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美しいあなた
その夜、イルカは不機嫌だった。
久しぶりに会った友達。
彼はやけに元気だった。
訊くと近く結婚するという。
彼女との馴れ初めやら様々なのろけ話をきかされた。
イルカは無言でチューハイをごくごく呑んだ。
自分ももう25歳、そろそろいい人が出来てもおかしくない年頃だった。
(ちょっと呑みすぎたな)
イルカはよろよろ夜の街を歩いていた。
商店街はほとんど閉まっていた。
人気もない。
その時、イルカははっとして立ち止まった。
(俺としたことが!)
誰かが彼の真後ろにたっている。
”命がおしければ、ズボンを脱げ!”
しゃがれた声の男だ。
(ズボンを脱ぐなんて!?)
「この変態!」
イルカは軽く飛んだそして回し蹴りを背後の変態にくらわせようとした。
しかし相手は軽くよけた。
「ま、ま、ま。イルカ先生・・・俺です!」
「カ、カカシ先生!?」
変態の正体はナルトたちの担当上忍であるはたけカカシだった。
「全く、ズボンをおろしてどうするつもりだったんですか?」
イルカは腕を組んだ。
「いゃあ〜先生がどんなリアクションするか見たくてつい〜」
カカシは頭をかいた。
二人はまだ開いている深夜のファミレスに入った。
カカシはコーヒーを。
イルカはケーキセットを注文した。
「それよりイルカ先生、随分今夜は呑んでいるみたいですね」
「へ?そうれすかあ〜?」
「だってお顔がユデだこみたいに赤いです」
”クックックッ”
カカシは笑った。
イルカは友人とのことをカカシに話した。
カカシとは日頃受付でちょこちょこ会話する程度の仲である。
「イルカ先生は恋人はいないんですか?」
「ええ〜お恥ずかしいです」
「だったら俺とお付き合いしませんか?」
「ええ、そうですね・・・・えっ?お付き合いって???」
イルカはケーキに顔をつっこみそうになった。
「当然恋人としてです」
”ズブン!”
イルカはケーキに顔をつっこんだ。
それがはたけカカシとうみのイルカのお付き合いの第一歩だった。
(遅いなあ〜カカシ先生)
時計を見るともう約束の時間を30分はオーバーしている。
イルカは結局酔っていたこともありお付き合いを了解してしまったのだ。
今日は二人の初デート。
デートなんて久しぶりだった。
イルカはキバって彼なりにデニムと白い仕立てのいいシャツを着て、そして何時も結んでいる髪をおろした。
そうすると彼は別人のようである。
そしてそこにもう一人の別人が現れた。
ダークスーツに身を包み、そして手には一本の薔薇の花を持った美しい青年がイルカの前に現れた。
「もしかしてイルカ先生?」
「は、はい。カ、カ、カ、カカシ先生??」
「俺はカ、カ、カ、カカシではないですよ〜」
こんなに素顔が色男だったとはイルカもびっくりした。
気が付くと二人の周りに人垣が出来ていた。
美しく目だつ青年たちを見ようと木ノ葉の人々が集まってきたのだ。
なかには携帯で写真を撮る女子高生もいた。
”いゃ〜んカッコイイ!”
”すご〜〜い美形”
若い娘たちは特にカカシをみて うっとりしていた。
「さあ、行きましょう・・・というか逃げましょう!」
カカシはイルカの手をとって走りだした。
二人は街を走った。
「あのう〜カカシ先生・・・デートっていきなりここですか?」
イルカは怪しい建物の前で汗をたらした。
「こんな美しいあなたを見て冷静ではいられません!」
「そんな、まだ初めてのデートですし。まずは映画とかお食事とかでいいじゃあないですか?」
「ご飯なら後で沢山御馳走します」
”ドン!”
カカシは建物の前で躊躇しているイルカの背中を押した。
ラブホテルの部屋はやけに可愛いピンクの部屋だった。
イルカは緊張しながらシャワーを浴びた。
(まいったな。いきなりえっちだなんて・・・まだ手も繋いでないのに)
ホテルのお風呂は広い。
「わあ〜きもちいい〜」
イルカはおもわず長湯してしまった。
元々お風呂が好きなのだから。
よく暖まりバスロープをはおり部屋に入った。
「カカシ先生・・・・」
「あ?」
カカシはというとベットで熟睡していた。
「このやろう〜〜!」
”自分から誘っておいて”
”俺に恥じをかかすのか!”
「カカシ先生〜〜」
イルカは眠るカカシにがばっと襲いかかった。
”ぜえぜえぜえ”
もう少しでイルカ先生に襲われるところだった。
カカシは必死に抵抗した。
なんとか立場とお尻は守った。
カカシの可愛いひとはベットに沈没していた。
目が覚めたら二人で焼肉を食べて映画を観てそれから俺の部屋へ。
何だか順番がおかしいが最後は自分の部屋らしい・・・。
恋の始まりはとても新鮮でドキドキして楽しいものだ。
カカシはイルカにくっついて毛布をかぶった。
その後焼肉屋でイルカは焼肉5人前をぺろりとたいらげたそうだ。
END
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温泉芸者物語
とある田舎の温泉町に三人の名物芸者がいた。
人気ナンバーワンの美しく踊りの上手いカカ奴。
美しいカカ奴は温泉町の男たちの憧れだった。
そしてカカ奴には二人の仲間がいた。
パワフルさがすべてのガイ奴。
世の中こういうのが好みの人もいる・・・。
そしてクールなアス奴。
三人は温泉町の華だった。
今夜もお座敷がある。
控えの間で三人は煙草をふかしていた。
「ねえ、アス姉さん。今夜も若旦那くるかしら〜」
ガイ奴が恥ずかしそうにいう。
「絶対くるわ〜、もう〜早くあいた〜〜い!」
この温泉町一番のお金持ち、呉服問屋「うみのや」の一人息子その名はイルカといった。
カカ奴はぼんやりと優しい若旦那のことを想った。
密かに想いをよせる。
「ちょあっとお〜カカ奴。なに赤くなってんの?!」
「まさか、あんたも若旦那を〜〜」
ガイ奴とアス奴はふんふんと鼻息をあらくした。
二人とも若旦那の貞操を狙っていた。
その頃。
噂の若旦那、イルカは一人お部屋でお手紙を書いていた。
”ああ〜いとしのカカ奴”
あなたは私の月だ太陽だ!
あなたの事を考えるだけで私は胸がいっぱいでご飯が3杯も食べれてしまう。
どうか私とお付き合いをしておくれ〜〜
(ああ〜)
美しく艶やかに踊るカカ奴の姿を想像するだけでイルカは大切なところがもっこりしてしまう。
「わかだんな」
その時、イルカの部屋に彼の用心棒の綱手が入ってきた。
女だが腕がたつ、そして胸も立派だった。
「あ・・・なんですか?」
「そろそろお出かけのお時間だ」
「はい」
「お座敷に行くまえに、若旦那ひと勝負していかないかい?」
「なんだ、また負けにいくのか?」
「なにい〜〜」
”ギロリ”
と睨まれて若旦那は恐ろしくて口をつぐんだ。
二人は賭場でぼろ負けしてから、カカ奴のいるお店にいった
三味線の音にあわせ三人の芸者がくるくるまわる。
「いつ見てもごつい踊りだな」
酒を呑みながら綱手が言った。
「とても素敵です!」
イルカにはカカ奴の姿しか見えていない。
「若旦那。恋文何時わたすんだ?」
イルカは焦った。
「おまえ〜何故それを〜〜?」
綱手はにやりと笑った。
「若旦那、あたしのお勧めのいいお宿がある・・・」
「おやど・・・」
思わず、唾をのむ。
「まかせな。・・・今夜のお座敷がひけた後、あたしがカカ奴をおもてによびだす」
「ほんとうかい?」
綱手のことだどんな汚い手を使ってもカカ奴を呼び出すだろう。
(カカ奴と二人きりで・・・)
イルカは胸が一杯で酒のツマミをぱくぱく食べた。
三人の踊りが終わった。
「さあ〜カカ奴。こちらへきてわたしのお酌をしておくれ」
「あい・・・」
カカ奴は恥ずかしそうに若旦那の隣に座ろうとした、
しかし、
「ちょっと〜若旦那のお酌は私がするわ!」
「いいえ、わたしよお〜」
ガイ奴とアス奴がドスのきいた声で言った。
”どん!”
