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20000HIT記念。
TO,WA,NI
午後のまったりとした時間。
受付には人もまばら。
「うわ〜俺、後40年も生きるのかよ〜70歳だよ〜」
「おれなんか53年」
イルカの同僚たちはどうやら、おさぼりムード。
「何やってんだ、仕事時間だぞ!」
パソコンをのぞきこむ。
「これか、死亡推定時期、後何年生きられるか、ここに生年月日と名前を入力すると・・・えっとイルカは5月だったな」
「死亡推定・・・・」
イルカは乗り出した。
同僚はイルカの生年月日と名前を入力した。
「えっ?」
同僚たち皆、黙ってうつむいた。
パソコンの画面には、
「うみのイルカ。 余命1年」
と表示されていた。
”どんより”
イルカは部屋に帰っても昼間の事が頭から離れなかった。
俺は後1年しか生きれないのか?
イルカはタブーだと思いながらも自分のパソコンで恋人の余命を調べた。
”ゴクリ”
「はたけカカシ 残り60年」
「カ、カカシせんせい・・・・」
そんな長生きだなんて、俺はカカシ先生を置いて先にいってしまうのか?
もし、俺が死んだら、
あの人にはもっと俺なんかよりもふさわしい少食の美人があらわれて、
イルカの胸ははちきれそうだった。
余命1年。
そう宣告される事がどれだけ酷だろうか。
イルカは自分の世界の中にとじこもった。
「・・・・ルカ先生、イルカ先生!」
はっと気がついたら、カカシがイルカの部屋に帰ってきていた。
二人はお互いの部屋をいききしている、
もう、付き合い初めてそろそろ2年。
イルカの恋人は誰よりも優しく、少しやきもち焼きだった。
「あ・・・・・」
身体が重い。
動きたくても自由にならない。
「どうしたんです?イルカ先生顔が」
「ち、ちょっと・・・・・」
声をしぼりだす。
「イルカ先生は休んでいて、今、俺が何か身体にいいものつくりますね」
カカシはニッコリと笑った。
疲れているだろうに。
夕飯の支度を始めた。
"辛くて”
”ただ辛くて”
カカシにあの話なんか出来ない。
誰かを好きになる素晴らしさを彼が教えてくれた。
ずっと一緒にいたい、。
この先、二人で・・・・。
カカシはあり合わせで手早くイルカの好きなオムライスを作った。
カカシは料理上手だ。
イルカと同様に両親と早く死に別れているから、大抵の事はなんでもできる。
カカシは目を見張った。
何時ももりもりのイルカがオムライスを半分も残した。
「熱はないですね・・・でも寝てください」
「はい・・・」
カカシは訳を訊こうとしない。
その優しさも酷だ。
イルカはよろよろベットにむかい、毛布をかぶった。
(イルカ先生どうしたの?明日の朝が来たら俺はまた任務にでないと・・でもこんな先生は一人にできない)
カカシは横になるイルカの事を見ながら考えた。
イルカに何が起きたというのか?
翌日。
イルカは起き上がることが出来なかった。
気力がない。
「先生、火影さまには俺が上手く話しておきます。今日はゆっくり身体を休めて、多分、疲れているんですよ。・・・・誰にでもあることです」
カカシはそういい残し出ていった。
イルカはぼんやり考えた。
後、残り1年しか残された時間がなかったら、
俺に何ができるだろう?
