STORY

2008年03月19日

俺と胃痛  胃腸の弱いひとびとへ〜



”ゴロゴロ”

あ、まただ!


イルカはお腹を押さえトイレに向かった。


最近ずっと胃の調子が悪い。


「またですか、イルカ先生?」

トイレから出るとそこにはイルカの胃痛のすべての原因がニコニコイチャパラの本を持って立っていた。

「あ、あのう・・・トイレの前でずっと?」
「ええ・・・待っていました」
イルカは赤くなった、トイレの前で待っている恋人だなんて!






「今夜は俺がイルカ先生のお腹に優しいお食事を作りますね」
「ほんとうですか?」

やっぱりそんな優しい事を言われると嬉しい。

「ええ、これで先生も元気に」


カカシは最近お気に入りのクマのエプロンをつけキッチンに消えた。




”ああ〜〜寒い”

今年の冬は特別寒くきつい。

イルカはこたつに入った。


こたつの上に一冊の書きかけの日記帳・・・。


イルカはいけないと思いながら誘惑に負けてそれを読んだ。



世界一美しいイルカ先生。

俺は王子様のように白馬に乗って先生を守ってあげたい。


汚い字でそう書いてあった。

(王子様なんて案外ロマンチストなんだな)

そのまま続きを読む。

ベットの中の先生はとても色っぽく、
刺激的だ。

俺は風呂あがりのナマナマしい先生を観ると興奮して眠れない。


俺の夢は二人で教会で結婚式をあげ、子供は二人そして歳をとったら忍者年金で暮らす・・・・



もう〜何書いてんの!!”

イルカは日記を閉じた。


しばらくしてカカシが土鍋を持って入ってきた。

「これは!?」
「はたけ家に代々伝統の料理です・・・昔親父が俺によく作ってくれました・・・身体が温まるスープ、サクモスペシャル」
「すご〜〜い」

イルカは感激した。
お父様の思い出の味だなんて・・。

イルカはスプーンですくった。

何か全身がボッと熱くなってきた。

「どうです?」
「え?気分が〜〜〜〜」

”あああ〜〜身体が火照る”

「あなた、まさか!」

カカシはニャリと笑った。
「だから、サクモスペシャルです」

それは媚薬たっぷりのエロエロスープ。





イルカの胃痛は一生なおらないだろう・・・。


END

08,02,23

カカシは子供の時これを飲んでいたの????



2008年03月13日

まどろみの中で・・・



暖かな布団の中に二人。

あの人の体温が伝わってくる。

ぬくぬく。


もう、起きないと・・。
起きたらおはよう!って言うんだ。


二人で過ごした初めての一夜。

朝ご飯は何にしよう。

とろとろの玉子焼きに味噌汁を飲みながら、
二人でテレビのニュースを観るんだ。




でも、今はこの優しいぬくもりの中で、

もう少し、あと少しだけ、

休んでいたい。



BYイルカからカカシへ







寒くて厳しい冬が終わった。

大地は若い芽を産み、

小鳥たちは楽しげに唄を唄う・・・。


春の美しいメロデイだ。



俺にも春がやって来た。

暖かくてとても優しい春。



寒かったぶんだけ、厳しかったぶんだけ、

春を両手いっぱいに抱きしめて。





目が覚めたら言ってくれるかな、

おはようございますって、




BYカカシからイルカへ




END





2008年03月07日

プレゼントフオーユー 悪夢の贈り物



それは今年のカカシの誕生日の出来事である。


”ふふふふ”
彼らは怪しい笑みを浮かべた。

大きなダンボールにいっぱいのサツマ芋を詰める。

そしてクロ○コ便を手配した。

そもそもこれがすべての始まりであった・・・。








”ぴんぽ〜〜ん!”
カカシが朝、寝ぼけた顔で歯を磨いているとチャイムが鳴った。
「すみません〜イルカ先生出て〜」
「は〜〜い」

まるで奥さんみたいなイルカが代わりに玄関に出た。

『はたけカカシ様』
あなたのファンより。


カカシ宅に謎の宅急便が送られてきた。

大きな箱にみっちりと色の美しいサツマ芋。
「すご〜〜い・・・これって今日、カカシ先生のお誕生日だからですか!」
イルカは大きな芋を手にとりうっとりした。

「でも誰ですかねー?」
「カカシ先生のファンからですよ。頂きましょう!!」

イルカは本当に嬉しそうだった。

「イルカ先生。折角だからこれは火影さまのところへ持って行って皆で頂きましょう」
”もごもごもご”
イルカは何か言いたそうだった。

「しかし重い箱ですね〜」
イルカは箱を持ち上げようとしたがナカナカに重い。
「あ、ヤマトを呼ぼう」
「え?ヤマトさんを?」
ムットしてイルカはカカシを睨んだ。
あのカカシの後輩はカカシのことを好きなのだから。
「いゃあ〜あいつ荷物運び馴れてると思うし」
ははは。
カカシは笑った。




結局イズモとコテツを呼び出した。

二人は綱手のところにまで荷物を届けた。




カカシは任務に出た。
今日は簡単な任務だから早く帰れるという話だ。




イズモとコテツは大きな大きな箱を綱手のところへ運んだ。

「これは・・凄い!!」
「わあ〜〜〜!」

箱の中身を見て一緒に居たシズネとサクラはぱっと顔を輝かせた。

「これはカカシ先生のファンからの贈りものです・・・みなさんでどうぞ」
イルカはニッコリ笑う。
心の中では独り占め出来なくて残念だった、”ちっ!”と思っていた。



「そうか、よし、今夜はカカシの誕生日を口実に焼き芋パーティだ!・・・さあ、手のあいている者を集め落ち葉を集めるんだ!」
「はい!」
サクラは飛んだ。


(わ〜落ち葉で焼き芋素敵だわ〜)



「それにしても何処の誰からだろうね。カカシに〜物好きもいるもんだ」

綱手は少しだけひっかかった。








イルカは受付に入った。


本当なら二人きりで過ごす誕生日。

でも、大勢で賑やかなお祝いもいいかもしれない。

受付をしながらイルカは夜が楽しみだった。




”ふ〜〜ん”


カカシはその日はアスマとの任務だ。
任務と言ってもコハルさまのお使いで、新しい入れ歯を買いに出た。



アスマは朝の宅急便の話を聞いて、タバコをくわえた。

「誰だか心当たりは?」
「ああ〜〜芋の名産って埼玉の里?」
「最近いったか?」
「いゃ」
カカシは首を振った。
「なあ、イルカ喜んだだろう!」
「まあねえ〜」
ぽりぽり。