カカ奴は突き飛ばされてしまった。
「あぁ〜〜れえ〜」
か弱くカカ奴はコケた。
その着物の裾から美しい色白の脚がちらりと見えた。
”ぷっ!”
若旦那は鼻血を吹いた。
気が付くと綱手が鼻にティッシュを詰めてくれた。
イルカはガイ奴とアス奴に挟まれて座っていた。
(こわい・・・)
イルカは怯えた。
一方、カカ奴は綱手と二人でお酒を呑んでいた。
綱手がカカ奴に耳打ちしている。
外にカカ奴を連れ出す計画だ。
「また、おいでくださいまし〜」
三人の芸者は若旦那に手を振った。
その夜のお座敷はすべて終了した。
カカ奴は自分のアパートに戻り丁寧に化粧を落とした。
着物を脱ぎ私服に着替えた。
ブルージーンズに白いシャツ。
そして黒いロングコートをはおった。
美しい芸者カカ奴は、実は男だったのだ。
彼はアパートを出た。
そして綱手から呼び出されたスナックに向かった。
(若旦那)
優しくてちょっとマヌケな若旦那。
でも、もし俺が男だと知ったら、
嫌われてしまうかもしれない。
町はずれのスナックは綱手と昔馴染みの自来也の店である。
二人はカルピスをのみながらカカ奴を待っていた。
というのにイルカは緊張して先ほどからトイレを出たり入ったりしている。
「若旦那、そんな情けないことでどうする?」
「でも〜緊張しているんだよ」
「なにがきみたいなことを、押して、押して、最後には布団に押し倒せ!」
「ああ〜〜〜」
イルカは照れくさくて綱手をばしばし叩いた。
お座敷以外の場所でカカ奴に会うのは初めてだった。
期待と不安が交錯する・・・。
その時、スナックの扉があいた。
すらりとして格好のいいロングコートの美貌の青年が立っていた。
白銀の髪がどきっとするほど似合っていた。
「若旦那。お待たせいたしました」
「は?」
イルカは目をぱちぱちさせた。
「カカ奴でございます」
”ドス!”
あまりの衝撃にイルカは椅子から落ちた。
「大丈夫ですか?」
彼、カカ奴が助けおこす。
「すみません。俺、本当は男なんです。・・・・名前はカカシといいます」
「か、カカシ・・・」
イルカはしっかりと立ち上がった。
そしてカカシの手を取った。
「たとえ、貴方の性別が男だろうと、わたしの気持ちはかわりません。・・・・
カカ奴、いえ、カカシさん・・・わたしとお付き合いしておくれ」
「わか・・・だんな・・・」
カカシはその若旦那の気持ちが嬉しくて涙ぐんだ。
訊けばカカシは貧しい家に生まれ10歳の時実家を助ける為、芸者の世界に入ったという・・・。
三人は店を出て夜の公園にいった。
イルカは勇気をだして、
カカ奴、カカシと手を繋いだ。
それはイルカにとっても、カカシにとっても幸福にみちたりた優しい時間だった。
そしてイルカは綱手が手配していた宿に消えた。
大きな布団と枕が二つ並んでいた。
「カカシさん」
「わかだんな」
イルカはそこでカカシを抱きしめるはずだった。
しかし、反対に抱きしめられていた。
「ああ・・・・」
熱い想いを伝えるようなくちずけ。
気が付くと、押して押して、押し倒されているのはイルカの方だった。
二人はお互いを求めあった。
まるでそうすることが自然のように・・・。
二人は結ばれた。
人気芸者カカ奴はお座敷をおりた。
その後、「うみのや」にたいそう美しいお婿さんがきたという。
田舎の温泉町では今、噂になっているらしい。
いつまでもお幸福に。
END
☆これは昨年のお正月にUPしたものです。
少し変えているけど。
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年賀状
去年の正月はこたつの中で寝てしまい、ノロウイルスにかかってしまったカカシとイルカ。
今年こそは元日にお雑煮を食べ着物姿のイルカと二人で初詣にいきたい。
里の誰もがうらやむラブラブカップル。
「俺、着物なんて持ってませんから・・・」
イルカはポソっと言った。
「じゃあ、今すぐ買いましょう!」
「なに言っているんですか、今夜の11時ですよ」
イルカはぷっとふくれた。
イルカは本当はお正月はカカシと二人、呑んで喰って寝て、呑んで喰って寝て呑んで喰って寝たいのに。
でもカカシには言えない。
「明日、イルカ先生にぴったりの着物買いますから」
もう〜言い出したら止まらないんだから。
翌日、デパートから大きな荷物がイルカのところへ送られてきた。
イルカは包みを開け、
あんぐりと口を開いた。
華やかな金色に花柄はまるでどうみても演歌歌手の舞台衣装。
「これをおれに・・・おれは小○幸子か美○憲一かああ〜〜」
うるうる。
イルカは嬉しすぎて泣いた。
その後のこのこやって来たカカシはイルカに蹴り飛ばされたそうだ。
そんなカカシとイルカ今年はどんな大暴れをしてくれるやら!
