STORY.PT2.

2012年02月18日
月がみている
抱きしめると小さな息をついて、ほんの少しだけ身体が震えていた。
「イルカせんせい・・・・」

もう何度もこんなふうに抱き合っているのに、
イルカ先生は何時もはじめてのように身体を震わせた。


「こわいですか?」

低くカカシはささやいた。


イルカは小さく首をふった。

「まどのそと・・・」





イルカは外に視線をおくる。

「えっ?」

「月がみているんです」


「いつも・・・」



カカシは安心させるようにキスをした。





愛の行為は何時だってイルカ先生は受けるのが精一杯。


俺はますます夢中で彼を抱いた。









月の灯りがうっすらと、暗い部屋にさしこんでくる。


暗がりの中でイルカ先生の身体を月灯りがてらす。


(きれいだな)



声にだすと、きっと彼はまた恥じらってしまうから、



自分のなかで言う。






月灯りの中、イルカ先生は安らかに眠る。




またおもわずキスしてしまう・・・。




”月がみている”


確かにそうかもしれない。




きっと月は俺とイルカ先生に焼きもちをやいているかもしれない。




「邪魔しないでよ」



カカシはカーテンを閉めた。






再びするりとイルカの隣にもぐりこんだ。



そっとたおやかな身体を抱いて、


今宵も朝まで・・・・・。



090525、
2012年02月11日
チョコよりも甘く
口から吐く息が白い。


今年の冬は一段と厳しいとテレビのニュースではいっていたが、
確かに寒い。


木ノ葉の上忍のはたけカカシは、居酒屋でキムチ鍋を注文した。
これならば、きっと彼も喜んでくれるはず。



”今夜は残業で少し遅れます”




カカシは先にビールを注文した。





早いものだ、今年ももう2月を過ぎた。

ついこの間、神社でおみくじをひいた。

確かみくじは「凶」だった。





「ふうう」


カカシはポケットから煙草をだして1本加えた、

たまに吸いたくなる。





あ〜あ〜〜





カカシはぼんやりと想像していた、

今夜待ち合わせている彼の事を、


ほんのりと香る甘い匂いのする、イルカ先生はまるで春の妖精のようだ。







できるなば、

その手をとって、何処か誰も住んでいない、

南の島で二人で暮らしたい。



無人島計画。


にんまり、


無人島には服はない

あるのは葉っぱだけ、


裸のイルカ先生に葉っぱは萌える。






ああああ〜



つう。

きがつくと鼻血。





ああ〜いいい〜^



この男少しおバカであった。









「すみません、遅くなりました」


「いえ、先にいただいていました、先生、ナマでいいですか?」
「はい」




黒い髪に揺れるしっぽ、


潤んだ黒目が魅力的


キュート、イルカ先生。










「もうすぐあの日ですね」



夢中で空腹のイルカはキムチ鍋をつつく。、


今夜はチャプチエにトッポギ、ナムルも旨かった。



あの日?
イルカは少し動揺した。






「イルカ先生、来週14日の夜、俺とあってください」

14日、そうだ、あの日だ、


にっこり、


イルカは微笑んだ。















とはいったもの。



本当はスイートな晩なはずが・・・・。





ぽつん。


深夜一人帰宅したイルカは部屋に座りこんだ。







”ずいぶんおそかったわね”

”おまえ、こんな時間までなにをしていた”



何処からか声が聴こえてきた。


イルカの部屋の壁にかけられている、鏡から声は聞こえた。






鏡の中から、イルカにそっくりな男女があらわれた。



それは、イルカの父と母。


ってさあ、この二人16年前の九尾事件でなくなっているって、この間アニナ
ルでやっていたはずなのに!!




まあ、それは横においておいて、




「イルカもう来週ね」
「え?ロックリーのアニメですか?」

「馬鹿ね、あんたがイルカ星に帰ってくる日よ」

「そうだこれで、うみの一族はみんなで暮らせる」


「楽しみだわ、母ちゃんずっとこのひを待っていたのよ」
「でも・・・・・」
(カカシさん・・・)

イルカは複雑だった。


そう、俺はイルカ星からやってきた宇宙人。


笑えよ。





ただ、この木ノ葉のある地球という★の人々は優しかった。

イルカは缶コーヒーを飲んだ。








「あら、この香りは?」

母は鋭い。


イルカのへや のたんすの上の赤い包みを見つけた。

「そ、それは・・・・・・」


カカシさんに渡すチョコ。




「まあ〜イルカってば、母ちゃんにプレゼントなんて、素敵だわあ」


まて、母ちゃん、俺は一言も母ちゃんにとはいっていない。




「それは・・・・・」


喜ぶ母親には逆らえない。


(ごめんね、カカシさん)











俺がうみの星に帰るのは、皮肉にも
バレンタインの夜。




午後8時。

むかえが星からおとずれる。





これは俺が生まれた時から、すべてきめられていた、俺の運命だと、父ちゃ
んはいう。





ずるずる。



この旨い一楽のラーメンももうすぐ食べれなくなる。



残された数日イルカは、毎日、ラーメンを食べた。




成長したイルカの生徒、ナルトやサクラともあった。


生徒たちはイルカのほこりだった、


かけがえのない、人ばかりだ。










「やめてえええ!!」

「まてよおお〜かかしい」
「せんぱい〜〜うっふううん」


カカシはライバルと後輩に
両腕を掴まれていた、


ピンチだ。

折角のバレンタインの夜に、

何故この二人に邪魔されるのか?




