STORY.PT2.

2013年03月23日
アルバイト?
不可思議なチラシが一枚、アパートのポストに入っていた。


それは、新しく里の繁華街にオープンするバーのもので、紫の髪に「夢の
国」という店らしい。


チラシにはおひとり様ワンドリンク、おつまみ付きとある。


「うおおお〜サービス券つき!!」


イルカは広告を片手にテンションがあがった。



これは是非、恋人のカカシに連れていってもらおう!!



「どうしました?・・・朝から先生汗が吹いてます」


「こ、これを・・・」


「はい?・・ああ、へええ〜」



夢の国とは、しかし何かがひっかかる。


まあ、イルカ先生が喜ぶのなら、誕生日もかねて・・・・。










同時刻、里のもう一組の馬鹿カップル、


不知火ゲンマとライドウの二人もそれを見ていた。


「なんかいいね」

「いっしょに行こうよ」

「ああ・・・ライドウ、愛しい君のためなら」


「わああ〜ゲンマさん素敵〜」


”うふふふ”










近頃の里ときたら・・・・。



全く、どいつもこいつも、


めぼしいイケメンは、もれなく同性とお付き合い。



「情けない!!」



五代目火影、ツナデ姫は窓の外を眺めていた。


そこには、手をつないで歩くイズモとコテツ・・・・。





「きいいい〜羨ましい〜」


ツナデはカップ酒をあおった。





独身の彼女には痛い光景だ。















絵の具で描いたような空、


白いもくもくの雲。




イルカは胸が躍った。



今夜はカカシさんとデート。

「なあ、お前、やけに楽しそうだな?」


この日、病欠した同僚の代わりに受付にはいった並足ライドウがイルカの隣
にいた。



「うふうふ」


「なにその笑い、きもっ!」



「いや、なんでもない、いい天気だな・・・そういうライドウこそ、そわそわして
いるな、あ、デートだろう?」


「ち、ちがうよおお〜

「顔にでているぞ」

「いや、ジャシン様に誓って違う」

「なにそれ?」



そろそろ時刻は3時、今日はおやつにチョコレートを買ってきた。


二人は夕刻定時にそそくさと消えた。











イルカは一度部屋に戻りシャワーを浴び、彼なりにお洒落なグレーのパンツ
に黒のシャツに着替えた。



いつも上でまとめている髪をおろすと、まるで別人のようだ。











「おおい、いいだろう?付き合えよ」

「嫌、俺帰る」



暑苦しさ、面白さで里ナンバーワンのマイトガイが、
任務を終え帰ろうとするカカシのベストを引っ張る。



「俺たちは暑い、いや、熱い友情コンビだあ」




「やめてえええ」



カカシはそんな友を振り切りいちもくさんに駆けた。









木ノ葉、東中央公園前でカカシはイルカと待ち合わせていた。



「イルカせ、どっきん!!」



髪をおろしたイルカ先生は新鮮だった。

「いきましょう」

「はい」


本当はすぐにでも抱きしめたいが、理性でカカシはクールな顔をつくった。




あの紫のチラシの地図だとこの先の地下に・・。

「ありました、イルカ先生」


「夢の国」


二人は店のある建物のまえで、思わず立ち止った。



”ばったり”




同じくその店に入ろうとしていた、特別上忍、ゲンマとライドウ。



”ばちばち”



カカシとゲンマは睨みあう。




「おや、ゲンマさん、どちらへ」

「はたけカカシさんこそ」



「今夜はどっちが里一番のカップルか証明してやるよ」


「いいですね、ガチで戦いますよ」





雲雪が怪しくなった。







店にはまだ客の姿はなく、紫の内装に甘い香りがただよう。





「あらいらっしゃああい」


「ひっ!」


カカシは飛び上がりそうになった。



フリルの紫のドレスの大蛇丸がそこに微笑んでいた。




「あら、4名さま、ご案内」




悪夢だ。



店の奥から現われたのは、ふりふりドレスの、暁のうちはイタチと鬼鮫、リー
ダーのペインと飛段。




「やば・・・・」

「ぺー子と鬼鮫子はカカシ君の席へ。イタ子とひい子はゲンマちんの席に」



”ひゆうう”



イルカの心の中に冷たい風が吹いた。


二人の夜が・・




「さあ、じゃんじゃん飲んでね」


赤い口紅が血にしかみえない鬼鮫子はボトルを片手に微笑んだ、

一方ペー子、ペインは厚化粧で目が座っている。






「どうしましょう」


カカシがイルカにささやいた。

「あら、わたし焼き鳥がいいわあ」

「は?」

「ママ、焼き鳥持ってきてえ」


勝手に鬼鮫子はオーダーしている。









もうお一組、


ゲンマの席。


「怖いよおお」


「さああ、今夜は唄って踊るぞお、い、いなお前たちもだ、」


ひー子、飛段の合図でイタ子はくねくねと踊る。









「ああんた、たち、暁は?何が目的だ、大蛇丸とくんだのか?」


カカシの問いにペインは静かに答えた。

「アルバイトだ、今、暁も不景気でな・・・・」

「え?」


”アルバイトって何?”




