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もう5月だというのに、
風は冷たく空は薄暗い。
カカシがこの土地に入り3日が経過した。
「なんかそろそろ、降りそうですね、カカシさん」
「ああ、そうだな」
同行している楊枝をくわえた特別上忍がそらをあおいだ。
お互い言葉には出さないが、
早く里に帰りたい。
二人の想いは里にいる恋人。
カカシがこの土地に訪れたのには理由があった。
それはカカシの瞳を休ませるため。
彼の写輪眼には使用するのに、リスクがあった。
特に激しい戦闘の後は少し静養がいる。
ただ、この事は極秘だが・・・。
毎日、この海辺の小さな町でカカシは目の治療をうけていた。
この海辺には癒しの力を持つ、高齢の女医がいた。
なかなかの医師で、木ノ葉の里の五代目とも親しい仲だ。
何時かは俺の瞳は、何も写さなくなるのではないか?
時々、カカシは不安に襲われた。
カカシは熱をもつ、白い砂の風呂に埋まっていた。
こうして砂風呂に入ると、体内の毒素をだすという、
砂には不思議な力があった。
女医の名はサチ、
歳は80を超えていた。
小柄でよく笑う、明るい人柄だ。
「カカシ、だいぶいいか・」
「はい、いい気持ちです」
「ふん、お前さんは、早く里にいるいいひとに会いたいと思っておるじゃろう」
「ああ、またその話ですか」
「知っちょるぞ、カカシの恋人は木ノ葉一のきだてのいいこだと、ゲンマが言
っておったぞ」
「あの、楊枝おとこ!」
「さあ、砂風呂の後は針をうって、休め、里に戻ってもあまり、頑張りすぎぬ
ことだ、夜の生活は」
「・・・・・・」
そっちですかい!
きびしい一言だ。
その言葉がいずれ、
痛いほど、感じる、
予言となるとは、
カカシにはこの時は予想もつかないことだった。
まったりとした、午後だった。
もうそろそろ、3時の休憩だ。
ちらちら、イルカは時計をみた。
鞄の中から、大事なノートをだす、
その中にイルカの大事な恋人からの手紙。
「今回は早くもどれそうです、戻ったころは、イルカ先生、あなたの誕生日で
すね、欲しいもの考えておいてください」
文面は短いが、
嬉しいものだ。
そうだ、今年も俺の、そんな時期だ。
欲しいものか・・・
物じゃあないんだ、
時間なんだ。
カカシさんと共有できる、
時間がもっと、もっとあればいいのに。
会いたい時に会える相手ではない、
わかっているが、
さて、お茶でも飲もうか。
イルカは自販機でコーヒーを買った。
「そこの若人よ!!」
コーヒーを手にイルカは顔をあげた。
白い長い髭の老人もどき。
どうみても、ガイさんだ。
「コスプレですか、ガイさん」
「失礼な!わたしは東の国から牛車ではるばるやってきた、健康仙人だ」
「けんこう?おたく?」
イルカはメンドクサソウに頭をかいた、
午後の休憩は10分なのに。
がし!!
ガイ仙人もどきはイルカの腕を掴んだ。
「あちい!」
コーヒーが手にかかった。
「3本セットで今ならお得だ」
「はい?」
髭老人ガイは蛇のイラストの入った、瓶を取り出した。
(いかがわしい!)
人のいいイルカはつい3本だけ、購入してしまった。
その瓶には「桃色時間」そんな恥ずかしい商品名だ。
真っ先に見たいのは、あなたの輝くような笑顔だ!!
(ふふふ)
半月の治療を終え、
カカシはフットワークも軽かった。
同様にゲンマも鼻歌を歌いながら、里の門をくぐった。
(やっとあえる!)
