2004年2月沖縄旅行のつづき
| 路線バスに揺られてちょうど1時間。バスの窓の向こうはさとうきび畑。国道331号の左手には海が広がる。斎場御嶽(せーふぁうたき)の案内を見つけてあわてて下車。そこから400メートルほど歩いていく。 ここは琉球開闢の始祖・アマミキヨが創ったという神聖な場所。世界遺産にも指定されている。巨石が神秘的な雰囲気。この前で手を合わせながら、琉球の神様のお導きで、いろんな雑念を拭い去ってもう少ししっかりした人間になりたい、としんみり思う。 斎場御嶽からは「久高島(くだかじま)」の島影が見える。民俗的にも重要な「イザイホー」という祭りが行われることで有名な神の島(池澤氏はコラムで、わざわざこの島が見える場所に家を建てたと書かれていた)。 当初は斎場御嶽を見たらすぐ那覇へ戻ろうと考えていた。でもせっかくここまで来たのだ。久高島は目の前。船着場も坂のすぐ下に見える。そこへいってたずねると、島へ渡る船(海上タクシーみたいなもの)はすぐに出せるが、ひとりだと片道2800円だという。次の定期便は1時間半ほど待たないといけないので、帰りの飛行機の時間が厳しい。少々高いが思いきって船を出してもらうことにする。 ボートを大きくしてエンジンが付いただけのこの船、予想以上に揺れる、揺れる! 波がそんなに高いわけでもないのに、上下に左右に、まるでジェットコースター並みの揺れが来る。わたしは悲鳴を上げそうになるのをこらえて、曇天を映してダークグリーン一色の海面を見つめていた。 海岸から見ると泳いでいけそうな近さに思えたのに、島はけっこう距離がある。船で20分ほど。ちょうど博多湾に浮かぶ能古島と港との距離ぐらいだ。 久高島では港、というより岸壁に船は横付けになり、わたしはよっこらしょ、とからだを伸ばして岸壁に手をついてついに上陸。 |

久高島より海を望む
| この島は人口は260人ほどだという。港近くには住宅、学校、食堂、民宿などが並んでいるが、道を歩きつづけていると、人がまったくいなくなり、畑と向こうには森が見えてくる。海岸のほうへ行こうとしていたら墓地に出た。沖縄独特の亀甲墓だ。なにぶんお墓なのでそろりそろりと歩いて海の方へ出てみた。波打ち際はきれいなエメラルドグリーンがにじんでいる。曇天だったのが残念! カラリと晴れ上がれば、海の色がもっと鮮やかだったろう。でも2月の沖縄ってあまりお天気がよくないそうだから。 静かで小さな、神が舞い降りたという島。首里城からは真東に当たり、太陽はこの島から昇る。そんな島に、俗世の垢まみれの九州人がうろうろしているのだ。 でも「とうとうこんな遠い島まで来てしまったなあ」となんだかこれも感慨深い。池澤夏樹氏の愛読者であるわたしが、池澤氏に惹かれ、曳かれて福岡から久高島まで辿り着いたのだから。そうだ、「イザイホー」を主題にした池澤氏の小説があったっけ。帰福したらまた読み返してみよう。 |

民宿「ニライ荘」

「ニライ荘」は猫屋敷だった!!
| ところで島の港のそばにコロニアル風の建物があるな、と思ったら「ニライ荘」という民宿。で、近づいてみるとなんとお庭に猫がいっぱい! 写真に写っている以外に、玄関のところや庭の奥などわたしが見つけただけでも7匹も猫が。とっても気に入りました。もし今度久高島に泊まることがあったら、ぜったいここにします! 帰りはちょうど定期便のフェリーが1時に出るので、それに乗船。島の小学生たちが先生らしい男性と乗り込んできてはしゃいでいる。さすがに大きな船ともなると往きのときみたいに揺れなかった。やはり20分ほどで安座真港に到着。 那覇へはまた東陽バスに乗車して戻る。しかし斎場御嶽と久高島で2時間近く歩き回ったせいかすっかり疲れて、バスの中で眠り込んでしまっていた。 当初は全然久高島に行く予定などたてていなかったのに、島がわたしを呼んでいたのか?? あの猫たちは元気にしてるだろうか、と島の猫たちを思い出している |