(イルカせんせええ)




カカシは二人を突き飛ばして、街を駆けた。

空から、ちらちらと雪が降ってくる。




ガイもヤマトも負けなかった、

すぐにおいついて、

カカシを囲む。



「さあ、共に青春の熱きフオークソングを歌おう、」

「いえ、A×B48の曲を踊りましょうセンターは先輩ですから」


”つうか、そういう問題か!!”



カカシは印を組んだ。


二人の前から姿を消した。










"しゃん、しゃん、もおお〜〜もおお〜^”



空から、大きな牛がひいたそりが、下りてきた。


それは、イルカを迎えにきたそりだ。





「さあ、帰るんだよ、イルカ」

「はやくしなさい」

「はい・・・・」


イルカは気をとりなおし、牛のひくそりに乗った、


そりは空高く飛んだ。






(カカシさん、最後にあえなかった)





イルカは両親とともに、星に帰ってしまった。


















(なにあれ?)

カカシは夜空に不思議をみた、


牛がそりをひいていた。







イルカのアパートは綺麗にかたずいていた。

おぜんに1枚の手紙。




カカシはそれを開封して、座りこんだ。





今夜は恋人達にとって、もっとも甘い夜なのに、
おれには、最も寒い夜だ。



手紙には移転先他の星の住所がかかれてあった。



銀河系、中央区、3丁目字、大字ブラックホール左入る、イルカ星。
うみのイルカ。



なんて、ふざけた住所なんだか、





カカシの恋するイルカ先生は宇宙人だった。






ウソだろ。





カカシはごくごくとやけ酒をあおった。









悲しみを忘れるよう、彼は日々、任務にあけくれた。




あれから、もう1カ月はすぎていた。




「おい、カカシ」

”こんこん”


カカシの部屋の窓を誰かがたたいていた。

「とおさん」



「遊びにきたぞ」

「うん、あがってよ」



カカシの父サクモはここだけの話、時々よみがえる。




ぶらっと、来ては飯を食っていく。




「今日はお前の知りたい情報をもってきた」


「はい?」


「うみのさんの一人息子の件だ」

「はっ!!」

カカシの顔がかわった。




「あの住所は、父さんの住んでいる星の隣だ」


「そこつれていって、父さん!」

「お前にはまだはやい」

「でも・・・・」

「わかるよ、父さんもうみのさんが好きだから、でも奥さん怖いから・・・」
「まあ・・・でも・・・・」


「いずれは会えるさ」


父は、カカシの焼いた秋刀魚を食べ帰ってしまった。






俺はどうしても、イルカ先生に会いたかった。


またあの優し笑顔がみたかった。




”ずどどどん”


”どてっ!”




悩むカカシの前に黄色い頭のあの人が現われた。

「せ、先生!!」


四代目火影波風ミナト。
ナルトのぱぱだ。





「カカシ・・・・腹へった・・・」
こけ。

先生は空腹で倒れた。


カカシはあわてて、出来あいのカレーライスをだした。


「うまいいいい」


「相変わらずですね、ミナトせんせ、」


「いきかえったよ、カカシ、そうだ、お礼に何か願い事とか叶えてあげるよ。
ふふん」

「まじ?じゃあ、イルカ先生に会いたい」

「イルカに?」



「すきなんです」


「いいよ、ただし、条件がある」

シリアスな顔でミナトは言う。


「カカシのはいている、赤い毛糸のパンツと交換だ」

「ひっ!!」



カカシは大事な毛糸のパンツをさしだした。






ミナト先生はパンツを手に消えた。


あのパンツ何につかうのか?