とに角この店を出ないと、後が
怖い。




カカシは震えているイルカの手を握った。



そんな二人など無関係に激しい音楽が始まった。


「みなさあん、今夜は新人ちゃんが入りましたあ、はい拍手」



”新人?新人類?”





ぱっとまばゆいライトが小さなこの店のカラオケーコーナーをてらした。




カカシとイルカは意識が遠くなった。


「新人のマイトガイ子よおおん」


「〜〜〜〜〜〜〜〜」





フリルドレスがぴちぴちにきつそうなガイ子がカカシにウインクを投げた。




「いああああ〜」



イルカはその場を泣きながら走り去った。





「ま、まってええ〜イルカせんせええ」



イルカを追う為立ち上がるカカシの脚にガイ子がしがみついた。


「おまえもか、アルバイト」


「そうよおお、さああ逃がさないわよおお」








その後、1カ月ほどカカシとイルカの仲、そして、ゲンマとライドウもぎくしゃく
したらしい。





13.3.23.
2013年01月20日
青年よ妄想をいだけ!!
俺の自慢の写輪眼は、着ている洋服の上から中を透視できる!




(今日は青の水玉か)



カカシはすれ違いざまに、受付の可憐な中忍のぱんつを確認した。




そんな事とは、全く知らずにイルカ先生はにこにことカカシに挨拶をした。

「カカシさん、おはようございます」

「はい、おはようございます」



(いい笑顔だ)





本当は一度でいいから、ナマで拝みたいものだ・・



でもそれは、あまりに刺激的すぎる。


(尻・・・イルカ先生の尻・・)







朝からはたけカカシの頭の中はなまめかしい裸のイルカの姿に支配されて
いた。




(おれは・・・変態なのかもしれない)


今更ながらカカシは思った。







や、やはり好きな相手の裸は誰もが想像するのだろうか?




「先輩、なにぼおっとしてるんですか?」


暗部時代の後輩、ヤマトがカカシを現実の世界にもどしてくれた。



「あ?なに?」

「なんか先輩、きょうは変ですよ」
(ま、何時もだけど)



ヤマトは尊敬している先輩の顔をまじまじと見つめた。


「ね、テンゾウはさあ、好きな人の裸とか想像する?」

「えっ?」

朝からなんとコアな話題だ。



「あのう、先輩は好きなひとが・・・・」


”ズーン”
ボクのカカシ先輩・・・。




「いるよ、ねえ、想像する?」


「ぼ、ボクはそんな不潔なことはしません!!」

ヤマトは走り去った。











「カカシせんぱい・・・・」


自宅に戻ったヤマトはベットルームに入る。


壁一面に貼られた憧れのカカシ先輩の写真。

これはすべて盗撮したものだ。



「せ、せんぱいのはだか・・・」


”ぶうう〜”



鼻から大量に血が吹き出た。





ここにも、妄想に走る青年がいた。


「青年よ、妄想をいだけ!」

11.9.18.
2022年01月03日
HI〜!!新年から失礼します
ひいい〜〜!!”



午後3時の休憩時間、うみのイルカは口から赤い火を吹いた。


彼の手には激辛せんべえの袋。


同様に同僚たちも涙を流して苦しんでいた。





”ゴクゴクゴク”



イルカは水を飲みほした。


それでも口の中の火事はおさまらない。





食べかけのせんべえは見るからに赤く、辛さを主張していた。


袋にはトウガラシのイラスト。









その頃、
うみのイルカの恋人、はたけカカシは里の仲間たちに、恐ろしい土産を配り
歩いた。

例の激辛せんべえだ。



「これはガイの分ね、後アスマと紅に渡しておいて」


「ああ、すまんなそれにしても辛そうだな」

「うん、寒い里の名産だそうだ」



”うむ”

ガイは袋を受け取った。



「うむ」

何か言いたげな視線をカカシにむけた。

「なによ?」


「あなる辛いものをとりすぎると、頭の毛がぬけるぞ」

「まじい?!」


もうみんなに配ってしまった。




今更回収もできないし、




困った、まだ家にダンボール1箱ある・・・。








数日前の他里。



カカシはぶらりと一件の土産物店に立ち寄った。


店には美しい黒髪の娘がにっこりとカカシをむかえた。


鼻のしたがのびた、カカシは娘にすすめられ、この激辛せんべえをすべて買
い占めた。


勿論その事はイルカには内緒だ。


優しい笑顔の恋人は時として、悪魔のように恐ろしく豹変するのだ。




だから浮気はできない。









夜、カカシは恋人の部屋を訪ねた。



イルカの唇がぽってり腫れている。



「どうされました?イルカ先生」


「あんた、これ自分で食べてみましたか?」


無表情にイルカは激辛ぜんべえの袋をカカシに突き出した。





「これは俺の?」


「ひい〜はああ〜〜ひいい〜ですよ、これを食べると口から火はでるし汗も
噴き出す、酷いです」



土産物店の娘におれはだまされたのか?




ほんと見るからに辛そうだ。




カカシは1枚袋から取り出した。


つうんと鼻につく少しかぐわしい匂い。


カカシはかじった。


「うまあ!」


辛くて癖になりそうだ。




「あ?カカシさん?」



イルカも同僚たちも口から火を吹くほど苦しいおもいをしたのに?



