STORY

2007年07月05日

ばかんす


低く音楽が流れている。
照明は暗い。
店にはジュークボックスがあり不思議な空間を作りだしていた。


イルカは恋人と並んでカウンター席に座っていた。

最近外でのデートではこの店に来る。
「いい夜ですね・・・あなたと過ごすには・・・」
カカシはタバコをくわえた。

まだ彼と付き合って日が浅い。


里を誇る上忍はそっと手をのばしイルカの頭にふれた。
おもわず、ぴくりとイルカは反応した。
まだ、二人の間ではその関係はない。
「イルカ先生。これから俺の部屋でゆっくりしませんか?」
ささやかれて、
イルカは顔を赤らめた。



カカシの部屋にイルカはとうされた。
緊張してイルカは正座していた。
「今週末、任務明けで休みがとれるんです。・・・そしたら二人で温泉に行きませんか?」
温泉ときいて思わずイルカの瞳が”きらり”と光った。
「里からそうとおくない『常磐ハワイアンの里』というところで、温水プールがあったり、夜はショーやバイキングでお寿司やローストビーフが食べ放題なんです」
「わぁ〜〜〜!!」
喜ぶイルカを楽しそうにカカシは見ていた。

温泉といえは浴衣。
温泉といえば貸切の露天風呂。
浴衣姿の色っぽいイルカとハードコアな夜。

カカシは一人含み笑いを浮かべた。


イルカと付き合って一月。
やっとちゅうまでこぎつけた。
早くその先に進みたい。






その日イルカは有給をもらった。
二人は「ハワイアンの里」に向かった。
南国らしい木々がおいしげったリゾートの里である。


部屋の窓からは美しい海が見える。
二人は浴衣に着替えた。
イルカのうなじが色っぽい。

「イルカ先生」
早速唇を奪いHなことをしようというカカシに、
「カカシ先生。卓球にいきましょう!」
「はぁ?」
「温泉に来たらまずは卓球するものなんです。・・・任せてください俺温泉奉行なんです」
唖然としているカカシの手をひいてイルカは卓球場にいった。
なんと、イルカは信じられないほど卓球が強い。
「ぜえぜえ」
カカシはばてた。
「イルカ先生、お部屋の露天風呂にはいりましょう!」
「お、おふろに・・・」
ぽっとイルカは赤くなった。
本当に可愛い。
「でもその前にゲーセンにいきたいです」
イルカはおねだりした。

そして地下にあるゲームコーナーへ。
イルカはUFOキャッチャーのまえで立ち止まった。
景品はワンピースのチョッパーだった。
「これほしい・・・」
甘えるようにイルカは言った。


カカシは今までそんなことしたことなかったが、
コインを取り出しゲームを始めた。
「わあ〜〜〜!」
カカシのとったぬいぐるみをイルカが嬉しそうに抱っこする。
喜んでくれているのでま、いいかカカシは微笑んだ。



二人は部屋に戻った。

いよいよカカシが待っていた。
露天風呂である。






腰にタオルだけを巻いたイルカが恥ずかしそうに入ってきた。
すらりとして余計な肉のない美しい身体だった。
下ろした髪が艶っぽい。

カカシはイルカを自分の膝の上に座らせた。
身体を密着させ首筋に唇を這わす。
「ああ・・・・」
たまらなくなってイルカが甘い声をもらした。
「もう、あなたは俺のものです」
そっと下半身に手をのばし、巻いているタオルをはずす。
イルカが身をよじった。


二人は何もかも忘れ愛の行為に夢中になった。
"内容は残念ながらR指定となるので載せることが出来ない。どうしても見たい人はこの画面を10円玉でこすってみよう!”




布団の上え二人は横になっていた。
イルカは疲れて寝てしまった。
カカシはその髪にふれた。
「ん・・・・」
イルカは目覚めた。
「ごめん。起こしてしまいましたね」
「カカシ先生・・・・」
「イルカ先生」
テレながら見つめ合う二人。
”ぎゅるぎゅるぎゅる”
その時カカシの腹がなった。
「あ、今何時ですか?」
「え?」
カカシは時計を見た。
「8時40分です」
「しまった!バイキング9時までなんです!」

二人は慌てて着替えた。






二人がバイキング会場に着いたときにはもうほとんどの料理がなくなっていた。
「おすし・・・・ローストビーフ・・・」
暗い声でイルカは言った。
「ごめん・・・俺あなたに夢中で・・・」
「いいんです・・・・夢に見たり、あなたを恨んだりしませんから・・・・」
「えっ!?」
イルカの目が座っている。
「イルカ先生外のファミレスに行きましょう!!」
「いいです。コンビニで・・・」
テンションががた落ちしていた。


