STORY

2007年09月07日

星に願いを






皆さんは以前に配信された「スクープ」という話を覚えておられますか?


・・・この物語は無謀にも叶わぬ恋に堕ちた哀れな男の話である。



ヤマトは星空を眺めていた。
「ああ〜お星さまボクの願いごとをか叶えて・・・」

そう、彼の願いとは勿論憧れのはたけカカシの「恋人の座」だった。


しかし、カカシにはしつぽ男(イルカ)という恋人がいる。


ヤマト本名テンゾウは先日の記憶(スクープより)がよみがえる。

あのりりしい先輩がデレデレとしっぽ男に「あ〜ん」をしてポテトを食べさせてもらつていた。


”そうだボクの手料理を先輩に食べてもらおう!!

テンゾウはあれこれカカシへのアプローチを考えた。






その頃。
木ノ葉の団子屋に妖しい二人組みが居座っていた。

一人はすらりとして黒髪の色男。
そしてもう一人は見るからに不気味な男だ。

二人とも黒いロングコートのようないでたちだった。
「イタチさん。暇ですねえ〜」
鬼鮫が甘酒をすすりながら言う。
「そんなに暇なら、デイダラでも呼び出して三人でカラオケでもするか?」
団子を食いながら言う男、は泣く子も笑う変態犯罪集団暁のうちはイタチである。
「デイダラ駄目ですよ・・・あいつは合こんで忙しいそうです」
イタチは携帯電話を取り出した。
そして暇そうな=自来也を呼び出した。

そして奇妙な取り合わせの三人はカラオケボックスへきえた。







翌早朝。
テンゾウは馴れない手つきで愛情弁当を作った。

ふっくら玉子焼きにから揚げタコさんのウインナーそしてご飯には海苔でハートマークを飾った。
「よお〜し〜うまいぞお〜!!」
カカシは今日の昼は待機である。
しっかりと先輩のスケジュールは頭に入っている。



テンゾウは弁当を包み、
るんるんと鼻歌を唄いながら上忍待合所に向かった。(ちょっと馬鹿っぽい)




待合所では紅が一人本を読んでいた。
「あ、あのう・・・カカシ先輩は?」
「カカシはアカデミーよ。・・・・ふふふたぶん逢引よ」
「あ、あいびき〜〜」
「ねえ、あなたところで誰?」
”まさか紅さんボクを知らないの?”
いくらまだ疾風伝始まったばかりでアニメに登場してないからって〜〜
「あ、わかった。イワシ君!」
テンゾウは肩を落とした。
よりによってあんな地味な男と間違われるなんて。

テンゾウはショックでくるくる回った。





テンゾウはアカデミーに向かっててくてく歩いた。
ベンチにあの人の姿が見えた。
「あっ。せんぱ〜い!」
手をふりながら走り寄る。
「うっ・・・・・!!」
カカシは思わず身を引いた。
「せんぱい〜作っちゃった〜食べて〜」
恥ずかしくつてテンゾウはくるくる回った。
「残しちゃ〜だめ!」
そういい残し走り去った。



(いったい今のは何だ!?)
カカシは額にかいた脂汗をぬぐう。
(ああ〜怖かった)

自分の手に紙袋を押し付け暗部の後輩は走っていった。
「残しちゃいや〜って・・・」

恐々紙袋を開ける。
「き、キティちゃん・・・」
カカシはピンクの弁当箱の蓋を開けそして素早く閉めた。
"ハートマークが”
”こわい”
思わずその弁当を投げ捨てたかつた。


どうやらあの後輩はカカシに気があるようだ。
「カカシ先生!」
その時、カカシの世界一大切な恋人が走ってきた。
「イルカ先生・・・」
二人はうっとりとお互いを見た。


カカシは今、人生の春にいた。
「あ、それなんですか?」
ピンクの弁当箱にイルカは首をかしげた。
「ナマゴミです」
「見せてください!」
イルカは蓋を開けた。
「わ〜おいしそう〜」
「え?これが?」
「これ、カカシ先生が作ったんですか?」
「え・・・ええ・・・まあ・・・・」
カカシは答えを濁した。


カカシの恋人は天然である。

「じゃあ〜イルカ先生これ食べていてください。・・・今なにか飲み物買ってきます」


カカシはお茶を買いに走った。







”もぐもぐもぐ”

幸福そうにイルカは何も知らずテンゾウの愛情弁当を食べていた。


それを木の陰からテンゾウは監視していた。

”よりによつて、しっぽ男が〜ボクの愛情を〜”
許せない!


テンゾウはふらふらとイルカに近寄った。
「そのお弁当はカカシ先輩のものだ!!」
強い口調でテンゾウは言つた。
「あなたは誰です」
のんびりとイルカは言つた。


近くで見るとしっぽ男はくりくりおめめのかわい子ちゃんだった。
「ボクはあの人の後輩です!」
「だめですよ」
イルカはニッコリ笑った。
「カカシ先生と俺はラブラブなんです〜」
”ズ〜〜ン”


イルカの大きな自信にテンゾウは敗北を感じた。
(負けない〜ボクは負けない)



テンゾウは風に吹かれ街にでた。






木ノ葉に一件だけ存在するカラオケボックス。
にテンゾウはムナシイ心で入った。


”そうだ!こんな辛い日には思い切りあの唄をうたおう!”
リモコンでスイッチを入れた。


テンゾウは一人唄った。
スマップの名曲「夜空のムコウニ」

”ミシミシ”
”ガラガラガラ”

そして彼のあまりに下手くそな唄にカラオケボツクスの壁が音をたてて壊れはじめた。
「ひっ〜〜!!」

昨夜からボツクスで大量の酒を呑みながら唄つていたイタチと鬼鮫そして自来也の三人は、
すごいオンチな唄声とともに自分たちの部屋の壁が崩れたことにめんくらつた。

"あれか〜らぁ〜〜ボク〜う〜たああちい〜〜〜はあぁあああぁ〜〜”

木ノ葉の制服を着た男がスマップを唄っていた。
イタチと鬼鮫、自来也の三人は男を取り囲んだ。
「愚かなる歌声だ〜〜聴くにたえない」
「イタチさん、少し可愛がってあげましよう」
二人はニヤリと笑った。
「いいぞ〜わしが許す!!」
べろべろの自来也がけしかけた。
「ひっ〜〜あかつき〜〜〜いゃ〜〜〜〜!」
テンゾウはびびった。


イタチの写輪眼が光った。
「あ〜ぁ〜〜れえ〜〜〜〜!!」









カカシはイルカの好きなお茶を買い戻ってきた。

ベンチにイルカはぼんやり座っていた。
「イルカ先生遅くなってすみませ、えっ?イルカ先生!!」
そばに行きぎょっとした。


イルカは瞳に涙をいっぱい浮かべていたのだ。
"誰がそんな酷いまねを”
「ナニがあったんです!」
「たまごやきの中にこれが〜〜」

イルカは小さいメモをカカシに渡した。


"スキスキテンゾウ”
と、書かれていた。

カカシはうろたえた。

「違います、ちがいます!!〜〜〜〜あのやろう・・・」

イルカは涙目で言った。
「カカシ先生なんて知りません!!」

イルカはカカシに背を向け、
すたすたと歩き始めた。
「まってください〜〜〜イルカ先生〜〜まってえ〜〜!!」

カカシはその後を追った。


『愚かなる恋人たち』




〜その後、しばらくの間テンゾウの姿を見た者はいなかったらしい〜



〜お星さまは願いはきいてくれなかった〜〜


END



○頑張れテンゾウ!!









2007年09月01日

バブル ラブ 後編


足が重い・・・。

イルカが正座をはじめ数時間が経過した時、
部屋の電話が鳴り響いた。
"立ちたくても足が痛い”


よろよろ立ち上がり電話をとる。
「はい、うみの、いえ、メリーです・・・・・ええっ!これから・・・・!!」
ついにお客様=御主人さまの到着だ。

イルカは金髪青年からもらったメモを見た。
@お客さまのことは御主人さまと呼ぶこと。
A絶対怒らせてはいけない。
B〜〜〜〜〜〜〜〜
C〜〜〜〜〜〜〜
部屋の外で人の気配がした。
イルカは緊張してまた正座した。


入って来た男は銀色の美しい髪に顔にはサングラスをかけていた。
「い、い、らっしゃ〜いまぁ〜〜せ〜ご、御主人さまあ〜」
イルカの声はひっくりかえっていた。
男は部屋の中をぐるぐるもの珍しそうに見学していた。
お風呂や奥の座敷もみていた。
そして戻ってきた。
「ね、こっち来てよ」
「あ、はい・・・・今!」
イルカは痺れた足で立ち上がった。
歩こうとして、
そしてコケタ。
お客はアハハとそれを見て楽しそうに笑った。
「あんた名前は?」
「はい。うみの、・・メリーです」
「メリーちゃん」
「あの、お酒はいかがですか?」
「ごめん車だから。・・・・んじゃあ早速始めてよ」
紺色の浴衣姿のメリーは生で見るとナカナカ可愛い。
ただ、少しマヌケだが・・・。


カカシはサングラスをはずした。
その美貌にメリーと呼ばれたお兄さんは少し顔を赤らめた。


イルカは再び正座した。
「どうぞ御主人さま・・・」


その膝は想像以上に心地よかった。
そしてほんのりと青年からはお湯の香りがした。
”ムラムラムラ”
カカシはムラムラきた。

メリーは丁寧に耳かきを始めた。
優しく。
やさしく。



カカシは何だか気分が良くなってきた。
「ねぇ、メリーちゃん訊いていい?」
「はい・・・・」
「あんたなんでこんな店で働いているの?」
「そ・・・それは・・・うちは父がギャンブラーで働かないで・・・そして母は病弱で・・・どうしてもお金が必要なんです」
「えっ?!」
”なんて不幸なお兄さんなんだ”
”じ〜〜ん”