カカシは平然とぱりぱりしている。



「おかしいですね?唇も腫れないし・・・・」




「なんか身体がぽかぽかしていい気分です」


この差はもしかして、上忍と中忍の差なんだろうか?







イルカは腕を組んだ。












翌日イルカはお昼のサンドイッチを買いにコンビニに立ち寄った。


店にはマイトガイの姿。



「ガイさん・・・え?」

「おはよう、イルカ」


ガイは唇と顔全体が赤く腫れていた。

(あれを食べたんだ)



そうに違いない。




「あの・・ガイさんもカカシさんから・・・おみやげを」

「ああそうだ、旨かったぞ、昨夜一人で全部そしたら、ははは」



腫れた顔で笑うガイ
(さすが、珍獣だ)








それにしてもなんと恐ろしいせんべえだ、カカシさんは旨いと、でも


「はっ!!」



嫌な予感がしてイルカはコンビニを飛び出した。




昨晩はカカシはイルカの部屋には泊まらず、自宅に戻った。














カカシは機嫌をそこねたイルカをなだめ、次回のデートはステーキにしょうと
言い残しイルカのアパートを後にした。





自宅にはまだ箱にいっぱいのせんべえ、





みんなが食べれないのなら、俺が食うか。




カカシは酒を用意した。










”コンコン”



酒をコップになみなみとついだカカシの家のドアを誰かが叩いた。



暗部時代の後輩のヤマトだった。


ときどきヤマトはカカシのところに顔をだす。


「わあ〜せんぱい、いい香りですね」

「ん?ああ、これ旨いんだぞ、どうだ酒と」

「いただきます!!」




ぱりぱり、



ヤマトは平然とそれをほおばる、

「少しニンニクの香りがしてたまりません」

「だろう?」


なのにイルカ先生はえらく怒った様子だった。



まあ、人それぞれこのみは別だ。






カカシとヤマトはぱりぱりとせんべえをツマミに夜がふけた。













(うう?)




ずきずきと頭をまるでハンマーで殴られたような痛み。




よいつぶれ、カカシはその場で横になった。



隣にはヤマトも寝ている。





なんだか、手足がしびれるようだ。



酒をのみすぎたせいだろう。




カカシはゆっくりと身体の半身をおこした。


”ズコオ〜ン!”ズズズズズ!!




それはまるで今だ経験もしたことのない、激痛。




(尻が半分にわれそうだ)


(いゃん)







カカシはトイレに駆けこんだ。






「HI〜〜〜〜ひいいい〜〜はああああ〜〜〜」





口から炎どころでない、


けつから、炎だ!!。






意識が朦朧としてきた。



カカシは動くこともできず便座に座りつづけた。




(尻がわれる)











”ドンドン”


「せんぱあい、どうしたんですか?」



ドアの向こう側からヤマトが声をかけてきた、



いつまでも、トイレからでてこないカカシに気がつきヤマトはトイレの前のに
立った。



「だいじょうぶですか?」


「ひい〜ひい〜」



苦痛に耐えながら、カカシは頭のなかで想像した。


こんな情けない姿を誰にも知られたくない、




どうしょう!!




里中の笑いもんだ。




カカシは歯を食いしばった。












コンビニからイルカは夢中でカカシの自宅に走った。


家の鍵はあいていた。




イルカは靴をぬいであがった。





リビングには酒瓶が転がり、あの激辛の袋が散らかっていた。




しかも、そこにはカカシの後輩のヤマト、



彼はトイレの前にたたずんでいた。

「あの、ヤマトさん・・・」


ヤマトははっとして顔をあげた。





「ひっ?!」




その顔の唇は赤く腫れあがっていた、



「イルカせんせえ、大変です先輩がトイレから・・・でてこないんです」

「もう、あの人はああ」


イルカはドアノブを強く掴んだ、怒りにまかせて、ドアを開いた。












「か・・・カカシさん・・・・・・・」



便座に座ったままイルカの恋人は失神していた。



哀れな男だ。








でも、俺は、それでもこんなカカシさんでもスキなんです・・・。












カカシは木ノ葉病院に運ばれた。



イルカが背負って入院させた。






白くかたいベットの上。カカシは意識を戻した。



傍らには優しいイルカの姿。




幸いカカシは唇も顔も腫れていない様子だ。




「いるか・・・せんせ・・・」



イルカには表情はない。




(うっ!)