ところが、
アカデミーにも、
受付にも、
イルカ先生の姿はない。
カカシは焦った。
イルカの同僚を捕まえる。
「そ、それが・・・イルカ昨日から休んでいて、連絡もとれなくて」
「なに?なんかあったら、どうすんの?!」
「も、申し訳ございません!」
天下のはたけカカシに睨まれ、イルカの同僚は汗をかいた。
数日前、
イルカがガイから買った、謎のドリンク。
この数日残業で、疲れた。
そのうえ、愛しいカカシともあえず、
寂しい夜をイルカはすごしていた。
イルカは同僚から借りた、DVDを取り出した。
成人向けのエッチなものだ。
ドリンクを飲みほす。
(ああああ)
全身が熱く、体温が上昇した。
そのうえ、テレビ画面には、なまなましい、裸の女性の姿。
「たまんない」
気がつくとイルカは下半身に手をのばしていた。
所詮、彼も健康な成人男子だ。
合鍵でカカシはイルカの部屋にあがった。
唖然とした。
テレビの前にイルカは倒れていた。
彼のまわりには、使用済みティッシュ。
「ごめん、おれのせいで・・・・・」
空の瓶が転がっていた。
「桃色時間?なにこれ、いかがわしい」
御膳の上にもまだある、
そうか先生はこれを飲んだせいで、
カカシはイルカを布団に寝かせた。
ドリンクが気になって、カカシは手にした。
「ごくごく」
カカシは勢いでのんでいた。
我ながら馬鹿な行動だ。
「はぁはぁはあああああ」
額ににじむ、汗、
むらむらむら。
「もううううだめえええ」
カカシは布団に横たわる恋人に襲いかかっていた。
俺なにをしてるのだろう?
二人は飢えた獣のようだった。」
お互いを求め会う、
もうかなりの時が流れていた。
「い、イルカ・・せんせ・・・」
「はい・・・・・・・」
「ごめん、おさえらんなくて」
「おれもです・・・」
「からだ、大丈夫?」
「も、もっと、もっとあなたがほしいい」
なんて、可愛い事を言うのだろう!
再び二人行為に没頭した。
あれから?
何時間>
いや何日だ?
カカシは目を開いた。
この薬の匂いは、
ぼんやりとカカシは目を
あけた。
そこは病室、
俺はベットに寝ていた。
(はっ!)
おれはイルカ先生とのえっちに夢中で・・。
どうして?
「カカシさん・・・かかし・・・・さん」
隣のベットにはイルカ先生。
”ああ、はずかしい!”
エッチして、それから?
「あ、イルカ先生、だれが俺たちを病院に?」
「それが、任務の時間に現われない、あなたを、ガイさんがむかえにき
て・・・」
なんて、ことだ!!
顔から炎がでそうだ。
「よおおお、、きがついたな?カカシ、ふふふ、青春だなあ」
ライバルのどアップ。
「あ、あなが・・・・」
「あな?」
「穴があったら、入りたいいいい」
女医のサチの言葉をカカシは思い出して、痛かった。
今年、俺の誕生日は、木ノ葉病院のベットですごしました。
ある意味、生涯忘れられない、
カカシさんとの想いでが、増えました。
イルカ先生!!
おめでとうございます!!
11年ころ、
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今日、シズネさんから石鹸をいただいた。
丸いいい香りの石鹸。
イルカは家に帰ると早速、それを洗面台で泡だててみた。
きめ細やかで美しい、おもわず、顔をあらってみる。
すっきりした。
今夜これで、カカシさんを洗ってあげたい。
泡だらけで二人・・・
”はっ”
俺は今なんていやらしいそうぞうを。
イルカは恥じらった。
でも、今夜は自分から言おう。
「いっしょにはいりませんか」
090825 |
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パックンには楽しみがあった。
それは人間の見につけている衣類を集めること。
特にカカシは
よかった。
ノースリーブはかぐわしかった。
何度も盗んで叱られた。
今夜はカカシの恋人のアカデミーの先生がきていた。
パックンは風呂に入っている、イルカに気がつかれないよう、イルカの脱い
だ衣類の匂いをかいだ。
その中で、ひときわかぐわしいそれを盗んで逃げた。
「ああ、おれのぱんつう?」
風呂からあがり、イルカは自分の通販で購入した「勝負絶倫ぱんつ」がない
ことにきがつく。
そんなまねをするのは世界で一人。