カカシは単純だった。



それから二人はぽっぽっ会話を交わした。
"好きな食べ物は?”
"ラーメン!”
"テレビなに好き?”
”ポチたま”


何故だかカカシは癒されていた。
そして、カカシはきりだした。
「メリーちゃん幾ら出せばOK?」
「OK?って・・・・」
「いゃだなあ〜オプションサービスだよ・・・もう、照れちゃって」
「それなんですか?」
「決まってるじゃないSEX」
「ひ〜〜〜〜〜〜〜!!」
イルカはひいた。
「真面目にいくら払えばいい?・・・今夜は生憎持ち合わせが100万くらいしかないんだけど・・・・」
「ひ、ひゃくまんえん!〜〜〜〜!!」

それだけあればたまった家賃を払い、
それから、
大好きなラーメンが腹いっぱい食べれる!!
「あ・・あのう・・・・マネージャに電話させてください」
メリーちゃんはうぶなのだろう。
顔が真っ赤である。
カカシはますます喜んだ。
ごろんと畳に寝そべりながら黒髪の青年が電話している姿を見ていた。
彼が電話をかけている。
真剣に話をしている。
とても真っ直ぐな性格なのだろう。
最近珍しいタイプだ。
擦れたところのない・・。




やがて電話が終わった。
「ご主人んさま。なんなりと」
鬼鮫マネージャに教わったとうりイルカは言った。
「ん、じゃあ〜お風呂。俺さきに入っているから。スグキテ」
「は、はい!」


"お風呂では優しくご主人さまを泡まみれにして洗うこと。
特に下半身をじっくり”


”どくどくどく”
イルカの心臓が高鳴った。





カカシは先に服を脱ぎ広いお風呂に入った。
「メリーちゃん、早く〜〜〜!」
「はあ〜〜い!」
彼が入って来た。
何と浴衣のままだった。
「どーして着ているの・・・脱いで」
「はいご主人さま〜」
イルカは焦って浴衣を脱いだ。

細くてしなやかな肉体。

イルカはパンツ一枚なった。


そして顔を上げた。
恥ずかしくて死にそうだ。

銀色の髪のカッコイイご主人さまは当然全裸だった。
(なんて、立派なんだ!!)
巨大なアソコにいけないとは思いながらも視線がいってしまう。
「へーパンツ苺柄なんだ・・・可愛いけど、それも脱ぐ」


イルカは気合を入れてパンツを脱ぎ捨てた。


ご主人さまはとても嬉そうだった。


「お、お背中流します」
”うふふふ”
”そうこなくっちゃ!”


黒髪のお兄さんは丁寧にボデーソープを泡立てた。


ちなみにカカシは普段こんな場所には来ない。
だが、これから始まる出来事に、いけない快感を覚えかけていた。


丁寧にメリーちゃんは背中を洗っている。
「ねえ、前もお願い」
「はい・・・」
彼は今度はカカシの首や胸を洗ってくれている。
「もっと下」
「はい・・・」
「手で洗って」
「えっ?・・・あ、カシコマリました」

彼はカカシの巨大なアソコを洗い始めた。
(きもちいい〜〜)
カカシのアソコは破裂しそうだった。



カカシは黒髪の青年をうつぶせにさせ、
受け入れる体制をとらした。


実際のところ男同士でするのは初めてだったが、
そんなことを忘れさせる程メリーに心を奪われていた。





イルカは途中からなにがなんだか理解できなかった。



気が付いた時は、
奥の座敷の布団の中でご主人さまに抱きしめられていた。

とてもぬくぬくして、
暖かくて・・・。


いつしかイルカは眠りについた。










不思議な夢のような一夜だった。

目が覚めた時、
銀色の髪のお客さまはそこには居なかった。






イルカは店から報酬をもらい
そして店を辞めた。

最初から家賃代だけ稼げればよかった。


銀色の髪の美しくそしてちょっとエッチな彼とは一夜かぎりの仲だった。


でも、また何処かで彼に逢うことが出来れば・・・。


そんな甘酸っぱい想いが心の中に残った。
















それから約半年の月日が流れた。


イルカは人気雑誌のコンクールで大賞をとった。

これで正式にプロの作家として世間から認められる。

賞をとった注目新人作家の為に出版社が記念パーテーをひらいてくれた。


"パーテーだなんて”

イルカはレンタルしてきた黒いフォーマルスーツに身をつつみ、

人生のスタートに立った。



パーテー会場にはテレビで観たことがある女優や作家の姿があった。
(なんだか夢みたい)
「お〜い。イルカ〜〜!」
出版社のイルカの担当になった髭男がぼんやり立っているところへやって来た。
「アスマさん・・・」
「お前さんに紹介したい男がいる。・・・お〜いカカシ!」

全身をグレーのスーツできめた。


それは銀色の髪の青年。
イルカははっとした。
(ご、御主人さま・・・)
「名前は知っていると思うがベストセラー作家のはたけカカシだ」

忘れもしない、
耳かき喫茶の素敵なお客さん・・。



カカシと呼ばれたベストセラー作家はふっと微笑してイルカに手を差し伸べた。
「宜しく・・・・・・メリーちゃん」



イルカは真っ赤になりながらも、

差し出された手を一生懸命握りかえした。





人生なんてわからないものだ。


これから二人の新たなるストーリーがはじまる。


ラブストーリーが・・・・。


END




















2007年08月24日

バブル ラブ 前編

”どんどん!どんどん!”
激しくドアを叩く音に彼は飛び起きた。
パソコンの前でついうたた寝をしてしまった。

四畳半の狭くボロイアパートは地震のようにゆれていた。

彼はよろよろと立ち上がった。

漆黒の美しい髪を上で束ね、それと同じ色の丸くてぱっちりとした瞳が印象的な青年。
歳は二十四、五といったところだろう。

嫌々ドアを開く。

そこには世にも恐ろしい大家がいた。
大きな胸に怪力女。
「うみのさん、わかってんだろうね」
「はい・・・今月こそは必ず・・・」
「あんた、毎月毎月何ヶ月家賃ためるんだい、・・・もし今月中に4ヶ月分きっちり払えなかったら、出て行ってもらうよ!」
「そ・・・そんな・・・」

彼は路頭に迷った。





彼の名はうみのイルカ。
アルバイトを細々としながら小説家をめざしていた。
”ぐうう〜〜つ”
彼の正直な腹は訴えていた。

このところお金もなくろくに食事らしいものはとっていなかった。
「今月中って、もう25日!!」
”あの鬼女!”
大家を呪っても始まらない。
”とにかく4ヶ月分のお金を後数日でつくらないと”

イルカは職を探しに街に出た。







その数日前の出来事。
大都会のアダルトなバーで彼は髭ずらの友人と酒を呑んでいた。

びしっとデザイナーズのスーツを着こなした彼は、店の中でひときは目立っていた。
銀色の美しい髪に神秘的な瞳。
そして映画俳優のような美しい顔立ち。

そこに居合わせた女たちの視線を独占していた。
彼はベストセラー作家、はたけカカシ。
そして髭の友人は猿飛アスマ。
「なあ〜知ってるか、最近耳かき喫茶ってのが流行っているんだって」
「なーにそれ?」
「浴衣を着た綺麗なオネエさんが優しく膝枕してくれて耳かきしてくれるんだ最高だろう?」
「はぁ?・・・ばからしい」
カカシはタバコをくわえた。
(浴衣の綺麗なおねえさんか)
「それだけじゃない。・・・他にオプションサービスがあるんだ」
アスマは白い歯をみせた。
カカシはオプションサービスという言葉にぴくりと反応した。

作家という動物は常に物好き新しいものに目が行ってしまう。
そして作品の為ならな〜んでも出来るこわ〜い人種なのだ。




カカシは友人と別れ、都心の一等地にあるマンションに帰った。
早速PCを立ち上げ調べあげる。
そして耳かき喫茶「暁茶房」をHITした。


カカシはわくわくした。







イルカは人ごみが苦手だった。
人のいい彼はすぐ他人に道をゆずってしまう。


ふらふらとあてもなく歓楽街を歩いていた。
てっとり早く稼ぐには水商売しかなかった。


ふと道の脇にハッピを来た変な男を見つけた。
顔がぐるぐると渦を巻いている、。
「あ、バームクーヘンだ〜おいしそう〜」
何ということだろう、
お腹をすかせたイルカはその男に近寄り、
その顔にかぶりついたのだ!
「ち、ちょっと〜〜!!」
その男はトビという。

トビはイキナリ自分の顔にかぶりついてきた黒髪の青年をひきはがした。
”このままでは食われてしまう!”