カカシは下半身に違和感を覚えそっと自分の大切なところを手でさぐった。




ぽってりとふくれあがったカカシの恐竜さん、






再び現実に気がとおくなる。


「とうぶん、大人しくしてください、えっちもひかえましょう」



さめたイルカの声が気づ付いたカカシの心にグサリとつきさす。





冷たい事を言ってはみたものの毎日イルカは病院に顔をだした。





カカシの入院は極秘だった。




まさか尻から炎を吹いたとは言えない、




そんなカカシのお尻にイルカは毎日薬をぬってくれた。




きょうは、イルカはりんごをむいた。


ようやくカカシは食事ができるようになった。




病室の窓の外に梅の木がみえた。


そろそろ今年も白くかわいい花をみせてくれるだろう。


もう、春だ。







「どうぞ」


「ありがとう」



イルカはむきおえた林檎をカカシの口にはこんだ。



今週末には退院できるのだ、


そしたら、二人で散歩をしたい、



「イルカ先生、今回もすみませんでした」

「いいいです、もうなれま、あ・・・・」



ベットから半身を起した、はたけカカシの頭部を見て、イルカは息をのんだ。


「どおしたの?」

「いえ、なんでも」




答えられない、



カカシの後頭部に小さな禿げをみつけた。







窓からはほんのり甘いかおり、



2013年、 それでも、おれはこの人が好きだ・・・・と・・・おもいます・



今年もよろしくお願いします。



END










2012年11月03日
俺と胃痛
”きりきり”


今日も何処かで誰かの胃の痛む音が聴こえる。





働き者のアカデミー教員、うみのイルカは、ここ数日里の書庫整理に汗を流
した。

火影である綱手の命令なので、しかたない・・・。



棚には古い書物と、部屋のもった独特の匂い。



(暑いな)

もう里は冬に近いというのに、

イルカはタオルで額の汗をぬぐった。



本棚の周りにはまだ整理されていないダンボール。


「これもかたさないと」


イルカは箱をひらいた。


何気に中の一冊の薄い本を開いてぱっと閉じた。


「いゃ〜〜」




その本の中身は、若い男と男が裸で・・・・。


これは綱手さまのものなのか?




ダンボールの中には
そのての本がみっちり、

”ずきずき”




イルカは頭を押さえ、気をとりなおし、再び本の整理。



”からから”


(はっ?)



イルカは息を殺した。



誰かが部屋にはいってきたらしい。


「はやくこいよ、アスマ」

「まて、シカマル、ここでか?」

「いいだろう」



この声は!!


アスマさんとシカマル!!



(ここで、どうするの?)




イルカは涙がでた。











”きりきり”

あの後のことは思い出しただけで顔が赤くなる。



その日は仕事にならず、イルカは肩を落として夜の酒場にむかった。



ビールとツマミのポテトを頼んだ。


にしても・・・・


あ、だめ!

いけない。


アスマさんとシカマルがあああ”


「いゃあ!」


葛藤するイルカの
背中に誰かが居た。


「?!」


そこには、里のエリート、はたけカカシ。

「あ、こんばんは」

(なんでこんなところに)


「ここは旨いですね、とくにポテトフライとピザが、イルカ先生俺の席にきませ
んか?」


「あ、でも〜〜」


(困った)



カカシさんは悪い人ではないが、今夜は一人でいたかった。



「どうかしました?」

「いえ、今移動します」



断りきれすイルカはカウンターの席から奥のカカシの席に移動した。



テーブルには特大のポテトフライ。




「イルカ先生は今、書庫の整理をしているそうですね」

「はあ・・・・・」


「昔から、あの書庫で結ばれたカップルは幸福になれると里の伝説なんで
す」

「な、なんのこと、ですかああ」

汗。



「昔はミナト先生と自来也様もあそこで、むふふふ」
「いゃあ〜〜」



イルカは立ち上がり、泣きながら店を出た。




今夜は帰ってお風呂に入って、AK●48のDVDを観てすべて忘れよう!!



風呂に入っても、DVDを観てもどうしてもなまなましい、妄想がイルカを支配
した。

今夜は寝不足だ。





翌日の昼下がり。

イルカは自動販売機で、コーヒーを買った。


今日もこの後午後から書庫整理。

嫌な予感がする。




早くあれを終わらせよう。


にしも整理のつかない本も多い。



それにまた、誰かあの部屋に入ってきたりしたら、


そうだ、中から鍵をかければいい。




イルカはコーヒーを飲みほし立ちあがった。









”むわああん”


”じめじめ”


愛かわらず、暗くて臭くて蒸し暑い。




気合を入れイルカはダンボールを整理した。


棚に並べるものは棚、残りはダンボールにつめて、つめて、積み上げた。


「はあ〜〜〜」



気がつけば窓の外は少し薄くらい。



「ごくろうさま、イルカ先生」
「ひっ!!」

鍵をかけたはずが、




はたけカカシがのほほんと現われた。



「なにをしているんです、カカシさん!」


「そう、この部屋でむすばれたら幸福になるんです」

「ええええ」


じたばた。



しばらくお待ちください”










”ぜえぜえ”





裸でイルカは書庫の中で転がっていた。



「永遠ですよ、俺達」


”ばかあああ”

イルカはカカシを殴り倒した。





”きりきり”



今日もどこかで誰かの胃の痛む音がする。







その後この二人は里を代表する馬鹿カップルとなったそうだ。




24.08.03










2012年10月13日
秋の昼だにゃあ
「いちまああ〜〜い」
「にいいまああい」


ここ数日、涼しく過ごしやすい晩に彼はお金を数えていた。



今月は苦しい。

給料日まで、後10日。


かぞえても、数えても、増えるわけはない。


そう、今月は、アカデミーの友達の結婚のお祝いに1枚。

同僚たちの呑み会で、1枚。

お風呂が壊れて修理に1枚。


まるでお金に羽がはえているようだ。





”あああ”




何度かぞえても、残すところ、小銭もかき集め、。3、150.

