審査員のコメント

 今回の第49回技能検定ではキリモミ式の二人が受験、何れも合格。それに加えて今回はタイム認定テストが3件ありました。
 タイム認定テストはまだ開始まもないこともあって認知度が低いというだけでなく、当検定協会の1級合格者であることが受験資格であるので受験者はごくまれです。

 まず2件の技能検定についてですが、
  堀江昭利さんは今回1級を受験しましたが何といきなり失敗してしまいました。ご自身の分析によるとふだん試みたことのない方法つまりヒキリイタをクッションのある座椅子の上に置いて作業したことで失敗してしまったようです。ふだんは床の上にヒキリイタを置いてやっているそうです。
 さて通常のばあい2回目はランクを下げて受験するのですが、堀江さんはもうずっと前に2級に合格しているのでランクを下げての受験に意味はなく、規則によって2回連続1級テストに合格するしか道はありません。そこで2回目・3回目と連続2回の1級テストをふだんどおりの方法つまり床上にヒキリイタを置く方式で受験しました。その結果素晴らしい好成績で合格しました。
 堀江さんの2回目の成績は火種ができるまでがわずか16秒で、また開始後33秒で炎としました。また3回目のテストでもわずか17秒で火種、33秒で炎となりました。つまり、技能がきわめて安定していることを示したわけです。しかもこのタイムは歴代5位です。(歴代1位が30秒で二人、歴代2位が32秒で二人います)

 和田博樹さんは、学校の縄文クラブの顧問をなさっておられるようで、すでにキリモミ式には馴染んでおり技能はしっかり安定しているのですが、検定受験は今回が初めてです。用心のため、受験申請書では低めに3級を申し込まれました。テストでは1発で3級合格となりました。しかも1分6秒ですから、きわめて2級に近い好成績でした。

次にタイム認定テストについてコメントします
 
 飯田信弘さんはキリモミ式1級保持者で2011年に合格しています。そのときのタイムは22秒火種、45秒炎でした。
 今回のタイム認定テストでは、19秒で火種を作り、34秒で炎を作ることに成功しました。このタイムは大幅な自己更新記録です。しかも歴代6位ということになります。

 もう一人のキリモミ式受験者は火種が出来る直前にヒキリギネの先端が破壊してしまい作業不能となりました。失敗のばあい受験者の氏名は公表しません。

 最後にヒモギリ式によるタイム認定テストは次のお二人のチームで行われました。
   佐藤 晴美(公立学校教諭、海老名市在住)
   飯田 信弘( 公立学校教諭、相模原市在住)
 このお二人のチームは第37回検定(2012.11/3)で1級合格、そのときのタイムは18秒で火種、30秒で炎となっています。今回記録されたタイムは、火種が11秒、炎が23秒でした。これは大幅な記録更新で、歴代1位タイ記録です。もちろん発火最速記録一覧表に掲載されます。