奥さんにばれたら、

半殺しだろう。

















広い公園を二人は散歩していた。



薄いピンク色の桜が美しかった。



誰もいない早朝の公園。

二人は手をつないで、あるいていた。




イルカは、ミナトのはからいで、イルカ星から再びもう少し木ノ葉の里で暮ら
せるようにしてもらえた。
イルカの両親に頼んでくれたのだ。





「イルカ先生、ずいぶん遅くなったけど、チョコレート」



カカシは渡しそびれたバレンタインのチョコを差し出した。


「ふふふ。もう春ですよ、カカシさん」


ふんわりと笑う貴方はまるで、春の妖精。





その柔らかな頬にカカシは軽くちゅうをした。



チョコよりも甘い。

あなた。



120210.
2012年02月04日
黒い恋人
スキップをしながら、人間は怒ることは難しいとどこかの誰かの言葉にあっ
た。



確かに・・・。

通常の状態では、それは難しい。




今、俺は強力に怒りが爆発しそうだ。



木ノ葉の商店街の中、アカデミー教員、うみのイルカは怒りながら、スキップ
をしていた。





「ねえ、いの、あれ、イルカ先生じゃない?」

「あら、ええっ!?何してんの?いい大人がスキップ?まじ?」

商店街でタイ焼きを食べていた、山中いのと春野サクラは、自分のアカデミ
ー時代の教員の姿に唖然としていた。



「ねえ、イルカ先生って何時も笑顔だったような・・・・」
「怖い顔しているわ。にこにこしているけど、あれは仮の顔で、ホントは・・」

「なにか悩みかしら、告白してふられたとか、

「誰にも話せない秘密とか・・・ふふふ」




スキップを怖い顔で駆けるイルカを二人は見守った。



「でも、イルカ先生って、怒ると超怖いとか?ありえない?」
「あるある、でも原因はストレスかしら?」

「おとなって大変ね」


ははは。

タイ焼きをかじり乙女たちは、きゃらきゃら笑った。










後日。


”ぶるぶるぶる”




木ノ葉の里の後少しで火影になるほどの彼、はたけカカシは部屋で怯えてい
た。

火影候補の彼が怯えるとは、余程の事だ。






スキップ事件はしっかりと、カカシの耳に入った。



(ま、悪いのはおれなんだけど)




カカシは現在うみのイルカと交際していた。。



らぶらぶな二人だが、


つい、カカシはうっかりと里のくノ一たちとの呑み会に参加してしまったの
だ。



酔っ払い、美しいくノ一と盛り上がりその晩は帰りが午前さまだった。



「カカシさん、なにかあったんですか?・・げっ!女臭い!!」



カカシからただよう女の香り。



しかも複数だ。



イルカは衝撃のあまり、倒れた。




愛しい恋人に裏切られたダメージは大きい。








「はい、どうぞカカシさん」

低く感情のない声でイルカは、お皿に焼き立てのホットケーキを乗せてカカ
シにだした。

彼は無表情だ。

「これは・・・まじですか?」

「ええ、はちみつたっぷりどうぞ」



(拷問だ!!)



甘いものが苦手なカカシは、額の汗をぬぐった。




日頃優しいイルカ先生は、



本当は鬼のようなぱねえ、ひとなのか?



にっこりとイルカは微笑んだ。


ホットケーキに蜂蜜をかけてくれた。


「さあ、どうぞ前菜です」

「ひいい〜〜〜」


カカシはドンびきした。


前菜ってなに?



まさかフルコースこれ?




「これから、カカシさんには、俺が苦しんだぶん、苦しいおもいをしてもらいま
す、ハンムラビ法典です」


”ぶるぶるぶる”







カカシは逃亡をこころみた。



その時、


部屋の窓から、うねうねと樹木が入ってきた。





「て、て、ヤマト・・・」


なんで、今度はヤマトが登場。




「先輩、随分、楽しい呑み会だって、ききましたよ、ねえ、イルカ先生」


きいいい、





暗部時代の先輩に好意をもつヤマト。




カカシはホットケーキを口にした、


甘いだけだ。



「さ、カカシさん今度はスープですよ」



イルカは黒いスープを運んできた。



「スープってぜんざい・・・・」


涙がでた。




その姿をヤマトがカメラにおさめた。


きっとその映像は、暗部の仲間たちと楽しむのだろう。



さぞ笑えることさ、

笑うなら、

笑いやがれ、








カカシはイルカのだすすべての、料理をたべつくした。





イルカに謝罪のつもりで、





「ご苦労様です」



にっこり、イルカ先生は微笑んだ。


満足そうな微笑みで、手には氷の入った水を持っていた。



「すみません、もうのみかいにはいきせん」


「そうですか、よかった・・・・怒ってゴメンナサイ」


「許していただけるんですか?」



「はい、これ、のどかわいたでしょう」

「わ、流石イルカ先生優しい」


カカシは差し出されたコップの水を一気にのみほした。



そして、力つきた。



それは、砂糖水だった。


馬鹿につける薬はない。



「そんな、怖い先生も好きだああ!!」



尚、ヤマトが撮影した映像は現在里の動画サイトに投稿され、話題になった
そうです。



110702.






2012年01月28日
熱い友情 後編!!(ふあいああ〜)ふるいです・・
「ま、そんな訳で、熱いぞお〜カカシ〜」

”そんな事件があったなんて”

ガイから、カカシとイルカのデートの話をきかされ、

アスマは汗をぬぐった。

タバコを灰皿に押しけした。

「土曜日って、明日のか?」

「そうだ、今日はわくわく金曜曜日の夜」

ガイと二人で酒を飲んでアスマはわくわくなのか?

ガイはわくわくなのか?