今年も宜しく〜〜
END
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カウントダウン
師走。
教師も忙しく走るという12月の終わり。
我らの先生も例外ではなかった。
(大掃除、大掃除)
イルカはまず、自分の部屋の清掃にかかった。
日頃掃除はするがかたずけはあまり上手くない。
ノートやら本やらが賑やかに散らばっている。
「よ〜し!」
イルカは多重影分身の術で4名に増えた。
数時間後。
お部屋は綺麗になった。
「ご苦労様!」
”どろん”
影分身たちは消えた。
イルカは腹ごしらえにカップラーメンで簡単に昼をとった。
”ずるいよ〜”
”おれも食べたい”
イルカの中で影分身たちが文句を言っている。
「もう〜影分身にも食べさせるのなんて〜」
ぶつぶつ文句を言いながらイルカは後3つのカップ麺を用意した。
”ずるずるずる”
”ずるずるずる”
仲良くラーメンをすするイルカたち。
(カカシ先生のところに早く行かないと)
新年まで後2日。
今日一日で掃除をすませて、
大晦日の夜は二人で過ごしたい。
それなのに、
カカシは任務に出ていた。
(もしかして、正月は俺一人かな)
少し哀しいけれど、
”イルカお茶”
”イルカ、俺は珈琲”
「もう、駄目!」
イルカは五月蝿い自分の影分身を消した。
素早く荷物をまとめ、
カカシの部屋へ急ぐ。
はたけカカシはまめな男だった。
日頃どちらかというとイルカの部屋よりカカシの部屋の方がきれいだった。
しかし、細かい掃除までは行き届かない。
イルカはスペアーキーで部屋に入る。
「まず台所から」
イルカはキッチン用の洗剤を使いぴかぴかにお掃除を始めた。
ふと、冷蔵庫を開け、びっくりした。
まるでイルカの為にあるような食料。
何時イルカが来てもいいようにカカシが用意していてくれたようだ。
イルカは夕方までかかって掃除をすませた。
”ピカピカ”
とても気持ちがいい。
イルカはリビングにごろんと横になった。
「お正月二人でいれるかな・・・・・」
『大晦日』
昨夜はカカシの部屋に泊まった。
やはり彼は戻らなかった。
とても寂しかったが、
そんなワガママばかり言っていられない。
「最後は買出しだ」
イルカは外出の支度をした。
木ノ葉銀座は年末の買い物客で賑わう。
イルカは刺身にする、マグロとお餅を買う予定だった。
「イルカ先生!」
魚屋でナルトとばったり会った。
ナルトも買出しらしい。
(そうか、こいつも正月一人・・・)
「なあ〜ナルト、おまえ珍しいな魚屋なんて」
「へへっ。ラーメンばかりじゃあな。・・・・婆ちゃんに魚でも買って食べろって
こずかい貰ったんだ」
綱手さまも粋なことをする。
「ナルト、これから先生とカカシ先生の部屋でカウントダウンしないか?」
ナルトはひいた。
だって、ラブラブの二人のところになんて、
きっと新年と共に、
”うっふ〜〜ん”
”あっは〜〜ん”
だ。
「い、いゃあ・・・」
「どうした顔色悪いぞ」
「でもカカシ先生に悪いってばさ。・・・・折角の正月に」
「折角の正月だからだよ」
イルカはぱっと笑った。
後でカカシには言えばいい。
イルカはナルトを誘い部屋に戻った。
二人でのんびり過ごした。
やはりカカシは帰らなかった。
カカシは危険な任務にいくことが多い。
確かに胸が痛むこともある。
でも俺が弱いことでは、あの人の荷物になってしまう。
だから、悪い方に心配したり、泣いたりしない。
子供時代を一人で過ごしたイルカにはその強さがあった。
「できた〜!」
「おお〜すげえ〜特製年越しラーメン!」
やはり、ラーメンだった。
イルカは祝い用の酒をあけた。
瓶にはいった木ノ葉の名酒「猿飛」
先に飲んじゃえ。
「な、先生俺も、俺も」
「なに言ってんだ。子供が〜!」
「いつまでも子供じゃないってばよ」
「よお〜し、特別に一杯!」
”とくとくとく”
イルカたちは酒盛りを始めた。
二人とも顔を赤くして酔っ払う。
いい気分だ。
「せんせえ〜あとなんふんらってば〜?」
そろそろ新年になろうとしている。
その時、
白い煙とともにカカシが現れた。
「カカシ先生!」
「ああ〜間に合った!」
カカシは埃だらけで忍服は切れていた。
任務はヤマトに押し付けて帰ってきたのだ。
イルカは嬉しくって思わず、カカシに飛びついた。
ナルトの前なのに。
「おおい〜先生!!」
ナルトは頭を押さえた。
「ねえ〜なんでこれが居るのさ?」
カカシはイルカを睨んだ。
イルカはニッコリと笑った。
「カカシ先生。お風呂どうぞ」
「はい。先生」
カカシはいい子にお風呂に向かおうとした、その時。
玄関でチャイムが鳴った。
「もう〜誰?」
カカシは玄関で呆れた。
そこには酔ったガイとアスマと紅の3人が立っていた。
「なんで、こうなるの〜〜」
仲間たちはカカシに構わず宴会を始めた。
二人の正月が・・・・。
でも何よりもかえがたいのは、
皆の笑顔。
新しい年へのカウントダウン!!
翌朝。
カカシに任務を押しつけられた、ヤマトも仲間に合流したそうだ。
END
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冬のおくりもの
気が付くと季節は冬になっていた。
木ノ葉にも西の国のお祭りがやって来る。
その夜は家族や恋人たちが真っ白なケーキを食べてたり、プレゼントを交換したりそして、
恋人たちは寄り添い愛を確かめあったりする、そんな素敵なお祭り。
イルカにはまだこれという相手は現れていなかった。
素敵な恋人とロマンチックな恋がしてみたい。
子供の頃、三代目火影さまがイルカたちを招いてお祝いしてくれたことがあった。
両親を九尾の事件で亡くしたイルカに三代目は優しくめをかけてくれた。
イルカはアカデミーの仕事を終え、てくてくと帰り道を歩いていた。
途中の公園のブランコに黄色い頭の少年を見つけた。
(ナルト)
ナルトはイルカの生徒だった。
そしてイルカと同じように両親がいなかった。
「お〜〜いナルト!」
黙っていられずイルカは声をかけた。
「イルカ先生!」
ナルトの瞳が明るく輝いた。
ナルトはイルカ先生が大好きだった。
時には厳しく、時には優しく・・・。
「おまえ夕飯は?」
ナルトは首を振った。
「じゃあ、先生のアパートこい!」
「うん!」
「なにか作る」
「な、なにかってさ〜イルカ先生料理つくれるってば?」
実際イルカの手料理はある材料をいれたラーメンだった。
「ちゃんと野菜も食え」
「ああ」
イルカのラーメンは美味しかった。
「なあ〜イルカ先生は恋人いるのか?」
ませたことをナルトは訊いた。
「まあ、今のところは自由の身さ。・・・・それよりナルト。今年のクリスマス
先生と祝おう!!」
ナルトは瞳を大きくあけた。
そして思った。
”先生俺が里一番の忍になったときは必ず先生を側におく”
恋と呼ぶには幼いナルトの気持ち。
大きくなったら、イルカ先生をお嫁さんにする!
「って、思っていたのにさあ〜」
夕刻の公園で修行帰りのナルトはイルカ先生を見かけた。
そわそわと出かけていく。
ナルトはイルカの後をつけた。
公園にはナルトの担当上忍がいた。
イルカは嬉しそうにカカシに駆け寄った。
(もう、あんな嬉しそうな顔してさあ〜)
今年ももうすぐ西の国のお祭りがやってくる。
きっとイルカ先生はカカシ先生と過ごすのだろう。
(俺はイルカ先生が幸福ならいいか)
でもカカシ先生、イルカ先生を泣かすようなことしたら、俺許さないってば””
楽しそうに寄り添う二人を背にナルトは安心した。
イルカにもついに春が来た。
まさか自分の恋人が男だなんて想像がつかなかった。
カカシはイルカのことをとても大事にしてくれた。
「ねえ〜イルカ先生、クリスマスなにが欲しいです?」
照れくさそうにカカシは言った。
「そうですね。お部屋に靴下を吊るしておくからお願いします」
ニッコリとイルカは笑った。
「ね、イルカ先生。二人の初めてのクリスマスなんですし。・・・もっと豪華な高級ラーメンとか指輪とか」
”ぽっ!”
イルカは指輪という言葉に反応した。
カカシは指輪を贈ることに決めた。
イルカはふと空を見上げた。
手をかざす。
「見てください。カカシ先生・・・雪」
「なんだか素敵ですね」
熱い恋人たちはチラチラと降る冬のおくりものをじっと見ていた。
寒い晩だったが、
ナルトの心配とは関係なく、
二人はお熱いようだ。
メリークリスマス!
END
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華の里 珍道中?