”ぱくぱくぱく”
”むしゃむしゃむしゃ”

イルカは渦巻き男に連れられ牛丼を食べていた。
もちろん、ご馳走してもらっているのだ。
「しかし、あんちゃんよく食うね」
「もう、ずっと〜〜ご飯食べてなくて〜」
ニッコリイルカは笑った。
(へえー結構かわいいなあ〜)
トビはまじまじと大食い青年を見た。
「あんちゃん、金欲しくないか?」
「はい!」
「だったらうちの店紹介する・・・時給は15,000いゃ20,000あんたなら稼げる」
「すご〜〜い!!」
いかがわしい店とは知らず。
イルカは感動した。
”何といい人だろう”
おいしいご飯を御馳走してくれて、
その上アルバイトまで紹介してくれるなんて・・。






トビに連れられイルカはその店の門をくぐった。
そこは高級な純和風の建物。
看板には、
「暁茶房」

トビはマネージャーを呼びにいった。
ちょっと不気味な黒服の男が出てきた。
マネージャーの鬼鮫さんだ。
「そうですか、雇ってあげてもいいでしょう・・・暁は一流のスタッフで最高のサービスをご主人さまに提供するのです」
「ご主人さま?」
キョトンとイルカは首をかしげた。
「おい、鬼鮫。そんなの雇って大丈夫なのか?」
その時。
話をしているイルカたちの前に長身の浴衣姿の美青年が現れた。
「イタチさん・・・イルカ君。・・・うちのお店のナンバーワンのイタ、いや、キャサリンだ!」
「キャサリン?!」
イルカはひいた。
「キャサリン。この新人さんにお店のマナーを教えてやってください」
「嫌ですよ」
冷たく青年は言った。
「そんなこと言わないで〜後で大好物のチョコレートケーキ御馳走するから」
「なんならオイラが教えてやってもいいぞ」
また一人変なのが現れた。
今度は金髪の青年。
「ディダラ、いゃ、カトリーヌ。では頼みましたよ」
「オイラが芸術てきな耳かきテクを教えてやるよ・・・うん・・・」
「はぁ・・・」


イルカはカトリーヌに付き添われ従業員控え室に入った。
「この中から好きなのを選ぶんだ・・・・うん」
色とりどりの浴衣。

イルカはその中から紺色の浴衣を選んだ。

カトリーヌに手伝われ着替える。
「へえーなかなか似合うな。・・・・じゃあ次はお客に見せる為のプロフィール写真を撮影しょう」

なにがなんだか理解できないままイルカは写真を撮影した。




これから先に何が待っているかなんて彼には想像がつかなかった。




イルカは広い和室をあてがわれた。
和室の奥には広いお風呂。
そしてもう一部屋あった。

彼はここに来たお客さまに優しく耳かきをしてあげるのだ。
カトリーヌが説明した。
とに角お客さまに逆らわないことだ。
「あ、そうだオイラがお前に名前をつけてやる。・・・メリーどうだ芸術的な名前だろ・・・うん」
「メ、メリー〜〜!?」
”メーリさんの羊、ひつじ、
イルカの頭に曲が流れた。

こうしてイルカにはメリーという名前がつけられた。
「大丈夫かおまえ?」
ぼーつとしているイルカを心配してカトリーヌが顔を覗き込む。
「は、はい!!」
そうだ、俺は今、家賃を稼ぐ為にここにいるんだ。
今月中に、


イルカはぎゅっと唇を噛んだ。





そして夜がやって来た。

イルカはずっと部屋で正座していた。
緊張のあまり動けない。

イルカは田舎に居る従兄弟のナルトの事を思い出していた。

”ナルト俺、頑張るよ”

二人は兄弟のように仲が良かった。
二人でいるときは何時も笑っていた。


イルカは辛いことがあるとナルトの笑顔を思い浮かべていた。

”がんばって必ず売れっ子作家になる”
その為なら・・・。
どんな試練だって乗り越える。



大学を卒業してイルカは一人都会に出た。
誰も知らない孤独な街で、
ただひたすら夢に向かって、
書き続けた。









派手なスポーツカーを飛ばし、
銀髪の彼は
店に乗りつけた。
サングラスをかけ服は彼なりに地味にア○マーニのジーンズにラ○フのシャッだった。

趣のある和風な高級旅館のような建物だ。
「ま、なかなかじゃないの」
彼は入り口を入った。
入り口に黒服の顔色の悪い男が立っていた。
マネージャの鬼鮫だった。
「いらっしゃいませ〜」
入ったはいいものカカシはどうリアクションしたらいいのかわからなかった。
男に進められるまま店のロビーに、
そしてそこには何と信じがたいことに、
浴衣を着た美女ではなく浴衣の男の写真がずらり。
”タラタラタラ”
カカシは背中に汗をかいた。
丁度そこに長身の浴衣の美青年が現れた。
「お、おまえは・・・・!」
「あ、あなたは・・・」
キャサリン(イタチ)とカカシは睨みあった。
「お客さま彼が当店のナンバーワンのイタ、いえキャサリン・・・膝枕でこの業界で彼にかなうものはいません!」
「わたしが、キャサリンだ」
偉そうにキャサリンは言う。
「お、おれ・・帰る・・・」
がっくりと落胆して帰ろうとするカカシの腕を鬼鮫マネージャーががっちり掴む。
こんないかにも金持ちそうなお客を逃してはならない。
「もうーわかったよ・・・でもこの人は俺の好みじゃない」
「さあ、どうぞ、可愛い子ばっかりです」
「ほんと?」
カカシは何気に写真を見た。
ふと、その中に黒髪をしっぽのようにダバねて優しく微笑む青年に目がとまる。
「じゃあ、この子にした」
「メリーちやん。・・・ご指名ですね」
「メリー?」
ひつじなんじゃないの?
本当は?


いいや、こうなったら小説のネタにしてやる〜
カカシは腹の中で自分に納得させる。
”取材”
”取材”

都合のいい言い訳だった。

カカシは鬼鮫マネージャーにおいでおいでをした。
「ね、オプションサービスある?」
「もちろんです!」
うふふふ。
耳元で言って二人は嬉そうに笑いあった。



そう、ここは耳かき喫茶&ソープランドだったのだ。

うん。


END
※後編に続きます。


2007年08月21日

ONLY YOU 後編





その当時、里にある噂が流れた。
髭のアスマの写真を持つとどんな願い事も叶うのだという・・・。



何か最近あちこちから自分を見る視線を感じる。
長身に髭がトレードマークの彼は街を歩きながらふと立ち止まる。



アスマは小腹が減って団子屋によった。

店ではアカデミーの先生であるうみのイルカが一人団子を食べていた。
「よう、イルカ」
「こんにちは・・・・」
その声に力がなく何時ものイルカらしくない。
そう、笑顔がない。

イルカの前には食べ終えた皿が高々と積み上げてあった。
「お前、やけ食いしているのか?・・・・悩みがあるのなら聞くぜ」
イルカの瞳にうっすらと涙がうかぶ。

イルカは話始めた。
先日のカカシと写真の件を・・・。
あれからカカシには会っていない。あの後サクラから本当のことを聞いた。
「考えすぎなんだよおまえ・・・」
アスマはタバコをくわえた。
「おたがい、好きなら好きってはっきり言っちまうんだな。男らしく」
イルカはもじもじした。
「そうだ、あいつ明日から、里外の任務だぜ」
そうなったら、しばらく会えない。
「ところでイルカ、ガイの奴が俺の写真を持っていたそうだが?」
「はい。サクラはそう言っています」
「き、気色悪い!!」
「何につかうんですか?」
「おい、そんなこと言うなこんなところで」
「あのう・・・アスマさんはガイさんが好きなんですか?」
アスマは椅子から落ちそうになった。
”おぞまじい”






イルカはアスマと別れ家路に向かった。
途中コンビニに寄る。
月曜日なので少年チャンプを買う予定だ。

雑誌のコーナーでばったりと、
カカシに会った。
「今、お帰りですか?」
カカシは立ち読みしていたエロ雑誌を慌てて棚にもどした。
「はい・・・・せんせいも?」
「あ、あのう・・・良かったらお酒呑みに行きませんか?」
「ほ、本当?」
カカシは目を丸くした。





「全く五代目は厳しいですよ」
ほんとうに・・・・
二人は以前にも一緒に入った店で久しぶりに酒を呑んだ。
「どうしましたイルカ先生?」
ツマミが来てもイルカは手をつけない。
「いいえ・・・」
団子10皿食べたなんてカカシには言えない。




「この間は色々誤解してすみませんでした」
イルカは素直に謝った。
「いいんです。・・・あの後ガイから写真もかえしてもらえたので」
カカシが宝物だと言った自分の写真。




カカシは嬉しかった。
もう遊んでもらえないと思っていた。

こうして何よりも二人でいられるいことが嬉しい。


二人は一時間くらい呑んで店を出た。




「きもちわるい・・・」
イルカは酔ってしまったのか店を出てから座り込んだ。
「大丈夫ですか、イルカ先生?」
”大丈夫です”
たぶん、団子と酒の組み合わせが悪かったのだろう。

口を押さえて座り込むイルカにカカシはしゃごみ背中を見せた。
“乗ってください”

イルカはカカシにおぶられていた。
とても恥ずかしい。
でも、カカシの背中はとても広くてあたたかい。
何故だか安心する。


気が付くとイルカはその背中でうとうと眠ってしまった。





「つきましたよ」
イルカは目を開けた。
そっとカカシが下ろしてくれた。
アパートの鍵を開ける。
「カカシ先生、コーヒー飲んでいってください」
カカシは困った顔をした。
「大丈夫?今夜は遠慮します」
「でも、いいんです。寄ってください!」
ちょっと強引にイルカは誘った。








イルカの部屋はちまちまとした部屋だった。
明日からカカシは里を離れる。
その前に。
コーヒーをたてながらイルカは決心していた。
「イルカ先生。・・・・俺、明日から任務なんです。今夜は、二人で呑めて、それだけで良かった」
「カカシ先生」
「あの写真は何時も持っています」
カカシからの、
それは愛の言葉。
「あなたが、任務に出ることを人から聞きました。・・・その前にどうしても伝えたいことがあります・・・・あなたが、あなたが好きです」
カカシはそっと手をのばし、イルカの頬に触れた。
「俺もずっとイルカ先生のことが好きでした」
かみしめるようにカカシは言った。