カカシは照れくさそうに頭をかいた。


二人はのん気にコハルさまのお使い中だった。







その頃里では・・・。

サクラが落ち葉を集めるのに苦労していた。
何せ今年の猛暑は激しく9月というのに夏のままなのだ。

「サクラあった?」
「駄目〜そっちは?」
イノが首を振る。

落ち葉を求め里の中をさまよう。


「あっ、あそこならあるかも!」
イノが手を打った。
「あそこって?」
「シカマルの家の山」

そうだ、奈良家の山ならば考えられる。


二人はシカマルに会いに中忍待合所まで出向いた。



シカマルはベンチで居眠りをしていた。

誰よりも早く中忍になった天才はおさぼり上手だった。


今日は暇だからだらだらするか。
そんな感じだ。

「ちょっと、何寝てんのよ!」
「さあ、手伝ってもらうからね」

「なんだよ〜お前らか〜〜〜ああ〜〜めんどくさいなあ〜〜」


二人から話を聞いて重い腰をあげる。



イノの想像どうり奈良家の山には沢山の落ち葉。


「でも〜芋なんて喜ぶのはくノ一くらいだな」
嬉しそうにしている二人を見てシカマルはつぶやいた。

「じゃあ、ワタシは先にもどってケーキを作らないと」



落ち葉は二人に任せてサクラは戻った。

カカシ先生のためにケーキを焼くのだ。

ケーキ作りの手伝いはナルトとサイの二人。



ナルトは不器用に卵をあわ立てた。

あちこちに散らかしている始末。


「ナルト君。ボクがやった方が上手だよ」

見ていられなくなったサイが卵を器用にあわ立てる。




夜にむけて準備が進んでいる。





イルカはこの日の為におこずかいを貯めてプレゼントを用意していた。

きっとカカシは喜んでくれるだろう。

大勢で楽しむのも悪くない。

お弁当のおにぎりをほおばりながら、わくわくするイルカだった。















大量の落ち葉を集め芋が盛大に焼かれた。

手のあいているくノ一たちはそれぞれ手料理を作り持ち寄った。


「綱手さまお酒が届きました!」

「よし、今夜は呑んで喰うぞ〜〜!」

綱手はノリノリだった。


カカシをだしにしてお酒をたんまりと・・・。






この時、誰がこの後起こる大惨事を予期出来ただろう・・・・。












(カカシ先生遅いな)



火影室には大勢の仲間たちが顔をそろえていた。

臨時に作らせたテーブルに山のようなサツマ芋。


「そろそろ戻るだろう。先に始めるか。よ〜〜〜し。今夜は芋パーティだ!」

”わ〜〜〜っ”


一同から拍手がおきた。

ホクホクのお芋に沢山の手がのびる。



「あっ、この大きいの2本は残しておいてください。カカシ先生とアスマさんのぶんです!」

イルカは見事な芋を2本確保した。




「上手いってばよ〜〜」
「ほ〜〜んと甘い〜」
サクラがうっとりと言う。
「女の人はお芋が好きなんですね」
サイがニッコリわらった。
何か本当は別のことが言いたいのだが、女の人は本当の事を言うと皆怒るのだ。
サイは心の中で言う。
(そんなの食べたらオナラでちゃいます)

「あら、紅はお芋食べないの?」

料理に手をつけず酒を呑む紅にシズネはつっこんだ。

「紅はダイエットですって〜」

ニヤニヤとアンコが笑った。

「うるさいわね〜〜」


シズネと酔った紅が言い合いを始めた。


「ったくよ〜女ってのは面倒だな〜」

ジュースを飲みながらシカマルはつぶやいた。






そして宴が始まり1時間が過ぎた頃。


ようやく任務を終えたカカシとアスマが部屋に入ってきた。



「カカシ先生、ご苦労様です」
早速イルカは冷えたビールをさしだした。

「おい、イルカ俺にはないの?」

アスマはむくれた。

「しょうがないわね〜ワタシがついであげる」


紅がドバドバジョッキーに酒をついだ。

『ハッピーバースデーカカシ!』




何だかんだ言っても皆は祝福してくれた。


カカシは照れくさかった。


何時もイルカと二人のお祝いだけれど。

こんなに大勢でお祝いしてもらえるなんて・・。


芋を送ってくれた誰だかわからない相手に少しだけ感謝した。




芋はとてもホクホクして美味だった。

カカシぺロリとたいらげた。


「ところでカカシ先生は幾つだってば?」

「お、おれ?」

その時だった。


カカシの尻から、


”スド〜〜ン!”
と一発!


天然ガスが放出された。


”ぼっ!

そしてそのガスがアスマのタバコの火に引火した。




”どっか〜〜ん”

火影ルームは爆破された!







そして気が付いた時には,
全員真っ黒になってチリチリになっていた。



「か、かぁかぁしいい〜〜〜!!」

綱手の怒りも爆発した。


「ま、まってください〜〜!」


”いゃ〜〜ん!”


イルカは焦った。



しかし全身を黒くすすだらけにされた綱手の怒りを抑えるのは不可能だった。



”つなで〜ぱ〜〜んち!!”



”ずどおおおお〜〜ん!!”






カカシは夜空に消えた。








「どうやら上手くいったようだな」

その木ノ葉の忍たちのパニックを少し離れたところで覗いている二人組み。

それは暁のサソリとディダラである。」

「ふふふ。お芋で大爆発。オイラたちの任務は完璧だな・・うん・・」


沢山の芋は暁からカカシへの仕返しプレゼントだった。







”カカシ先生”


”くすん、くすん”






彼の誕生日の夜。


幸福な夜に、



イルカはカカシを介抱していた。




あの後、

イルカたちは飛ばされたカカシを保護した。



カカシは最強の綱手パンチで気絶していた。



「ん・・・・・?」


カカシは目を開いた。


「お、おれ・・・生きてた?」

イルカにささえられ身体をおこす。


「今、何時何分ですか?」

「え?11時45分ですけど・・」


「じゃあ、残り15分は二人で思い切り!」



”そうだ、カカシの誕生日は後15分”





イルカはそっとカカシの身体にのしかかった。






”はっぴーばーすでー”






誕生日はやはり二人っきりで、


お祝いしたいですね!!




END

07,09,30


















2008年02月29日

「セピア」そんな話10月にありましたね・・・。

この物語はその数ヵ月後のことである・・・。



冬のアナタ


もう一度あの人と逢いたい。

この胸の中に生まれた感情は恋なのだろうか?

自分はもう恋なんて出来ない男だと思っていた・・・。









朝方の暗い山道を男が歩いていた。

あと少しで木ノ葉の里に到着する。


里には彼の一人息子が待っていた。


何故だか昨夜から身体全身が痛い。

熱がでているようだ。



風が吹く。


男の銀色の長い髪は薄い闇の中でも輝いた。


はたけサクモ。

「木ノ葉の白い牙」

美しいサクモは何処に居ても目立つ存在だった。

そしてサクモには一人息子がいた。

名前はカカシ。
今年5歳になった。




サクモはようやく自宅にたどり着いた。

木ノ葉でも高級住宅街に彼の家はあった。

二階建てで古いがしっかりとした屋敷だ。




家にたどりついた頃には辺りは明るくなっていた。


「父さん」

息子のカカシがでてきた。


普段は共に修行をしているが、今回の任務は高度なSランクのものでカカシは留守番となった。

”ゴホゴホ”