ってこれで俺は10日間生き延びる。冗談じゃない。




仕方ない貯金を、いや、あれは、オレが将来結婚するときの為の大事なも
のだ。




とにかく、頑張ろう!!


”ごおおお”

彼、うみのイルカは燃えた。





うみのイルカさんは、木ノ葉のアカデミー教員。


真面目で里の人気者。


食いしんぼうな、イルカさん。






イルカは冷蔵庫をひらいた、もう何度もひらいたが、



おなじだ。


イルカは弁当箱にたくあん、と梅干しをつめた。


「さぶい」


ふとある人物の顔がうかぶ。


「カカシさん・・・・」



そうだ、里の上忍、エリートのはたけカカシ、彼に豪華ランチを、

いやいや、

それはあつかましい。




二人はいい飲み友だちだ。





のほほんとして、優しいカカシさん。


イルカはスケジュールを確認した。


今日、彼は里で待機だ。













ぐるるる、ぎゅるぎゅううううるううう。



受付のイルカの腹が泣いた。


「おい、イルカだいじょうぶか?」

隣の席の同僚は目を見張る。


「なんでもないです」


笑顔でイルカは答えた。







”きんこんかんこん”


きんこん、かんこん♪



昼休みのチャイムが鳴った。




イルカは弁当を手に席をたった。



「ねえ、イルカ先生もランチですか?よかったらわたしたちと」


ナイスボディの魅惑てきな中忍のかるびさんに声をかけられイルカは目まい
がした。


(ああ残念)



折角美人と飯を食うチャンスが・・・・

あの弁当では、


「すみません、わたしは私用で・・・また誘ってください」


(くやしい)





イルカは涙目でこそこそ走った。


この先にあるベンチで、今日はすごそう。




こっそりと一目をはばかり。



イルカはベンチに腰掛けた。



どこからか、爽やかな秋の風が吹く、もう10月だものな。



イルカは包みをひらいた、刹那!!
「イルカせんせい!!」



ずる、


弁当は哀れ地面に落ちた。



「いやああああ」



イルカの目の前に何時来たのか、はたけカカシ。







”くすん、くすん”


「もう先生、そんな泣かないでください、オレのせいですけど」


「おれ誰にもみられたくなくて」


「たくあんと梅干しのどこがいけないんです、ねえ、機嫌なおして、オレのお
弁当あげます」


「へ?カカシさんの?」


これは、


里のエリート、はたけカカシのお手製弁当!!


「どうぞ、」

「ありがとうございます」




どきどき。



「あ、お茶もありますから」



どんな、凄い弁当だろう。


イルカは箱をあけた。
「あ?」






その中味は、白米にかつぶしをかけただけの「ねこまんま」



”ひゅうう〜〜”



二人の間を隙間風がふいた。





「イルカ先生、ナルトたちにはないしょですよ、おれ、ときどきTKGもお昼にた
べます」

「うそおお」


注意TKG・・・卵、かけ、ご飯。






その晩はカカシさんは流石に悪いと思ったのか、イルカをステーキハウスに
招待してくれた。




ちょっとだけ、カカシさんのことがきになるこのごろ。





12.3.17.

2012年08月18日
どろぼ〜〜
「しかし、靴下とパンツなんて、変態だよなあ」

旨そうに生ビールをのみながらライドウは笑い飛ばした。

「そのうえ、女ものならともかく、イルカのぱんつう」


ぷぷつ”

”ごん”


イルカは頭にきて、ライドウを殴り飛ばした。

「な、なにも、なぐるなんてええ〜」

「俺は部屋に入るとまた、犯人が現われるかもしれない、すごく不安なのに、
お前は楽しんでいる!」
「ああ、楽しい」


”きっぱり”



「もういいよ」



俺はどうやら相談相手を間違えた。







そのイルカにおきた泥棒事件はまたたく間に里に噂として広がった。

テレビコノハのワイドショーにまで、イルカの事件が・・



勿論、あのライドウのお喋りが広げたのだ。





イルカが街を歩くたび、あちらでも、こちらでも、ひそひそとやられた。

もう、耐えらんない。





「イルカ先生!!」


とぼとぼと定時にアカデミーの門を出ようとするイルカを呼びとめる声。


「か、カカシさん」


「大変でしたね。でも大丈夫、イルカ先生のぱんつを奪う、極悪人は俺が捕
らえてみせます」


「え?」


イルカの前に現われた、銀色の髪の男、はたけカカシは、世間ではたいそう
な忍びなのだが、

日頃から、何かにつけ、イルカにちょっかいをだす、変人。




(むしろ、犯人はこのひとだったりして)