「カカシせんせええ〜かえせ、おれのパンツう」
「なんの話です?」
「恋人のパンツぬすむなんて、きいい」
「知りません、俺そんなとりません」
「問答無用。イルカ、ぱあ〜〜んち!!」
”ずどおおん”
カカシは蒼い5月の空を飛んだ。
きがつくと鯉のぼりと共におよいでいた。
そのころ、
いい匂いの布をひいて、パックンは満足していびきをかいていた。
09ねんごろ、
PC少し壊れそう<、ひいい |
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お元気ですか?・・・・・・
もうあれから何度めの春が過ぎたでしょう・・・。
ほんのりと香る風がアパートの窓から吹き込んでくる。
少し今日は汗ばみそうだ。
イルカはTシャツに着替えた。
一人の非番。
これから、散歩でもしょう。
「ごめんなさい・・・俺は貴方とはもうつきあえません」
「何故、どうして、俺はあなたが大好きなのに?」
彼は泣きそうな顔をした。
「あなたと俺では身分も違います」
「そんなことは、関係ありません」
「ごめん・・・なさい」
そう、彼と離れたのも、
こんなけだるい春の終わりの出来事。
イルカは思い出の公園にむかっていた。
手には水の入ったペッドボトル。
この噴水のあるみどりの公園で彼とは初めてのデートをした。
彼は俺の為にアイスを買ってくれた。
あの頃の俺は毎日がきらきら輝いていた。
ただ、彼のそばに居るだけで。
それだけで、幸福だった。
なのに、今俺は・・・・・。
俺は恋に慣れていなかった。
誰かを好きになることはあっても、好きになってもらうことに、慣れていなか
った。
何時の間にか、
恋をする自分にとまどう自分がいた。
彼は、里にとって大事な存在だった。
イルカは少しづつ、彼との距離を考え悩んだ。
好きだった、本当は彼が、
「カカシさん、ごめんなさい・・・できるなら、もう一度」
イルカは蒼いそらを見上げつぶやいた。
「もう、いいんですイルカ先生」
イルカは顔を声の方向にむけた。
公園のもう散ってしまった桜の木の下で、少し猫背の彼が立っていた。
「さあ、行きましょう、二人の季節が到来しました」
「え?行くって、カカシさん」
彼は微笑んで、手を差し出した。
どくどくとイルカの心臓がなる。
「さあ、北の里にいきましょう、きっとそこなら桜もさいています、そして、また
はじまるんです、俺達の恋」
さしのべられた手をイルカは掴んだ。
「連れていって、ください・・・・」
「当然」
「カカシさん、今まで・・・」
「いいんです。さあ俺に捕まって」
イルカの手からペッドボトルが、ころがった。
木の葉の北に位置する、里は、ピンク色の桜が咲き乱れていた。
二人はゆっくり、寄り添って歩いていた。
「もう、何度目の春でしょうね、あなたと出逢った春から」
「はい・・・」
うなずくだけで、今の俺は精一杯だった。
イルカの瞳から熱いものがぽとりと落ちた。
次のシーズンがはじまる・・・。
120426
7年目の春をありがとう。
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大自然それは、ぼくのパラダイス・・・。
その日、元暗部のちょっと素敵な青年、ヤマトは久しぶりに森にでかけた。
空気は澄んでいて、
小鳥の声だけがきこえる。
(どの木にしょうか)
あ、これがいい!
ヤマトは緑の多い大木をみつけた。
時々ぼくはこんな風に、
自然と一体化している。
そして癒されているのだ。
ヤマトにとって安らかな休日のはずが・・・・。
「イルカ先生、はやく、こっち、こっち」
大木と一体化して1時間がけいかした ころ・・。
「もう、かかしさん、まってください」
ヤマトは凝固した。
(カカシ先輩・・それにイルカ先生)
それはヤマトが里で最も敬愛する、彼同様、暗部出身のはたけカカシと、恋
人の天然中忍だ。
二人は、ヤマトが一体化している木の
下に立った。
「ここいいですね」
「ええ」
二人は見つめあった。
(そんなああ〜おいおいここでかい?)
仲良く二人は
腰をおろした。
「ね、イルカ先生、キスして」
「もう,あなたは、せっかちなんだから」
「だって、ここなら誰も見ていないし」
「そうですね」
”きゃはは”
(なんでこうなんの?)