サクモは咳き込んだ。

「寒いなカカシ」



リビングにサクモは座りこんだ。

頭が割れそうだ。

「父さん大丈夫?」

「ああ・・・・」

「今布団ひくから」



カカシは利口な子供だった。
てきぱきとサクモの寝室に行き布団をひく。


「くすりは?」
「飲んだ」


サクモは力を振り絞って布団に倒れた。







白く輝く世界をサクモは彷徨っていた。


小さな公園があった。

ブランコにあの人がいた。
「うみのさん!」



サクモは数ヶ月前に出逢ったあの黒髪の可愛い青年のことを思い出していた。
あれからずっと彼のことが忘れられなかった。

一夜をともにしたあの人。


うみのはニッコリと微笑んだ。


サクモは思い切りそのしなやかな身体を抱きしめた。

すると美しいうみのはみるみるごつい自来也の姿に・・。

〜〜うわあああ〜〜〜



汗だくでサクモは目覚めた。

頭には氷枕が乗っていた。
「とうさん・・・」

「ああ〜自来也め〜〜ちくしょう〜〜」

伝説の三忍と唄われる自来也は普段は呑み友達だった。

何時も喧嘩ばかりしているが。



「ねえ、もしかしてインフルエンザじゃない?医者いった方がいいよ」
「インフルエンザ?」

「今、里で流行っているって綱手さんも言っていた」


サクモはふと思い出した。
「カカシ、俺の財布とってくれ」

「はい」


カカシはサクモの財布を取った。

「お前ちゃんと飯食っているのか?」

”ううん”

カカシは首を振った。

母親のいないカカシの食事は普段はサクモが作った。
大したものは作れないが。

一人の時はインスタントですませていた。

「カカシこれで食料を3日分買ってこい」



カカシはお使いの任務を受けた。














里に最近オープンした大型スーパー。

買い物客で賑わっていた。


お財布を持ったカカシは何を買おうか迷っていた。


そういえは昨日の昼間から何も食べていない。



”ぐうう〜”

カカシの腹は鳴った。



ふと肉売り場の方からよい匂いがする。


試食のコーナーだ。
(やった!)

ウインナーに焼肉だ。

カカシは寄っていった。

「父ちゃん、あった〜〜!」

その時、
凄い勢いで一人の少年と青年がウインナーにタタタと走り寄った。

”ぷす”
ウインナーを楊枝でつつく。

”はっ”


本能的にカカシはその少年が誰だか理解できた。
「イルカちゃん!」

そうだ、父との修行の最中河に流されているカカシを救ってくれた、
あの親子だ。


「カ、カカチ兄ちゃん」
イルカは口いっぱいにウインナーを詰めていた。

もちろん彼の父親も同じだった。

”また逢えるなんて”

”じい〜〜〜ん”


カカシは感動した。








「え、サクモさんが熱を?」


うみのはカカシの話を聞き目を大きくした。

カカシとイルカの二人をとりあえずファーストフードに連れていき食事をさせた。


二人はとても楽しそうだった。




そして沢山の食料を持って、うみのはイルカとカカシの家を訪ねた。



もちろんサクモを介抱する為に。







カカシ住む家は上忍家庭で立派だった。
中忍家庭のうみの家とは違う。




うみのは腕をふるい、お粥を炊いた。

何故だか全身が熱い。


うみのの妻は相変わらず実家に戻ったままだった。

イルカと二人寂しい生活が続いた。




そんな中うみのはサクモと出逢った。

あの夜のことが思い出される。



もう二度と会うことはないと思っていたのに。




イルカはカカシとゲームに夢中だった。








食事の支度をすませエプロンをつけたうみのはサクモの部屋にいった。


この襖を開けばあの人に逢える。



どこからか数年前に流行った「冬のソナタ」のテーマ曲が流れてきた。



"チュンさん、ちゅんさん、ちゅんさん”
"逢いたかった”





うみのは襖を開いた。


そっと。

音をたてぬよう部屋に入る。
「だれ?」

「俺です」

「え?」

サクモは瞳を開けた。


幻ではない本物の彼だ。



サクモは半身を起した。



そしてエプロン姿の愛らしい彼に興奮して鼻血をたらした。

”つうう〜〜”





「ゴホゴホ」
うみのはサクモの身体を支えた。

「サクモさん病院に行きましょう!」

「いや、こんなの寝ていればなおりますよ」
「そんな、寝てれば治るのはどこかの剣士だけです」


実はサクモは大の病院嫌いだった。

特に注射が駄目だった。

「こんなに具合が悪いのに」

うみのは胸を痛めた。

痛々しいサクモもまた魅力的だった。



「大丈夫です。あなたが側にいてくれるのなら」

病人のくせにサクモはうみのの手を握った。

「サクモさん」

”ぽっ”


うみのは赤くなった。


その時、

「父ちゃん呼んできたよ!」


気を利かせた子供たちが「木ノ葉病院」の中でも一番の名医を連れてきたのだ。

サクモは固まった。


(こわい)


しかし、うみのやカカシの前で格好の悪いことは出来ない。

「さあ、はたけさん。ズバリパンツを脱いでください」

「ぱ、ぱんつう〜〜??」

医師は大きな注射器を出した。

「いやあ〜〜」

うみのは顔を両手で押さえた。


"ぷす”


サクモの美尻に針がささった。


「はたけさん。あなたはズバリインフルエンザです」

クールにエリート医師は言った。



「い、インフルエンザ〜〜〜〜」

うみのとカカシとイルカは震えあがった。


幸福な再会が、


恐怖の再会に・・・・。















翌日。

うみの親子とカカシは全員感染した。


今は熱も下がり、元気になったサクモが3人の世話をやいた。


自分の部屋に仲良く並んで寝ている3人。



病気は嫌なものだが、


可愛いあの人といられるのなら、


ちょっと嬉しいサクモパパだった。


END



「セピア」この話は10月12日、10月20日に入ってます。


今週はカカイルなの????






2008年02月22日

ロンリーナイト


長くて暑かった夏が終わる。

近頃では暗くなるのが早い。


夕方の木ノ葉銀座は夕げの買い物客で賑わう。





ヤマトはそんな人々の間をゆっくりと歩いた。


今夜は何にしょう。


独身なので普段はあまりロクな物を食べていない。

たまには家で何か作ろうか。

フト、魚屋で知った顔を見た。
「イルカ先生?」

ヤマト、本名テンゾウは暗部の先輩であり彼の世界一のハニーカカシの恋人のイルカ。
(天然中忍)

イルカは楽しそうに店の親父に言う。
「彼が、大好物なんです!」
恥ずかしげもなくイルカは言う。
「彼ってお兄さん男でしょう?」
店の親父は冗談だと思い笑う。
「俺、女の人に見えます?・・・・じゃあ秋刀魚を全部」
「ぜんぶ?」
イルカは秋刀魚を買い占めた。
「さんま・・・先輩の大好きな・・・」
”ああっ!”
これから二人で、
ヤマトは想像した。
イチャイチャと秋刀魚をつつくラブラブな二人。

(きいい〜〜〜!)