カカシの手は熱い。
イルカは微笑んだ。

ぎゅつとイルカのことをカカシは抱きしめた。



時がこのまま止まればいい。
イルカは思った。








イルカは自分の部屋にカカシの写真を飾った。
毎日それに話かけた。
おはよう。
おやすみなさい。


数日がバタバタ過ぎていった。




そして、そんなある日。
アカデミーで事件が起きた。


子供達のお弁当がすべて盗まれたのだ。
校外学習の時間に。

子供たちは皆ショックで泣いていた。
「許せない!」
イルカを始め教師たちが集まり話し合いを始めた。
勿論アカデミーでおきた事件は火影さまのところにも知らされた。

ほどなく綱手がシズネをともなってやってきた。
「大変だったな。・・・子供たちの代わりの弁当は手配した。・・・いいかイルカ、ナルトとサクラを応援につけるから犯人を捕らえることだ、いいか絶対に許すな!!」
「はい!」
イルカに任務がくだった。




ナルトとサクラが飛んできた。
「弁当盗むなんて最低だってば〜!!」
「イルカ先生、捕まえてぼこぼこにしてあげましょう!!」
「相変わらずサクラは過激だな・・・手分けしてまず、午前中にアカデミーの周辺に不信な人物が目撃されていないか、そこからききこみしてみよう」


三人は聞き込みを始めた。

そして周辺の住民たちが怪しい全身に黒いタイツ姿の集団を目撃していた。
「何者なんだ・・・黒いタイツなんて・・・・」
「なんだか気色悪いってば」
「おそらくやつらはまた子供たちのお弁当を狙う・・・・トラップをしかけよう!」





翌日。
イルカは勝負をしかけた。
その日の校外学習の時間。
一旦外にでたふりをして教室に潜んだ。


”ひたひたひた”
不気味な廊下を歩く音。
”来た!”
教室の扉を開きそこに入ってきたのは、
世にも不気味な全身黒タイツ男たち。
中には太りすぎて肉がぶよぶよの男もいた。
全部で5名。


子供たちの弁当を集めていた。


イルカは手で合図した。

”バサッ”
黒タイツたちを大きな網が捕らえる。
”ヒイ〜〜ツ”
奇声をあげてもがく。
「そこまでだ。子供のお弁当を盗む卑劣なやつらめ、大人しくお縄になれ!」
”ヒ〜〜〜ツ”
”ヒ〜〜〜ツ”
奇声をあげながらタイツ男たちはクナイで縄を切り裂いた。
「イルカ先生、逃げるってばよ!!」
ナルトが叫んだ。

弁当をかかえ教室を飛び出す。
「追うぞ、ナルト、サクラ!!」
三人は逃げる賊を追った。
「よし、まかぜるってば!」
ナルトは得意の多重影分身の術で増えた。
黒タイツたちを囲む。
「さあ、子供たちのお弁当をかえせ!」
「ふん、中忍の先生になんか命令されたくないね」
「いやだね。中忍」
「そうだ、昨日のあんたの弁当・・・タクアンだけしか入ってなかったな。・・・セコイ弁当だよな!」
”クックックッ”
憎たらしいことを口々に言う。
「ち、ちょっと〜イルカ先生に向かって酷いわ〜タクアン弁当のどこが悪いのよ」
代わりにサクラが激怒した。

「知っているぞ、こいつ三ヶ月の減俸なんだってな中忍先生」
”あっはっはっはっ”
「ち、中忍、中忍ってうるさいな!・・・そうだよ俺は中忍だ!」

イルカの中で激しい怒りのパワーが炸裂した!

彼の怒りが頂点にたっした時。
”くるくるくるくる!”
イルカの髪のしっぽが回転し始めた。

説明しょう!
彼の怒りが爆発したとき、
イルカは「スーパーイルカ」に変身するのだ!
”ドロン!”
純白のウエディングもとい、タキシードに真紅のマントがはためいた。
強さは通常の50倍。
「かっこいいってばよ〜!」
「素敵!!」
変身したイルカを見て、
ナルトとサクラは興奮した。

スーパーイルカはポーズをきめた。


”ヒイ〜〜ツ!”

全身黒タイツ男たちは慌てた。
「貴様らの陰謀はすべておみとうしだ!」
「な、何故わかる!?」
リーダーらしい背の高い黒タイツは動揺した。
「それは・・・わたしがスーパーイルカだからだ・・・中忍で悪かったな!」
”イルカビーム!!”

スーパーイルカは目からビームを出した。
男たちはバタバタと倒れた。
そして不思議なことにその場にどろどろと溶けて消えていった。




「いったいあれはなんだったの?スーパーイルカ」
お弁当を集めながらサクラは言った。
「あの悪の秘密結社とはいずれ勝負をつけなければなりません。・・・それではわたしはこの辺で」
「えっ?いるか先生?」
「先生ではありません。・・・わたしは白き戦士スーパーイルカ。帰ります自分の星へ」
”イルカウイング!”
スーパーイルカの背中に羽がはえた。
「なぁ先生、帰るってどこだってばよう!」
「そおよ。正体バレバレなんだから〜!!」



ナルトとサクラに後のことを押し付け、
無責任に空へ去っていった。









空を舞う一羽の鳥が彼の帰還を知らせてきた。

イルカにとって長い日々だった。
愛する人の帰りをイルカは待ち望んでいた。

そして今日、
彼が帰ってくる。

話たいことが山ほどあった。




イルカは押入れを開け、
勝負の赤いパンツをはいた・・・・。


END
○この話くらいからうちのサイトのカラーが決まったのでは。
トニカク思い出の多いスーパーイルカはシリーズになってます。













2007年08月20日

ONLY YOU 前編


カカシは空をあおいだ。
綺麗な水色の空。
風は少し柔らかくて眠気を誘う。


ナルトとサクラはDランク任務の農作業をしていた。

毎度のことだが、カカシは手伝わず近くで何時もの本を読んでいた。

そろそろ昼休みだ。
カカシは立ち上がった。
「よーし、二人ともここで休憩ね。・・・一時間したら俺戻ってくるから」
ナルトとサクラがかけてきた。
「もう、腰が痛いってばよ〜カカシ先生」
「あたしも〜」
二人はブーイングした。
「ま、これも大切な任務だから・・・じゃあ、俺行くから」
すたすた。
カカシはその場を離れた。

その時、ひらひらとカカシのポケットから何か落ちた。
カカシは気が付かない。



「ナニか落としたってばよ〜」
「なにかしら?」

サクラがそれを拾った。


一枚の写真。
「こ、これってば!」
「いゃだぁ〜!」
それはイルカ先生の写真。
それも笑顔の美しいものである。
「なぁ、サクラちゃん、何でカカシ先生こんなの持ってたんだ?」
「と、言うことはつまりカカシ先生って〜いゃだぁ!」
恥ずかしくなりサクラは顔をおおった。
「な、どういう意味だって?」
ナルトは鈍い。
「あ、アタシにきかないでよ!・・・・・そういうナルトこそ、サスケ君の写真なんか持っていたら、許さないわよ」
「あ?・・・へへへ」
ナルトは照れ笑いをした。
そしてポケットから写真を取り出した。

そしてサクラに殴り飛ばされた。

「全く。・・・どいつもこいつも〜〜師匠に言いつけてやる〜」


サクラは昼も忘れそこを後にした。

カカシの落とした写真を持って・・・。



その頃。
カカシはのん気に公園のベンチに座っていた。
昨日インターネットのオークションで買った写真を眺めようとポケットに手を入れた。
(な、ない〜俺のイルカ先生〜!!)
「あああああ!!」

カカシの目の前が暗くなった。
折角手に入れたレアものだったのに・・・。
※この時はまだカカシの片想いであった。


カカシは焦った。



その同時刻。
サクラは火影マークの建物を目指し歩いていた。
商店街、木ノ葉銀座を通った時、
サクラは目を疑った。

団子屋にリーとネジがいた。

二人は仲良く恋人すわりをしていた。
イチャイチャしているのだ!
「あら、サクラ」
サクラの後ろにテンテンが立っていた。
「テンテン、あれ、なあに?」
「さぁ〜よくわかんないんだけど〜春先だし・・・うふふ」
テンテンは赤面しながらも何故か嬉しそうだった。
「男同士でいやらしい〜」

サクラは再び歩き始めた。
”そうだ、あの写真先にイルカ先生に見てもらおう・・・可哀相にイルカ先生カカシ先生から狙われているんだわ〜だったらきょうつけるように注意してあげないと”

サクラは頭をめぐらせた。
”どん!”
サクラは何かと衝突した。
「きゃつ!」
尻餅をつく。
ひらりと例の写真が落ちる。
「おお、サクラじゃないか。・・・すまん大丈夫か?」
衝突相手は上忍のガイ先生だった。

サクラは落としたものを拾った。
同時にガイもなにか拾っていた。
「せんせい、痛いわよ」

ガイは親切にサクラの服をはたいてくれた。



アカデミーにようやく到着した。

昼休みでイルカは教室にはいなかった。
子供たちに尋ねるとどうやら、校庭のベンチでお弁当を食べているらしい。

サクラはイルカを探した。



ベンチでイルカはお弁当を広げていた。
今日はおにぎり弁当だ!
”ぱりぱりぱり”
たくあんを食べる。
幸福そうなイルカ。

ふと気が付くと、サクラがこちらに向かって駆けてくる。
「サクラ、どうした?怖い顔して・・・アカデミーまで来るなんて何かあったのか?」
「あ、あのね、イルカ先生聞いてくれる。・・・カカシ先生ってばこん写真ポケットに隠し持っていたの・・・先生きょうつけた方がいいわ!」
サクラは写真をイルカに差し出した。
「こ、これは〜〜〜〜!!」
何時も優しいイルカ先生の顔色がみるみる変わっていく。
「ええっ!?」
サクラが持っていたはずのイルカの写真は何時の間にか髭のアスマの写真になっているではないか!
「ひ、ひどい〜カカシ先生!〜〜〜〜き、きい〜〜〜つ!!」
イルカは取り乱して怒っている。
サクラはびっくりした。
”ということはイルカ先生もカカシ先生のこと”
”スキなんだ”
サクラは頭をかかえた。