ヤマトは苦しんだ。
今、この場で現われるわけにはいかない。
しかし、里一番あほうなカップルといるのも、痛いだけだ。
「ねえ、イルカ先生今年のクリスマスはどおしょう?」
クリスマスってまだ春だぞ。
「おれはカカシさんと二人ならなんでもいいです」
かわいい、イルカにカカシはでれでれ。
「じゃあ、お正月は?」
って、さあ、まだ正月はずっと先だ。
まだGWもきていないのに!!
「3日間、ごろごろしたいです。二人きりで」
「うわあ〜楽しみだな」
二人は弁当を開いた。
「カカシさんの好きなタコさんのウインナーです」
「わあ〜、卵焼きもあります・」
「勿論です」
もうお昼か、ぼくも食べたい。
”むずむず"
"
はっ!”
その時、ヤマトはお腹のあたりに異変をかんじた。
(トイレ・・・・)
ああ〜
でていけない〜
ヤマトは少し人がいいところがある。
彼は、カカシをおもう、あまり、でていけなかった。
汗がたれた。
「あ、ほっぺにご飯が」
カカシはぺろりと、ぺろりと、飯粒のついたイルカの頬を舐めた。
しかし、それにしても、こんな嬉しそうな先輩はじめてみる。
いつから、あんなになってんだか、
ああ〜うらめしいい〜
「キスしていい」
「ええ〜でもお〜」
「だれもいなから」
”むちゅ〜〜う”
強烈なキスを二人は交わした。
とんだ休日となってしまった。
やっと二人は帰ってくれた。
ヤマトは元の姿にもどった。
半日トイレを我慢して、そのあげくに2人のらぶらぶで胸やけがした。
「先輩のばか・・・・」
”ひゅうう”
わびしい、風がふいた。
心の中にも、
「もおおお、いやああ!!」
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毎年この時期が来るたびに、
そのひとを想いだす。
カカシにとって辛い過去だった。
父、サクモの事件。
当時はまだ子供で、許すことができなかった。
自分という子供を一人残して、
勝手に父は死んでしまった。
歳月がすぎ、
成長していくにつれ、
自然と父のよい想い出だけが残った。
ただ、その命日が近くなると、
父を思い出し、胸が痛くなった。
「そろそろだ・・・」
壁のカレンダーを見てカカシはつぶやいた。
「なにがそろそろなんですか?カカシ先生」
テレビを観ながら菓子をたべていたカカシの恋人は首をかしげた。
「来週、親父の命日なんです」
「そうでしたか・・・・」
イルカはお菓子の袋をおいた。
「不思議なんです。・・・・月日が経過すると、。父さんの綺麗な思い出だけが
残って・・・」
「そうですね。おれも父ちゃんと母ちゃんと楽しかったことばかりおもいだしま
す」
「時々、そのへんから父さんがでてくるような、・・・俺なにを言っているのか」
カカシは頭をかいた。
「あれ?カカシ先生もそうなんですか?」
「あなたも」
「ええ、父ちゃんと母ちゃんに見られているような、なんか怖いです」
「ええ確かに俺も・・・」
天界のモニターかで、イルカの父と母はぼりぼりせんべえを食べながら、
息子イルカの日常をチエックしていた。
下手なテレビのお笑い番組よりも、息子のイルカはまぬけで笑えた。
「あら?イルカは私たちに見られてるって、思っているのかしら、案外鋭いわ
ね」
「ああ、母ちゃん、イルカが知ったら怒るな、・・・・しかし男同士つきあうの
は・・・」
「でも相手はあのサクモさんの息子さんなら」
「そうだな、出世だなイルカも」
明るく、
イルカの両親は笑った。
その頃、カカシの父、はたけサクモは、火をおこし、一人大好物の秋刀魚を
焼いて食べていた。
珍しくしんみりムードのカカイルと裏腹に親たちは元気だった。
11.06.20. |
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”ごろごろ”
昨夜から、お腹がごろごろする。
イルカは受付のカウンターを離れ、トイレにとむかう。
もう今日だけで何度めだろう。
最近こんなことがつづく。
(まいったな、医者に相談するかな)
手を洗いふと視線をかんじ振り返ると、そこに、
上忍のはたけカカシがにこにこして、立っていた。
「やあ、イルカ先生。今日はもう5回目ですね」
「ひっ!」
いきなり、なんて事をいいだだすのか。
「ああ、よろしければ、俺の薬をどうぞ、よく効きますよ」
「はあ・・・」
(頭が痛くなりそう)
カカシからカプセルの薬をもらった。
しかし、なんで、彼は俺が朝からトイレ通いをしている事を知っているのか?