カカシはその話を聞いて眉をひそめた。
イルカに1週間の里外の任務が回ってきたのだ。
場所は「華の里」その名のとうり華やかな都会である。
「駄目です。そんな危険な場所!」
イルカは反対されることがあらかじめわかっていた。
「でも、五代目の荷物を届ける・・・半分は旅行ですよ」
「それが、一番駄目!!」
「はぁ?」
「あなたが、一人であんなところへ行けば、必ず人身売買の組織に拉致されて、イカガワシイお店で働かされたり、お客をとらされたりするかも知れません」
「ええっ?!」
イルカはひいた。
「俺が代わりに五代目には断ります!」
カカシはそういい残すと綱手のところに走って行ってしまった。
「〜〜〜〜〜〜〜!!」
カカシの妄想的な話を聞いて綱手は頭を押さえた。
「イルカは子供じゃないんだ。・・・・なにかい?イルカがお菓子に釣られて知らない人についていく?そんな馬鹿なことを・・・それにあれでも中忍なんだ!」
カカシは綱手のデスクをバンと叩いた。
「イルカ先生をあんな誘惑の多い里に一人で行かせるなんて。・・・綱手さまあなたは鬼畜だ!!」
「モウ~五月蝿い!五月蝿い!わかった、護衛にライドウをつける」
綱手はしぶしぶイルカにお供をつけた。
イルカは楽しそうに任務の支度をしていた。
1週間も里をあけるなんて滅多にない。
この際一人で羽をのばして。
イルカはバックにお風呂セットや華の里のガイドブックやお菓子を詰めた。
「随分楽しそうなんですね」
「ひっ?!」
イルカは飛び上がった。
背後にカカシがいたのだ。
「イルカ先生、何か危険なことが起きたらこの笛を吹いてください」
カカシはイルカの首に犬笛らしきものをかけた。
「カカシ先生は心配しすぎです。大丈夫ですよ」
「それから、これはお腹のお薬です。食べすぎはいけません。勿論お酒の飲みすぎも・・・・それから夜8時以降は一人で外にでないこと」
「は〜〜い」
イルカはお薬をバックにしまった。
華の里には有名な華の里ラーメン街というスポットがある。
ラーメン通のイルカにはポイントが高い。
(わくわく)
カカシの気持ちとは反対にイルカは楽しそうだった。
カカシはイルカの部屋で夕飯をとると何故か帰ってしまった。
カカシはイルカの部屋を出て、それから、並足ライドウのアパートに向かった。
ライドウは一人酒を飲みながら、えっちなビデオを観ていた。
「カ、カカシさん?どうしたんですか?珍しい」
「ま、座れ!」
カカシはずかすかライドウの部屋に上がりこんだ。
ライドウの部屋は男の一人暮らしらしく、散らかっていた。
「あ、ビール飲みます?」
「ま、座れ!」
カカシは話を持ちかけた。
「明日から、イルカ先生と華の里に行くそうだな」
「ええ、華の里は都会で美人が多くて楽しみです!」
「ふ〜ん。それで、その一週間、俺がお前で、お前が俺に代わらないか?」
カカシは計画を持ちかけた。
ライドウは首をかしげた。
「でも、俺Sランク任務なんて・・・」
「礼はする。・・・・女4、5人紹介する。・・・・女子大生、OL、人妻よりどりみどり!!」
「ま、。マジすか!!」
ライドウをおとすのは意図も簡単だった。
ふふふ。これで1週間。
華の里でイルカ先生とラブラブ旅行。
カカシはにまっと笑った。
Sランク任務につくライドウは大丈夫なのか?
「おはよう、イルカ!」
ライドウに変化したカカシ。
「おはようございます。ライドウさん、宜しくお願いします」
イルカは全く疑わない。
二人でてくてく歩き始めた。
里を出るまではこの姿でいるつもりだ。
「ライドウさん。華の里で合コンに出たりしないで下さいね。綱手さまからもくれぐれもお行儀良くと注意されていますから」
「合コン?」
(あの馬鹿)
「イルカ先生といるのにそんなことしません」
「え?」
「いえ、なんでもありません。・・・走りましょう!」
ライドウ(カカシ)はイルカの手をとって里のゲートをぬけた。
イルカは呆れ顔になっていた。
心配性にもほどがある。
ライドウに変化して、まさか自分の任務について来るなんて、
「カカシ先生、ライドウさん死にますよ、Sランク任務なんて!」
「大丈夫、ゲンマをつけてあります」
「ゲンマさんを?」
カカシはゲンマの他人には見られたくない恥ずかしい写真を持っていた。
”俺の言うことをきかないと、里中にこれをばらまくぞ”
ゲンマは渋々カカシに従った。
かくて、カカシとイルカのラブラブ旅行となる。
そろそろ日が傾いてきた。
「イルカ先生、この辺りにテントをはりましょう!」
とても嬉しそうにカカシは言う。
「テントなんて、嫌です。旅館に泊まりましょう!」
「いいじゃないですか。テントはドキドキします。スリルあるんですよ」
カカシはニッと笑った。
「カカシ先生、今、いゃらしい事考えてますね」
「そんなことないです。火を焚きましょう。」
カカシはささっとテントを用意した。
素早い。
この中で今夜はイルカ先生と愛を確かめ合う。
イルカは木の棒にマシュマロをつけて焼いた。
カカシは近くの川に魚を釣りにいった。
「おいも〜〜〜おいも〜〜〜」
イルカが一人火でマシュマロを焼いていると、その時芋売りの老人がやってきた。
イルカは立ち上がった。
お芋を買ってこの火で焼けば、ホクホクの焼き芋。
”ゴックン”
イルカは芋売りの老人に付いていってしまった。
カカシが魚を釣り戻った時にイルカの姿がなかった。
その代わりに焼きすぎてコゲたマシュマロが残されていた。
「イルカ先生!」
イルカはどうやら、何者かの手におちたのだ。
気が付くとイルカは縛られて目隠しをされていた。
あの老人は悪者だった。
誰かが、イルカの目隠しをとる。
山小屋のような場所にイルカはいた。
先ほどの老人が入ってきた。
「なんのつもりなんです、お芋屋さん?!」
老人の他に3人の黒い服の男。
「ほほ〜う、これはナカナカの美形じゃね〜か」
「こいつは高く売れる」
へっへっへっ。
男たちは凶悪な笑い顔をした。
美形?高く売る?
イルカはもがいた。
このままでは売られてしまう。
男たちはイルカの縄をといた。
そして隣の部屋にイルカを連れていった。
大きなテーブルに並ぶ御馳走。
「すごい・・・」
「座れ!」
男に命令されイルカは椅子にかけた。
「今から、この御馳走を喰うんだ!」
「え?」
一瞬イルカの頭が白くなった。
”これは俺を丸々と太らせて、美味しく食べるつもりなんだ!”
「イャです!」
イルカは首を振った。
そんなイルカに男はクナイをつきつけた。
「くえ〜〜!」
「はい」
イルカは逆らえなくなり、御馳走の中から大きな肉を食べた。
「さあ、どんどん喰え。御代わり自由だそ!」
イルカはもう一口食べた。
(おいし〜)
と、その時。
部屋の灯りが消えた。
(何?)