あの人に何をしてあげれるだろう・・・
「俺の馬鹿!!」
笑顔であの人が大好きな笑顔でむかえてあげないと、
楽しい想い出を沢山つくって、
「え?」
玄関で人の気配がした。
イルカは立ちあがった。
「自来也さま・・・・」
以外な人物がひよっこりやってきた。
「カカシに留守番をたのまれてな。・・・いや、イルカお前はのんびりするといい。
今日は生理休暇だってな」
自来也はノートを持っていた。
原稿を書いているのだろう。
「最近はなかなか書く時間もなくてな。・・・・・おまえ、胸の中にもやもやしているものが、あるだろう?どうだわしに話てみては?」
「そ、それが・・・・・」
イルカは少しずつ話し始めた。
自来也さまになら、何でもきいてもらえそうだ。
そして昨日の「死亡推定時期」の話をした。
「全く、馬鹿馬鹿しい〜そんな事で寝込むほどへこんでいたのか?」
「すみません。お恥ずかしいお話ですけど・・・」
「どれパソコンをかしてみろ」
自来也はイルカにパソコンを立ち上げさせた。
「まずは綱手だ」
カチャカチャ
「ぷっ!」
自来也は吹き出した。
「後50年、100歳をこえるのか化けもんだな」
「100歳をこえる?」
「じゃあ、わし」
カチャカチャ
「うっ!」
「どうされのです?えええ〜〜?!」
あろうことに自来也余命は200年だった。
「にしゃくねん!!」
自来也はひいた。
イルカは気を取り直した。
そして、今までの落ち込みが嘘のようにバカバカしく思えた。
そんなものに振り回されていたのだから・・。
翌日イルカは元気に仕事にでた。
「イルカ、この間の死亡推定俺、お前の生年月日を間違えて、ごめん!!」
「いいよもう」
イルカはニッコリとわらった。
「おまえ後60年だって〜〜」
後60年。
果たしてホントか嘘かわからないけど。
カカシと共にこの先も生きていきたい。
カカシはイルカの話をきいて、大笑いした。
「それで、イルカ先生は大好きなご飯を残したんですか?」
「はい・・・でも、カカシ先生。もし俺が後1年しか生きる事が出来なかったら、俺はあなたに何をしてあげれるんだろうって・・・」
まっすぐにイルカはカカシをみつめた。
カカシはぎゅっとイルカの身体を抱きしめた。
「もう、そんなこと考えないで」
「はい・・・」
「でも、俺・・・それなら、どうしても叶えたい夢があるんです」
「叶えたいって?」
「誰もいない静かな教会で二人きりで結婚式をあげたい」
カカシは言った。
本心だ。
「先生、どうでしょう、この際二人で式だけでもあげたら」
「けっこんしき・・」
カカシはイルカの身体を抱き上げた。
ここは何処なのだろう?
気がつくとイルカは美しい青い空と海に囲まれた小さな島にいた。
そこには小さくて白いチャペルがあった。
「もう〜恥ずかしいです〜〜〜」
純白のウエデングドレス姿の自分。
「いいでしょ。ここずっと俺が探していたところなんです」
カカシはイルカの手をとった。
後何年、こうして二人はいられるだろう。
でも今は最高に幸福だ。
何よりも大切に想える人がいる。
二人でいられることがどんなことよりも、
二人は深い、深い誓いのキスをした。
あなたをTOWANI愛することを誓います。
永遠に・・・。
END。07.10.04
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灰色のゆめ
チャクラのきれたカカシの身体。
その身体をヤマトが軽々と持ち上げダンボールの箱に詰める。
気がつくとカカシは灰色の病院のベッドに寝かされていた。
イルカがカカシのかたわらに立っている。
優しい笑顔で、
イルカは白衣を着ていた。
手には大きな注射器。
「さあ〜カカシ先生もう大丈夫ですよ。俺がお世話をします」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
イルカは大きな注射器を見せる。
”やめろ〜〜!”
白衣のイルカはカカシのズボンに手をかけた。
「お注射です」
”ぶすつ!”
カカシの尻に針をつきたてる。
「いゃああ〜〜〜〜〜」
目を覚ますと汗だくでカカシは部屋に寝ていた。
(またか)
「カカシせんせい?」
イルカが驚いて起き上がる。
「いえ、なんでもないです。起してすみません」
「あせが・・」
イルカが立ち上がりタオルでカカシの顔をぬぐう。
明日も任務なのに。
このところこんな悪夢ばかりだ。
体調が悪いのか?
カカシは考えた。
最近、カカシ先生が夜中にうなされている。
何か俺にも話せないような悩み事があるのだろうか?