まさか、ずっと、みていたとか・・・
”ぞおお”
考えると余計お腹がごろごろした。
「イルカ、大丈夫か?顔色よくないね」
受付の同僚は心配そうに顔をのぞきこんだ。
「うん、ちょっと、よくない」
「保健室で休めば、後は俺が報告しておくし、」
「ありがとう」
イルカは好意に甘え、
保健室をたずねた。
「少し休んでください、奥のベット1つあいています」
「ありがとうございます」
少し、休めば
回復するだろう。
イルカはベットを借りた。
ベットは2こあり、1こは誰か寝ていた。
銀色の髪が・・。
「か、かかしさん?!」
「ああ、今日はよくあいますね、ラッキーカラーのパンツはいたおかげかな」
なんか、いやああ〜
イルカは布団をかぶった。
疲れていたのか、うとうととねむりこんでいた。
今月にはいり、残業の日々。
俺は疲れているみたいだ。
その日、うみのイルカは早退をした。
とぼとぼ、重い足で、帰り道、コンビニによった。
食事におにぎりでも買いたかった。
「イルカ先生!!」
”ばったり”
イルカはフリーズした。
コンビニにも、またもやあの、はたけカカシが雑誌を立ち読みしていた。
(ひいいい)
イルカは逃げ出した。
1日に三回も、
ありえない。
偶然とはいえないし、
カカシさん、ううん。
イルカはお腹をさすった。
そうだ、偶然だ、そうおもわないと、
俺の考え過ぎ。
おにぎりはかいそびれた。
イルカの恐怖は、その後もつづいた。
スーパーで、本屋で、アカデミーのトイレで、
イルカのいくさきで、必ず、カカシが現われた。
一楽にもカカシはいた。
それは1週間つづいた。
俺は少しげっそりしていた。
ああ、今朝も会うのかな
カカシさんに。
イルカはへたれながら、アパートをでた。
いい加減、怒るべきかもしれない、
そうだ、びしっと言う、
男らしく。
ところが、ぱったりとカカシはイルカの前に姿を見せなくなった。
(カカシさん、どうしたんだろう)
いざ、現われないと、きになる。
不安になる。
人間は勝手な生き物だ、現われるたび、迷惑におもえたカカシがいざ、現わ
れないと、
なんだか寂しいのだ。
イルカは夢中で彼の居場所を探した。
コンビニで、トイレで、保健室で、
どこにも、彼はいない。
「俺へんだな」
上忍待合所をイルカは訪ねた。
カカシの上忍仲間のガイに今日はカカシはそこにいると、情報をもらった。
待合所。
長椅子で、コーヒーをのみながら、
カカシは大好きな読書をしていた。
そこに、アカデミーのイルカ先生が現われた。
「どうされましたか?イルカ先生」
何故中忍の彼がここへ?
イルカの顔は少し暗く、思いつめた顔だ。
「あなたが悪いんだ」
声を震わせた。
おおきな黒い瞳には涙がうかんでいた。
「え?なんですか?なんで泣いているの?」
イルカ先生は泣いていた、
俺は何か、彼にしたのか?
カカシは慌てた。
「とぼけないで、1週間もずっと俺のまわりをうろついたとおもえば、いきな
り、姿をけすなんて、酷い」
腹だたしいし、悲しいのだ。
ぽろぽろ、
イルカは泣いていた。
どうしてだろう
涙がとまらない。
気になって仕方なかった、
イルカのなかに、生まれたほんのりと甘い感情。
はたけカカシはイルカの語るこの1週間の出来事が理解できなかった。
信じがたい事に、この1週間、カカシがイルカの行く先々に現われたという内
容。
「おれは、先週は里外でした、ウソではないです」
「そんな?あれは・・・」
保健室で、トイレで、コンビニで会ったのは、誰なんだろう?