写真はたぶんガイ先生と衝突した時に入れ替わったのだろう。
でも、どうしてガイ先生がアスマ先生の写真なんか?
(いゃ〜〜きもい!)
思わずイケナイ想像にかられサクラは頭をふった。




カカシは自分の歩いた道をくまなく、落としてしまったイルカ先生の写真を探し歩いた。

畑に戻るとナルトが倒れていた。
「ナルトしっかりするんだ!」
ゆりおこす。
「う・・・・先生・・・」
サクラのパンチは強力だった。
”かくかく”
”しかじか”
ナルトは説明をした。

どうやら写真はサクラが持っているようだ。
「なあ〜カカシ先生。どうしてイルカ先生の写真なんか持ってたんだ?」
「ナルト・・・大人には口に出して言えないことが沢山あるんだ」
とにかく、取り返さないと。
でも、どこだ?
そうか、アカデミーに。
恐らくサクラはイルカのところに・・・。

あの写真はネットオークションで高かった。


畑からカカシはアカデミーに向かった。
ナルトもついてきた。






しばらく歩くと反対方向からイルカとサクラが歩いてきた。
「イルカ先生!」
いつも可愛いイルカは無表情だった。
「サクラちゃん!!」
つんとサクラはそっぽをむいた。


「これはなんですか?・・・カカシ先生?」
イルカは懐から写真を出した。
「そ、それは肌身離さず持っているお守りで、俺の宝物です」
シリアスな顔でカカシは言った。
「そ、そうなんですか。・・・そんなにスキなんですか、アスマ先生!」
声が震えている。
「あ?なにこれ?!」
イルカが持っていたのはアスマの写真だ。
なにがなんだかわからない?
「さ、サクラお前が拾ったのはイルカ先生の写真だよな?」
「あたし、知らない」
つめたくサクラが言った。

「カカシ先生・・・・もう一緒に遊んであげません!」
”きっぱり”

きびすをかえしてイルカは去って行った。



”ひゅう〜〜”

冷たい風が吹いた。




・・・その後。
カカシとイルカそしてナルトとサクラは全員綱手に呼び出しをくらった。



一列に並ばされる。
「お前たち全員任務をさぼったそうだな。・・・・その罪は重いぞ。・・・特にカカシとイルカの二人はむこう三ヶ月は減俸だ!」
綱手は怖い。

「当分おまえら四人は里のこえだめ掃除だ!!」
”いゃ〜〜ん!
”ありえない”

四人は叫んだ。




いつたい誰が悪いのか?
写真を落とした人。
それを拾った人。
巻き込まれた人。





その後カカシとイルカの仲がどうなったのか。
そして何故ガイがアスマの写真を持っていたのか?


謎を残して物語は後編へと続きます。


END
※ということで後編へ










2007年08月11日

ばかんすの後に

それは今からほんの少し前のこと。

カカシとイルカは出逢って初めての二人旅に出た。
「常磐ハワイアンの里」
美しいリゾートの里だ。


その時イルカはカカシにUFOキャッチャーでチョッパーのぬいぐるみをもらった。
大切な旅の思い出。
(そんな話ありましたねー)



それがこの悲劇の幕開けとなった。




イルカは今日もカカシからもらったぬいぐるみを抱っこしていた。
「よしよし」
イルカは撫でたり、すりすりしたりとてもそれを可愛がっていた。
”ちゅつ”
イルカはチョッパーにキスをした。
思わず、
カカシの顔がひきつった。
(この、クソやろう〜〜ぬいぐるみのくせに、イルカ先生のちゅうを!!)

何と、この男ぬいぐるみにすら嫉妬した。



イルカは毎晩ぬいぐるみをベットにまで持ち込んだ。
”イルカの宝物のぬいぐるみ”
”いっそ俺がかわりたい”
”かわる?”
そうか!!


カカシはひらめいた。






次の日。

カカシはイルカが帰宅する前に彼の部屋にあがりチョッパーのぬいぐるみを隠した。

そして彼は変化した。
ぬいぐるみに。
(ふっふっふっ)
これで俺もイルカ先生にいい子いい子してもらえる。
(愚かな男だ)



”バタバタ”
その時、イルカの部屋の玄関が開き、
イルカが帰ってきた。
喜ばしいことだが、
オマケがついてきた。
ナルトにサクラにサスケの三人。
「わあ〜先生このチョッパー可愛い〜」
早速女の子のサクラがぬいぐるみをみつけた。
「すごいだろ〜ん、先生これからご飯つくるから、皆はゲームでもしているんだな」
イルカは可愛い元の教え子たちにカレーライスを作り始めた。


「ね、ね、サクラちゃん、俺にも抱っこさせてってば〜」
「いや、俺の方が先だ」
ナルトばかりかあのサスケまでが、俺=ぬいぐるみを抱きたがっていた。
三人はぬいぐるみの奪いあいをハジメタ。
(おい、ひっぱるなよ!)

サクラとナルトが両方から引っ張りあっている。
『いて、てててて!』
思わずカカシは声を漏らした。
サクラがびっくりしてぬいぐるみを離した。

「ねえ、今何かしゃべらなかった?これ・・・」
「は〜?そんなわけないってばよ〜」
「いや、俺には聞こえた」
サスケは疑いの眼差しでぬいぐるみをみたが。
「そんなわけないな・・・」
「そうだって〜ゲームしょう、サスケ」
ナルトとサスケはテレビゲームではなく、
「人生ゲーム」を始めた。
これは、お金持ちになったり、貧乏になったりするゲームである。

チョッパーは再びサクラが抱っこしていた。
(サクラならいいか)
カカシは複雑だった。
今、ここで元の姿に戻れない。

しょうがない。ナルトたちが帰るまでこの姿でいるか。
カカシは大人しくぬいぐるみでいた。
そういえば少し、トイレにもいきたい。
イルカ先生早くこっちこないかな〜
キッチンからカレーのスパイシーないい香りがただよってきた。
(俺も食べたい)
”ぶ〜〜〜っ”
カカシはその時思わず屁をこいてしまった。
「ちょっと〜ナルト!あんた今オナラしたでしょ〜もう!!」
サクラはナルトを疑った。
まさかぬいぐるみが屁をこくとは考えられない。
ナルトとサクラが言い合いを始めた。




イルカは出来上がったサラダやお水などを運んできた。
「みんな、席について!」
「は〜〜い!!」
三人はうれしそうにお膳の前についた。

イルカはほかほかご飯にアッアッのカレーをよそってお膳に置こうとした。
その時。
”コテッ”
イルカはコケタ。
そして皿のカレーが、
サクラの抱いている(つまりカカシ)ぬいぐるみにざばっとかかった。
「いゃ〜〜〜!!」
「ご、ごめん、サクラ〜〜〜〜あっ!!」
「せんせ〜〜チョッパーが〜〜〜!!」
カレーまみれになったぬいぐるみ。
カカシは悲鳴を抑えた。
”あつい!”
「どうしょう〜はやくおとさないと〜」
イルカは慌ててぬいぐるみを掴み、
洗濯機の中にほうりこんだ。

カカシからもらった大切な思い出が〜
イルカは勢いよく水を流し、
洗剤と漂白剤をどさどさいれた。
”しっかり洗い”
にセットする。

これでしっかり汚れをおとせば一安心だ。

〜ズドドドドドド”
洗濯機が回り始めたショックでカカシは変化をといた。

物凄い音と共に。
イルカの洗濯機が壊れた。


「ななに〜?」
イルカとナルトたちが物音にびっくりして洗濯機の周りに集まってきた。


そして、彼らは信じられない物を見た。
壊れた洗濯機と、
そこに倒れているカカシ先生。

カカシは泡まみれになり気絶していた。
目はぐるぐる回っている。
着ている忍服は漂白され斑になっていた。


全員無言でしばらく立っていた。






それからしばらく、
カカシは皆からさり気なく避けられたそうだ。


あ〜〜あ〜〜


END

○これはばかんすの後日談。
まだナルトたちが子供っぽい時代のものです。


2007年08月04日

フィクサー



”ドンドンドンドン”

派手な太鼓の音と共に火影である綱手がシズネとともに一同の前に現れた。

木ノ葉の忍びたちが集められていた。
いったい何が起こるのだろう?