次に灯りがついた時。
男たちは全員倒れていた。
「カカシ先生!」
カカシがイルカを連れ戻しにきたのだ。
「大丈夫ですか?何もされていませんか?」
カカシの後ろに忍犬が尾を振っていた。
御馳走をみて、くう〜と鳴いた。
「カカシ先生、折角ですからこれ頂きましょう!」
カカシは料理の匂いをかいだ。
「あなた、これ食べましたか?」
「ええ、二口」
「なんてことだ」
カカシは頭を押さえた。
「この料理の中には大量の媚薬が混入されています」
「あああ〜〜」
イルカはくずれおちた。
カカシはイルカを抱上げテントに帰った。
(あつい)
全身がほてって、しょうがない。
汗も出てきた。
「これ飲んで解毒剤です」
カカシベストから薬を出した。
「落ち着くまで少し大変です」
イルカはのろのろとカカシに手を伸ばした。
「もう〜駄目・・・だいてください」
「だいて・・・・」
カカシは普段のイルカなら絶対言わない言葉にメロメロになった。
イルカはは激しかった。
彼の身体は何時も以上感じやすい。
カカシは気が付くと夢中でイルカを抱いていた。
イルカはカカシの大きく滴ったそれを口にくわえた。
いゃらしい音をたて、カカシをしゃぶり始めた。
(きもちいい〜〜)
暗いテントの中で二人のあえぎ声が響く。
その二人のいるテントの外に二人の男が立っていた。
中を覗き込んでいる。
木ノ葉の制服姿の二人。
それはカカシのせいでSランク任務についているはずのライドウとゲンマ。
「ああ〜たまんね〜〜!!」
「のぞくな!」
二人は綱手に計画がばれて、カカシを連れ戻しにきたところだ。
二人とも、テントから聞こえてくる丸聞こえの声に耳まで赤くなった。
ああ〜〜イルカ先生〜〜〜〜
カカシ先生〜〜もっとお〜〜
二人は息を殺し、二人の濡れ場を想像した。
「たまんね〜羨ましいぜ!!」
「ああ〜全くな」
二人とも変な気分になっていた。
「げ、ゲンマ〜〜〜」
「やめろ〜〜!」
思わず目をぎらぎらさせすりよってくるライドウをゲンマは突き放した。
早朝の鳥の声。
イルカは最後までカカシのものを口に銜えて離そうとしない。
夢中でしゃぶり続けた。
二人はそのままくずれた。
眠りながらもイルカはカカシのそれをくわえていた。
媚薬とは恐ろしいものだ。
なんとかカカシは自分のそれをイルカの口から離した。
「いててて」
カカシのそれにはくっきりとイルカの口の痕が・・・。
カカシはそっと眠るイルカに毛布をかけた。
その時、イルカの口がもごもごと動いた。
彼は寝言を言っていた。
「もっと〜食べたい〜フランクフルト〜〜」
”フランクフルト!”
もしかしたら、イルカ先生は俺のあそこをフランクフルトと間違えしやぶっていたのか!!
まさか!
そんな!!
カカシは当分立ち直れないだろう・・・。
二人の珍道中は続く・・・。
おしまい
☆カカシ先生〜〜
気の毒に・・・
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ナイショ☆ナイショ☆
その日イルカは重い足取りで家路に着いた。
年に一度の健康診断の結果が今日でた。
イルカはコレストロール値が平均値より高かった。
確かに日頃油っぽいラーメンや穀類、甘いものにアルコールと、そんな生活をしていればそうなってしまうのだ。
イルカは一代決心をした。
「お、俺は、健康になる!!」
火影になる、とか海賊王になるのようなスケールでないところが彼らしい。
ゴオオオオオ〜〜〜
イルカはインターネットで健康グッズを購入しはじめたのだ。
しかし・・・・。
カカシは恋人の部屋に帰り唖然とした。
イルカが何かよくわからない器具にマタガリ体を揺らしていた。
「イルカ先生、どうしたんです?」
「ええ、これ乗馬フィットネスというんです、素敵でしょ!」
「へ・・・・・」
乗馬のつもりらしい。
最近この部屋に訪れるたび怪しげな健康器具が増えている。
カカシは切実に思った
”イルカ先生、こんな物に乗るのなら俺の上に乗ってくれ”
恋人として思うこと、
たまにはドキドキするような何時もと違うプレイもしたい!!
「カカシ先生、お風呂ど〜ぞ!」
「は〜い」
カカシは素直に風呂場に向かった。
お風呂はゲルマニウムバスだった。
やたら、熱い、しかも汗がだくだくでてきた。
冗談じゃない、干物になりそうだ。
カカシはサッサと風呂を出て冷蔵庫にビールを取にいった。
冷蔵庫のなかは、得体の知れない健康ドリンクが並んでいた。
(ふん、どうせ長く続くまい)
カカシは部屋に戻る。
イルカが夕飯を並べていた。
「ち、ょっと〜?」
イルカはドロドロしたドリンクに、
ご飯は玄米、
そしておかずにおしたし、としらすのみ・。
(修行僧じゃないか!これ)
カカシは目まいを感じた。
「カカシ先生、一緒に健康になりましょう!」
”キラリ”
イルカは微笑んだ。
「はい、イルカ先生!」
そう、答えてしまいカカシはしまったと思った。
俺は・・・
先日テンゾウから言われた。
先輩はイルカ先生のお尻にひかれています!
確かに・・・・。
イルカは玄米をもごもご食べながら言った。
「カカシ先生、エッチはこれからは週一にしてください」
「ええ〜〜!?」
「夜はきちんと寝ましょうね」
ひどい〜〜
ひゅう〜〜
寒い風がカカシに吹いた。
イルカは毎日、乗馬運動やヨガに汗を流した。
痩せたというより、やつれてきた。
何時も明るく輝く瞳も色を失い。
自然と笑顔と口数も減ってきた。
イルカは本来は意思の強い人間である。
そろそろなんとか止めないと、
それにエッチが週一なんて〜
イルカはヨガマットの上で四つんばいになりお尻をつきだすいやらしげなポーズをとっていた。
”むらむらむら!”
カカシはたまらなくなり、後ろから彼に襲いかかった。
゛バコッ”!
イルカのパンチが見事に決まった。
そんなカカシにも辛い日々が続いた。
「あ〜疲れた」
最近身体がだるい。
イルカはアパートにあがり灯りもつけずに座り込んだ。
その夜、彼は不思議な体験をする。
ベランダに気配を感じイルカは窓を開けた。
ベランダに一匹の犬がいた。
よく見るとそれはカカシの忍犬だった。
「どうしたんだおまえ?」
「あお〜〜」
犬はイルカについて来るように合図した。
イルカは外に出た。
犬に導かれ里はずれの古い神社に着いた。
いったい何だろう?
神社には人影があった。
「うそ・・・・」
それは三代目火影さま、猿飛であった。
亡くなった三代目が何故?
「三代目!」
「イルカよ・・・・この鏡の中を覗くがいい。・・・・五年後のお前がいる」
「え?」
イルカは丸い鏡を覗いた。
そして言葉を失った。
その顔は健康どころか痩せおとり疲れ年老いた男の顔だ。
「いゃ〜〜」
「お前が今のような無理な生活を続けているといずれこうなるのだ」
「どうしょう〜」
イルカはオロオロした。
「なあに、大丈夫じゃ、また以前のお前に戻れば、ほれ」
イルカは差し出された鏡をみた。
明るく輝く元気な自分。
「本当の健康とはな、心の中にある。お前の心次第だ・・・・・じゃあ、ワシは帰る・・・・カカシと仲良くな」
「三代目!」
三代目はそう言い残すとすうっと姿を消した。
あの犬もいなくなっていた。
イルカはしばらくぼんやりそこにたたずんでいた。
一日の任務を終え、カカシはイルカの元に帰った。
食卓には沢山のカカシ好物。
イルカはニコニコ微笑んでいた。
カカシの大好きな笑顔。
「さあ〜食べましょう!」
イルカはもりもり食べ始めた。
二人は久しぶりにビールで乾杯した。
ビールに気持ちよく酔って恋人は寝てしまった。
カカシはそっとベランダに出た。
「あお〜〜」
忍犬がカカシを待っていた。
「よしよし、上手くやったな。ご褒美だ」
カカシは犬にジャーキーをあたえた。
「ナイショ、ナイショ・・・・俺とお前の」
イルカ先生の辛い顔なんて見たくないんだ。
くすっとカカシは笑った。
END
☆今日はUPする予定のものが変更してこれに。
今週書いた話です。
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出没!エロマチック天国?!