トボトボ二人はホテルの中にあるコンビニにはいった。
イルカは籠の中にお弁当やお菓子をどさどさ入れた。
カカシもアルコールを買った。


二人は部屋で食事をした。
イルカは少し機嫌をもどした。
ビールをおいしそうに呑む。
「イルカ先生、里に帰ったら、焼肉の食べ放題にいきましょう!」
「ホント?・・・あのう・・・ご飯はおかわり自由ですか?」
「もちろんです!」
「カカシ先生・・・・すみません。俺今日わがままばかり言って」
クスッとカカシは笑った。

イルカの肩を抱く。
「じゃ、今度は俺のいうばん」

カカシはそっと布団の上にイルカを押し倒した。








翌日。
二人はホテルの温水プールにでかけた。
すごい人だった。


イルカは気が付くとカカシとはぐれてしまった。
「カカシ先生・・・」
だんだん心細くなってくる。

イルカはおろおろした。




気が付くとイルカがいない。
カカシは懸命に彼を探した。

プールをくまなく探したがイルカの姿はなかった。
忍犬をつかおうかと思ったその時、
放送が流れた。


『迷子のお知らせです。木ノ葉の里から来た、うみのイルカ君。25歳が迷子です。
御家族のかたは至急迷子センターまでお越しください』

「あ・・・・・・」

カカシはあんぐりと口をあけた。
取りあえず迷子センターに走る。


そこには同じように家族とはぐれた子供たちが何人もいた。

その中に浮き輪を抱え涙ぐんでいるイルカの姿があった。


「イルカ先生・・・・」

カカシはこの時付き合って初めて自分の恋人がかなりのテンネンであることに気が付いた。

イルカはこの先忍者として大丈夫なのか?








二人は旅の最後の思い出に浜辺にでた。

きらきらと海が光って綺麗だった。


砂浜は白く。その先にずっと道が続いていた。
「ああ、楽しかった。俺こんなの初めてです」
「おれも・・・」
「もう、はぐれないで下さい。・・・この先ずっと」
「はい・・・」


カカシがのばした手をイルカがしっかりと握った。




END

○これはまだ書き始めのころの話で結構楽しんで書きました。


2007年06月30日

スクープ



今日はお昼にハンバーガーを買おう。
コードネーム、ヤマト。
彼は里にあるファーストフードの店に向かって歩いていた。
空はどんよりとして肌寒い日だった。


ヤマトは立ち止まった。
ファーストフードの店の前に、
彼の恋する相手が立っていたのだ。

暗部出身の里をきってのエリート忍者。
はたけカカシ。
「あっ。せんぱい〜」
かわい子ちゃんをきどり、タタッと彼は駆け寄ろうとしたその視界にもっとも彼の見たくない姿を見つけた。
うみのイルカ。
カカシの現在の恋人である。


楽しそうに二人は笑いあっていた。

ヤマトはハンカチを噛んだ。
「しっぽ男め〜きいいっ!〜〜!!」


二人は店の中に入って行った。
何か会話をしている。

その唇の動きで会話を読む。

”俺このセットの他にアップルパイが食べたいです”
”もう、食いしんぼさんなんだから”
”ふふふふ”
"早く買っお部屋に戻りましょう”
何でもない会話をヤマトは深読みしていた。
(いやらしい〜)

ヤマトはかわいいイルカに嫉妬していた。
青い嫉妬の炎がメラメラと燃えた。
「あちっ!」
ヤマトは自分の炎でちりちりになった。


そして彼は彼の中の妄想の世界に入っていった。

あたり一面の花畑はまるで「大霊界」のようだった。
カカシはヤマトの為に白い菊の花をつんでいた。
「あんな食いしん坊なんかより、ヤマト君のほうが素敵さ・・・ベィビイ」
「本当?」
ヤマトはうれしって、
くるくる回った。
「今夜は離さないよ」
「ああっ!」
くるくるくる。

ファーストフードの店の前でヤマトはくるくる回っていた。
”バシッ”
誰かが彼の頭をはたいた。
カカシである。
怖い顔をしていた。
「ねーこんなところで何してんの?」
「え・・・あの・・・お昼を買いに」
「あ、そう。・・・さぁ、イルカ先生早く行きましょう」


二人はポテトの匂いをプンプンさせながらそこを去って行った。




〜ひゅう〜〜

心の中に隙間風が吹いた。
"負けるもんか”
ヤマトは二人のことを尾行した。
そういう事は専門である。

彼は昼を買うことをすっかり忘れていた。
先輩を想うあまり、
最近食欲がない。





二人はカカシの住居に入って行った。
ヤマトはカカシの部屋が見えるような木を探しそれに登った。
双眼鏡を取り出しまるで自来也みたいなことをはじめた。


それにしても、先輩は何であんなしっぽ男がすきなんだろう?


