20年目の卒業旅行〜鹿児島の旅(2005年10月9・10日) その1
わたしは九州生まれの九州育ちですが、意外なことに鹿児島には今まで一度しか行ったことがありません。23年前、大学時代に、鹿児島大学医学部に通う高校の同級生をたずねて遊びに行ったのがその唯一の鹿児島旅行。
どうも福岡からは中途半端な距離で、最近では「鹿児島や宮崎に行くんなら、いっそ沖縄まで足を伸ばす」という感覚なので、ますます足が遠のく結果になっていました。
今回は大学時代の友人たちと「卒業20周年」の記念に、少し遠出をしようと計画した旅行。昨年春に九州新幹線も開通し列車で行く鹿児島も近くなりました(もっとも新八代〜鹿児島中央駅の部分開通ですが)。それにしてももう、大学出て20年か・・うーん、年を取りましたね。
博多駅から鹿児島本線新八代駅までは特急「リレーつばめ」で1時間35分ほど、博多駅と熊本駅で友人達とそれぞれ合流する。
九州新幹線「つばめ」への乗り換えはわずか3分、向かいのホームに停車中の車両に乗り込む。木製の座席が車内を明るい雰囲気にしている。
しかし、すでに乗ったことがある人から聞いていたものの、鹿児島までは本当にトンネルだらけ。山間部に貫通させてるからこうなるのだが、車窓の景色はほとんど見られない状態だ。「鹿児島本線」はもともと海岸沿いを走っていた。23年前、水俣駅を過ぎて窓の外に広がるエメラルド色の海に思わず息をのみ、「南国の海はやっぱり色が違うなあ」と感激した経験はもう出来ない。
新幹線はさすがに早く、新八代から鹿児島中央駅まではわずか30分。以前は特急で博多から鹿児島まで4時間近くかかっていたが、今回は2時間20分足らずなのでずいぶん所要時間は短縮された。

   
九州新幹線「つばめ」の外観と車内の座席

鹿児島中央駅は以前は「西鹿児島」という名称だったが、新幹線開業を期にショッピングモールを備え大幅に改装された。これはJR九州が各駅で展開している「アミュプラザ」という形態。そのため同様の「アミュプラザ」を持つ小倉駅や長崎駅に酷似したつくりになっており、「どこかで見たことがあるような駅」と感じてしまう。
さて、みんなで昼食。アミュプラザの中にある食堂街内の、
「白くま」で有名な「天文館むじゃき」へ行く。そうです鹿児島では「白くま」を食べるんですよ(^^)。
白くまって、お肉じゃないですよ・・えっ、白くまをご存知ない!? そういう方のために説明すると・・
かき氷に練乳がかかってますが、これがなんともおいしい。練乳かけ、というよりミルクセーキのようなもっと濃厚な味。
このお店では「やきそばとしろくまセット」というメニューを注文。やきそばにかき氷がついてくるメニューなんて、全国でも鹿児島だけかも(「白くま」は宮崎や熊本など南九州に広く生息してるようなので、他県にもあるかも)。トッピングのフルーツもおいしかった。


これが「白くま」だ!

今夜の宿泊地は「砂むし温泉」で有名な指宿(いぶすき)である。駅で指宿枕崎線「なのはなデラックス」を待つ。この珍妙なネーミングに首をかしげていると、やってきたのは黄色一色の車両。この路線の沿線にある「開聞岳(かいもんだけ)」のふもとは、春、まっさきに咲き乱れる菜の花で有名だ。その菜の花の黄色をイメージしたのだろう。
このローカル線に乗り換え、左手に錦江湾を見ながら列車は南へ向かう。きょうは曇っていて、桜島がよく見えないのが残念だ。むかし
司馬遼太郎「翔ぶが如く」を読んだとき、冒頭に出てくる錦江湾の描写の秀逸さにうなったことを思い出す。


指宿は思っていたより遠かった。鹿児島中央から快速で約1時間かかる。博多から来たわたしは、これで九州を縦断したことになる。駅前はがらんとして何もない田舎町だが、タクシーで宿泊する旅館に着くと、周りはいくつも温泉宿が建ち並んでいた。
さっそくみんなで夕食前に「砂むし温泉」に行くことに。浴衣だけ着て海辺の砂場へ向かうが、連休ということもあってか「30分待ち」の札が。まさかここで浴衣を着たまま行列するとは・・。
砂むしとは、テレビや写真で見たことがある方も多いと思うが、温泉の熱で温められた海岸の砂の上に横たわり、からだの上に砂をかけて首だけ出してすっぽり埋まり、10分ほどそのままじっとしている湯治だ。
わたしはすこし粘って15分近く蒸されてみたが、からだじゅうじんわりと熱い熱が浸透していく感じで、全身温湿布状態である。上にかけられている砂もけっこうずっしり重い。
つい最近、はやりの「岩盤浴」に行ってみたが体を横たえている床が硬すぎて、かえって体じゅうがこわばってしまい逆効果だった。しかしここは砂場なので、地面は体の形にぴったりしているわけだ。
そのうちびっしょりと汗をかいてくる。サウナとおんなじ。砂場には時計が据えてあって、それで時間を見はからい、よいしょっと立ち上がる。お腹の上の砂の重量があるので、力を入れないといけない。そのあとはシャワールームで砂を洗い流すが、お肌がツルツルになったような気がする。これを毎日続けたら、美肌効果間違いなし。


夕食はさすが海のそばの町ということもあってか、お刺身がおいしい。マグロの身も締まって歯ごたえがあるし、カツオのタタキも美味だ。温泉旅館の料理は多すぎて残してしまうことが多々あるが、きょうはきれいに平らげる。
ユニークなのはテーブルの中央に温泉を引いて、そのお湯を利用して温泉たまごをつくってくれるところ。鹿児島名物として名高いさつま揚げも、すぐその場で揚げてくれるのだ。
夜、館内の大浴場に入るが、「砂むし」で汗を大量にかいて疲れてしまったからだろうか、そのあとテレビを見ながら、友人達が次々と眠り込んでいく。わたしもつられるように眠気を感じて、いつのまにか寝入っていた。

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