カカシさんのはずだ、
違うなんて、
イルカはぞくぞくと鳥肌がたった。
「まあ、イルカ先生、この世の中には自分にそっくりな人間は3人いるといい
ます」
”おちついてね”
考え込むイルカを安心させるよう、カカしは肩をたたいた。
二人は里のファミレスにいた。
「俺・・・いったい何をみていたんでしょう?」
カカシさんは里外だったんだ。
おれはどうかしているのか?
二人は折角だから、ランチを食べた。
「ミステリアスですね、いないはずの人間が現われたなんて」
「ええ、よくわかりません」
「ま、今日は、この後俺フリ-ですので、のみにいきません?ねえ、イルカ先
生はもしかして、
働き過ぎではありませんか?」
「確かに」
オーバーワーク。
お疲れモード。
カカシさんは微笑んだ。
ふんわりと、春の風にのって、
甘い香り、
キュンイルカの胸が熱くなった。
それは恋のスタートかもしれない。
春先の甘い匂いにのって、
091222. |
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はたけカカシ君は現在5歳になる、
銀色の麗しい髪の美少年?です。
毎日、彼は将来里の為に活躍するため、修行にはげんでいます。
”そわそわ”
どうしたというのでしょう?
カカシ君、この2,3日、落ち着きがありません。
それと言うのも、カカシ君の世界一大事なお友達(恋人)の誕生日が近いの
です。
「ねえ、イルカちゃん、お誕生日何がほしい?」
ストレートにカカシは彼にたずねました。
イルカちゃんはカカシより1歳したで、黒くぱっちりとした瞳の男の子。
笑うとまるで、お花のような可憐なひとです。
「イルカなんでもいい」
イルカちゃん答えになっていません。
でも、本音はカカシ君からプレゼントをもらえるだけで、なんでも嬉しかった
のです。
(どうしょう)
朝食のカリカリトーストをかじり、カカシは悩みました。
「あん?どうした、おまえ落ち着かないな」
朝からマイワールドの息子に父のサクモさんはきがつきました。
「あのう、イルカちゃんのお誕生日プレゼントしたいんだけど、どうすればい
いかわかんなくて・・・・」
「そんなことか」
全く、最近のこどもは、ませている。
「そんなことじゃないよ、父さん」
「ま、イルカちゃんの喜ぶものをあげるんだな」
好きな物?
そうだ、
そのとおり。
サクモさんはまじめ顔のカカシ君をみておもわず笑いました。
(かわいい、悩みだな。)
「でも、イルカちゃんは一番がラーメンで2番がアイス、3ばんめが、ハンバ
ーガーとたこ焼き」
「おい、全ぶ食いもンか?」
「うん、どうせなら2人の記念になるようなビックなものを」
大人びたことを息子はいいます。
「しゃあない、わかった明日、午後父さんとコノタンデパートに買いにいこう」
「ほんと!!」
”やったあ!父さん大好き”
カカシ君はわくわくしました。
なぜなら、カカシ君の御父さんは木ノ葉のすごい忍びで千年殺しを武器に日
夜活躍しているのです。
そんなごいすな父さんと買い物です。
テンションあがるね。
翌日。
はたけ親子はコノタンデパートの家電売り場に現われました。
「おい、これなんかどうだ、カカシ?」
「え?父さんこれオーブンだよ」
「うん、うみのさんが喜ぶからな」
父は下心いっぱいに笑いをうかべました。
そう、イルカちゃんの御父さんのうみのさんは、サクモさんと怪しい関係だっ
たのです。
「でも、イルカちゃんがつかえないからだめ」
「そうか・・・」
二人は家電コーナーをうろうろしました。
「あ、これがいい!!」
カカシ君はおおきなある家電製品の前に立ち止まりました。
「あ?ってほんきか?カカシ」
「これがいい」
「高いぞこれ」
「大丈夫、任務で貯めたおかねはある」
スケールのでかいプレゼントにサクモさんは、驚愕です。
お誕生日の当日。
大きな大きな、荷物が宅配便でイルカちゃんに贈られてきました。
「イルカ!カカシくんからなにかきたよって、でかい!!」
「どうしたの?」