部屋の中でカカシとイルカはハンバーガーを食べている。
口のまわりについたソースをカカシがティッシュで拭いてあげている。
二人は再び会話をはじめた。

”ねえ、イルカ先生・・・いいでしょう?”
”でも・・・まだお昼だし〜”
”ね、知ってる?お昼にHすると健康にいいって、み○もんたがテレビで言っていたんですよ”
"本当ですか?”

(何て卑猥な会話してるんだ!)
それに、そんなのテレビである訳ない。
(ひ、ひるエッチ)

木の上でヤマトは悶えた。

"カカシ先生ポテト食べます?”
”うん”
”あ〜〜ん”


しっぽ男=うみのイルカが先輩にポテトを食べさせている。

カカシもカカシだった。
”デレデレだった”

”く、くやしい〜”
らぶらぶに当てられてヤマトは歯をきりきり噛んだ。
と、その時。
さわさわと木の下で人の気配を感じた。

ヤマトは下を見た。
男が二人。
服装からいって木ノ葉の警備隊だった。

ヤマトは木を降りた。
「君かね。昼間っから変態が出たとさっき通報があってね」
「ええっ!?」
ヤマトは驚いた。
「こんなところで何をしていたんだね!」
「そ・・・その・・・・」
ヤマトは困惑した。
どうしよう・・。
「一緒に来てもらおう」
”ガシッ”
ヤマトは両脇を警備隊に捕まれた。
「違います。ぼくは変態じゃありません!」
「変態はみんなそう言い訳するんだよ!」
「ち、ちがいます〜ぼくは〜へんたいじゃあ〜ありません!〜〜〜〜!!」
ヤマトは連行された。






火影である綱手は頭痛が止まらなかった。
木ノ葉では毎日のように珍事件が続いていた。
補導されていたヤマトを綱手は引き取りにいった。
恥ずかしい。
うでを組みヤマトを睨みつける。
「で、お前あんな木に登って何していたんだ?」
ヤマトは口をもぐもぐさせた。
汗がたれる。

まるで蛇に睨まれた蛙のようである。
「正直に答えろ!」
「あ・・・あのう・・」
「のぞいていたんだろう?」
「はい・・・すみません」
「女風呂か?」
ぷるぷる
ヤマトは首をふった。
「男の人を見ていました・・・」
嘘ではない。
「な、なにい?男だとお?男風呂か?・・・このへんたいっっ!!」
"ドカン”


そしてまるで日頃ナルトがサクラにぶん殴られた時のようにヤマトは飛んだ。



"とんで とんで とんで”
まわって まわって まわる〜


とんで とんで とんで〜

まわって まわる〜”
(BYヒロシマドカ)


木の葉最強の綱手パンチ!

そして、ヤマトはお☆さまになった。

”キラッ”



○ヤマト隊長の話はこの後何作かシリーズになってます。
END





2007年06月24日

二つの顔をもつ男




カカシは苦悩していた。
今日、あの人のよくない噂話を聞いてしまった。


中忍でアカデミーの教師であるうみのイルカ。
カカシは以前からずっと彼の事がスキだった。

優しくてとても可愛らしい青年だった。

何度もアカデミーに通い少しずつ彼に近ずいた。

彼と話すだけでカカシは十分に心が満たされた。
それなのに・・・・。




その夜、カカシは居酒屋でたまたま木ノ葉の中忍たちと席が隣あわせだった。


中忍たちは酒を呑みながらある人物の噂話をしていた。
「嘘だろう?イルカがあ〜〜〜!」
「俺、見たんだこの前上忍のAさんとラブホにきえるところを」
「俺は特別上忍のSGさんと親密そうに飯食っているところを見たぜ!」
「うそ〜〜〜!!」


それはイルカが毎夜のごとく相手をとっかえひっかえ里の男たちと交際しているというカカシには衝撃的内容だった。

「真面目そうな顔してやってくれるよなあ〜」
「何でも一度つきあったら癖になるらしいぜ」
中忍たちはやらしく笑った。
(嘘だイルカ先生がそんなこと)

カカシには信じられなかった。




カカシは部屋にかえり一人で酒をあおった。

俺のしっているあの人はもっと純粋でかわいらしくて・・・


イルカが男達と、
ベットを共にしているのか?
そう思うだけで、
胸が痛い。
(イルカ先生)
(イルカ先生!!)