イルカはカカシを疑っていた。









静かな音楽の流れる、高級感のあるバーで二人は酒をのんだ。

勿論カカシのおごりである。





イルカは飲み食いするだけして、さっさと帰るのだ。


「カカシさん、もし貴方が泥棒だとしたら、怒りませんから、正直に話てくださ
い」

「とんでもありません!!里一番の美しい、イルカ先生のぱんつを盗むなん
て、不潔だああ!!」


店中に響きわたる声でカカシは拳を握りしめた。

「こ、声落としてください、もおお」


他の客の視線が痛い。



「とにかく、暗部を使ってでも捕まえます」

そう、彼は忘れていたが、もと暗部。





全く、普段のカカシから想像つかないが・・・・。












数日後。


犯人は見事捕まった。


お手柄はカカシの優秀な忍犬、パックンだ。



パックンはイルカの匂いをたどり、犯人の居場所を
つきとめた。




犯人はイルカのアパートの隣人だったから、驚きだ。


男は50代、妻と別れ寂しく一人暮らしで、

隣に暮らす、愛らしいイルカに目をつけていた。


とんでもない!!




「きもいい」



犯人は捕まったが、自分の部屋に帰る気にならない。



そんな不気味な隣人がいたのだから、



イルカは引っ越しを考えた。


「イルカせんせい!」




パックンをつれたカカシが受付に顔をだした。



「カカシさん、先日は貴方を疑って申し訳ありませんでした」


「いいんです、悪党もつかまえたし」

「パックンお礼するね」








カカシとパックンはイルカにお礼ということで、一楽で味噌ラーメンをご馳走
になった。



パックンをには、薄味で犬用のものをテウチさんに頼んだ。




「俺、あのアパート引っ越したくて・・・・」


「ですよね、あんな事件の後は気味が悪いですね」

「すぐにでも、でたいですが、そんなすぐ住まいが見つかるか」

「いい物件ありますよ」

カカシは手を打った。




「ほんと?」


それはついている。





二人はラーメンにビールをのんでいて、イルカの気分も軽い。








「ここ、あなたの住まいですけど・・・」

「ええ、5LDkを俺一人でもてあましていて、つかってください、
勿論家賃はいただきません」



「へ?ただでえ?」




少し不安だが、このさい今すぐ引っ越したかった。





こうして、イルカは安易にカカシ上忍と同居をはじめた。





「きゃああああ〜〜」


後の事?

イルカ先生が無事であるか、は私は知りません。


では、夏も後半、皆様元気に夏を乗り越えましょうです。


12.3.1.
2012年07月07日
シュールだぜぇ
ここ最近の俺は・・・



PCの画面を前に真剣に勝負していた。


”ネトゲ”

まさか、この俺が、


先月、忍の仲間のゲンマさんから、ゲームの招待をもらって、

何気なくはじめた。


それは、自分の土地に畑をつくり、作物を収穫したり、
森に材料をとり、家を建てたりする、ゲームだ。



(ぐうう)



気がつくと毎夜遅くまで、食事も忘れ、イルカはゲームに熱中していた。



1月で3キロ痩せた。



それでも、何かをつくり、ゲームの課題をクリアして、貰う報酬は、素敵だっ
た。





”うとうと”



イルカはPCの前で、くずれて眠った。


そういえば、最近布団でねていない。









深い森の中をイルカはナルトとふたり道に迷っていた。

「イルカ先生、腹がへったってばよー」

「だな、何か木の実でもないかな?」



大きな木をイルカは、見上げた。



”くんくん”




ほのかに、風に乗って、こうばしい、魚の焼ける匂いがした、

二人は顔を
見合わせた。、



匂いの方向に2人は駆けた。








森のほとりには、泉があった。




泉のわきに銀色の髪の色男が火をたいて魚を焼いていた。




「か、カカシさん・・・・」


そうだ、それはイルカの憧れの、上忍、はたけカカシ。



しかも素顔。




「みたところ、二人とも、お腹がすいていますね」


「ええ」


「ちょうどいい、俺が焼いた秋刀魚がある」
「泉に秋刀魚?」



「イルカ先生、なんでもいいってば、食べるってばよ」


「こら、ナルト行儀わるいぞ」


「ま、いいでしょう、あなたがた二人には、この魚を食べる為の、条件として、
クエストを用意しました」
「く、くえすとおおお」





「そう、今から15日間、このおくの畑で、チューリップを収穫してもらいます。
紫のチューリップを」




「これは・・・・」


どうやら、俺はネトゲの世界に迷い込んだようだ。






イルカはナルトと、カカシの畑でチューリップの種をまいた。



だが、収穫してもできてくるのは、紫ではなく、ピンクや黄色。どうして、紫が
でない!!


「もう〜いやああ」



「もうすこしです、頑張って」




(どうでもいいけど腹が減った)





はっ!


イルカは目を開いた。
どうやら、俺は夢をみていたのだ。




しかし、リアルでシュールな夢だ。








イルカはPCをおとして、立ち上がった。


「きちんと夜飯くおう」


簡単だけど、野菜を沢山いれた、うどんをにて、ミルクをのんだ。


この晩は布団で休んだ。









空は水色の絵の具のようで綺麗だ。



晴れて気持ちのいい朝にイルカはてくてくと、アカデミーにむかった。



その途中、公園がある。

”ぱちぱち”






どこかで、魚の焼ける匂い。


「これ・・・・」


公園には、はたけカカシが、秋刀魚を焼いていた。


「いゃああ〜先生、どうです召し上がりませんか・」


(なんだってえ)



「いえ、け、けっこうです、ごめんなさい〜かかしさん」





まあ、数日前にそんな出来事があり、今は俺、カカシさんに誘われ、釣りを
はじめたんだ。

でも、ゲームだけどね。




ああ〜つれない!!