御父さんとイルカちゃんは玄関でその荷物に口をあけてしまいました。
そういえば、昨夜カカシ君からメールでプレゼントは宅配でおくると伝えられ
たのです。
イルカちゃんは宅急便だから中味はみかんだと思い込んでいました。
「これは・・・・」
「とうちやん、これすごおおい」
台所にやっと収納された「業務用冷蔵庫」
二人はいつまでも、それをみつめていました。
まさに、スケールのでかい、贈り物だったのです。
091029、 |
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「しんしん」
「しんしん」
窓の外を眺めながら、イルカちゃんはそう言った。
「それは、なあに、」
外は昨夜から降りつもった雪景色。
もう、春の直前に、
木ノ葉は白く染まりました。
「あのね、ゆきのふるこえだよ」
「へえ」
銀世界はまぶしくて、
カカシはイルカちゃんとずっと窓の外を、
ながめていました。
”ぴよん”
「あれ??」
イルカちゃんの自宅のお庭のメープルの木のした、
白いひらひらの服を着た、髭の知らないおじさんをカカシは目撃しました。
「イルカちゃん、あれは誰?」
「どうしたの?だれもいないよ」
見知らぬ、おじさんがいるはずなのに、
「だからメープルのところで、あ、今こっちをみたえ、パンを食べている」
「だれもいないよ」
カカシは目をこすりました。
とんでもなく、怪しいおじさんです。
なのに、
イルカちゃんには、見えないみたいです。
少しつかれているのかな?
不思議な
おじさん。
「それはカカシ、たぶん雪の妖精だ」
夕飯を食べながら、カカシの父サクモは
腕をくんで、いいきりました。
「妖精、とうさん、髭の変なおじさんが、妖精だなんて、そんな」
”ずーん”
美しい妖精、
とはほど遠い、
ゆめを壊され、カカシは肩をおとし、思わず、冷蔵庫から牛乳をとりだしまし
た。
今夜は早く寝よう。
もし、綺麗な雪の日に、
メープルの木のしたで、
白い服の髭のおじさんをみたら、
それは雪の妖精、
メルヘン、じゃあねええええ!!!
12228.
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そうだ!!
もうすぐ俺の・・・結婚式。
ついに、俺はカカシさんと結婚します。
でも、この事は二人だけの秘密。
里のみんなには内緒。
でも、俺先日つい、彼からもらった巨大ダイヤモンドの婚約指輪をつけて、
受付にでてしまった。
「イルカ、それ、玩具だね、仕事ではどうかな」
「はい、すみません」
キラキラと怪しくダイヤモンドは輝いていた。
翌日。
俺はアカデミーの帰り、いきつけのろうろうコンビニにいた、
「イルカ先生、ダイヤの指輪とは、みせつけてくれますね」
そこに、一人のヘッドギヤの青年が俺を睨んでいた。
(この人だれだっけ?)
「どちらさまです」
青年はこけた。
「と、とにかく、先輩をあなたにわたせませんから!」
(先輩?ああ、あの暗部ね)
きっとこの青年はカカシさんに惚れているのだろう。
「あ、残念ですが、俺と彼は超がつくほどらぶらぶであなたの入り込む隙間
は1ミリもありませんから」
「うわあああああ〜〜」
彼はショックでコンビニのお菓子の棚を壊した。
店の中にいあわせたひとたちは震えた。
あ、そうだ。
やっとその迷惑な彼の名前を思い出した。
彼はクロネコやまとさんだ。
「へえ〜〜そんな事件あったんですね」
カカシはイルカの御得意のもやしラーメンをすすった。
”うまい”
「ところで、お休みはいただけましたか?」
「まあ、五代目がごねてね、でも仕方ないから、むふふな本を賄賂としてわ
たしました」
「むふふな本?」
「では、2月19日スタンバイ!!」
カカイルウエディング、おめでとうございます。
記念に配ったペーパのストーリです。
1201、ごろ。
主催様参加の皆様ありがとうございます。
また素敵なおもいでをいただきました。 |
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