カカシは酒を飲み干した。

そして思いたった。


もしあの噂が真実だったら、
俺はあの人の相手を殺してしまうだろう。
カカシの中で危険な想像図がうかぶ。

カカシはイルカのしなやかな裸を想像した。
幾度もそれを描いていた。
想像の世界で、
イルカを抱いていた。

"カカシ先生”
夢の中のイルカは甘えてカカシにすりよってきた。


二人は思う存分に求めあった。






ここ数日暑い日が続いた。

カカシは任務に追われていた。
やっと一段落した。
受付にイルカを見つけた。
「ご苦労さまです。カカシ先生」
やさしくイルカが労ってくれた。
「もう終わり?」
「はい」
「よかったら、飯いきません?」
「すみません。今夜はちょっと・・・でもまた誘ってください」
イルカは困り顔をしてから笑顔で言う。
"誰かと約束しているのか”


カカシは腹の中がぐつぐつした。




業務を終え、アカデミーを出るイルカをカカシは尾行した。

何もきずかずイルカは木ノ葉の繁華街へと足を運んだ。
そして一件のレストランに入った。


カカシも少し遅れて入った。


どうやら誰かと待ち合わせしているようだ。
イルカは店に入り手をあげた。
そこに居る人物をみて、
カカシははっとした。

大柄な髭の男はカカシがよく知った人物だった。
上忍のAである。
「すみません。遅くなって・・・」
「待っていたぞ。あそこに入る前にイルカ体力ずけにステーキ食え!」
「わあ〜〜」
(ス、ステーキでとお?・・・アスマの奴イルカ先生にそんなもの食べさせて)
”なんていやらしい”


ところで、カカシは変装していた。
目立たぬようコートに帽子にマスクとサングラスまでかけていた。


アスマと楽しげにイルカは話をしている。
「いらっしゃい〜まあ〜せえ〜〜」
ちょっとしなった店員がカカシにオーダーを取りに来た。
「みず!それから灰皿!!」
「かしこまりまあ〜したあ〜」

カカシは落ち着く為に水をたのんだ。

アスマはうな重を食べていた。
心なしかにやけている。
それも気に入らない。
カカシは水で持っていたカルシウムのタブレットをがりがり食べた。



二人は店を出て仲良く歩いていた。
繁華街から人気のすくない路地裏に・・。
そして二人はラブホにはいった。
(イルカ先生が〜〜)

それでもカカシは信じられない。

カカシは二人の居る部屋の隣にもぐりこんだ。


壁に耳をあて中の様子をうかがう。
二人の会話が聞こえてきた。
〜〜じゃあそそろそろアスマさん、脱いで横になってください〜〜
〜〜ああ〜たのむ、ずっと溜まっていたんだ〜〜



カカシはぎりぎり歯をくいしばった。

イルカがアスマに奉仕しているのだから・・・。

壁の向こう側からアスマのよがり声が聞こえる。



それにしてもイルカ先生はよほどテクニシャンなのだろう。

"俺だってまだ一度もしてもらったことないのに”

もう許せない〜〜!!


それにこのままほおっておくほど自分は心が広くない。






翌日。
カカシはイルカを呼びだした。

イルカは相変わらず、虫一匹殺せないような笑顔をカカシにむけた。


カカシの気持ちなどまるで理解してないかのように。
二人は静かなBARで酒を呑んだ。
「今夜は御馳走さまでした」
店を出て帰ろうとするイルカの腕をカカシが掴んだ。
「ちょっと一緒に来て!」
「えっ!?」
びっくりするイルカの手をひいた。

カカシは夕べのホテルにむかった。
「カ、カカシ先生!?」
「来てよ、いや来いイルカ!!」
強引にいってかカカシは部屋にイルカを押し込めた。


ダブルベットのある、
ピンクの壁の部屋。
「カカシ先生、どうしたって言うんですか?」
「それは俺のほうが訊きたいよ。・・・イルカ先生」
イルカは黙った・
「ねえ、あんたが夕べアスマにしたことと同じことを俺にもしてよ」
イルカは目をぱちくりさせた。
そして腕を組み。
「わかりました・・・カカシ先生、ベストを脱いでうつぶせにベットに横になってください」


カカシはゴクリと唾を飲み込んだ。




カカシはイルカに言われたとうりベストを脱いでうつぶせになった。


カカシの心臓がドクドク早くなる。


そしてイルカはカカシの背中にまたがった。

(そ、そんな大胆な!?)