最近やっと涼しい日が続いていた。
今年の夏は異例なほどの暑さだった。
空は秋色。
ふうーっ。
もうすぐ木ノ葉の入り口だ。
カカシはほっと一息ついた。
今回は長かった。
里外の任務は3週間も続いた。
毎夜考えるのはあの人のこと。
3週間が1年にも2年にも感じた。
里に残した、カカシのかわいい恋人。
折角両想いになったというのに、
二人は引きはなされてしまった。
”俺の留守中、変な虫がついたりしていないだろうか?
(イルカ先生)
(イルカちゃん)
早く会っていちゃいちゃしたい!!
カカシの足は次第にスピードを増していた。
”ドドドドドド!!”
気が付くと砂煙を出しながらアカデミーに突進していた。
あ〜あ〜
今夜の夕飯はどうしょう?
まだ少しやることが残っているし、
一楽に行こうかな?
書庫にかたずけ物をしないと、
イルカは一人無用心にも書庫へ向かった。
夕方の書庫は暗く怪しくカビ臭い。
カカシは先回りしてその中に隠れた。
イルカが入ってくる。
沢山の本を持って。
始めは、わっ、と後ろから驚かすつもりだった。
だがしかし、本をかたす彼の後姿。
しっぽはゆれ、
かわいいお尻がカカシをそそる。
”ムラムラムラ”
次ぎの瞬間カカシから理性が吹き飛んだ。
「イルカ先生〜〜!!」
気が付くと、
イルカは裸で倒れていた。
(ちょっとやりすぎたかな)
たまり、たまった3週間分のカカシの欲望を一気にイルカにぶつけたのだから、倒れてしまうのも無理ない。
カカシはそっとイルカの頬に手を触れる。
「ん・・・・」
イルカが目を開けた。
そして言った。
「カカシ先生〜〜もっとお〜〜!!」
「へっ??」
カカシは想定外のことに目を丸くした。
イルカもイルカでたまっていたのだ。
二人は時を忘れ、
仕事すら忘れお互いを求めあった。
まだまだ二人は若い。
落ち着く頃にはどっぷり夜になってしまった。
「動けますか、せんせい?」”
「はい」
二人ともぐちゃぐちゃだった。
「お風呂にはいりたいです」
「そうですね。早く帰りましょう!」
その時。
”ぱん!”
カカシが手を叩いた。
「まあ、見ていてください、イルカ先生」
カカシは神経を集中させた。
「万華鏡写輪眼!!」
「へ?」
初めて見るカカシの新技にイルカは思わず唾を飲んだ。
”ずどどど〜〜ん!”
空間を割って書庫に「木ノ葉湯」
が現れた。
「ひ〜〜〜!」
イルカは腰をぬかしそうになった。
「ふ、ふろやあ〜はとやあ〜〜はとやああ〜」
「イルカ先生、それを言うなら、伊東行くなら、ハトヤです」
さあ、カカシに手をひかれイルカは銭湯に。
実に気持ちの良いお風呂だった。
「まだ、開いていました!」
「ホント、はやく行きましょう!」
サッパリした後は勿論ラーメンが食べたい。
「久しぶりの一楽です」
「いらっしゃい、カカシ先生お久しぶりです」
「テウチさん。いゃあ〜暫く留守でして、味噌大盛り2つ、チャーシューおおめで」
二人は一楽の味を楽しんだ。
「ところでカカシ先生。あのお風呂やはあのままでいいんですか?」
「えっ?」
二人は再会に浮かれそんな事は放置していた。
翌朝、「テレビコノハ」や「木ノ葉日報」にてアカデミーに現れた謎の風呂やとして里中大騒ぎだった、そうだ。
END
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白き戦士再び・・・
灯りを消して
夏が終わった。
ここ数日は過ごしやすい日々が続いていた。
サクラはその日母親に頼まれ木ノ葉銀座に大根を買いにいった。
薄暗い夕暮れの街。
サクラは空腹だった。
このところダイエットで毎日野菜ばかりだったのだ。
ふと、団子屋の前を通る。
(くう〜〜)
「たまにはいいか・・・」
サクラは団子屋の暖簾をくぐった。
そして、はっとした。
団子屋の店内が目茶目茶に壊されている。
そしてそこにはナルトとイルカが倒れているのだ。
そして店のテーブルの上には・・・。
「ス、スーパーイルカ・・・」
サクラは声を震わせた。
スーパーイルカは正義の白き戦士。
子供たちに絶大なる人気のヒーローなのだ。
そのヒーローが団子屋で悪事を働いていた。
黒いタキシードに銀色のマント。
「どういうつもりなの!」
ぎろりと睨みをサクラはきかせ、構えた。
「私はこれで星へ帰ります。ご馳走様でした」
スーパーイルカはさっさと消えた。
「ナルト、ナルト!!イルカ先生!!」
サクラは二人を揺り起こした。
この二人が倒されるなんて・・。
信じられなかった。
「たまには銭湯も悪くねえな、チョージ」
「ああ、任務の後は疲れもとれるしね」
シカマルとチョージの二人は仲良く「木ノ葉湯」に入った。
入り口で小銭を払う。
二人は男風呂に入った。
男湯で偶然上忍のガイに会った。
「ガイ先生」
「何だ、お前たちか。風呂はいいぞ!男同士裸と裸で熱い友情を確かめあう・・・・・そういう俺も昔はカカシと友情を確かめあったもんだ。はっはっは」
シカマルとチョージはひいた。
ひょんな事で三人は同じお湯に入った。
ゆっくり湯船につかった後、
身体を洗う為湯から出る。
その時、ガイが上を鋭い目で見た。
"誰かが見ている!”
「ガイ先生どうしたんです?」
すぐにシカマルが気が付く。
「何者かが俺たちの裸を覗いている!!」
”ええ〜〜っ!!”
(そんな物好きな)
三人はいっせいにオケで前を隠した。
「のぞきまだあ〜〜!!」
チョージが叫んだ。
男風呂はパニックに堕ちた。
ガイは裸のまま銭湯を飛び出した。
犯人を追って。
「が、ガイ先生・・・あ〜あ〜あのまま行っちゃったよ」
シカマルは頭を押さえた。
「どうする?ボクたちも追いかけた方がいいのかな?」
「めんどくせえ〜あの人に任せておけばいいよ」
「そうだね。シカマル牛乳飲みにいこう!」
マイペースな二人だった。
ガイは黒い人影を発見した。
銭湯の天井に忍び込んでいたのだ。
黒い人影は軽々上から飛び降りて走り始めた。
ガイも走った。
もちろん、全裸で。
裸で里を追跡した。
道ゆく人々が悲鳴をあげている。
しばらく追跡をしたとき、ガイはぐるりと木ノ葉警備隊に囲まれていた。
「なんだ君たちは!」
ガイは平然と言う。
「里を下半身を露出した男が走り回っていると、通報があったんだ」
一番偉そうな男が言う。
「な、なにい〜!それは大変だ、捕まえろ!!」
「おめーのことだよ!」
警備隊はつっこんだ。
「いゃ〜〜ん!」
ガイは恥らって前を隠した。
今更遅い。
ガイは身柄を拘束された。
彼は犯罪者になってしまったのだ・・・・。
その後、
「焼肉Q」にまたもや黒いタキシードのスーパーイルカが現れた。
今度は5名もいた。
もりもりと肉と飯をたいらげ、
代金を踏み倒した。
その日里に事件が相次いだ。
イルカとナルトはサクラに介抱されてようやく正気に戻った。
二人でお団子を食べているところへスーパーイルカは現れた。
「俺、信じらんねーよ。・・・・だってスーパーイルカは子供たちの味方じゃないか!」
ナルトは悔しそうに言った。
「そうだよ。スーパーイルカがお店を壊したりお団子を盗んだり、そんな酷いことできるわけない」
イルカはショックで肩を落としながら帰宅した。
部屋ではテレビの前でカカシが難しい顔をしていた。
「イルカ先生。里中がパニックに・・・」
"被害のあった、焼肉Qより中継しました!”