「皆のもの〜よ〜く聞け・・・これからヤマト踏み絵をする!そして隠れヤマトを探し出す!!」
”ジジ〜〜ャン”
「かくれ〜ヤマト〜!?」

カカシは馬鹿馬鹿しくてぽりぽり頭をかいた。
「ヤマト踏み絵!!」
”じゃ〜ん”


綱手は大きく引き伸ばしたヤマト隊長のポスターを出してみせた。”

おおっ!
人々がどよめいた。

”ははははは”
ナルトとサクラとサイの三人は可笑しくて笑ってしまった。

ギロリと綱手から睨まれ三人はヒルンダ。
「カカシ先生・・・俺、踏み絵なんて初めてです・・どきどきします!」
カカシの隣で勘違いしているイルカは感激して瞳を潤ませた。

「では、一人ずつ前に」
綱手はマジだった。

「なあ・・アスマさん、ヤマトさんって何かの宗教の教祖なんすか?」
ゲンマがアスマにささやいた。
「さあ〜聞いたことないね。。・・・全くとっとと踏んで酒でも呑みに行こうぜ」
タバコを加えてアスマはクールに言った。


「まずは、ナルト、サクラ、サイ」
「はい!」
いわばヤマト班の仲間である三人。
ナルトは全く躊躇することもなく踏みつけた。
サクラもがしっと踏んだ。
サイもふみふみした。
三人はらくらく隊長の写真を踏んだ。
「なんだか可愛そうです・・・ヤマトさん・・・」
心の優しいイルカはそれをみて胸を痛めていた。
「ま、しょーがないでしょ。イルカ先生・・・それより俺たちもすませましよう」

しかし、こんなことして何の意味があるのだろう?


カカシとイルカは列に並んだ。
イルカの番が来た。
「次、うみのイルカ!」
「はい」
イルカは一歩前に出た。
「ごめんなさい。ヤマトさん・・・俺こんなヒドイことしたくないんですけど」
そう口ではいいながらもしっかりイルカは写真を踏んだ。


そしてカカシの番が来た。
カカシは右足を前にだした。
”ササッ”
その時、写真が動いた。
カカシは写真を踏めなかった。
カカシは焦ってまた足を出した。
”スルスル”
まるで写真は生きているようにカカシから逃げた。
”ザワザワザワ”
その姿を見て周囲は騒ぎ出した。
「いゃだあ〜カカシ先生は隠れヤマトなんだわ〜!!」
サクラが叫んだ。
「先輩と後輩なんていやらしいってばよ〜!!」
ナルトも叫んだ。
”隠れヤマトだ!”
”かくれヤマト”

人々は口々に言った。
「違う!!・・・俺は潔白だ!!」
「か、カカシ先生がそんな人だなんて知りませんでした。・・・俺もうあなたのことが信じられません!!」
”タタタタタ”
イルカは泣きながら走り去った。
「イルカ先生!!」
そして、カカシは自分の右目を隠している額あてをずらしヤマトの写真を見た。
「おのれ〜暁の陰謀だったのか!」
「暁!!」
ナルトの表情が変わった。
「ナルト、その綱手さまは偽者だ!!」
「なんだって〜!!」
ナルトは綱手を睨みつけた。
「ははは。流石コピー忍者。写輪眼のカカシさんだ。・・・うん」
”どろん”

みるみるうちに綱手は暁の芸術家であるディダラに変化した。
そしてもう一人。
皆に踏まれていたヤマトの写真は、
サソリに変わった。
「俺は待たされるのが嫌いなんだ!」
サソリはえらそーに言った。
「でも、踏まれるのはスキなんだよなあ〜旦那は・・うん」
「ああ〜なかなか気持ちがいい」
二人は笑った。

”ドドドドドド”

暁の二人を見て人々は逃げ出した。
気が付いたら、
カカシだけが取り残されていた。
「貴様らは、俺とイルカ先生の仲を裂くつもりだったんだろう?」
カカシは怒った。
”許せない!”
「おいらたちは、アルバイトで頼まれただけだ」
「ああ〜昨日ヘッドギアをつけた男から、たんまり焼肉を御馳走になったんだ」
「へヘッドギア!!」
”そういうことかよ!!”
怒り狂うカカシ。
「という訳でおいらたちは、帰る・・・もうすぐランチタイムだ・・うん」
「いくかディダラ・・・木ノ葉一のラーメン屋に」
「いい汗かいたな」

芸術の二人組はスタスタ去っていった。

残されたのはカカシ。

イルカは泣きながら行ってしまったのだ!
”ぐるぐるぐる”

カカシの中で怒りが渦を巻いていた。
「テンゾウ!マジで踏みつけてやる〜〜!!」






それを物陰から見守っていた、ヤマトは、
「先輩に踏まれるなんて・・・」
と、頬を赤く染めていたとか、
いなかったとか・・・。



人騒がせな男である。


END
○暑いですね〜なんかいつも以上に馬鹿馬鹿しい話に・・・。
私これでもヤマトファンなの〜

ま、夏休みということでこれはつい最近の話。
許して〜〜








2007年07月27日


醜態



その日。
ナルトは自分の部屋に走って帰った。

今夜はまえまえから楽しみにしていた、
イルカ先生のお部屋に泊まりに行く日なのだ。

先生の部屋に行くのは久しぶりだった。

ナルトは先日の任務で行った月の里で買ったイルカへのプレゼントをバックにしまった。
「ああ〜楽しみだってばよう〜!」




『今夜は来ないで下さい』

折角任務から戻ったというのにイルカの態度はそっけなかった。
「ね、来ないでって、どーいうことよ?」
「今夜はナルトが泊まりにくるんです!」
嬉しそうにイルカは言った。
「な、なにぃ〜ナルト〜〜!!」
よりによって泊まるだなんて。


日頃ガキだガキだと思っていたカカシの弟子のナルト。

そもそもイルカとの交際はカカシなどより長いから仕方ないといえばそうなんだが・・・。

だが、しかし・・・。

カカシはメラメラと嫉妬した。
イルカがナルトの為にご飯を作ったり、一緒にお風呂に入ってしまうかもしれない。


それを考えるとカカシの胸ははちきれそうだった。







カカシはもやもやと酒場に入った。
居酒屋にはみたらしアンコとシズネの二人が大口あけて笑いながら酒を呑んでいた。
「あら、カカシ。こっちいらっしゃいよお〜」
すでにアンコはできあがっている。
ちなみに噂だがアンコは恐ろしく酒癖が悪いらしい。
「ほっといてよ。一人で呑みたいの」
カカシはカウンター席に腰掛けた。
冷酒を注文する。

”ねえ、この間綱手さまったら、自来也さまと一緒に映画に行ったんですって!”
”やだぁ〜あの二人ってホントはどうなの?”

二人の噂話が耳につく。
(店まちがえた)

カカシは寂しかった。
今夜は一人で呑んで呑んで、
恋しいあの人のことを想おう。


カカシは自然とピッチがあがった。







ナルトはイルカの部屋でゲームを楽しんでいた。
「できたぞ、ナルト」
イルカはナルトの為にクリームシチューの有田ではなくクリームシチューを作った。
「うわ〜すげえ〜先生料理うまくなったってば」
「そ、そうか?へへへ」
「だってさあ〜昔はキャベツしか入っていないラーメンとか形が壊れた目玉焼きとかつくってたよなあ」

カカシと付き合うようになってイルカは努力した。

二人は仲良く夕飯を食べた。
ナルトは美味しいといって何度もおかわりしてくれた。
「あ、そうだってば、イルカ先生。・・・これ今回任務で行った月の里のお土産」
「えっ?」
小さい包みをイルカに差出し、照れ笑いする。

気が付いたら彼の教え子は少し大人びていた。

可愛い月の形のキーホルダー。
「ありがとう。大切にする」

イルカはそれをしまった。



夕飯の後は二人はテレビを観てくつろいだ。
”テレビコノハ”
特集は「上忍 マイトガイの成長期」
鈴木○朗がたんたんとナレーションをしている。

"上忍マイトガイはキャベツがら生まれました。
彼は実は三つ子で三人ともそっくりの眉毛でした。
彼の父も母も彼に生き写しでした。


子供の頃から熱血漢のガイは野球は勿論「ジャイアンツ」フアンでした。
彼は「ナガシマ」という名を聞くだけで感動して滝の涙を流しました。

彼の本当のライバルは徳光○夫だったのです!”


”あははははは”

イルカとナルトはおなかを抱えて笑った。
と、その時。
”がたがた”

玄関で物音がした。

思わずイルカは立ち上がった。





「か、カカシ先生!?」
冷酒にどっぷり漬かった酔っ払いが入ってきた。
プンプンアルコールの匂いがする。
そしてカカシの目は座っていた。
「なんだよ〜カカシ先生こんな時間になんだったばよ〜」
ナルトはプッと頬を膨らました。

楽しみにしていたイルカ先生との時間を壊されたくない。


カカシはずんずんあがりこみお膳の前にどかっと腰を下ろした。
「イルカ先生ご飯!」
「えっ?・・・なに言っているんです。カカシ先生シチューは全部二人で食べました」
イルカは頭をかかえた。
「今夜シチューだったの。それ俺の好物じゃない?」
〜〜めらめらめら〜〜
(もう子供なんだから)
イルカは仕方なくキッチンにいった。

カカシとナルトの二人だけが部屋に残される。
「ナルト、お前にはこのさいはっきり言っておく。・・・イルカ先生は俺の恋人なんだ。
・・・いくらおまえでも、先生に変な気おこしたら、俺は容赦しない」
「どういう意味だってばよ〜」
”バチバチバチ”
二人は睨みあった。



イルカは簡単に残ったご飯でおにぎりを作った。

カカシはぱくぱく無言でそれを食べた。
「さあ、そろそろお風呂にはいるか、ナルト!」
「うんイルカ先生」
”ピクリ”
カカシの手が止まった。


二人はきゃらきゃら笑いながらバスルームに消えた。
(イルカ先生と二人でお風呂?何ていやらしい〜・・・子供の立場を利用して先生の裸を見るきだな!)

カカシは3つめのおにぎりを口に押し込んだ。
ちなみに中身は全部梅干だった。



ナルトは服を脱ぎ浴槽にはいった。
イルカのお風呂はあまり広いとはいえない。
”ババンババンバンバン!