やはり正直悔しい。

「ヤマトさんじゃあないですか」
「へっ?」

イルカにどうやら見つかったらしい。









「すみません。お邪魔します」

ヤマトは何とイルカから夕飯に誘われた。


初めて入るイルカの部屋は綺麗でサッパリしていた。


ワンルームに大きめのベット。
ベットサイドにカカシとツーショットの写真。

(先輩、こんなに笑顔で〜)

「もうすぐあの人が帰ってきます。・・・それまでにご飯作りますから。ヤマトさんくつろいでください」
「すみません」


イルカはヤマトがカカシに気があることは知っているだろうに・・。
それなのに優しくお茶を出してくれた。


ヤマトは一口飲んで、吹き出した。

日本茶にはたっぷり砂糖がはいっていたのだから。




気を取り直してヤマトはテレビに近付いた。
DVDがあった。
「へ〜なんのDVDだろう?」

ヤマトは何気にセットした。
「こ、これは!」

それはイルカのホームビデオだった。


お父さんイルカにお母さんイルカに仔イルカはたぶん本人だ。
みんなそっくりだった。

「あ・・・・・!」

ヤマトは口をあけた。

他にも沢山のイルカたちが、

服装が微妙に違う。

”これが、うみの一族”

まるで影分身のようだ。

なんと強い遺伝子だろう・・・。


一族は仲良くラーメンをすすっていた。


気が付くとヤマトは夢中で見てしまった。


そしてあっと、気がついた時には、

怖い顔したカカシ先輩。

「おまえこんなところでなーにしてんの?」
「ボ、ボクはイルカ先生に誘われて・・・」
ヤマトは焦った。


「カカシ先生。本当です・・・今夜は皆で楽しく夕飯を食べましょう!」

ニッコリ。
「はい。イルカ先生が言うのなら」
コロリと態度が変わった。

(やはり、ナルトたちが言っていたことは本当なんだ。カカシ先輩はイルカ先生のお尻にひかれている)






やがてよく焼けた秋刀魚に味噌汁。
そしてマーボー豆腐。
「すごい!」

"感激”


三人は食卓を囲んだ。

「イルカ先生。今夜は俺の好きなものばかりです」
「だって、カカシ先生が食べたいって思ったし〜」


二人の間からは激しいラブラブビームが・・。


ヤマトはひいた。


"ボクはとんでもない現場にいるのかも?”


「カカシ先生。骨さんとってあげます」

何と、イルカはカカシの為に魚をほぐし始めた。

(まさか!)

ヤマトは汗をたらした。


”あああ〜〜ん”

やっぱり!!


「あ、テンゾウお前も食べろよ」


「は・・・・はい・・・」

「ナニその、可愛くない返事?・・・まさかイルカ先生の手料理が食べられないんじゃないだろうな?」
「そ、そんな・・・」

ヤマトは黙々と食べた。

秋刀魚は油がのって美味い。



その間も二人はラブラブビームを交わしながら話をしている。


「あ、そうだ。・・・今日おれ、イルカ先生にお土産買いました」
「わあ〜〜!」
(勝手にやれよ!!)

ヤマトは心の中でつぶやいた。

「これ、新しいパンツ・・・先生に似合うと思って」
「いゃ〜〜〜」
それはスケスケレースの黒パンツ。

ヤマトはご飯を喉につまらせた。


「うぐうう〜〜」

「ん?テンゾウどうしたの?」

「み、みず〜〜〜」

「あ、そうだね」
カカシは立ち上がった。

冷蔵庫からロング缶のビールをだしてくる。

「カカシ先生。・・・ビールは一日1缶ですよ」
「ええ?・・いいでしょう?だってこいつが呑みたいって」

「そうですか。でもお腹が出たらお別れですよ」
イルカはたしなめた。
「はい。イルカ先生」

"先輩!何て馬鹿なんだ!”



恋は盲目だというが、

ヤマトは情けなくなってきた。


「あ、テンゾウ悪い、そろそろ時間だ。またな」

「は?」

時計を見るともう10時だった。

「すみません。遅い時間に」


「いいよ。、うちは10時すぎたら大人の時間なんだ」

”うふふふ”


カカシとイルカは嬉しそうに笑いあった。

”どんな時間だか!”




”寒い”


帰り道心が寒いヤマトだった。



それでもボクはあの人が・・・・。



"カカシ先輩〜〜〜!”




頑張れヤマト何時か君の時代が必ずやってくる!!”






END


2008年02月16日

トラベルトラブル?


ああ、こんなにたまった"

商店街の福引の券。

そうだ、今日で抽選は最終日だ。


イルカは枚数を数えた。


全部で4回はひける。



「カカシ先生、俺ちょっと商店街まで出かけてきます」
「ん?いいですね〜俺も付き合いますよ」



二人はそんな訳で木ノ葉銀座に出かけた。






抽選の最終日ということもあり多くの人々が列にならんでいた。
「カカシ先生もひいてください」
「おれ、クジ運ないんですよ」

カカシは笑った。
「一回でいいんですから、ね」
「そうですね・・・わかりました」

イルカから券を受け取る。

ほんの軽い気持ちだった。



イルカの番が来た。

イルカは気合を入れてカラカラを回した。

3回ともに赤い玉だった。

「ティッシュです〜〜」

予想はしていたが、がっかりだった。


そういうものなんだ。


カカシの番が来た。


ころころころ。

銀色の玉が転がった。


”カランカランカラン”

「おめでとう、ございます!特賞、軽井沢の里、ホテルペラトンの旅!!」


「わ〜〜〜〜」

二人は抱き合って感激した。





しかし、問題は、

カカシの休みである。

忙しいカカシはろくに有給ももらえなかった。


それでもカカシは綱手のところを訪ねた。


「大事な話とはなんだ?」

団子を食べながら火影である綱手姫は言った。

「来月有給を3日ください!」
「駄目だ!」
”きっぱり”

「どうしてです?俺だって私用くらいありますよ」
「お前、疾風伝始まって忙しいんだ・・・・こんな大事な時に有給?
忍者はサラリーマンと違うぞ」

「そうですか。・・・・残念ですね。・・・俺の友達でお金もちで若いイケメンがいまして、そいつまだ独身なんですよ〜」

”ピクピク”
綱手は反応した。



カカシはイケメンを紹介することで休みを手にした。










イルカは旅行鞄に着替えのぱんつやカメラを詰めた。
"カカシ先生と二人でお出かけなんて”

それに、あの一流ホテル「ペラトン」に泊まれるなんで・・・。


軽井沢の里はお洒落でとても綺麗なところだという。



”うっとり〜”


イルカは踊る心で旅支度をした。









緑の多い木々に囲まれた美しい里。


そこは軽井沢の里。

有名人の別荘やアウトレットのお店がたくさんあった。


そして美味しいお店も・・・。


二人は仲良く軽井沢銀座を散歩した。

「イルカ先生、見てこのケーキ」
「わ〜〜きれい、おいしそう〜」

「はいります?」
「でも〜ランチしたばかりだし・・・」

イルカはゴックンと唾を飲んだ。
「はいろう」

カカシは店のドアを開けた。








それから二人は自転車を借りた。

木ノ葉にはない乗り物だ。
「これは、チャクラをコントロールしてこげば簡単です」

カカシは颯爽と自転車をこいだ。イルカも後を追う。



涼しい風が吹く。



二人は芸術的な古い美術館にたちよった。

まるで教会のようだ。


カカシはそっとイルカに手をかざした。


何かの術をかけたのだ。



”ドロン”


イルカは純白のドレス姿に変化していた。

そしてカカシもタキシードにかわる。



「結婚式だと思って、イルカ先生」

「え・・・・・」


イルカはときめいた。



誰もいない建物。


「わたしは生涯イルカ先生との愛を誓います」

「カカシせんせえ・・・・」


二人は見つめあった。

「だれだ!オイラの芸術作品の前で!」

「はあ?」

二人は固まった。


それに、オイラだって〜?