少しキモイ。


「カカシ、それで先に帰ったのか」


そういうわけね。


ううん。








その頃、わくわく金曜日の夜、カカシはピンク色の入浴剤をいれ、丹念にボ
ディケアをしていた。

勿論、むだ毛も処理していた。

鍛え上げられたボディにはオイルをぬった。

仕上げに、巣●でしか買えない、赤いぱんつ。

気のおはやいことで、






彼との初デート、

気張るのは当然だ。


カカシはクローゼットをひらいた。



高級そうな衣装がずらり、

カカシは豹柄の服を手にとって、やめた。

「ああ〜ゆめみたい〜イルカせんせ〜」

うれしさのあまり、彼は部屋の中を回転した。


「おしてえ〜おして〜べっとにも〜うふふ」


エキサイトな夜。

カカシは頭がとんでしまったようだ。



その晩、彼は興奮がとまらず、
ヤマトのところに夜中に電話して、2時間しゃべりまくったそうだ。
(迷惑な先輩)









残念な事に天候は雨だ、




イルカは自分の持っている服の中から、滅多に着ない、スーツを選んだ。


なんせ、あの★の高級なレストランにはいるのだ、


そう、ディナーを食べに行く。


相手は残念なことに女性ではない、

あのはたけカカシ先生だ。



ま、にこにこ笑ってご飯をいただいて帰ろう。


ちなみにイルカは朝から何も食べずにいた。

空腹はつらい。



ごちそうの為だ!

すべては、ごちそうの・・・。






「♪♪♪」




イルカは楽しそうに自分のアパートをでた。









アスマは雨の中、イルカのアパートのそばに立った。


二人がデートしたら、終わりだ!!


絶対、俺がとめるのだ。


アパートの階段をたたっと降りてくるしっぽを、確認した。







赤いネッカチーフを頭にまいて、イルカは水玉のワンピース姿をしていた。
「いるか〜はやまるな〜〜」


イルカはにっこりとほほ笑んで、



ダッシュした。

「!!!」


「待て!!」



アスマもそれを追う。






わくわくな金曜日の夜、昨夜はイルカの事で頭が爆発しそうで、アスマも寝
不足だ。

ここで、作者から、「そんな心配なら、何故電話しないのだ!」


いや、アスマはそれほどまで、悩みすぎて、行動までまわらなかっただけだ。






走るイルカは偽のイルカだった。
偽者はガイの変化だ。



カカシとの「熱い友情」をおもうと、初デートは壊せないのだ。





ガイは水玉のスカートをひるがえし、雨のなか走った。



「はぁはぁはぁ」



何て速さだ。



アスマでも追いつけないとは。


彼も雨に打たれながら、


走りつづけた。










「うわあテレビと同じ」


イルカは高級を絵に描いたとおりの、レストランの前で、

中に入るのを躊躇した。


まるで、西の国の
映画にでてくるホテルみたいだ。



にしても、カカしさん、目印に胸に薔薇は、今時わかんねえぞ、そのギャグ。




イルカは数秒ぼおっとした。



「うみの様ですか?」


「あ、はい」

黒いスーツの紳士だ。



「はたけ様が御待ちでございます。さあ〜こちらへ」






イルカはただ、黙って、緊張して紳士について歩いた。


豪華すぎだ。



店はまぶしすぎて、


夢の世界にいるようだ。





イルカはレストランのVIPルームにとおされた。



特別な個室を利用できるのは、里には、ごく限られた者だけだ。




(どおしょう)






「はたけ様、お連れいたしました」


「そう、いいよ、はじめて下さい」





「かしこまりました」





聞き覚えのある、素敵な声にイルカは顔をあげた。

(ううおお)

きらきらと輝く美貌、それが、カカシさんなのか?


イルカは心臓がばくばくした。



「どうぞ座ってください、イルカ先生」



「は・・・・・あ・・・」



綺麗な青年は頬を染めて恥ずかしそうに言う。



純白のスーツに胸に目印の薔薇。

(ああ、カカシさんだ、間違えない)






「あ、そのう、カカシさん、俺、いえ私は・・・・そのどうしたらいいのですか?」


イルカは気を取り直した。



こんな超セレブな店で超イケメンのカカしさん、と夕飯?

「いつもどうりやりましょう、ここね、親父の友達の店で、サービスしてもらえ
るので」

にこにこカカシは笑った。

イルカもつられて、にこにこした。






運ばれてくる料理は、ネットでみたものと同じだった。



味わった経験のないものが多い。


(うまい、いきていてよかった)

イルカは涙ぐみそうになった。


「イルカ先生、どうしました?」

「いいえ、コンタクトにごみがはいったです」
「あのう、今夜来てくれてありがとう」

「いいえ、こちらこそ、盆とクリスマスと正月がきたようなお料理を」






食後のスイーツを食べながら、二人は幸福そうだった。


イルカ先生は、カカシが思ったとおりの、かわいいひとだった。



カカシは勇気をだし、イルカの右手を持つ。

「あ?」

「すき・・・すき・・・秋刀魚の塩焼きより・・・あなたのこと・・・」


”ああっ!俺言ってしまった!”


「おともだちから、はじめましょう」


「は、はい!」

★★★★★


甘いスイーツをとり、

二人は甘いムードで席をたった。




「いつの間にかやみましたね」
「ええ」




傘を手に空を見上げた。








「うううう〜〜くるしい〜〜〜」


そうそう、誰か忘れてませんか、


逃げる怪しいイルカを追いかけアスマは木ノ葉を駆け廻った。


追って、追っておいかけて、

イルカ、こんな足速いのか?