イルカとナルトは楽しそうに唄をうたっていた。
その時、
”ガラッ”
浴室の戸が開いた。
そして全裸のカカシが入ってきた。
○ちなみにナルトがいるので覆面をしたままだ。
妖しい姿だ。

「もう、カカシ先生何考えているんです〜!」
思わず文句をイルカが言った。


カカシは狭いお風呂に無理やり入ってきた。
”ザブ〜ン”
お湯が思い切りあふれる。
「カカシ先生無理だってばよ〜しんじらんない」
ナルトは入りきれず浴槽をでた。
イルカも出た。
「じゃあさ、今度はイルカ先生の背中流すってば」
ナルトは明るく言った。
大好きな先生の背中。
カカシの目はますます座った。
「え・・・でも・・・・」
カカシの方をイルカは気にした。
”アワアワ”

ナルトはボディソープをタップリつけてイルカのしなやかな背中を洗った。

カカシはガリガリ頭をかいた。
そしてザバット風呂を出る。

”見るに耐えない!”
(カカシ先生・・・)

イルカは少し心配した。




イルカはお風呂からあがり二人によく冷えた牛乳を出した。
「どうぞ、カカシ先生。・・・これ飲んで落ち着いてください」
「おれはいつも冷静だよ」
”カルシウムが足りないって言いたいんだな”

「なあ〜カカシ先生よ〜まだいるのか・・もう十時半。よい子は寝る時間だってばよ」
「とまる!」

その言葉にイルカはおろおろした。
「カカシ先生、今夜のところは帰ってください」
「イヤだね。泊まる。・・・もしあなたに何かあったら・・・」
「ナニもありません!・・ナルトは俺の教え子なんです!」
イルカは怒って声をあげた。
「それは昔のことです・・・ナルトだっていつまでも子供じゃあないんです・・あなただってそれくらい理解しているはずです」
カカシは泊まる気まんまんだ。


「ああ!!」
イルカは気が付いた。
イルカの部屋にはベットが一つ。
布団が足りない。
「あ、あの・・・俺毛布でここで寝ますから、カカシ先生はナルトとベットつかってください」
「えええ〜〜!!」
カカシとナルトが同時に声をあげた。

二人ともイルカと寝るつもりだったのだ!


「俺はイルカ先生と二人でベットに寝る。・・・カカシ先生はその辺でねるってばよ〜」
ナルトは冷めた声でそういった。
”DOKAAAN!!”
その言葉にカカシはきれた。

”バチッ!バチッ”
カカシの右手からエレキ走った。

ナルトも戦闘体勢に入った。
多重影分身をつかい、
螺旋丸を作りはじめた。
「カカシ先生勝負だってばよ〜…勝ったほうがイルカ先生と一緒のベットに寝る!!」
「ふん、望むところだ手加減はしない!」
「えっ!?や、やめてください〜やめて〜〜〜やめて〜〜〜!」
”チチチチチ”

イルカは怯えた。

『雷切VS螺旋丸』

そんなまるでゲームのような師弟対決がおこなわれた。

”ズドドドドドド〜〜!!”

二人の激しいバトルが始まり、

そしてイルカの小さなアパートは轟音と共に全壊した。







気が付くとカカシとナルトは木ノ葉病院のベットの上だった。
激しいバトルのせいで二人とも全身包帯でぐるぐる巻きだった。




しかし、二人が待っても、待ってもついに、

イルカ先生はお見舞いに来てくれませんでした。



END
○ これは一度ナルイルが書きたくて出来ました。
ナルトの初恋みたいなかんじです。







2007年07月20日

イヨマンテの夜




丸い月が綺麗な夜だった。

宿の窓からカカシはぼんやり月を見ていた。
お月様は明るく暗い室内を照らしていた。


カカシは里で待っているイルカのことを考えた。

彼と付き合い始めてもう3ヶ月になる。

優しくて愛らしい人だった。


明日になれば彼に会える。
イルカの為に選んだ土産を彼は喜んでくれるだろうか?

早く会って抱きしめてあげたい。


今回は里外の任務だった。
たかが1週間がもう何ヶ月も彼と会っていないような気がした。


カカシは布団に転がった。

寝た方が早く明日になるから。






アカデミーの任務を終えイルカはその足で里のスーパーに寄った。
籠の中に豆腐や野菜そして何時もより高価な肉を入れた。

”今夜の為に”
カカシが里に帰ってくるのだ。


カカシはどちらかというと家庭的な味を好んだ。
(何かおつまみに)
イルカはつまみにチーズを買った。
勿論生タマゴも忘れなかった。






イルカは"すき焼き”を作った。
冬らしいメニューだ。


ちなみに場所はカカシの部屋である。
きちんと掃除も済ませた。

用意は完璧だった。

夜の7時、
彼はまだ戻らない。


イルカはごろりと横になった。

疲れているのかうとうとと眠り始めた。




美しい湖が見える。
ここは何処だろう?
イルカは一人歩いていた。

湖のホトリにカカシが居た。
"カカシ先生”
と呼ぼうとした時、
イルカは目を疑った。
大柄な男がカカシを抱きしめている。
”マイトガイ”
そうだ!あの永遠のライバルガイ先生だ。
(嘘だ!〜〜〜〜うそお〜〜〜!!)


気が付いたらイルカは夢にウナサレテいた。
起き上がる。
汗がたれていた。
「ああ〜怖かった・・・なんて恐ろしい・・」
ガイ先生とカカシ先生なんて。
ビジュアル的に想像しかけイルカは頭を振った。

と、その時玄関でガタガタ物音がした。


"カカシ先生”
イルカは子供のように嬉しくって玄関に飛び出した。
そしてコケタ。

玄関にはカカシとあのガイ先生が立っていたのだ。
「よう、イルカじゃないか?お前なんでカカシの家にいるんだ?」
「え・・・・・・・・・・」
ちょっとむっとしてイルカはカカシを睨んだ。
「ごめん、すぐ追い返すから・・・」
小声でカカシが言った。





今回里外任務でカカシは同じ上忍仲間のガイと一緒だった。
もう一人は紅だった。
紅は観たいドラマがあると言ってさっさと帰ってしまった。
「おおっ!!何か美味そうな匂いがする!・・・あっ!すき焼き・・・俺の大好物だ!」
ガイはずけずけとカカシの部屋に上がりこんだ。


結局三人で食事をすることになった。


イルカはカカシの為にお肉やお豆腐をたっぷり取り皿によそった。
「どうぞ」
「ん、ありがとう」
カカシとラブラブの視線を交わす。
「イルカ、俺のも頼む」
二人のことなど全く理解していないガイ。
「おめーは自分でよそえよ!」
冷たくカカシが言った。



そして、それからカカシとガイのすき焼き争奪戦が始まった。
何せ子供時代からの仲である。
二人はバクバクと肉を奪いあって食べている。

イルカは取り残され、
口をあんぐりと開け二人を見ていた。

はっと我にかえった時。
もうお肉もねぎのかすすら残っていなかった。
「お、おれの木ノ葉牛〜〜」
”ひどい!カカシ先生”


イルカは仕方なく梅干でご飯を食べた。



気が付くと殻になったビールの缶が転がっていた。

二人きりの楽しいはずのディナーが・・。
「あ〜食った!食った!」

人の気も知らずガイは豪快にその場に横になり、いびきをかいた。


イルカはズーンと落ち込んだ。
「イルカ先生!」
うつむくイルカにやっとカカシは気が付いた。


イルカを奥の寝室に呼ぶ。
「ごめん。成り行きで・・・この埋め合わせは必ずします!」
「お二人とも随分仲がよろしいんですね」
冷たくイルカが言った。
「ちょっとイルカ先生・・・俺にはあなただけです!」
カカシはギュッとイルカを抱き寄せる。
「さみしかったです・・・・」
小さい声でイルカは可愛らしいことを言った。


二人はどちらともなくキスを交わした。



ガイは酔ったままその場で寝てしまった。
はた迷惑な友人である。
「イルカ先生は寝室で寝てください・・・俺はこいつのお守りします」
ごめんね。

キスの後カカシはイルカにお土産を渡した。
美しい天燃石の緑色のネックレス。
それをイルカにつけてあげた。
そしてイルカが好きな温泉の元。


イルカは機嫌を直した。

そして、カカシのほっぺにちゅーをしてくれた。





イルカは一人ベットに横になった。
あれこれ考えて眠れない。

ふと、二人が夢中で肉を奪い合う姿を思いだした。
まるで子供みたいだ。
でも、そんなカカシを見たのは初めてだった。

”ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ〜”


深夜イルカは自分の腹の音で目覚めた。
梅干ご飯だけでは足りない。

何か食べようと起き上がろうとしたその時。
ガタガタとリビングで騒がしい音を聞いた。
何事かと飛び起きる。

そして寝室の扉を開くと!
「いゃぁあああ〜〜!!」
イルカが見たものは、
ガイに抱きつかれてバタバタしているカカシ。
しかもズボンを半分下ろされている。
恥ずかしい姿だ。
「やめろ〜!やめろ〜!」
カカシが嫌がって叫んでいる。
ガイ先生がカカシを襲おうとしているのだ!

先刻見た夢がイルカの脳裏にヨミガエル。
”ぶちっ”!

イルカはキレタ。
「違う〜!違いますせんせい〜!!」
襲いかかるガイをようやく殴り飛ばしてカカシは取り繕った。


イルカはニッコリと笑った。
「カカシ先生・・・俺浮気は絶対許しません」
右手をあげイルカは指でコの字を作った。
そして、ばっさりとカカシの顔目がけて振り下ろした。
”ぎゃあああああああ〜〜!!”