テロップには「スーパーイルカ焼き肉Q襲撃事件」
と書かれていた。
ニュースではあちこちでスーパーイルカが今日起した事件を流していた。
「のぞきに、無銭飲食に窃盗・・・立派な犯罪ですね」
「本当にスーパーイルカがそんなことを・・・」
「いゃ、何ともいえませんが、それにこのスーパーイルカタキシードが黒でマントが金色なんです・・・」
「では偽者?」
偽者なんて許せない。
イルカは悔しくて拳を握りしめた。
「イルカ先生」
「はい・・・」
「大丈夫です。・・・偽者は必ず俺が捕らえますから」
イルカの瞳からぽろぽろ涙がこぼれた。
カカシはそれを拭い、彼を抱きしめた。
イルカには誰にも言えない秘密がある。
それは恋人のカカシにも言えない。
彼が正義のヒーロースーパーイルカであることを・・・・。
薄暗い蝋燭の灯りだけの世界。
その中に黒いタキシードのスーパーイルカたちがいた。
彼らは変化をといた。
そして、全身に黒いタイツを身にまとう醜い男達となった。
「ははははは、スーパーイルカめ。今頃仰天しているだろう!」
長身のリーダー、本名ジョニー。
なんでも実家は豆腐屋らしい・・。
ジョニーの職業は悪の秘密組織専務取締りである。
全身に黒いタイツの集団。
その名も「ブラックチェリー」
スーパーイルカの敵である。
「さあ、明日は集団でこのブラックイルカが木ノ葉を恐怖のどんどこに陥れるのだ!はははははは」
「はははははは」
彼の部下たちも笑った。
ブラックイルカとは果たして?
夏の厳しい暑さが終わり秋の涼しい風が吹くころが彼の誕生日だった。
イルカはあれこれとカカシがどうすれば一番喜んでもらえるか思案していた。
大切なカカシ先生の誕生日。
最高の日にしたい。
その矢先の事件である。
昨夜イルカはほとんど眠れなかった。
カカシは先にベットから出た。
キッチンからバターの香ばしい匂いがする。
「おはよう、せんせ」
「おはようございます」
イルカは髪を整え忍服に着替えた。
カカシはプレーンオムレツを作っていた。
単純そうで難しい卵料理。
「わ〜とろとろです!」
「ふふふ」
まるで二人は新婚さんのようだった。
カカシはふと箸を置き、窓を開いた。
空を鳥が舞う。
「すみません。火影さまのところへ行きます」
「待ってください。俺も行きます!」
二人は急いでかたずけをして部屋を出た。
火影である綱手の部屋に入る。
中には綱手とシズネ。
そして、犯罪者にされてしまった、マイトガイが顔をそろえていた。
「いいか。カカシ昨日のスーパーイルカの騒ぎは知っているな。」
綱手は説明を始めた。
「いいか、カカシとガイ。スーパーイルカを捕獲すること。このまま放置するわけにはいかない」
これ以上の被害を出す前に。
「待ってください。俺にも行かせてください!」
たまらなくなりイルカは言う。
「駄目だ。お前には子供達が待っている」
「でも、お願いします!」
イルカは引かなかった。
真っ直ぐな瞳で綱手を見つめる。
少し綱手の頬が赤くなった。
「しょうがないね〜今回だけだぞ」
「じゃあ、行くか我がライバルよ!」
”ピシッ”
ガイが指をたてた。
「ああ・・・・」
かくてスーパーイルカ捕獲作戦となった。
昨日、事件の起きた「木ノ葉湯」は営業していた。
しかし、あんな事があった後なのだ。
客は当分寄り付かないだろう。
カカシは忍犬を使い追跡を始めた。
三人は現場を訪ね歩いた。
団子屋も開いていたが、店の中は荒らされたままだった。
「イルカ先生。ここでスーパーイルカが現れたんですね」
「はい。ナルトと二人でいるところに入って来ました。・・・そしてお団子の並ぶショーケースを壊したんです」
イルカはナルトとそれを止めに入った。
しかし、相手は強い。
「おい、カカシこの団子屋にムレタ足の匂いがするぞ。サッキの風呂やでも同じ匂いがした」
同行していたパックンが言った。
(ムレタ足の匂いって・・・)
イルカはどこかでその匂いをかいだことがある。
それは数ヶ月前の話だ。
あの不気味なアカデミーを征服しようとした男たち・・・。
その時。
「だ〜だれかあ〜〜たすけて〜〜!」
女の声だ。
それも聞いたことのある。
「アヤメさん、どうしたんです!」
それはラーメン「一楽」のテウチの一人娘のアヤメである。
「いちらくが〜の、のっとら、れ〜〜」
アヤメは興奮して上手く話せない。
がたがたと怯えて体を震わせていた。
イルカがしっかりするよう、肩に手を置いた。
「一楽」
カウンターには黒タキシードのスーパーイルカたちが一列に並んで座っていた。
「おかわり」
「おかわり」
「おかわり」
「おかわり」
テウチは逆らえずラーメンを作った。
スーパーイルカの集団が一楽を占拠していたのだ。
ラーメンを作っても作っても、
ぺロリとたいらげる。
恐ろしい客だった。
「探したぞ、この覗き魔め!」
駆けつけて真っ先にガイが言った。
が、全然彼らは反応せずラーメンをすする。
「お前たちは偽者だな」
今度はカカシが言う。
”ずるずる”
”ずるるるる”
それでも食べ続けている。
「こいつら、何にも聞いてないぞ」
パックンは呆れた。
その時イルカは懐から、ひそかに忍ばせていた奥の手を出した。
それは里の男たちに人気の高いシズネの水着姿の写真。
ライドウから譲ってもらったのだ。
「見ろ、シズネちゃんのビキニだ!」
”はっ!”
ラーメンを食べる手が止まる。
偽者たちは口々に言った。」
「もえ〜〜!」
どうやら彼らは全員秋葉系のようだ。
「この、偽スーパーイルカ!!」
ガイがののしった。
一人のスーパーイルカが立ち上がった。
「偽者ではない。・・・私の名はブラックイルカ。木ノ葉を征服する者」
「えっ!ブラックデビル?懐かしい〜〜!」
カカシは思わず懐かしがった。
「ちがう!」
「何でもいい。さあ俺たちと来てもらおうか」
ガイがうでを組んだ。
「イヤとは言わせない」
カカシも睨みをきかせた。
「とお〜つ!」
ブラックイルカたちは三人を取り囲んだ。
全部で5名。
ついにカカシたちとのバトルが始まった。
何という事か。
やつらは以外と強いのだ。
何度倒してもゾンビのように起き上がる。
「イル先生、下がって」
カカシの右の手に雷光がひかる。
その時。
一番偉そうなリーダのブラックイルカがニヤリと笑った。
「我らのとっておきの攻撃を見ろ!」
「ブラック〜イルカ〜フラッシュ!!」
〜〜ぎやああああ〜〜!!
ブラックイルカたちの衣装はびりびりと破れた。
そして裸のブラックイルカは人前でいけない乳首をさらした。
興奮したカカシとガイまでもが倒れた。
特にカカシには目の毒だった。
「見事な攻撃だな。ブラックイルカ!・・・でも俺には通用しない」
イルカの中で怒りボルテージがあがった。
”そう、説明しよう!うみのイルカは普段はちょっと食いしん坊な中忍教師。
だだ、ひとたび彼の中で怒りが炸裂した時、彼は正義の白き戦士スーパーイルカに変身するのだ!”
”くるくるくるくる〜〜”
イルカの髪のしっぽが高速に回転し始めた。
”どど〜〜ん!”