上忍のおれが、敵わないとは、


まいった。

アスマは少しだけ休もうと立ち止まり、タバコを取り出した。

気がつくとそこはイルカの暮らすアパートの前。


アスマは、凹んで、座りこんだ。


時計をみると11時すぎ。


(よかった)


イルカは、カカシに合わずにすんだんだ。


これで、今夜は安心して眠ることができる。



(ったく心配させやがって)

タバコもうまい。

ほっとした、その刹那。

「あれ?アスマさん何してんです?」
「え?いやだ、アスマじゃないの?」


「は?」


アスマが目撃したのは、


なかよく、イチャイチャムードで歩いてくる、カカシとイルカ?



「うわああああ〜〜」


アスマは吠えた。



全力で駆けだした。




「あれ?あいつなんで走っているの?」

「さあ」



二人はクスクスと笑う。



「あの、カカシさんお部屋でコーヒーのんでいって・・」
「うん!」



お友達から、だよね、?ねえ〜

イルカ先生。




マイトガイ、木ノ葉一、友情に濃い男。




100416.










2012年01月21日
熱い友情 前編
「何時ものお店」
ここは、そんなたわけた、名前だった。


木ノ葉の上忍クラスが集う居酒屋はツマミも旨く居心地もよかった。


「もうすぐ9時だね。・・さ、良い子はおうちに帰る時間だ」

”じゃあね”


一人の上忍が立ち上がった。


長身で、銀色の髪の彼はこの里では知らない者はいない。

はたけカカシ。


「おいおい、マジかよ、もう帰るのか?」

「わるい、お疲れ様!!」

「最近付き合い悪すぎだ!」

「全く」


カカシと同席していた男2名が、ブーイング。


特徴のある濃い眉に、暑苦しい、里の珍獣と唄われたマイトガイ。


もう1名は、髭にタバコが似合う、猿飛アスマ。




彼らはカカシ同様、里のトップクラスの上忍。





カカシとは子供時代からの仲で、特にガイはお互いのアソコをトイレで見せ
あう?(きゃあ!)間だった。




カカシはスタスタと店を出た。








「なんだか、この頃変だよなあいつ・・・落ちつかないし、テンション高いし、も
しかして春?まさかね」




アスマは新しいタバコの箱を開けた。

木ノ葉でもタバコが値上げした。


余談だが、




「そう、ふふふ、まさに、春が来たのだ、あいつにも」




ガイは何か知っているのか、にやにやと笑った。





「おい、お前さんだけが、知っているのか?・・・教えろよ」


ガイは右手をアスマに差し出した。

ただでは、このネタは教えたくないようだ。






「生憎、今夜はあまり持ち合わせがない、」

アスマはポケットから、キャンデーを取り出しガイの手に乗せた。



「しけてんな」


「そのあめは凄いんだ、チョウザさんのお手製、誰でも大きくなれるんだ」


それは凄い。



「そう、カカシは恋におちた」


「は?」



ぽろりとタバコが落ちた。


慌ててアスマはタバコを拾った。



「恋って、まさかあの男が・・・・そんな」




忍としては超エリートのカカシだが、恋なんて縁のないオトコだ。



いままで、彼にはういた話もない。



スクープだ。


カカシは何時も自来也様の書いたえろい本を愛する「妄想君」


「なあ、ガイ呑め、のめ、今夜は俺のおごりだ」



「おお、すまんね」


「で、どんな女だ?」

「おんな?じゃないんだ」


「げっ、げげげ!!」


アスマはどんびきした。


女でないければ、後は同性しかない。



よりによって、同性愛。



更にアスマはを衝撃が襲うガイの言葉。





「お前さんのよく知ってる、男だ、・・・うみのイルカ、あのイルカ先生」

「い、いるかああああ!!!」



アスマの口からくわえた煙草が飛んだ。





うみのイルカとは、アスマやガイの弟子たちが、アカデミー時代の教員だ。



アスマの父、三代目火影、ヒルゼンが我が子同様に可愛がっている男で、

アスマにとっては弟のような、存在だ。


その大事な弟に・・・・


あの、カカシが・・・・・。



”ずきずき”



ハンマーで頭を殴られ、


目から、火花がでそうだ。


「よくねえ〜〜絶対、よくねええええ!!」



イルカが男と付き合うなんて、



あっては、ならんのだ。




カカシは悪いオトコではないが、





こんな事が三代目に知れたら、


”もんもんもん”






その時から、猿飛アスマの心配ストーリーがはじまった。













本当のところ、ガイはカカシから、恋の相談をうけていた。


まあ、ガイに相談するのは何かが違うと皆さんも思うだろうが、



カカシは誰かに話したかっのだ。



「恋をすると、人間は変わるんだ・・・例えばこのめざしが、高給マグロにか
んじたり、キューりがメロンに見えたり」


(みえるか!)



