| 直島ふしぎ紀行(2006年5月5日) その1 |
| 岡山市在住の友人・Tさんから半月ほど前に「直島」のことをメールで教えてもらった。もともと東京在住のMさんが計画していたことなのだが、瀬戸内海の小さな島・直島に潟xネッセコーポレーションが建てたユニークな美術館があり、そこへお嬢さんとGWに行くのだという。 地図で調べると岡山の宇野港から船で20分ほどで、岡山かと思ったら香川県に所属する。初めて聞く名前の島だ。 わたしもなんだか行きたくなり、結局わたし、Tさん、わたしの高校時代のクラスメイト・Nさんも合流して直島旅行の計画を練ることになった。 インターネットで接続のいい電車・船・島内のバスの時間を調べる。5月5日の当日は、わたしは博多から新幹線で、東京からTさんの家に前泊していたNさんは岡山から、そして岡山の実家に帰省中のMさんは、小3のお嬢さん、お母様と一緒に一足早く、朝いちで直島に向かい、うまく合流できたら島で会おうね、ということに。 わたしが乗車するのは、7時28分発東京行きのぞみ。連休中で混雑しそうなので30分早く駅のホームへ。まだすいていて自由席に乗られた。以前は博多から岡山までは新幹線で2時間以上かかっていたと思うが、「のぞみ」なら1時間40分足らずでもう着いてしまう。 瀬戸大橋線のホームへ急ぐと、すでにNさんとTさんの姿が。Nさんは去年のお盆、Tさんは去年の6月以来の再会だ。 この列車はそのまま瀬戸大橋を渡って四国へ行くので「茶屋橋」で乗り換えて宇野駅で下車。駅からすぐの宇野港は瀬戸大橋開通以前、高松港とむすぶ「宇高連絡船」が通う要所だった。学生の頃この連絡船にわたしも乗ったことがあるが、港の風景はもうすっかり忘れていた。 島に着いてからは食事をするところがどれくらいあるかわからないため、船の中で出航前に、博多駅で買った稲荷すしのセットを食べる。乗った船は50人ほどが乗れる小ぶりの「ブルーバード」号。小さな島々が船から見える。 20分足らずの滑るような航海で船は直島の「本村港」に到着。この時間だと、博多港から志賀島に渡るくらいの距離かな。 本村港は小さな船だけが発着する港。大型フェリーは、島の反対側の「宮浦港」へ航行している。本村港へ降り、猫もやっと通れるような細い路地を歩いて通り抜けると、そこはちょうど島内を走るバスが発車するところだった。 だがバスは、都会の市内を走っているような大きさと違う、いわゆるマイクロバス。車内はぎゅうぎゅう詰めだ。多分みな、島にある美術館に向かうのだろう。 大型のバスにすればこんなに混まないのに、と思ったが、島の中を走り出して納得。起伏が多く道路は狭い。これだとマイクロでないと離合は無理だ。 バスは「つつじ荘」止まり。そこから先は美術館行き無料シャトルバスが来るというので待っていて乗車したが、これがまたひどいすし詰め状態。細い山道を揺られ、立ったままのわたしたちはヒヤヒヤしながら座席や車内の壁に手をついてふんばっていた。 |
「ブルーバード号」からの海上の眺め。ここまでは電池がもっていたのだ。
| ようやくお目当ての「地中美術館」に到着。ここではクロード・モネの「睡蓮」を展示していて、ぜひ見たいと思っていた。ところが受付で「今から入場できるのは16時半です」と告げられる。ええっ! 16時半! まだ午後1時前だというのに。そんなに入場者が多いのか。そういえば宇野港で直島の地中美術館は2時間待ちという張り紙があったっけ。ただし整理券を渡されるので、ずっと3時間以上、そこで待たなくてもすむ。 それで少し離れたところにある「ベネッセハウス」に先に行くことにする。再び混雑するシャトルバスに乗り込んで今来た道を引き返す。Tさんが携帯で連絡を取り合い、まだMさん一家がベネッセハウス内にいることがわかり、入り口で落ち合うことにした。 ベネッセハウスは1992年に完成、コンクリート打ちっ放しのいかにも現代ミュージアムという感じがする、安藤忠雄設計の建物だ。 Mさん一家はすでに見てまわったあとなのに、今から入館するわたしたち三人にまたつきあってもらう形になって申し訳ないが、Mさんにもお嬢ちゃんにも2004年の11月以来で会えて嬉しい。それにしてもMさんもTさんもNさんも20数年、ぜんぜん年をとっていないように見えるのはナゼ? ストーンサークルみたいな木片を丸く敷き詰めたオブジェ、ウォーホールの絵画、ウルトラマンの人形を鏡の前にぎっしり並べたオタクアート? などなど、現代アートの展示。館内の通路は歩いていくうちに2階なのか1階なのかわからなくなる。芝生を敷いた庭に出て、日焼けを気にしながらすわっておしゃべりをする。眼下に広がる海がきれいだ。見事な晴天でほんとうに絵に描いたような行楽日和。ただ、まったくドジな話だけど、わたしのデジカメの電池が切れてしまい、せっかくの風景を全然撮影できずじまい!! とても残念です。 館外にもオブジェが設置されている。海岸に降りて海を眺めつつみんなで見てまわる。砂に埋まり半分突き出たボートは漂着物? かと思ったら「切断された船首」という作品だった。 好天に加え気温も高く、Tシャツでもいいほどの汗ばむ陽気だったが、海岸に出てみると海風が吹いてきてとても気持ちがいい。瀬戸内海をフェリーやタンカーが行き交っている。 ところで海岸でベテラン編集者のMさんに「ごんふくさんは斎藤美奈子、好きでしょ?」と言われびっくり。なんでわかるんだ? 斎藤美奈子さんは出る本出る本買っているし、切れ味鋭い評論が小気味よくて愛読して久しい。わたしの言動や性格から考えてきっと斎藤さんのファンだと思ったに違いないが、さすが長年の付き合いに加え、編集者という仕事柄のMさんならではの観察だ。来週には岩波から新刊が出るから読むのが楽しみだよねー、とお互いに語り合う。 |