そんな俺の近況でした。


120522.
2012年06月16日
マイ昼ごはん
「いちまああ〜〜い」

「にいいまあああい」


給料まで後10日あまり、


今月は出費がかさんだ。

同僚の結婚式に2枚。

呑み会に1枚。


お金にまるで羽がはえているような、

そんな日々だ。
「ああ」


うみのイルカ、キュートなしっぽの中忍の彼は深く溜息をついた。







小銭(全財産)をかきあつめ、今月は後、3750円。

これで、10日間、乗り越えるんだ。






おれは、やる、それでこそ、木ノ葉の忍だ、


みていてくれ、天国の父ちゃん、母ちゃん。



”ごおおお!”


イルカは燃えた。





うみのイルカさんは、アカデミーの教員です。

真面目で、人がよく、



食いしんぼうな、


里の人気者。










冷蔵庫を冷蔵あさり、
イルカは、たくあんと梅干しをひきつめた、弁当を作った。

「ああ、さぶい」


こんなとき、こんなときに、カカシさんがいたら、




ふと里の上忍、はたけカカシを思い出した。



そうだ、




ふたりは、最近は飲み友だちだった。





のほほんと、少し変人だが、やさしいカカシ先生。




イルカはスケジュールを調べた。




この日は里内にいる。




「ぐううう」


職員室で、むなしい腹時計が鳴った。

「おい、変だぞ、今日は、だいじょうぶか?」


「まあ、なんでもないですし・・・」




キンコンカンコン♪



昼を知らせる音楽だ。
イルカは立ち上がった。




「あら、イルカ先生、もうランチですか、よかったら、私たちとご一緒しませ
ん・」
美人の教員がイルカを誘った。
(ああ、こんなときに)


「すみません、また次回お願いします」



ふうう。




折角美人と飯をともにする
チャンスをだいなしにした。


おれは・・・。





こそこそ。



イルカは校庭にでた。



一人たそがれて、ベンチでお弁当をひろげた。


白米に沢庵がひきつめてある。




いや、これだって、立派なランチだ。


「やあ、イルカせんせい!」

「はっ!!」


”ぽろり”






その声に慌ててイルカは大事な弁当箱を落とした。


”べちょ”




「いやあ〜〜」



背後にははたけカカシが立っていたのだ。










”くすん”

”くすん”




「どうして泣くんですか、イルカ先生」



「だって、あんなお弁当他人に知られたくなかったんです」


「ごめんなさい、おれのせいです、あの・・・よかったら、代わりに俺の弁当
を」


「は・」


「どうぞ」


カカシは小さな弁当を取り出した。





(これは、まさかカカシせんせいのお手製)



すごい。




「どうぞお箸」

「よろしいのですか?」
「ええ」

「では」


”どきどきどき”




どんな弁当だろう・


上忍はたけカカシの弁当。




イルカは蓋をあけた。

「これは・・・・」



白米かつぶし。


そう、ねこまんまだ、



ひゅう”



冷たい風がこころに吹いた。






「あ、ナルトたちには内緒だからね、おれはときどきTKGもやるよ」

(注・・TKG、卵、かけ、ご飯のこと)





二人の間に隙間風。






その晩、責任を感じたカカシはイルカを焼肉に誘った。



カカシさん、やっぱり、スキだな。



120303.

2012年06月09日
優しい雨
しとしとと、音が窓の外からきこえてくる。


今日は雨だ。


まだこのまま、横になって寝ていたいが、


(あ、そうだ)