カカシはびっくりした。

更にカカシを驚愕させたのは・・。

イルカはおもむろにカカシの背中を指圧し始めた。

「ああ〜〜〜〜ああ〜〜〜!!」
カカシはそのあまりの指つかいによがり声をあげていた。

それはまさに、天にも昇る快楽。

「きもちいい〜〜〜」



すべてはカカシの誤解だった。









イルカはしばらく涙を流して笑っていた。
「俺が、お客をとっているなんて〜〜」
「本当にアスマとな何でもないんですね!」
”クスクスクス”


イルカはマッサージが得意でなんなに、マッサージをしてあげる代わりに夕飯を御馳走になっていたのだ。

それが何時しか世間の誤解を招いた。


「でも・・・カカシ先生、どうして俺のことをそんなに心配してくれるんです?」



二人きり深夜のホテルの部屋。



「それは・・・・」

イルカはそっとカカシの肩によりかかる。
「心配してくれ嬉しいです」

彼はいつもの純粋な優しい笑顔で言った。

カカシはその肩をぎゅっと抱き寄せた。
「わかっているくせに・・・イルカ先生の意地悪」
”フフフ”




ふたりは笑い合った。


長い夜はまだこれから始まったばかりである。





                                                   
                                                   END
                                                   
 ○これはスレイルを書くつもりがこんなふうになりました。
                                                    



2007年06月22日

止まらぬ想い





畑のど真ん中で戦闘は行われた。

彼らは命がけで任務を遂行した。
泥にまみれ汗を流し、


激しい戦闘はやがて終結した。


土にまみれた服をはたいたが、汚れはとれない。
仕方なく近くの川で汚れを洗った。

彼は里に向かった。
”逢いたい”
一時も早くあの人の側に、
そして熱い抱擁を交わしたい。

心から暖めてほしかった。
冷えた体と、
冷えた心を・・・。




同時刻。

彼はアカデミーにて生徒たちを相手に「変化の術」を教えていた。
「皆!自分の一番好きな人に変化するんだ!」
明るくイルか先生は言った。
「は〜〜〜い!!」

"ドロン”
"ドロン”

子供達はめいめいに変化した。
イルカの姿に変化した子供も少なくない。


その中に三代目火影の姿があった。
木ノ葉丸である。

「さ、三代目!!」
”ホロホロ”
その姿を見てイルカは思わず涙ぐんだ。
「イルカ先生、これ、偽者だぞ!」
「ああ、ごめん。つい」
涙をイルカはぬぐった。
「きゃあ〜〜〜!!」
その時、女の子たちが悲鳴をあげた。
一番好きな人をどう勘違いしたのか、
一人の生徒が大蛇丸に変化したのだ。
「うふふふふ」
アカデミー生のR君はしなりながら笑った。



そしてイルカも悲鳴をあげた。




そんな訳で、うみのイルカは一日の勤めを終えくたくたで帰宅した。
(ふう〜〜〜)
イルカは灯りをつけた。
(夕飯つくるのめんどくさい)
頭の中でなにをしようか考える。


恋人のカカシのいない日は何時も適当にすませてしまっている。

イルカはお菓子の入った缶を持ってきた。
”たこ焼きスナック”
何でも大阪の里にしかない珍しいものだそうだ。
缶に保管してカカシにも見せずにこっそり食べている。

ぽりぽりイルカはそれを夕飯のかわりにした。


”そうだ、明日アカデミーで配る遠足のプリント作らないと”

イルカはノートパソコンを立ち上げだらだら仕事の続きをはじめた。




一時間ほど経過した頃。
イルカははっとなって立ち上がった。
玄関に出る。
「カカシ先生!」
里外の任務についていたカカシがイルカのところへ帰ってきたのだ。
"バタン”
ドアが開き、
少し薄汚れたカカシが立っていた。
「イルカ先生!」
荷物を置き、
カカシは思い切りイルカに抱きつこうとした。
それをさっとよける。
「カカシ先生臭いです。・・・お風呂に入って服を着替えてください」
ニッコリとイルカは言った。


折角任務から戻ったというのに恋人は冷たい。
カカシは服を脱ぎ、
イルカ宅の風呂にはいった。

お風呂の中には色々な温泉の元のコレクションが並ぶ。
カカシは梅の里の入浴剤をいれた。
ほんのりよい香りにつつまれる。

カカシは生き返った。

お風呂からあがるとイルカがパソコンをやっていた。
「せんせー宿題?」
「はい・・・でももう終わりました」
イルカはプリントしたものを鞄にしまった。

カカシは食事はいらないというので、イルカは冷蔵庫から冷えたビールを出してきた。
「そうだ、これ今回の任務、ちばの里の名物です」
「うわ〜〜!」
殻のついた落花生は近頃では珍しい。
袋を開けると香ばしい。
”ぐ〜〜つ!”
お菓子しか食べていないイルカは空腹だった。
イルカは落花生をつまみはじめた。
「もう、ちばの里にはまいりました。・・・近くにコンビニはないし蝙蝠や梟が飛んでいるし」
カカシは任務の話を始めた。

