかと、これも探したが空振りに終わった。


仙台市内の主だった観光ポイントを1時間、250円でぐるっとまわる観光バスがあるそうなので、それに乗車。
昨日と違う、反対側から上るルートで青葉城址を通り、再び広大な東北大キャンパスを眺めながら市街地へ降りてくる。
古川市での仕事を終えた配偶者が仙台へ戻ってきて、いっしょに遅めの昼食。
せっかく仙台に来たから、とここは牛タンを頼むことにした。
思ったよりもお肉が柔らかく、とてもおいしい。
ただ、温泉旅館の食事でもそうだったが、全体に食事の味付けが塩辛い気がした。
やはり東北という土地だからだろうか。東北の人が九州で食事をすれば「甘すぎる」と思うのだろう。


帰りは全席指定の「はやて」に乗車。
いわば東海道・山陽新幹線の「のぞみ」版。
だから仙台を出ると東京までは、大宮と上野にしか止まらない。そのためわずか1時間42分で東京に到着。
こうしてみるとずいぶんと仙台は近いことを実感した。


仙台の街の第一印象は杜の都というだけあって緑が多く、とてもそれが美しいということ。
ちょうど新緑が輝く、いいシーズンだったのも幸いだった。
そこそこ都会で、ちょっと田舎のところなど、福岡市となんだか似た感じだ。
仙台駅前には高層ビルが並び、再開発がかなり進んでいるのだな、と思う。
31階建ての高層ビルは、最上階に展望ルームがあって、無料で上ることができる。
仙台から北西に見える泉ケ岳はいまだ雪をかぶっていて、ここが北の国であることを改めて思う。
それにしても、この展望ルームの眺めは本当にいい。無料というのもうれしいところ。
六本木ヒルズの展望室なんて、1500円も取られるんだから・・。


また行ってみたくなる仙台の街。
伊坂氏の「重力ピエロ」も映画化が決まったが、やはりまた、仙台ロケの撮影をやっているんだそうだ。
どんな場所が画面に登場するか、今から楽しみである。

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