昨夜は恋人のイルカ先生の部屋に泊まったのだ。




隣ではすやすやと、寝息がきこえた。



カカシは枕元の時計をみた。

5時だ。




最近は5時は明るい。





そっとベットから抜け出して、




シャワールームにカカシは消えた。






イルカ先生が目覚めるまえに、


カカシは朝食の支度をはじめた。




思えば、カカシの家族は父親だけだった。
その父のために昔はカカシが食事の世話をした。



母親の記憶は残念ながら、なかった。







父を失った後、カカシは食事をつくる気力がなかった。



次第に食欲はなくなり、


部屋で一人ふさぎこんでいた。






そんなカカシを心配したミナト先生が訪ねてきた。





ミナト先生がゆいつくれる、目玉焼きをカカシはごちそうになった、

目玉焼きは形はくずれ、何故だか甘い味だった。





「ね、カカシおいしい?」

「はい・・・」

「ちゃんと食べないと、駄目だぞ。・・・今度はクシナが作ってくれるって」

「ほんとう?」

クシナさんはミナト先生の恋人だ。






あれからもう何年たつのだろう。






ただ、強くなる事を考え暮らしたこともあった。


「カカシさん、すみません、寝坊してしまった」


パジャマのイルカ先生が髪をみだしておきてきた。





「大丈夫ですよ、まだ時間あるから、着替えてきてください」

「はい」









カカシには今、一緒に食事をしてくれる相手が出来たのだ。




「今日は雨ですね」
「ええ梅雨にはいったんですね」





イルカはカカシのお手製のモーニングに感激してくれた。






「甘くておいしいです」

「普通は醤油ですね、はは」

「ソースとか、でも砂糖もなかなか」





にっこりと先生は微笑んだ。





「むかし・・・ミナト先生が・・・・」

言いかけてカカシは口をつぐんだ。




大切な思い出は引き出しにしまっておこう。




「はい?」

「いえ、なんでもないです」



「今度は俺にもつくらせてください」

「楽しみですね」







父さん、先生、俺にも、朝ご飯を一緒にしてくれるひとが見つかりました。






カカシは窓を開いた。


ざーざーと音をたて、降る雨はやさしいものだった。










カカシは慣れた手で目玉焼きを焼いた。



そのうえに、砂糖をかけた。




イルカ先生は喜んでくれるかな?











父を亡くした後、カカシは
2012年05月26日
困った大人たち仔カカイル★イルカちゃんBDおめでとう!!
きょうね、イルカ、カカチとおでかけしたよ。

おたんじょうびに、

カカシとおとなになったら、ふたりでおんせんおくやくそくした。




だあいスキカカチ。



そんなイルカちゃんのお祝い。


お誕生日にカカシ君から、お風呂セットをもらいました。

いい香りの石鹸とシャンプー、入浴剤。


お風呂の大好きなイルカちゃんはとても嬉しそうに微笑みました。



カカシはトキメキました。


こんなふうにわらってくれる時が、一番カカシにとって嬉しいのです。





二人は里のファミレスでお食事。

まだ子供なので、

少し離れた場所に保護者のイルカちゃんのお母さん、が座っていました。


イルカちゃんのお母さんは、しばらく実家に帰っていましたが、
やっとおうちに戻ってきてくれたのです。




(なんだかとてもいい感じね)


仲むつまじい子供たちはまるで、大人のカップルのようです。



少しだけ母は悩みました。



カカシ君、は里で有名な「白い牙」のひとり息子です。


色男のはたけサクモ。


当然カカシ君は大人に成長したら、美しい若者になるでしょう。



イルカは私にて、かわいから、きっと二人は・・・

「いゃああ〜」

思わずいけない想像に母は顔を赤くしました。










”すやすや”

誕生日の夜。


イルカちゃんは夢をみたのです。


チャペルで大人になったカカシ君と結婚式。





大きな光る石の指輪をカカチはイルカにはめてくれたのです。



二人は誓いのキスをしました。


うっとり、


しているイルカの前で、カカシ君は、ズボンをおろしました!

「いゃああ〜」






悪夢にイルカちやんは目がさえました。





(カカチこわい)



結婚式の最中にズボンをおろすんなんて!!


変態です。



イルカちゃんは衝撃をうけました。








その頃、

うみの家のリビングで、イルカの両親はお酒をのんでいました。


「ねえ〜とうちゃん、うっふうん!」


「はっ!!」


うみのさんは、焦りました。

これは、奥さんからの、夜の御誘いです。



「す、すまん、今夜はわたしは生理で・・・」

「まあ、酷い」

イルカの母は夫から、拒絶されたのです。


全身から怒りの青い炎をめらめらもやしました。




「あああれえええ〜〜」



母は父に襲いかかりました。











夜間、目が覚めてしまったイルカちゃんはお布団をでました。


最近は一人で眠れるようになったのです、


(ぐううう)


お腹が
鳴きました。


イルカちゃんは台所にむかいました。

冷蔵庫をひらいて、イルカちゃんは悩みました。

卵かけご飯にするか、それとも、かつぶしをかけたねこまんまにするか、悩
みます。



どちらも捨てがたい。


「たまごにする」


大きな御茶碗に白飯をよそい、冷蔵庫から卵をだして、割りました。



”ばたばたばた”




その時です、


和室のほうから、なにやら物音。



「とうちゃん?」




どうしたのでしょう?


父のうみのさんは、裸で廊下をはっていました。


「なに?」
「あ、イルカ・・・あああああ」



まだ幼いイルカちゃんには、意味が解りません。


うみのさんは、汗をふきました。



「とうちゃん、ズボンをおろすひと、イルカ、きらい!!」



先ほどの悪夢をイルカちゃんはおもいだしました。












数日後。


公園でイルカちゃんはカカシ君とベンチに座りました。



「イルカちゃん、これのんで」

「ありがとう」


カカシ君は水筒に麦茶をいれてもってきてくれたのです。



「あのね・・・あの・・・・」

どうしたの?」


「あのね、よるとうちゃんが、はだかでろうかに、いたの、ぱんつもはいてなく
て、よくわかんない」

「ええ?」


「サクモおじゃんもある?」

「あ、そうだね、時々裸でいるけど・・・・」


「おとなよくわかんない」

「だよね」



くすくす。



イルカちゃん、カカシ君。、


君たちもいずれ大人になるんだよ。


110430.


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