| 行けば、宮古〜なぜか突然の宮古島旅行記(2004年3月20・21日) |

池間島の海岸を歩く
| その1 反則モノの海 それは配偶者のひとことから始まった。 「今度、宮古島に出張になるかもしれん、しかも週末に」。 「ええっ、宮古島!? わたしも休みだからそれなら一緒についていく!!」 そんなわけで、ふってわいたように宮古島行きが決まってしまった。 3月20日、旅行当日は6時前から目が覚めてしまう。遠足前の子どもといっしょである。まだ見ぬ南の島に胸ときめかし、ガイドブックを数日前から取り出し、予習としてボーダーインク社の「読めば、宮古」をまた読み返すわたしと対照的に、配偶者は「オレは仕事で行くっちゃけんね。遊びに行くとじゃなか」と至ってクール。 まず8時40分福岡発のJALで那覇へ向かう。万が一飛行機が遅れたときのことを考え、乗り換えのJTA(日本トランスオーシャン航空)は12時10分発。それまで時間があるので、那覇空港内の店で早めの昼食にする。つい先月、那覇に来たばかり。まさか2ヶ月続けて沖縄に行くことになろうとは・・ JTAは昔は「南西航空」という社名だった。羽田〜宮古線っていっときは日本の国内線で最も長いフライト区間だったはずだ。「南西航空」というなんとも味わいのある名前が横文字に変えられてしまって、作家・池澤夏樹氏がずいぶんと惜しんでいたのをエッセイで読んだことがある。 生まれて初めて乗るJTAは、バスで滑走路の端っこまで移動してタラップから乗り込む。座席がちょっと窮屈。那覇からさらに50分のフライト。地図で見ると沖縄本島から南西方向へかなりの距離だ。福岡では桜の開花宣言が出たとはいえ、気温は12度ほどで、まだ上着やコートも必要だが、これなら宮古はかなり暖かそう。 一度手にしてみたかったJTAの機内誌「CORAL WAY」と、沖縄観光ガイドブックの宮古島の項目を読んでいるうちに機体は降下を始める。窓からは宮古島の島の輪郭がくっきりとわかる。もうそれだけでワクワク。 とうとう、宮古までやって来てしまった。シャツの上にジャケットも着てはきたが、すぐに「こんなの持ってくるんじゃなかった、荷物になるだけ」と後悔。やっぱり暖かい。福岡でいうと6月上旬の感じではなかろうか。 宮古空港はユニークな建物で、屋根の形が写真で見たインドネシアあたりのそれを思わせる。タクシーで宿泊のホテルまで15分ほど。でもまだチェックイン時間前なので、ホテルの近くを配偶者と二人うろうろ歩き回ってみる。半生のカツオ節を売ってる商店、大きなゴーヤーが店先に並ぶ八百屋、なぜかホテルの前には「博多ラーメン・長崎チャンポン」の食堂が。 配偶者の業務は明日朝9時から。本人はあくまで仕事で来ているので、観光情報は何も調べていない、という。それでわたしが「池間島に行ってみようよ」と提案。宮古島の北にあるさらに小さな島だ。ガイドブックではクルマで45分というので少々遠そうだが、せっかくここまで来たのだ。仕事だけして帰るのは勿体無いではないか。 沖縄のタクシーの運転手さんは、実に親切だ。目的地に着くまで、自分からいろいろと観光ガイドをしてくれる。池間島へ乗せてくれた運転手さんも、とちゅう、さとうきびの刈り入れ風景の様子を車窓から教えてくれたり、クルマをとめて「宮古馬」を見せてくれたり。子馬もいっしょにいて、とっても可愛かった。 運転手さんによれば、宮古には「山」がないそうだ。一番高い「山」は100メートルほど。そういわれてみると、見渡しても視界をさえぎるような高い山はない。山がないので川もなく、海に流れ込む土砂などもない。それで海がとてもきれいなのだ、と言う。 そしてその言葉どおり、いや言葉以上の海をやがて目にすることになる。 |

グラデーションになった海の色が見事!
| 池間島には長い橋が架かっているが、橋に近づくとそこに、息をのむような美しい海が広がり出した。橋を渡って改めて池間島の海岸から宮古島を望むと、そこに横たわっていたのは、なんと表現していいよいかわらないような、絶妙な色の海。 コバルトブルーと、コーラルグリーンが溶け合い、吸い込まれそうになる。「すごい! きれい!」もうそれだけで言葉にならない。なんてきれいな海なんだろう。 こんな海の色、本土では絶対に見られない。近づくと海水はあくまでも透明で澄んでいてとてもきれいだ。思わず手を出して海水を掬ってみる。ため息が出るようなこんな海なんてはじめてだ。 配偶者はポツリと「この海、反則」と言う。そりゃそうだ、こんなとてつもなくきれいな海を見せられたらもう、本土の海で泳ぐ気がしないではないか。毎年出かけている(それでも福岡ではかなりきれいだと思っている)糸島半島の野北海岸が、とたんに色あせて思えてしまう。 観光ガイドブックでは、たしかに絵に描いたような、海と池間大橋の美しい写真が掲載されていた。だからこそ、まずさいしょにここに行こうと思ったのだ。でも観光写真はあくまでイメージづくりだから往々にして、カメラマンは実物以上の写真を撮る。だが、実物は写真をはるかに凌駕する美しさだった。 この海の色は奔放なようで調和が取れている。珊瑚礁がつくる、まさに自然の奇跡。島には観光バスがやってきて関西から来たらしい団体さんが降りてくるが、みな「海の色が本土と全然違う!」と興奮気味に口にしていた。 タクシーを停めてもらって池間大橋の上から下をのぞくと、これまた透きとおった海水に びっくり。見つめていると体がコーラルグリーンに染まってしまいそう。 その後は「砂山ビーチ」へ向かう。ここの海岸は格段に砂粒が細かくて、真っ白でサラサラのパウダー状。まるで小麦粉のようだ。福岡の海岸などは長石が多いため黄色っぽいが、こちらは珊瑚が細かく砕けて真っ白な砂山になっているのだ。地元の高校生らしい一団はTシャツのまま、泳いでいる。わたしもズボンをまくり上げて、膝のあたりまでつかってみた。水は全然冷たくない。これなら陽射しが強ければ泳いでもよさそうだ。などと思ってると大きな波が来て、シャツの裾まで濡れてしまう羽目に。 本土だと4月でも夜ともなればかなり気温が下がって、上着なしでは肌寒いこともある。ところが宮古島では夜でも気温が下がらない。夜風が気持ちいい。 夕食は、宿泊したホテルの近くの商店街でみつけたうなぎの店。宮古でうなぎ!? と思ったが、これがけっこうおいしい。福岡では柳川市のうなぎが名物だが、こちらはタレがけっこう甘口。宮古のはタレに泡盛が入ってるそうで、わりとあっさり味。これもなかなか美味しかった。 行けば、宮古 その2へ |