「俺の人生はプライスレスだ!!」

「おお!まさに熱い青春!」



夢みる瞳で、カカシは頬を染めていた。



「それで、カカシ、もうイルカとはデートしたのか?」

ぷるぷる。



寂しそうにカカシは首をふる。


「だめだ、だめだ!.・・・いいか、男なら、押しておして、おしまくれ!!」



「そんな・・・・はずかしい」




もじもじ。



カカシはガイに手を合わせた。


「たのむ、俺のキューピットになってくれ」

「え?きゅーぴーちゃんに?」

「いや、キューピーではない、なんでもいい、協力して」



「うむ」

ガイは腕を組んだ。

「俺のライバルはお前だけだ!!」




”がしっ”


「おおおっ!感動したぞ、我がライバルよ、]




なんて、事が数日前にあったんだね。














友情に熱いガイは、カカシが一晩かかって書いた手紙を持ち、


受付を占拠した。



この日はイルカは受付の勤務だった。



「ご、ご苦労さまです」


何も知らないイルカは、にこにこと書類を確認して処理をしていた。


そろそろ、3時。


おやつタイム。


今日は少し贅沢をして、「あんまん」を買った。



平和なおやつタイムのはずが・・・・。







「いるか!!いるかあ?」


部屋中に響きわたる、
ガイの大声。



イルカはかじりかけのあんまんをもったまま、立ち上がった。



「はい、ガイ先生なんですか?」


「きいて喜べ、お前に恋をしている男からの恋文をあずかって来た!!」


どどん!



「えええ?えええええ!!1」


”ざわざわ”




イルカは心臓がばくばくした。



イルカの同僚たちが、二人を注目した。


「お、おとこお〜〜いやああ〜〜」





とりみだし、イルカはおやつを床に落としてしまった。


汗がふきだす。





「あ、あのう、冗談ですよね、そうだ、そうに決まっています」

”ぴっ”

ガイは親指を立てた、



「ほんき、の大本気、これを読め!!」



イルカに白い封筒を渡す。



差出人の名を読み、イルカは驚愕した。



「はたけ・・・カカシ?うそお」



あのナルトの担当の、カカシさん。





イルカは手紙を開封した。



「愛しのイルカ先生」


一度ゆっくりと二人の将来の事を語り合いましょう。
つきましては、次の土曜の晩、7時に「木ノ葉亭」で豪華ディナーでも。
わたしは、目印に胸に白いバラをつけています。