今回の任務で一番不幸だったのは、
ガイと組まされたことだった。
「ふう〜ん」
話を空で聞きながらイルカは夢中で落花生を食べている。
「聞いてください。宿であいつと同室だったんです!あいつ飯はやたら食うし昔から酒癖が悪くて・・・宿で呑んだ後服を脱ぎ始めたんです・・・恥ずかしいですよ。三十路に近い男が〜〜何でも年中合コンに出ているのに振られてばっかだそうです〜〜」
カカシはストレスが溜まっていたのか話続けた。
「それで夜中にねぼけて俺の布団に入ってきたんです」
普通ならそこでイルカが怒りだすはずなのに静かである。
「イ、イルカ先生!?・・・・あっ!?」


何時の間にかお膳の上は落花生の殻の山に。
「だ、駄目ですイルカ先生!」
カカシは袋を取り上げた。
「どうしてです?おいしいのに」
「カラダに毒です・・・それに後で吹き出物が顔にできて泣いても知りませんよ」
「はい・・・」
素直にイルカはやめた。




カカシはイルカの隣に座った。
肩に腕を回し抱き寄せる。

幸福だと思う恋人とのひと時。

二人はイチャイチャはじめた。


イルカを膝に乗せ、
カカシは黒髪を撫でた。
結んでいる紐をとき
サラリとした髪を遊ぶ。

イルカの上着に手をしのばせ彼の感じやすい場所をさぐった。
気分はえろえろ!!

カカシはイルカの上着を脱がせた。
薄い桜色の花が咲いている。

イルカのち○び。

その美しい花にカカシはキスをした。
「あ・・・・・・」
恥ずかしそうに、それでいて嬉そうにイルカは声をあげた。
(興奮するなあ)
そしてズボンを下着ごと脱がせた。
「だめ、ここじゃ・・」
可愛いことをイルカは言った。
「イルカ先生。俺のも脱がせて・・・」
「おれが・・・?」
「そう、あなたに脱がせてほしい。・・・脱がせてくれたらベットに運んであげる」
イルカはカカシの上着をひっぱった。
無駄な肉のない引き締まった美しいカカシの裸体。

イルカはドキドキしながらカカシのグレーのボクサーパンツをおろした。


カカシの恐竜はすでに暴れだしそうだった。

カカシはイルカを抱き上げベットに運んだ。
”今夜は長い夜になりそうだ”


二人は濃厚なキスを交わした。
そして、カカシがいよいよ、
イルカの身体におおいかぶろうとした、
その時、
「うっ!!」
イルカが飛び起きた。
”ポタリ”
何かがシーツに滴り落ちた。
「ひっ・・・・!?」
思わずカカシが声をあげた。

赤い色の液体が、
ぽたぽた、
イルカのカワイイ鼻からたれていた。
「はぁ〜なぁ〜じぃ〜」
イルカは苦しそうに言った。


カカシは慌ててティッシュの箱を取った。
二人の濃厚な夜は、
あっけなく終わった。




イルカはカカシに鼻にティッシュをつめてもらい横になっていた。
「ずびばぜん。ががじぜんぜえ・・」
「だから、落花生は食べすぎたら駄目だって、いったでしょー」

”ばか”
”ばか”


イルカ先生の、
バカッ!!




カカシはその日のブログにそう書き込んだ。


                                               END




2007年06月17日

夏の花


このところ気温の高い日が続いた。

季節は移りかわる。

恋人同士になって初めての夏。


鮮やかな緑色が眩しい。
カカシは恋人と公園にきていた。
二人で過ごす大切な時間。
「のどかわいた」
汗をぬぐって彼は言った。
大きい黒い瞳の恋人。
「ちょっと待っていて」
カカシはそういって売店に駆けて行った。


しばらくして片手にソフトクリームもう片方に冷たいお茶を持ってもどる。
「アイスすき?」
「ええ。とっても・・・」
うれしそうに恋人、うみのイルカはソフトクリームを受け取った。
ぺろぺろとクリームを舐める。
(ああ・・・・・!!)
その姿を見てカカシははっとした。
それは例えようがない程可愛らしい。

カカシは”ババッと印を組んだ。
「水牢の術!!」
イルカは水牢に閉じ込められてしまった。
「ナニするんです。カカシ先生!」
イルカは叫んだ。
「クリームを舐めるあなたはこの上なく可愛い。・・・そんな姿を俺は他人に見られたくありません。・・・かわいすぎる、犯罪です。イルカ先生」

イルカは水牢の中で怒っている。

思わずアイスを落としてしまう。

そしてイルカは哀しい瞳になった。


カカシは術を解いた。



自由になったイルカがつかつかとカカシに近寄ってきた。
そして思い切りカカシを殴り倒した。
イルカは怒って帰ってしまった。





フ〜〜〜ツ
じりじりと夏の太陽が焼け付く。
カカシはゆっくりと起き上がった。
久しぶりに楽しみにしていたデートなのに。

時々、カカシはイルカに対しての想いが暴走してしまう。

何故こんなにもあの人が好きなんだろう・・・。






カカシは思い出していた。
二人が出逢ったあの朝のことを・・・。


冬の早朝はまだ暗い。
カカシは少し背中を丸めながら、とぼとぼ歩いていた。
手には紙袋。
時折そこには通っていた。
戦死した里の人々を弔う慰霊碑に。
そこに刻まれている名前には知った人が幾人もいた。