オイラなんて言うのは、暁のあいつしかいない。

ディダラである。


「よおく聞け、ここはオイラの素晴らしい芸術作品を展示している。おまえらも心して見学するよう・・・・こんなとこでいちゃいちゃすんな!・・・うん」

”ガラガラガラ”

二人のラブラブは壊れた。

「このねんどの下手くそな人形のどこが芸術作品なんだか?」
「これ、人なんですか?」
「この、ねんんどはただのねんどじゃな、あっ!」

カカシ瞬間的にイルカを連れてその建物を飛び出した。

ど、っかああん”

なんという不幸なことか、結婚式がもう少しで起爆テロ事件になるところだった。








二人は気をとりなおして自転車でホテル「ペラトン」むかった。

「いらっしゃいませ!はたけ様!」

明るい笑顔の素敵なホテルマンが二人をむかえた。

「はたけ様、デラックススイートご案内いたします」

「なんかテレビのドラマみたいです」
「そうですね」
二人はささやきあった。




二人が案内されたデラックススイートは広く大きなダブルベットがあった。

「イルカ先生」
「はい。・・・カカシせんせい」

「もう誰も邪魔させません」
「ええ、でも夕飯は6時からですよ」

カカシは夢中になると時間を忘れてしまう。



カカシはすらりとしたイルカの身体を抱きしめた。

二人はそのままベットに転がった。


”これって、やっぱり新婚旅行みたい”


イルカは夢心地で考えた。

”ああ”

馴れた感覚なのに・・・。


今日は余計にあなたを感じている。








〜〜ルカせんせ、イルカ先生〜〜


しばらくイルカはおちていたのだろう。

目をこする。

カカシは先におきて身支度をすませていた。

「さあ、ディナーに遅れますよ」

遅刻魔のくせにカカシは言う。



二人はさっぱりとしたスーツ姿でレストランへでた。


この里ではディナーはスーツ着用だった。

そう、ガイドブックにも書いてあった。

「ところでカカシ先生、フランス料理ってなんですか?」
「ええ、クナイを使って食事をする他国のお料理で汁ものをお玉ですくって食べる高級なお料理です・・凄くおいしいと紅が言ってました」
「へえ〜〜」
流石カカシ先生は物知りだ。




二人はお花が飾られたテーブルについた。

四角いテーブルには見たことのない、銀色の尖ったクナイもどきが並んでいた。

”どうやって食べるの?”
"どうしょう?イルカ先生”



二人は目で会話した。

カカシは手をあげ店の人を呼んだ。
「お箸いただけます?」
「かしこまりました」


二人はお箸をもらい悩みは解消した。



料理はこのうえなく、イルカが生まれてからこれまで食べたものの中で3本の指にはいるくらいのおいしさだった。





”あ〜お腹いっぱい!”
”これからまた、イルカ先生と・・・ふふふ”


二人は満腹して部屋に戻った。


部屋に入り、カカシの表情が厳しくなった。

「どうし、」
カカシはイルカの口を押さえた。



誰かが何者かが留守の部屋に侵入している。



上忍の彼ならではわかる。





カカシは部屋をぐるりと見回した。

ベットサイドの電話機の下から黒い四角い箱。

盗聴器だ。


「ひ〜〜〜」


カカシは声を出さないようイルカと会話した。

「何者かが俺たちの会話を盗聴しようとしています」
「え?・・・だれが?そんなこと?」

「食事に出る前にはありませんでした」

「仕方ありません、あれを使うときがきました」


カカシは手を組み合わせた。

写輪眼をつかい、

一台のマシーンをだした。


”これは、タイムマシーン!?”


イルカは目をみはった。


カカシは笑った。
「昔、どらえもんから、コピーしました」

”どらえもん!”


という事はカカシ先生は竹コプターやどこでもドアも出せるのか?

すごい!!



あらためてカカシの凄さに感動するイルカだった。








二人はタイムマシーンで2時間前の部屋に現れた。

お風呂の中に潜み気配を殺した。


そっとスイートのドアが開いた。


二人が見たものは!


黒い髪の女と、もう一人はピンクの髪の毛。

(シズネさん、それにサクラ!?)



二人は盗聴器をしかけていた。


「今夜はすごいことになるそうよ」

「ええ、くノ一に集合をかけるわ」



「ああああ〜〜」


カカシとイルカはパニックにおちた。



くノ一たちが、
自分たちのえっちを盗み聞きしようとしている!








二人はもとの時間に帰った。



「カカシ先生〜〜」

「できないですね〜〜今夜」

折角のホテル、スイートなのに!



変態のくノ一め〜〜〜



「あ、そうだ!」


カカシは頭にひらめいた。



「イルカ先生、少し我慢してねー」



カカシはおもむろにガムテープを出し、イルカの口にはった。


”うう〜〜〜うう〜〜うう〜〜”








「さあ、イルカ先生!大丈夫です。声をださなければ」


続きを始めましょう。






”ううううう”






イルカは涙を流した。







END











2008年02月09日

スウイートスウイート☆


小さな子供たちを相手に彼は教壇に立っていた。

子供にも理解しやすいよう黒板に忍術についての様々なことを書いて教えていく。


彼はアカデミー、忍者学校の教員である。


明るいイルカ先生は子供たちの人気者だった。


変化の術について、

イルカは簡単に書こうとチョークを持った右手をあげた。

その時、下腹がムズムズした。
(トイレにいきたい!)

どうやらお腹がはっているようだ。

しかし、子供を相手に
"先生がおトイレにいきます”
とは言えなかった。


時計を見ると休み時間まで後20分もあった。

イルカはふんばった。
我慢しなければ。



説明をする声はひっくりかえっていた。

生徒に気がつかれぬよう授業を続けた。


(くるしい〜〜〜ああ〜〜〜)


「イルカ先生。コレ、顔色が変だぞコレ?」

一番前に座っていた木ノ葉丸が言う。
「ん?なんでもないぞ」
笑って見せる。

本当は泣きたい。

額にじんわり汗がにじんだ。


”もし、俺がおもらしなんかしたら、明日から授業にでれない。それこそ里中のいい笑いもんだ”






イルカはひたすら長い20分を耐えた。






そして休み時間イルカはトイレに走った。

ところが男子トイレの個室はまるでカカイルオンリーのように長い列が出来ていた。
(ああ〜駄目、間に合わない)