汚い字で書かれていた。




「豪華ディナー・・・あの★★★★★のレストランで」




超セレブな店。




イルカは食べ物に弱かった。






つづく。


次回は来週末を予定しています。

2012年01月09日
お正月カカイル2012
毎年だけど・・



元日。

正月だ。

めでたいな。



お餅食べた。


お酒飲んだ。


横になって寝た。



お菓子食べた。


お酒のんだ。


そのまま寝た。



2日目。

おせちをたらふく。


勿論お餅。


こたつで寝た。



ビール。

チューハイ飲んだ。



ぼりぼりぼり。

イルカは残りのポテチを食べた。
「ち、ちょっとお〜あんた、何してんですか?」

「はい>」
「2月は目前ですよ、そんなに食べて」
「そうでしたね」

「ドレス着れないですよ、もう〜〜」

「カカシさんが代わりに着てくださいよ、きっと綺麗です」

「マジッスか?」

「まじです」

”こくこく、


再び酒。


「もうすぐ、俺達結婚式です」


今年も先がおもいやられますね。


もう、正月は終わりですが・・・。





正月も終わり、イルカ先生は今、毎日激しい夜のエクササイズで、オンリー
にむけ、身体を鍛えています。


120101
2012年01月03日
おひさまぽかぽか 仔カカイル
小さなイルカは何時もお父さんと待ち合わせをする公園に一人で遊んでいま
した。


黄色い小さなお花が公園にはたくさん咲いています。

ぽかぽかと暖かな太陽をイルカはみあげました。


この公園に来る楽しみがイルカにはありました。

時々ここで会う銀色の髪の優しいお兄ちゃんががいます。


イルカは黄色いお花をつみました。


「イルカちゃん!」

イルカが声の方をむくと銀色の髪のお兄ちゃん。

お兄ちゃんはカカシという名前です。


ちょこちょことイルカは走りました。

まるで仔犬のようです。

「はしったら、危ないよ」

「これ、おはなつんだの。カカチにあげる」

「え?たんぽぽだね」

「うん」

「きょうはお父さんは?」

「あとでおむかえ」








二人はブランコに乗りました。



長く寒かった冬も終わりで、ここ数日は風の匂いも違います。

春がきたのです。




「イルカちゃんは、うみのイルカ?」

「そう、カカチは?」

「はたけカカシ、カカチじゃあないよ、カカシ」


「か、か・・・ち・・・」

そう言ってやんわり微笑むイルカちゃんは春の妖精のようです。





カカシは少しどきどきしました。


何故だかこの小さなイルカちゃんといると、胸がたかまるのです。



それが、恋というものだと知るのはカカシがもっと大きくなってからのことで
す。











やがて、イルカちゃんに似た黒髪の優しそうなお父さんがおむかえに来まし
た。


「カカシ君、今日は伯父さんがおくってあげるから」

「でも、一人で帰れます」


カカシ君はまだ5歳です。


ぺこりと頭をさげ、カカシはイルカちゃんから、もらったお花を大切にお家に
帰りました。









大きなコップを探し、お花を飾りました。



「へえ〜たんぽぽか、花なんか飾って珍しいなあ?」


カカシの父、サクモは不思議そうに大人びた子どもの変化に気がつきまし
た。


カカシはその花をじっと見つめています。





「ふん、お前好きなこが出来たんだな」

「えっ?」



ふふふ。

父さんは楽しそうに白い歯をだしました。



カカシは真っ赤な顔をしています。






春のふんわりとした風に乗って、


小さな恋は始まりました。







これ、何だろう?




イルカは本だなを整理して、おし花を見つけました。




色あせたそれはたんぽぽ。




子供の頃のわずかな記憶がよみがえりました。




「これ・・・あのときの・・・」



小さな自分とカカシ。


もう一度、出来るなら、あの頃に帰りたい。



楽しくておひさまが、ぽかぽかしていた、あの日々に・・・。





誰もがそう思うように、



「お〜い、イルカ、早く、遅刻するよ」

「うん、カカシ、待って」



鞄を持ち、部屋を出た、イルカと玄関で待っている、銀色の髪の美貌の青
年。


そんな二人に春の甘い風が吹いた。




おひさまぽかぽか。


09年ごろです。


★スタートです。
2011年12月30日
眠るまえに
最近、イルカ先生が眠る前に本を読んでくれる。


まるでアカデミーの生徒相手のように、


やさしく。

やさしく。



俺は気がつくと夢の中。




本を読んでもらった夜は不思議とよく眠れる。





「イルカ先生、たまには俺に話をさせてくださいよ」

「わあ〜ホントですか?」


イルカは瞳を輝かせた。






「助さんや、角さんや、やっておしまいなさい」

黄門さまはそこで、




”Z〜〜〜Z〜〜Z〜〜”



イルカ先生は何故だか1分で眠ってしまった。


俺は話す内容を間違えたのかもしれない。






スタンドの灯りの中、



カカシは取り残され寝そびれた。


090927.
2011年12月23日
メリクリカカイル1
メリークリスマスです。
みんなはどうしている?


俺は今年もカカシさんと二人きりで・・・

むふふ。

”じゃああん!”

俺の目の前に、サンタ帽をかぶり、裸に赤いトランクスのカカシさんが現わ
れた。

「なに、考えてんだ!!」

「メリークリスマス!!さあ、貴方も俺と共に、木ノ葉を盛り上げましょ
う!!」

「はあ?おれが?そんな事しないでも、盛り上がってますよ」

「まあ〜いいじゃないですか、ファンサービスで、白のソックスもありますよ」

「変態!!」



そんな、今年の俺達。


2011年は激動の1年でした。

来年はいい歳になりますよう。

俺もトランクスで頑張ってみます。





メリクリカカイル 2.

はあ〜疲れた。

ぐうう〜〜



恋人は酔っぱらっていた。


シャンパンにチューハイ、ビール。


部屋で転がっていびきをかいている。



「もう、折角、二人でケーキを食べようと思ったのに」



クリスマスの2人ようの小さなケーキに蝋燭をたてた、

マッチで火をつけた。


”じゅぽ”



火の中には、あの一楽のチャーシュー味噌大盛りラーメンがみえた。

(いちらく〜〜〜)



ちりちり、

折角のラーメンが消えた。


イルカはマッチをすった。



次に見えたのは、黒のノースリーブ姿のカカシさん。

(かっこいい!)


カカシさんは公園のベンチでのほんと弁当を食べていた。
その傍らには、ヘッドギアのヤマト隊長!!



”なあああにいいい!!”


じりじり、


火は消えた。

夢中でイルカはマッチをすった。




あの永遠のカカシさんのライバル、ガイ先生の姿が見えた。



ガイ先生は、


カカシさんと手を繋いでいた!!




きいいいいい〜〜



マッチ箱はもう、からだった。


イルカは溜息をついて、


丸いケーキにフオークをつきたてた。




カカシはいい気分で眠っていた。



クリスマスの晩に。


111210.
2011年12月17日
悲しい夜
愛しいひとの喜ぶ笑顔を想像しながら、イルカはキッチンにたっていた。



今日は初めてのスイーツつくりに挑戦だ。



数日前、アカデミーの同僚の若い女性教員から、手製のクッキーをご馳走に
なった。
「薩摩芋のクッキー」ほんのりと甘くてヘルシーだ。

「これ、奈々子先生が?・・・すご〜い、こういうの難しいんですよね」

素直に感激しているイルカに女教員は頬を染めた。
「そんなことないですよ」



もしも、これを俺がつくったら、カカシさんはどんな顔するだろう?
喜んでくれるかな?

