第 45 回 検 定 の 成 績(結 果)


  第 45 回 検 定 合 格 者
       第45回古代発火法技能検定は、2014年11月3日(月)11時〜13時まで、神奈川県相模原市、勝坂遺跡公園内、縄文竪穴住居内で行われました。この日の受験申し込みは6件で、その内訳はキリモミ式5件、ユミギリ式1件でした。受験者は秋田県秋田市から一人、相模原市からも一人、相模原市の中学生一人、相模原市の小学生二人の計5人で、内一人がキリモミ式とユミギリ式の両方を受験しました。この日の検定は「縄文祭り」の中で行われたこともあって見学者は数十人にのぼり、検定会場である竪穴住居内は満員状態でした。検定は大勢の見学者の見守る中、約2時間にわたって行なわれました。合格者は次のとおりです。

★キリモミ式4級合格者(キリモミ4級は3分以内)

   鈴木 光喜(無職。秋田県秋田市在住)
     〔炎作成状況:受験申請は3級でしたが第1回目は発火に失敗。第2回目は規則により
      ランクを下げて、4級に挑戦。開始後1分59秒で火種を確認。開始後2分17秒で
      炎作成に成功しました。
       鈴木さんは定年退職後、自分ひとりで古代発火法に取り組み、発火具も本を見たり
      しながら一人で材料を集めて一人で作り、一人で練習してきたそうです。これは見事
      というほかはありません。 〕
     
   川之上 哲也(会社員。神奈川県相模原市在住)
       〔炎作成状況:受験申請は4級で、第1回目に1分 53 秒で火種を作成、2分
       14秒で炎作成に成功。一発合格でした。 川之上 哲也さんはこの1ヶ月ほど前
       に古代技術を楽しむ会に初めて参加し、そこでキリモミ式発火法を学び、家で練習
       していましたが、今回はじめての検定受験でした。 〕

   大川 黎音(相模原市立南大野小学校6年生。神奈川県相模原市在住)
        〔炎作成状況:受験申請は3級で第1回目は発火に失敗。第2回目は規則により
         ランクを下げて、4級に挑戦。開始後2分8秒で火種を作り、開始後2分40
         秒で炎作成に成功。4級合格となりました。 〕

★ユミギリ式4級合格者(ユミギリ4級は2分以内)

   鈴木 光喜(無職。秋田県秋田市在住)
        〔炎作成状況:受験申請は3級で第1回目は火種が出来ず失敗。第2回目は規則
         によりランクを下げて、4級に挑戦。開始後49秒で火種を作成。開始後1分
         39秒で炎作成に成功、4級合格となりました。鈴木さんはユミギリ式発火具
         も自作しました。〕

   
     審 査 員 の 講 評

縄文式竪穴住居の中での古代発火法検定は、今年で3回目になります。何れも11月3日の文化の日に開催された「縄文祭り」のなかでの検定です。縄文住居の脇では「矢じり作り」「アンギン織り」「古代火起こし」などの体験コーナーもあり、すこし離れた場所では弓矢の体験や土器の野焼き、などの体験もできました。大人も子どもも大いに楽しみました。
  今回の第45回検定は、薄暗い縄文住居の中で、しかも沢山の見学者の見守る中での検定なので、かなりのプレッシャーがあったと思います。
  プレッシャーがありますと、ふだん出来ることでも、できなくなることがままあります。今回は不合格となった小学6年生の一人と中学生一人は、何れもふだんは上手に発火作業をこなしているようです。とくに中学生の方は1級を受験しており、ほんのわずかのタイムオーバーで不合格となりました。その作業を見ていても確実に火種を作ったし確実に炎に変えています。ほんの9秒の遅れで不合格となりました。いかにも惜しかったと思います。見学者の皆さんは、炎になった瞬間、拍手の嵐を送りましたが、ストップウオッチの結果を聞いて9秒オーバーを知り、あちこちからため息がもれました。
 見学者からの反応は「きてよかった」「次は自分も挑戦したい」「木を摩擦して火を起こすのをはじめて見て感動した」など好意的なものが多く聞かれました。検定受験者の皆さんも、かなりの張り合いを感じられたのではないかと思います。