イルカは走った。

アカデミーの裏手のイルカが受付をしている方の人気のないトイレに。

そこならすいている。

トイレの建物が見えてきた。
(これでやっと楽になる)
と、思ったその時、
「イルカ先生!」
「あ・・・・・」
イルカは硬直した。

そこには、

イルカの想い人が立っていた。


はたけカカシ。

里を代表する優秀な忍。

イルカは里のエリートでカッコイイカカシにずっと憧れていた。

「ん?どうしたの〜今日は授業は?」

のんびりカカシが言った。

「あ・・・あのう・・・〜〜〜〜もうだめえ〜〜〜〜〜!」


イルカはトイレに駆け込んだ。


こんな姿見られたくなかった。


よりによってカカシ先生に・・・。


イルカの世界はどんよりと暗黒に包まれた。






イルカは苦しみから解放された。





お腹はすつきりしたが、

心がすっきりしない。



その日は元気なく一日が過ぎていった。







イルカは一人夜の街に出た。

一人でも呑めそうなやきとり屋に入った。


カウンターに座り、
ビールとやきとりを注文した。





カカシ先生はきっと俺が大便を我慢していたことに気が付いていただろう。

(恥ずかしい)


よりによってそんな時に・・・・。

「ねえ、やきとりなんか食べてだいじょーぶ?」

背後にカカシが立っていた。

イルカは飛び上がりそうになった。

「か、カカシ先生・・・・」
「隣いい?・・・・・・・イルカ先生もうお腹はいいの?」
返事をする前にカカシはイルカの隣に腰掛けた。
「だいじょうぶです」

「あの時のあなたの顔が・・・はははイルカ先生も普通の男だったんですね」
「〜〜〜〜〜〜!」

「流石元ナルトの担任です」

「20分も我慢したんです・・」
小さい声でイルカは言った。



カカシは楽しそうに笑っている。



実際、イルカが悩むほど彼はあのことを何とも思ってないようだった。



それに・・・・

カカシと二人きりでお酒が呑めたのだ。










それから二人はぼちぼちお酒を呑みに行く仲になっていた。




その日は寒い一日だった。



イルカは首にマフラーを巻き商店街を歩いていた。



洋菓子屋の前に女の子たちが群がっていた。

「バレンタインか・・・」


そろそろそんな時期である。

(おれもカカシ先生にプレゼントできたら)


イルカは思った。


そして、ずっとカカシの事が好きだったことを伝えたい。


告白したい。

"好きですと”




しかしイルカは女の子にまざってチョコレートを買う勇気はなかった。



”そうだ”

イルカは考えた。
スーパーでチョコを買い手作りすればいい。

そして14日にカカシ先生をお酒に誘えば。





イルカはトコトコ歩きながら計画を頭に浮かべていた。






その夜はカカシは流行のダーツバーにイルカを誘った。



カカシはお酒を呑む時はツマミはあまり口にしない。

どちらかというと食べるのはイルカの専門だった。



イルカはポッキーを食べていた。

「イルカ先生。最近おトイレは大丈夫なの?」
「ひど〜い。ちゃんと休み時間に行くようにしてます」
「ナルトなんかこの前我慢できなくて。あははは」
「ええっ?!」
ナルトは相変わらずなのか?

「あいつカカシ先生に御迷惑を・・・」
「ん、最近は少し成長しましたよ。・・・・・修行も人一倍頑張っているし」
ふふふっとカカシは笑った。
「ねえ、イルカ先生。折角二人で呑んでいるのにナルトのことじゃなくて俺のこと考えてほしいな」
「え?」
カカシはタバコに火をつけた。」

「そうだ。イルカ先生。来週の木曜の夜時間あります?」
「もくよう・・・」

"2月14日だ”

イルカはうなずいた。










イルカは図書館でお菓子の本を借りた。
チョコレートを周りにコーテングしたハートのクッキーを作る計画だった。



材料をスーパーに買いにいく。



(ええと。小麦粉にベーキングパウダーにバター)

スーパーの棚からベーキングパウダーを手にとろうとした時もう一つの大きな手がぶつかった。
「あっ、エロ、いえ自来也様!」

なんとそれはあの自来也様だったのだ。

「なんだイルカお前も買い物か?」
ちらりと自来也の籠の中身をのぞくとイルカの籠の中身にていた。

(まさか)


「イルカお前もバレンタインか」
「あ・・・あのう・・・そうです・・・・自来也様は?」

(いったい誰に?)


それに自来也様のつくるチョコなんて・・・・
(あんまり美味しそうじゃない)

「ああ、綱手にな。・・・今年も告白する予定なんだが何度告白しても殴られてしまう・・・」
「あのう・・・・普通女の人からチョコは贈るんでは?」
イルカは自分の事棚においておいて大胆な質問をした。
「あいつは逆なんじゃ。チョコは貰うもんだと思っている。・・・それよりお前こそ誰にそれを?」

〜そ、そのう〜〜




イルカは汗をたらした。

しかし自来也には嘘はつけない。



その日は成り行きで自来也と団子屋にいった。


二人は恋の話で花が咲いた。










そして木曜日。

カカシは任務の報告をすませ、アカデミーを後にしょうとしたその時、

はっと身構える。

”ドドドドド”

チョコレートを手にした女たちがくるりとカカシを囲んだ。

「はたけ上忍、これ受け取ってください!」
「好きです!」


女たちは無理やりカカシにチョコレートを押し付けた。

カカシはただ呆然と立っていた。


山になったチョコを抱えてイルカと待ち合わせた店に向かった。







イルカはチョコを綺麗にラッピングした。

そして小さい紙袋にいれた。

今からどきどきする。

渡す練習もした。




喫茶店にはまだカカシの姿はない。
紅茶を注文してイルカは気晴らしに週刊誌を読んだ。

しばらくして大きな紙袋を2つさげたカカシがやってきた。

イルカは思わず立ち上がった。

「か、カカシ先生・・・・それは・・・?」

「うん、ちょっと女の人たちに捕まってしまって。気にしないで、これは明日ガイにあげるから」
「ガイ先生に」
「あいつなら甘いの食べるから。おれはこういうの駄目なんで・・」

そのチョコレートはバレンタインにカカシが貰ったものなのだ。




イルカは少し気分が落ち込んだ。

プレゼントを出す勇気がなくなった。

「イルカ先生。今夜は一緒に行きたいお店があるんです」


イルカは黙ってカカシについていった。


木ノ葉の中心から少しはずれた住宅街。

まるで隠れ家のような店。




カカシにうながされ料亭の暖簾をくぐった。

個室の調度は落ち着いたものだった。




イルカは緊張した。

「座って」

言われるまま席につく。





カカシは部屋の隅に紙袋を置いた。


イルカは自分のチョコは渡せずに自分の影に隠すように置いた。

(カカシ先生はチョコなんて貰えて当然なんだ)