純白のタキシードに真紅のマントがなびく。
彼が登場した。
白き戦士。
「ほほう、ついに出たな。スーパーイルカ!」
「ブラックチェリー。いゃ、黒い童貞め!!」
思わず童貞という言葉に彼らは動揺して元の全身黒タイツの醜い姿になった。
「もう、終わりだ!」
スーパーイルカは名台詞を言った。
”ヒイ〜〜!”
”ヒヒイイ〜!”
スーパーイルカと天敵ブラックチェリーの戦いが始まった。
ところでパックンは一部始終を見てしまった。
イルカの秘密を知ってしまったのだ。
スーパーイルカの台詞どうり、
彼らはバタバタと倒されていった。
エピローグ。
涼しげな風が窓から入って来る。
イルカはカカシの部屋で灯りを消して静かに彼の帰宅を待っていた。
楽しみにしていた、カカシのバースデー。
テーブルには彼の好物の秋刀魚と茄子の料理。
月並みなお祝いだけれど、
プレゼントは新しいノースリーブ。
外で彼の気配がした。
カカシが戻ってきたのだ。
静かに玄関か入ってくる。
ぱっと、灯りをつける。
そして、イルカはニッコリと極上の微笑みをうかべた。
「おかえりなさい。ご主人さま〜」
ふりふりのメイド姿のイルカにカカシは思わずのけぞった。
「も、もへ〜〜〜〜!」
END
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もうイヤダ!☆
オールバックに派手な衣装の占い師がカカシに言った。
「あんた、一生大殺界よ!」
「ひっ!」
「それから、今の恋人とは別れなさい。お互いが不幸になる」
”やめてくれ”
”よしてくれ”
カカシは汗だくのまま目覚めた。
今のは夢だ。
それにしてもあの占い師はテレビに出ている偉い先生じゃないか。
これは何かのお告げ?
いや、そんな馬鹿な。
(イルカ先生と別れるなんて)
一生大殺界なんてありえない。
カカシはベットから起きた。
水を飲もうとキッチンに行く。
手からするりとグラスが落ちた。
”がっちゃ〜ん”
グラスは割れた。
これが不幸の序曲だった。
カカシは冴えない顔で木ノ葉銀座を歩いていた。
何もかもがどんよりして見れる。
そんなカカシに、
突然牛の大群が突っ込んで来た。
”ドドドドド”
「も〜〜〜お〜〜〜」
カカシは牛に踏まれてボロボロになりながら起き上がった。
今度は反対側から、
ジョギングする相撲取りの団体が・・。
「どすこい!どすこい!どすこい!」
カカシは張り手をくらい倒れた。
あの夢は・・・。
カカシはそのまま歩いて行くのは危険だと考えた。
そして木ノ葉一強い女に変化した。
勿論火影の綱手である。
この姿なら誰もが恐ろしくて近寄れない。
「あ、居たぞ〜〜このう〜借金返しやがれ〜〜!!」
「借金?」
綱手に賭場で借金を踏み倒された怖いお兄さんの大群がカカシを追ってきたのだ。
(もう〜〜いゃあ〜〜!)
カカシはボロボロになりながら火影ルームにたどり着いた。
「つなれさま・・・・・」
膝をつく。
「どうした、暁とやりあったのか?」
「お水くらさい・・・」
"バタッ”
カカシはへたれた。
気が付くとカカシは別の部屋で寝かされていた。
イルカがそばにいてくれた。
「大丈夫ですか?」
「はい・・・」
「今ピンクのお薬を」
イルカはピンクのお薬を開いた。
粉の薬。
「あ〜んしてください」
”あ〜〜ん”
カカシは口を開けた。
”へ、へっくしゅん!!”
イルカが大きなくしゃみをした。
粉薬はカカシの顔に思い切りかぶった。
「それは災難だったな」
綱手はカカシの話をきいて唸った。
「そんなことあるんですね」
「まあ、取りあえず私の知り合いにお払いしてもらえ」
「お払い?」
いかがわしい〜〜
「イルカ、カカシをこれから連れて"大福寺”に行ってくれ。カカシの警護だ。・・・二人だからと言っていちゃつかない事!」
「はい」
イルカはちょっと嬉しそうに微笑んだ。
綱手の書いた手紙を受け取る。
「大福寺なんて、美味しそうですね」
「いかがわしい寺なんじゃないの?」
二人はてくてく山道を歩いていた。
山の上から轟音がした。
”ごろごろごろ〜〜”
チョージの肉弾戦車が転がってきた。
二人は木の上に飛び乗った。
山中ではアスマ班がサバイバル演習を行っていた。
「もう少しでぺちゃんこになるところだった」
「なんだ、カカシじゃないか」
アスマはのん気にタバコをふかしていた。
「ちょっと〜もし俺がひかれたらどうすんの?」
カカシは大人げなく怒りはじめた。
「お前が?そんな柔じゃね〜だろ?」
「ま、確かに」
カカシは苦笑いをした。
「カカシせんせ〜〜!」
イノとシカマルが手を振っている。
二人は山の中で炊き出ししていた。
いっの間にかイルカも仲間に加わっていた。
味噌のいい香りがする。
「これ、シカマルのところの山でとれたキノコなの」
「わあ〜」
イルカは目を輝かせた。
「いゃ、気持ちだけ頂くよ・・・俺たちは先を急いでいるので」
「えっ?カカシ先生。俺キノコ汁食べたいです」
「駄目です。・・・・ご飯なら後で俺が作ってあげます」
キノコ汁に後ろ髪をひかれているイルカの手をひいてカカシは山を登った。
「もし、あれが偽のアスマ班だったらどうします?」
「偽者だったんですか?」
「キノコは毒キノコかも知れない」
カカシは疑り深くなっていた。
山の上に「大福寺」はあった。
住職はカカシの知った人物だった。
「ひさしぶりだな〜カカシ」
アロハシャッに白い髭にサングラスの老人は以前カカシが保護した老人だった。☆行列の出来ちゃう俺より
イルカは綱手からの手紙を住職に渡した。
住職はじろじろイルカを見た。
「なに見てんだよ、。・・・この人をやらしい目で見るな」
「これが、お前さんの恋人か?ワシの若い頃にそっくりだな」
ふるふるふる。
カカシは首を振った。
住職は手紙を読み終えると二人を大きな仏像のある部屋に案内した。
そして金色の衣装に着替えてきた。
「今から、カカシに取り付いた悪霊を追い払う」
カカシを正座させる。
住職は大振りに手を振る。
そして念仏らしいものを唱え始めた
「かあ〜〜めえ〜〜はあ〜〜〜めえ〜〜はああ〜〜」
”ゴキッ”
「うううっ!!」
お払いに力を込めたせいで住職はぎっくり腰になってしまった。
「大丈夫ですか?」
イルカが慌てて住職を助け起こす。
「ああ〜もう大丈夫だ。カカシこれで災難もオシマイだ」
カカシとイルカはおたがいの顔を見合わせて、ニッコリと笑った。
二人は「大福寺」を後にした。
山を降りる途中でアスマ班と出会う。
「よう、カカシ・・・すっきりした顔しているな?ん、イルカとデートか?」
「まあね」
「いい匂いがします」
イルカがくんくん匂いをかいだ。
お味噌の香りだ。
「カカシ先生、イルカ先生キノコ汁食べていって」
イノが腕をふるった料理。
「うちの山でとれたキノコなんだ。それにつくね団子を加えて」
シカマルが容器にたっぷりとキノコ汁をよそう。
カカシとイルカは目を合わせた。
そして好意に甘えた。
二人は倒れた。
カカシの災難は終わってはいなかった。
END
☆これを書いた日はとても気分が滅入っていました。
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