頭の隅では何時も彼の事を想う、乙女なイルカ。




「あ、あのう・・・奈々子先生レシピを教えていただけますか?」
「えっ?イルカ先生が・・・・」

少し彼女はひいたが、すぐにメモをイルカに書いてくれた。


イルカは薩摩芋をふかし、市販のお菓子の粉と砂糖、卵やバターやらをま
ぜた。

それを丸め形を整え、鉄板にならべ、オーブンへ
これで、本当に出来るのだろうか?

案外と簡単なものだ。


イルカはどきどきと20分すごした。



こんがりとした、香りのよいクッキーが生まれた。




今夜は二人で、食後にこれを・・・。


きっとカカシさんは感激して、今夜は大サービス!!

むふふ。




ただの自己満足にひたる、イルカの部屋のインターホンがその時鳴った。


(だれ?)




カカシにしては時間が早い。


「どなたですか?」



「イルカ先生、俺だってばヨー!!」

突然の来客はイルカの元の教え子のうずまきナルトと春野サクラだった。

「どうした二人そろって?」


「これ綱手のばぁちゃんが」

ナルトはダンボールを置いた。


「みかんです、先生お好きでしょ?」

わざわざ二人はこれを届けてくれた。




「重かっただろう、ありがとう、ま、ここではなんだから、お茶でもどうだ」




折角、久しぶりに会ったのだ。


紅茶でもいれよう。




イルカは二人を招きいれた。


「わあ〜イルカ先生、なんだかすごくいい匂い」

「ホントだってば〜」

ナルトとサクラはリビングのテーブルの上の薩摩芋クッキーに自然と視線が
いった。


なんともいえない、かぐわしい、お菓子。



「あ、これ先生が作ったんだ」


”てへへ”


「わあ〜すごお〜いこれお芋ですね」


「少し食べてみるか?」


ナルトとサクラは瞳を潤ませ、スイーツを頬張る。





気がつくとそれは半分に減っていた。




「ああ〜計算外だね」


二人ともよほど旨かったのか、

そういえば、俺、自分でまだ味見してなかった。




イルカは1つ手にとった。


”ぼりぼり”

”ぼりぼりぼり”






「はっ!!」


”しまった”



イルカは残りのクッキーをすべて食べつくしていた。


「おれの馬鹿!!」



カカシさんの為に!!

大サービスのはずが!!



(あああ〜〜〜)


次第に彼のテンションはおちていた。










”そうだ”




ナルトとサクラが運んでくれたみかん箱をイルカは思い出した。



箱を開けると、小粒だが、黄色くて甘そうなみかんが並んでいた。


当分、これだけあればデザートに困らない。



イルカはやっと気をとりなおした。








ああ〜1分でも早く、可愛いイルカ先生の御顔が見たい!!




そして抱きしめて、ああ〜いいい〜〜


そんなはたけカカシの腕を永遠のライバルはがっしりと掴んだ。

「かかし〜〜い、今夜は逃がさないぞ、さあ〜カラオケいこう!!」

「いゃああ〜〜やめて〜〜!!」


マイトガイ、木ノ葉の上忍、珍獣のガイ。


その彼と二人、カラオケボックス!!


なにせ、彼には音程はない。


それなのに、マイクを握ったら離さない。






アパートではカカシのかわいい恋人が帰りを待っているというのに!!


不幸なカカシはずるずるとカラオケボックスに拉致られてしまった。










”コチコチコチ”

★時計の針の音。



気がつくともう10時を回っていた。




イルカは一人テレビもつけずごろごろと横になりカカシを待っていた。




(どうしたんだろう?)



二人で会うの久しぶりなのに、




(ああ〜〜)


むなしい、目でイルカは顔をあげた。

みかんの箱が視界にはいる。



お腹はへったし、寒いし悲しいし・・・。


イルカはのろのろと黄色い果実に手をのばした。

禁断の果実。



皮をむいて口にほおりこむ。

(むにゅう)


甘くて、口あたりがいい!!













カカシがようやく、ガイから解放されたのは、

深夜、民家の屋根の上をカカシは飛んだ。



耳には、こびりついた、ガイの唄う、呪いのラブソング、レディガイ!!(こえ
えええ!!)


「あああ」

イルカ先生はどうしているのだろう。



ぽっんとイルカの部屋の灯りがみえた。



寂しいおもいをさせてしまった。


ごめんね、ベイビー!!


ぎゅつと抱きしめてあげたい!!











アパートの室内には、カカシの恋人が膝をかかえて、うずくまっていた。


「い、・・・イルカ・・・せんせ・・・」



部屋には、食べ散らかしたみかんの皮。


「あ?」



イルカは自分の名を呼ばれて顔をあげた。
「ひっ!!」


カカシはその顔に唖然とした。


黄色く変色したイルカの顔。




「おそかったスね」

トーンの低い声には力がない。


「その顔は?」

「どうしたんですか?」



カカシはイルカに鏡を見せた。


黄色く変色した顔は別人のようだ。


”ばたっ!”



イルカはその場に倒れた。




カカシは、変わり果てた、「みかん星人」を抱きしめたい,
とは流石におもえなかった。




”ひゅう〜〜”



ハッピー??あれ?




さぶ!!


101124.



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