ほどなく店の女将が入ってきた。

着物姿の艶やかな美人女将。

「カカシさんお久しぶりね。・以前は色々な女性とみえていたけど、最近すっかりお店にいらっしゃらないから。ふふふ」
「女将その話やめてよ」

この店はカカシがデートに使っていた店だったのだ。

「あらごめんなさい。・・・・・今夜はゆっくりくつろいでください。・・・そちらのお連れ様も」
ふふふ。

女将はイルカを見て妖艶な笑みを浮かべた。

そして部屋を出た。



「イルカ先生、この店の割烹は最高です。・・・一度二人できたくて」



イルカはコチコチになっていた。


どうしていいのかわからない。




ほどなくコース料理が運ばれてきた。



カカシはすうっと手を伸ばし、

そして口布をさげた。


「・・・・・・・・・!」

素顔のカカシは眩しいほどの美貌。


初めて見た彼の素顔は直視できない。




どくどく心臓が早くなってくる。
「遠慮しないで」
「はい」



イルカは料理を口にした。

「イルカ先生、どうしたの?今夜なんだか固くなってますよ」

「な、なんでもないんです」



イルカは料理を口にした。

とても高級で美味だった。


二人は上質の酒を楽しんだ。


「こういうの苦手?」
「ええ。・・・・初めて。・・・でもすごく美味しい」
「喜んでもらえてよかった」


そう言って笑うカカシの瞳はとても優しい。


憧れていた人と今こうして食事をしている。

何か気のきいたことが言えればいいのに。



イルカは無口だった。



「俺は決めていました。・・・・・今年のバレンタインはあなたと過ごすって」
「えっ?」

イルカはびっくりして顔をあげた。



カカシはくすっと笑った。

「ねえ、それ何時になったら貰えるの?」


イルカの影に隠してあった紙袋。




イルカはそっとそれをカカシに手渡した。


「チョコはいらないんじゃあ」
「そう、でも本命のだけは食べます」


カカシは包みを開いた。


すこしいびつなハート型のチョコクッキー。



カカシはパクパク食べている。



”これは夢?”


イルカは自分の頬をつねった。

痛かった。








気が付くと。カカシは一箱全部食べている。


「お、おいしかった・・・・ですか・・・?」


真っ赤になりながらカカシに問う。




カカシは立ち上がった。


そしてイルカの隣に座る。


そっと腕を伸ばしイルカの肩を抱いた。


”どくどくどく”



心臓が踊りそうだ。




カカシはイルカの耳元でささやいた。


「とても、美味しかった。・・・・・・今度はお返事に俺があなたを食べたいです」



”ゴクリ”




イルカは唾をのんだ。




END



☆これも少し古い話です。






2008年02月01日

彼の中の闇



気が付くと暗闇の中にいた。


彼は両腕を縄のようなもので縛られ、ベットに転がされていた。


着ていたはずの忍服はすべて脱がされていた。



"頭が重い”


(俺は・・・・)

”いつたいどうして?”




イルカは重い頭で思考を巡らせた。


仕事の帰りにあの人に会った。

あの人とはイルカがひそかに想いを寄せている上忍の”はたけカカシ”のことである。





二人でバーに入り、

酒を呑んだ。

それから・・・・・・。



”ぱちっ”

突然部屋の灯りがついた。

全裸のイルカの身体が灯りにさらされる。


カカシが部屋に入ってきた。


シャワーを浴びたのか白いバスローブをまとっている。


「ふふふ。・・・・今、どんな気分?」

カカシはニャリと笑った。

「な、なんで?カカシ先生が、こんなことを・・・」
「とても刺激的ですよ。イルカ先生」


カカシはあの独特の甘い声でささやいた。






イルカは顔から火が出るほど恥ずかしかった。


カカシは何を考えているのか?

「やめてください!こんなこと!」

何か言おうにも他に言葉がない。

「や、め、て、・・・もっと言ってみて、ねえ」

"ゾクリ”




イルカは恐怖に震えた。




カカシは普段はとても優しい人だと思っていたのに・・・。

それなのに、こんなに酷いことするなんて。


信じられない!!






イルカは瞳に涙がいっぱいになった。

「俺をどうするつもりですか?」
「わからない?・・・嘘わかっているくせに・・・・じっくりあなたを楽しませてもらいますよ。・・・ふふふふ」




カカシは彼の長い指でイルカの下腹をなぞった。

"ビクリ”とイルカは体をよじった。
「そうやって嫌がっている姿、たまんない」




カカシは全裸のイルカの全身を舐めるように視線で犯した。



イルカは耐えられなくなり目を閉じた。

「目開けて。イルカ先生・・・・・・ね、おとことするの初めて?」

「〜〜〜〜〜〜〜!」

「だ〜いじょうぶ〜。ちゃんとよくしてあげる」

”クックック”


カカシは笑った。


その声は何かに陶酔しているようだった。














イルカは朦朧とした意識の中を彷徨った。


カカシの唇がイルカの首筋や胸を這う。

抵抗しょうにも力が出ない。


何時しかぽろぽろとイルカの頬を涙が落ちていった。

「声、きかせてよ、イルカせんせー」


カカシはイルカの中心を手で握った。

「ひっ!〜〜いゃ〜〜」



たまらないくなってついにイルカは声をあげた。










カカシの行為はそれから数時間にもおよんだ。




何時しかイルカはささやかな抵抗も我も忘れ、


腰を揺らし、快楽と交互に襲ってくる痛みに夢中になった。



嫌がっていた声も歓喜の声に代わってしまった。



もう、何がなんだか彼には理解できない。



自分が別人のように、彼は淫らになっていた。



幾度か頂点に達した後、


イルカは力つきた。
















白々と夜が明けていく・




動けなくなったイルカをカカシはベットに横たえた。

拘束していた縄をほどく。


イルカの柔らかな黒髪を撫でた。
そして優しくイルカに口付けた。




「ごめんねー」

低く、つぶやくようにカカシは言った。






どんな人間にも光と闇が存在する。




彼は今闇の中から目覚めた。







少し明るくなってきた部屋でカカシはいつまでも、いつまでもイルカの寝顔をじっと見つめていた。





end
07、02.27




☆これはJAの初鬼畜です。某チャットの後に作りました。


しかし、見る人に笑いを誘うのは私の話だからです。

どうだ、今週はびっくりしたでしょ。



2008年01月25日

オールイン 運命の人




このところ任務続きで便秘ぎみだった。



カカシはアカデミーの裏手にあるあまり人の来ないトイレに向かっていた。


今日こそはゆっくりとたっぷり「立派な子供」を産もう。



カカシはトイレのドアを勢い良く開けた。

「ああっ!?」

大きく目を見開く。


トイレの中には・・・


しゃがんでいるイルカ先生が居た。

「ああああ〜〜〜〜」


カカシの目はイルカのお尻にクギずけだった。

イルカは叫びながらドアを閉めた。

「す、すみません、まさかイルカ先生が入っているなんて」


中では声にならない呻きごえをイルカがうなる。

「ううううううううう〜〜〜〜ううう〜〜〜〜」



それは若い二人にとってあまりに衝撃的な事件だった。











カカシはその晩興奮して眠ることが出来なかった。


イルカのお尻が脳裏に焼きついている。


健康的で可愛いお尻。

あのお尻を俺の物に出来たら。



カカシは興奮が抑えられず、


ベットの中で一人抜き始めた。
「イルカ先生・・・・」






あの人と出逢ったのは今年の初めだった。

とてもナチュラルに知り合った。

初めはただの中忍の先生だった。


ところが何時の間にかカカシの中にイルカという存在は住み着いていた。


黒く大きな瞳。

結んだ髪は元気よくそしてキュートだった。




カカシはあれこれ近寄る努力をして、


先日やっと二人でお酒を呑みにでかけた。



彼はとても優しくてますますカカシは好意を持った。

「カカシ先生。今度俺のお部屋に遊びにきてください」
イルカは笑顔でそう言った。


好感度大UPだった。


”それなのに!”