彼にとって大切な人たちだ。



慰霊碑に先客がいた。
黒い髪を高く結んだ。
そうだ、ナルトたちのアカデミーの先生だ。
むこうもこちらに気が付いた。
「カカシ、先生ですね?」
「はい。・・・イルカ・・・先生ですか?」
そして二人は同時に言った。
”おまいりですか”
ハモってしまい、
二人ともびっくりした。



その事がきっかっけでその晩二人は酒を飲んだ。
イルカはとてもよく笑う。
そして心つかいが優しい人だった。
二人でいて心地よかった。

自然とカカシは饒舌になっていた。
彼になら素直に色々話せそうだ。
「カカシ先生って、こんなに冗談言う人だったなんて、・・・びっくりしました」
「そお?」

イルカは自分より一つ年下で、
内勤なので普段の夜は自分の部屋で過ごすことが多いそうだ。
音楽を聴いたりテレビを観るごく普通の青年だった。


そしてその晩がきっかけに二人で酒や食事を共にするようになった。


そして、彼に特別な感情を抱くまでそう時間はかからなかった。






外は急に雨が降り始めていた。
やがて雨は本降りとなっていた。

カカシは傘をさして小走りにはしった。
約束の時間はとうに過ぎていた。
(イルカ先生)
せめて待ち合わせを何処かの店にすればよかった。
まだ雨が降れば肌寒い。

イルカは約束した公園の一番大きな木の下にいた。
傘を持ってないのか雨に濡れていた。
「イルカ先生。どうして、傘もないのにこんなところで!」
傘をイルカにさしかける。
「おれ・・・カカシ先生にあいたかった・・・」
声が少し弱い、。
「はやく・・・・そうだ、うちに行きましょう!・・・ここからなら俺のところの方が近い」
カカシはイルカをうながした。



カカシは先にあがり灯りをともした。
バスタオルを出しイルカの頭にかぶせる。
「今、着るもの持ってきます」
「すみません・・・」
イルカは結んでいる髪をほどき、濡れた頭や体をふいた。


カカシはクローゼットからグレーのスゥエットの上下を出した。
これならイルカにも着れるだろう。
「その服は後で下のコインランドリーに持っていくから、かして」
脱いだ服をカカシは洗濯籠に入れた。



イルカは落ち着いたのか、もの珍しそうにカカシの部屋を見ている。
カカシはキッチンにはいりコーヒーをいれた。


いつも二人で会う時は色々話たが、この時は無口になっていた。
「すみません。心配かけることになってしまって・・・」
「いいんです。ありがとう、イルカ先生」
「えっ?」
「あんな雨なのに俺のこと待っていてくれて」

カカシは立ち上がりコンポのスイッチをいれた。

海をイメージしたヒーリング音楽。

「お腹すきましたね。今、何か作ります」
「えっ?」
再びイルカはびっくりした。
「俺も独身生活長いんで・・・それに料理こうみえても自信あります」
”ふふっ”
カカシは笑った。




土鍋にはいっている雑炊をみて 、
イルカは瞳を輝かせた。
冷えた身体を温めるそんなものだから。

二人で音楽を聴きながら食べる味は格別だった。
「こんなの初めて、お餅がとろとろ」
「いけるでしょ」
「はい」
”ニコッ”
イルカは笑顔になった。
「良かった。これで何時もの先生になった」
「えっ?」
「だって今夜全然笑わないから」
イルカは自分の胸に手を当てた。
少し頬が赤い。
「どきどきする・・・」
「どきどきって・・動悸?」
「カカシ先生、俺真面目に言っているんです」
「それは・・・俺にどきどきしているの?」
コクリとイルカはうなずいた。


カカシは手を伸ばしイルカの左胸に手をあてた。
思わずイルカがピクリとする。
静かに二人の時間が流れる。
「俺はバクバクします・・・そしてムラムラ」
「バ、バクバク、ムラムラって・・・?」
カカシはゆっくりと両手でイルカの手を握った。
負けずにイルカが握り返してきた。

二人は見詰め合う。
今、この時、
世界には二人きりしかいない。
二人だけの空間。
「い、何時言えばいいんだ。・・・・イルカ先生・・・ずっと・・ずっとあなたに・・・恋焦がれていました・・・・俺の恋人になってください!」

そう、例えて言うなら、ここに恋愛の神様がおりてきた。そんなかんじ・・・。






そろそろ夕方になろうとしていた。
あてもなくカカシは商店街を歩いていた。
気が付くと花屋があった。
看板に「山中」とかかれていた。
(イノの家か?)