翌日。

カカシはうつむきながら歩いていた。
顔にはくっきりとイルカのツメのあと。
覆面のうえからでもうわかる。

すれ違う人がこそこそやっている。



あの後イルカの誤解を解くの大変だった。

ステーキを奢り、新しい洋服を買ってあげる約束をした。

「ねえ、どおしたの、その顔?」

上忍待合室で紅に会った。
「ん・・・ねこにやられて・・・・」
カカシは汗ふきながら笑ってみせる。
「ああら随分おおきなネコちゃんねえ〜」



紅は笑った。



○この話も初めのころのです。
END








2007年07月13日

愛読書


「お父っつあん、お粥が煮えたよ」
「いつもすまねえな・・・ゲホゲホ」

木ノ葉長屋の一角に貧しい親子が住んでいた。

身体を病んでいる父親と心優しい青年。


彼はこの界隈の子供達を集め寺子屋の先生をしていた。


熱々の粥をお椀に盛り、
イルカは父のために、
お粥を”ふーふー”してあげようとした。
その時、
「へっくしゅん!!」
思わずくしゃみをしてしまった。
「あちちちちち〜〜!!」
”べちょ!”

可哀想に白髪の父の顔に煮えたぎった粥が飛んだ。
「ごめんお父っつあん!」
イルカは慌ててその辺にあるボロ雑巾で父の顔をごしごしとやった。

心温まる親子の一幕だった。






イルカはようやく父に食事をさせ仕事先の寺子屋に向かって歩いていた。
「よう、イルカ先生いい天気だなあ〜」
「ああら、イルカちゃん今日も元気ねえ〜」
あちこちで明るいイルカは人気ものだった。


そのイルカの前に大きな男が立ちふさがった。
イルカは恐ろしくて口をパクパクさせた。
「あんたが、この長屋一カワイイイルカちゃんか?」
大男はにやにや笑った。
「お代官ざまがお呼びだ。〜なあに大人しくついてくれば、それはそれは天国のようなところだぜ」
あの有名な悪代官が、
イルカを狙っていたのだ!
「あっ!細○数子がタッキーと歩いている!!」
イルカは嘘をついて指差した。
男は騙された。
イルカは逃げた。
しかし大男もすぐ追いついてきた。
イルカの腕を掴む。
「いゃあ〜〜!!」
イルカはもがいた。
その時。
”チャリ〜ン”
大男にむかって何か光るものが飛んできた。
穴のあいた金貨が大男に命中した。
男はひるんでイルカを解放した。


二人の前に長身で白銀の髪の二枚目の男が立っていた。
「お、お前は銭カカ平次!!」

それはテレビで観たことのある神田明神したの親分さんだ。
「その人を放せ悪党!」
”チャリ〜ン”
”チャリ〜ン”
彼の武器は穴の開いた銭だ。
「ひ〜〜〜〜〜!!」

大男は倒れた。
「でいじょうぶですかい?」
怖くて座り込んでいたイルカに彼は手を差し伸べた。
「銭カカの親分さん・・・」

りりしい瞳に見つめられイルカは赤面した。


二人は見つめあった。
そして恋が芽生えた。


ただ忘れていたことは、
互いに男同士であることを・・・。






二人はアヒルが沢山いることで有名なお忍びの池に向かって歩いていた。
イルカはすっかり寺小屋に行くことを忘れていた。


池にはアヒルの形をした美しい船が泊まっていた。
「わあ〜〜!」
イルカは目を輝かせた。
「イルカさん、一緒に乗ってこぎましよう」
「はい!」
二人は仲良くアヒルの船に乗り込んだ。
ちなみに足でこぐタイプの舟である。
「イルカさんは寺子屋の先生なんですね」
「はい。子供たちに資産運用を教えています・・・でも本当に危ないところを有難うございます」
「いえ、何か困ったことやあっしに出来ることがあれば、何時でも言ってくだせえ!」
見事な江戸っ子なまりで銭カカは言った。
銭カカはイルカを見つめた。
イルカはもじもじしながら言った。
「親分さん、これから俺の作った豪華料理を食べに来てください・・・お父っつあんも喜びます」


という訳で銭カカ平次は見回りの仕事をほうり出してのこのこ可愛い寺子屋の先生の後についていった。




イルカは豪華料理を作っていた。
お正月にも食べれないような度肝をぬくものだそうだ。


銭カカはお膳のある部屋に通された。
狭いが暖かい感じの家だった。


イルカの父親は元々は有名なえろ本作家だった。
だが数年前心の臓を痛め今はふせっていた。
大好きなえろ話をもう一度書きたい。
父は銭カカに熱く語った。

銭カカは懐から一冊の本を取り出した。
「おおっ!それはわしの代表作”いちゃいちゃ読本”」
「あっしの愛読書です。・・・自来也先生、この本にサインをおねげえします!」
銭カカはサインペンを出し、イルカの父親にサインをねだる。


その時、
イルカが大きな鍋を持ってよろよろと部屋に入ってきた。
鍋はぐつぐつと熱い。
真っ赤な液体の謎の豪華料理。
「お父っつあん、親分さんお待たせ、へ、へ、へっくしゅ〜〜ん!!」
”ザバ!!”
そしてあろうことにイルカは煮えたぎった鍋を飛ばした。
鍋は勢いよく飛んで、
父の頭にかかった。
「ぎゃああああああ〜〜〜!!」

父、自来也は倒れた。


平和な昼下がり心から暖まる親子のワンシーンだった。






こうして寺子屋の先生イルカと銭カカの親分の交際が始まった。


イルカはその日、町の古寺の裏で銭カカと逢引する予定だった。

彼はまだ現れない。

彼の為に太い太い太巻きを作った。
それを二人で丸かじりしたかった。ついでにお互いも丸かじりする予定だった。

”ザワザワ”
何やら妖しい気配を感じた。
イルカはきょろきょろした。


イルカの周りを柄の悪い男たちが取り囲んだ。
「あ、あなたがたは!」
「お代官さまがご指名だ!」

イルカはぐるぐる縄で縛られてしまった。
(助けて〜銭カカさん!!)
イルカは心の中で叫んだ。




銭カカ平次が約束の古寺に着くとイルカはいなかった。
しかし、地面に太い太い太巻きが二本転がっていた。
「イルカさん・・・・!」
イルカに何か起きたのだ。
太巻きのそばに一枚の名詞が落ちていた。
"代官ビューティー大蛇丸”

悪名高い大蛇丸の名前が・・。
何でもこの代官は女より男が好物なのだ。
イルカがあぶない!

銭カカはきびすを返し、代官屋敷めがけて走った。







そしてイルカが気が付いた時には、
立派なお屋敷の中に居た。
イルカは何時の間にか白い着物に着替えさせられていた。
「お目覚めかしら。・・・うふふふふ」
長い黒髪にべったりと濃い化粧をした人物がイルカを見下ろしていた。
「いゃあ〜〜オカマ!!」
「何ですって〜失礼ね、アタシの何処オカマなのよ・・・・・あんたが長屋一可愛いイルカちゃんね。・・・・・・ふうん、ちょっと歳くってるわねえ」
”ズキン”
イルカは大蛇丸睨んだ。
「俺をどうするつもりだ!」
「うふふ・・。さあ〜どうしましょう」
そういいながら代官は指でイルカの唇をなぞった。
”ぞぞぞぞぞぞ”

イルカは寒くなった。
「でも、アタシもっと若い男の子が好みなのよ」
「じゃ、帰してください!」
「でも〜よく見ると可愛いわねあなた・・・」
代官は奥の部屋の襖をさっと開けた。
布団に枕が二つ。
「ああ〜〜!!」
イルカは身構えた。

この後は、
”よいではないか〜よいではないか〜”
”あれえ〜〜〜!!”
のパターンである。


イルカは想像してショックで顔を覆った。
”こんな人に食われるなんて”

その時、
悪代官目がけて何かが光った。
”チャリ〜ン”
テーマ曲とともに銭カカ平次が立っていた。
「このえろ代官め、成敗してくれる!」
銭カカはぴしっとキメた。
「いや〜ん物凄いいいじゃない〜〜タイプよ〜〜」
「へっ!?」
大蛇丸は銭カカを色っぽく見つめた。
「な、なにを、言ってやがる。・・・イルカさんをけえしやがれ!」
汗をかきながら銭カカは言った。
「みなさ〜ん。おであいなさ〜い!」
くねくねと代官は手下を呼んだ。

ザワザワと悪代官の手下が現れた。
”チャリ〜ン”
”シュタ〜ン”


銭カカ平次は格好よく悪党を蹴散らかした。



そして最後にあのえろ代官が残される。
「ああ〜ん〜すきにしてぇ〜」
何故か代官は興奮していた。

銭カカはたじろいだ。

その時、
ついにたまらなくなって、今まで大人しくしていたイルカがキレタ。
立ち上がる。
「銭カカさんは俺の恋人じゃ、おんどれ〜〜!!」
人が変わったような強さでイルカは代官を殴り飛ばした。










町に平和が戻った。

空は青く風は心地よい。
小鳥のさえずりが聞こえてくる。
緑の多いお忍びの池の公園でイルカは銭カカ平次とアヒルの船をこいでいた。
「あのう、親分さん。お父っつあんがこれをあなたに・・・」

それは新しいえろ本の原稿。

「父はあなたに逢ってまた小説が書きたくなったって・・・」
「わぁ〜〜〜!!」


えろ小説を見て、銭カカ平次はとても幸福そうに笑った。



END


○時代劇ってスキなんです。
これは今年の正月後いきなりむらむらと書きました。










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