トイレでがんばっているところを自分とはちあわせたのだ。




もしかしたら、俺はイルカ先生に、

嫌われたかもしれない。


”ああ〜〜〜”
"イルカせんせ〜〜”


妄想と現実がいりまじりながら、

カカシは一人いった。










事件の翌日。



イルカは通夜の夜のようだった。


「ごくろーさまです・・・・」
受付なのにニコリともしない。

虚ろな瞳で一日を過ごした。


昨夜は悲しくて一睡も出来なかった。

「イルカせんせ〜!」


ナルトとサスケとサクラの3人がバタバタそこへ入ってきた。

「ああ・・・」

イルカはゆっくりと立ち上がった。

「なあ〜先生ってば、今夜シカマルの家で誕生会するってば!」
楽しそうにナルトが言う。
「みんな来るの。イルカ先生も一緒に行きましょう!」

「誕生会?」

「カカシも呼んだぜ」
クールにサスケが笑った。

「え・・・かかし・・・せんせえ・・・」
イルカの顔はヒクヒクした。





「じゃあ、5時にむかえに来るってばよ!」


ドタドタ。

3人はまた慌しく出ていった。


"俺は・・・俺はどんな顔してカカシ先生に・・・・”

あの人はおれのお尻を〜〜

イルカは心の中で苦悩した。

父ちゃん、母ちゃん、ごめんなさい!


結婚前にこんなことなんて!


イルカは悶々とした。








この夜はシカマルの誕生日だった。

奈良家は立派な家だった。

会場にはイルカの元の教え子たちが集まっていた。

みんな何時もよりめかしこんでいた。

「いゃあ〜イルカ先生。うちのイノがアカデミーではお世話になって」

イノの父イノイチがイルカに酒を勧める。


イルカはその好意に甘えてお酒を呑んだ。

その視線の先でカカシをみた。



カカシは独り、壁の花のように立っていた。

ちらりとこちらを見る。



イルカは目をそらした。







派手に音楽が流れた。

ナルトたちはダンスを踊り始めた。
サクラやイノ。そしてヒナタやテンテンも楽しそうに踊り始めた。


かわいい女の子たちのダンスに男の子たちも嬉しそうだった。

その姿をイノイチがカメラでバチバチ撮影している。


ナルトがイルカの手をひいた。
「な、先生も踊るってば!」

イルカはぎこちなく踊りはじめた。


次第に気分が楽しくなっていった。



誕生会は盛り上がった。







誕生会の後。


イルカは一人奈良家の純和風庭園にでた。


池がある。


外の空気が気持ちいい。


「ダンスお上手なんですね」

イルカはその甘い美声に固まった。


カカシが何時の間にか隣に立っていた。

「あ、あなたには会えません!!」
イルカは手で顔をおおった。


「おれだって、どうしていいかわかりません!」

正直にカカシは言った。

「天国の父と母に申し訳ないんです!」
「は?」

イルカはクスクス泣き出した。

「イルカ先・・・・せんせい・・・・」

どうしたらいいんだろう?


「せきにんとって・・・・俺のお尻みた」

イルカは言う。

「責任?って・・・」

カカシは困惑した。


「俺のナマ尻見たんです。責任とって恋人になってください!!」




カカシはイルカの身体を抱きしめた。

(やった!)

(やったあ〜!)



カカシの中で派手にウエデングマーチが鳴り響いた。


「生涯せきにんをとらしていただきます」



そしてカカシは誓いのキスをした。





END


2008年01月17日

あの人がやって来た夜



今夜は二人にとって特別の夜だった。



カカシはキッチンに篭り腕をふるった。
よく煮込んだクリームシチュー。
特製サラダと生ハムメロンは冷蔵庫の中。


カカシはリビングにワイングラスを2個用意した。
綺麗な花も飾った。


今日はイルカの誕生日だった。


イルカはまだ現れない。

カカシは白い円形のケーキを出した苺の赤い色が美しい。




今夜は二人でワインで乾杯してそしてお布団にはいり朝までランデブー。

カカシのメインはランデブーの方だった。

そしてプレゼントにはプラチナのネックレスを買った値がはったがカカシとおそろいの物である。

本当は一日も早くエンゲージリングを贈りたい・・・。





イルカがカカシの部屋に帰ってきた。
「わあ〜〜」
リビングに並ぶ豪華な料理にイルカは心を奪われた。



二人はワインをあけ、幸福な乾杯をした。

と、その時玄関のチャイムが鳴った。
「俺でてきます」
イルカは立ち上がった。




イルカは思い切りドアを開けた。
「こんばんは〜〜!」
何と、そこには大きな杓文字を持ったヨ○スケとテレビ局のカメラマンたちがいた。

「突撃○の晩御飯、ヨ○スケです〜〜奥さん!!」
ヨ○スケは明るく言った。
「お、おくさんって・・・・」
恥ずかしくなりイルカはもじもじした。


その間にもヨ○スケはずけずけと部屋に上がりこんだ。

カカシの顔がひきつった。
「いゃあ〜今夜はパーテイですか?御主人?」
「ええ・・・まあ・・・」
「皆さん観てくださいよ、この大きなケーキ・・・・・ちょっとキッチンにもお邪魔してみましょう!!」
「はあ?」
困惑するカカシを無視してヨ○スケはキッチンへ。



「これはスゴイ!クリームシチューですいい匂いです。奥さんのお手製ですか?」
「あのう。・・・おれ・・・まだ・・おくさんじゃあ・・・・」
イルカは小さい声で言った。








ヨ○スケは自前の皿にどんどん勝ってに人の家の夕食を盛り始めた。





すべてがぶち壊しである。




カカシは心の中で思った。

"よかった。何も作っていない日でなくて”

もし、ふりかけだけの日にこんな全里放送が来たんじゃあ〜〜それにしてもはた迷惑な番組だ。









カカシとイルカは番組のお約束で次ぎの家に向かった。


それはこともあろうに紅のマンションだった。

「あら、カカシそれに、ええっ!?ヨ○スケさん〜〜〜」
”いゃああ〜〜〜〜”


紅は慌てた。




部屋の奥ではアスマが漬物だけで寂しくお茶ずけをサラサラしていた。

(カカシ覚えてなさいよ〜〜)

テレビカメラに笑顔を作りながら紅は復讐を誓った。








やっとテレビ局は帰った。
「もう〜お腹ぺこぺこです」
イルカはパクパク生ハムメロンを食べた。



ヨ○スケはケーキまで切り分けて持っていってしまったのだ。



カカシはイルカの姿を見てふふっと笑った。






これから二人だけの楽しい夜が始まる。

もう誰にも邪魔させない。



今夜は寝かさないよBABY!




END


すみません。時期はずれイルカ誕生日ネタです。









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