店はそう大きくないが色とりどりの花が綺麗に整理され並んでいた。
「うっそ〜カカシ先生じゃあない!・・・信じらんな〜い!!」
隠れようにもその場所がない。
「感心だねえ・・家の手伝い?」
「ま、そんなとこよ。いらっしゃいませ。サービスしますって・・・誰に?かのじょ〜!?」
若い女の子らしくきゃーきゃー言っている。
「ま、そんなとこ」
イルカの顔が浮かんだ。
イノの事だ明日になったら里中にカカシが花を買いにきた噂が広まっているだろう。
「じゃ、絶対薔薇の花束よ・・・真っ赤な」
「う〜〜ん〜〜ちがう・・・それちょうだい。一番大きいの一本」
カカシは指をさした。
「じゃあねー」
カカシは金を払い店を出た。
(どんな顔してわたそう)




ゆっくり歩いても商店街からイルカのアパートは近い。
辺りは暗くなってきた。


イルカの部屋に灯りがともった。
”カラカラ”
窓が開いた。
イルカが顔をだした。
「おかえりなさい」
優しく微笑んだ。



カカシは部屋にあげてもらえた。
「これ・・・・」
ちょっと照れくさそうにそれを渡す。
「キレイですね。おおきい」
まるで、
あなたみたいに・・・。
「俺、向日葵すきなんです」
イルカは向日葵を部屋に飾った。
「もう水牢の術はしないでください」
「はい」
「ソフトクリーム落としたんですよ」
「ごめんねー」
「夕飯は?」
「まだ・・・」


ちょっと子供みたいに言うカカシに、
クスクスとその人は笑った。



向日葵みたいカカシの恋人

 


○これは去年の夏の話。
まだこの頃はうちのイルカ先生普通だったです。
今、読み返すとホントに自分で書いたのか?                                    END


2007年06月16日

秋風のプレリュード

商店街に一件の食器店があった。
ショウーウインドの前で彼はもう15分もそこに立っていた。
美しいペアの白いティーセット。
(ああ〜なんて綺麗)
彼はうっとりしていた。
しかしそれは高価なものだった。
彼のおかおずかいでは思い切れないものだった。

やがて、頭にしっぽのある青年はそこを立ち去った。


そして彼が今まで立っていたところに白銀の髪の青年が近寄ってきた。
(イルカ先生はこれを見ていたのか)
きっとこれが欲しかったのだ。

カカシは店に入った。



最近はだいぶ暗くなる時間が早くなった。
今夜はカカシの部屋で会うことになっていた。

二人はおたがいの部屋を行ったり来たりしていた。

暗くなった頃、恋人はやって来た。
「おかえりなさい。イルカ先生」
イルカはニッコリと微笑んだ。
その笑顔だけでカカシはとても癒された。


夕飯はカカシが作った。
これでも味にはうるさい。
「あの・・カカシ先生。この前任務に行ったときのお土産です」
イルカは袋をだした。
「へーうれしいなあー」
カカシは袋を開けた。
中には眉毛の濃い青い鳥のキーホルダー。
「これ、ガイ?」
「ズーミンです」
イルカは少し変わったセンスをしている。


二人は食事をとりながら、ビールを呑んだ。
(ふふっ)
カカシは紙袋を持ってきた。
「イルカ先生。今日商店街でとてもいい買い物をしたんです」
「え?なんです?」
カカシは微笑んでみせた。
「これ開けてみて」

紙袋から中に入っている四角い箱を取り出す。
「わぁ〜〜〜!!」
それはイルカが食器店てみとれていたものだった。
欲しかった。でも?
「これ、どうして?」
「ちょっと素敵だなと思って。俺の趣味だから気に入ってもらえるか」
「ありがとう!大好きカカシ先生!!」



そしてその晩はベットの中でイルカはさまざまなサービスをしてくれた。
カカシはそのサービスに味をしめた。





数日後。
二人は木ノ葉に新しく開店したスーパーに出かけた。
屋上には赤いアドバルーンが浮いていた。
「わあ〜珍しい〜大きい!!」
イルカは感激している。
「イルカ先生。ちょっと待ってて、今取ってあげる」
「え?。・・・え?!」
「いいから」

カカシはささっとビルの壁をよじ登った。
”これを取ったら、さぞイルカは喜び、
たくさんのサービスをしてくれるだろう”

屋上にあがり、
カカシはアドバルーンを固定しているロープをはずした。
手で掴む。
その時、
強風が吹いた。
”わああああああ〜〜〜!!”


カカシは風とともに空に消えた。



そう何度もよい思いなどできるものではない。






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