イルカは隣で横たわる恋人に胸を痛めた。
明日、さり気なく綱手さまから、訊いてもらおう。
イルカは明日の予定をぼんやり頭の中にうかべた。
暑いけど清清しい朝。
イルカは何時もより早起きして朝から魚を焼いた。
カカシが着替えて出てきた。
「おはよう。せんせ〜」
「おはようございます」
「豪勢ですね朝から」
「ゆっくりと朝食を食べるとその日はいい事があるんです」
「それは、早起きは三分の徳ですね」
「あ?いえ、早起きは三人の徳ですよ」
ははは。
二人は笑いあった。
ご飯をすませめいめいに。イルカは受付に。
カカシは火影室に出向く。
火影ルームには大きなダンボール箱が積み上げてある。
(だんぼ〜る?)
なんとなく夕べの夢みたいだ。
その箱をサクラが運んでいるのだ。
「サークラーだいじょうぶ?」
「こんなの大した事ないわ。・・・カカシ先生、綱手様がお待ちです」
「遅いぞ全く」
「すみません。これは何事ですか?」
「カカシ、今、木ノ葉の財政が苦しいのはお前も知っているな。・・・・それで皆のものには悪いがアルバイトを頼む」
「えっ?任務でなく何でアルバイトなんだ」
「それは夏休みだからだ!」
「はあ・・・・」
よく意味が飲み込めない。
「おお〜い、ヤマト!」
「はい綱手さま!」
いきなりダンボールの影からヤマトはぬう〜〜っと現れた。
ヤマトは背中に宅急便のマークをつけた制服をきていた。
(そのまんまだな)
「木ノ葉便」
鰐のマーク。
カカシはひいた。
「さあ、先輩ボクと共に大切な荷物を有明の里にはこびましょう!」
「ありあけええ〜〜!」
そうだ、あのマニアの集まった里。
里の住民はみなコスプレをして怪しい本を売ってくらしているらしい・・。
つんであるダンボールにはマジックで「カカイル」とか「サスナル」とか「シカアス」などと意味不明な言葉が書かれてあった。
「これなんですか?」
「本です。これを今回売りつくすのがボクたちのバイトです」
「そうだ、特にカカイルは膨大な資金源だ!」
「じゃあよろしく」
「しっかり稼いでね先生」
やはりダンボールの間に隠れいていた、サイとそしてサクラがニコニコしていた。
なんだかねえ〜〜。
カカシはあきらめた。
季節は夏!
8がもなかば毎日どろどろに暑い日々。
その日、「有明の里」には他里からも大勢の人々が集う。
この日は年に何回かある大型のイベントが開催された。
カカシとヤマトが運び出した荷物の中身は本。
二人は指定された場所(スペースというとヤマトから教わった)に本を高く積み上げる。
なんでもその本はサクラとサイが作っているとか?
やはりカカシたちの隣にも同じように本を並べている。
「宜しくお願いします!」
若い男の2人組みだった。
とに角暑いのなんの。
会場の熱気は凄い。
まるで戦地のようだ。
「先輩、これから後でシズネさんと紅さんが応援に来てくれるそうです・・・ゆっくり買物できますね!!」
「あの?かいもの・・・」
「もう〜欲しい新刊だらけでボク夕べ寝ないでマップに印したんです〜」
「え・・・・・・」
ヤマトは首から小銭の入った財布えを下げていた。
(こいつ、買う気満々だな)
イベントは盛大な拍手とともに始まった。
そして大勢の人々が物凄い気合で走った。
行列。
行列。
カカシたちのスペースにも行列。
「いらっしゃいませ!!」
カカシとヤマトは夢中で本を売った。
ヤマトから聞いたところサイはインターネットで小説を書いているらしい。
果たしてどんな下品な話なんだか?
2時間後。
お洒落に着飾ったシズネと紅が到着した頃には本はおおかたなくなっていた。
「あら、流石に木ノ葉ね」
「ほんとすごお〜い」
"交代するわ”
ヤマトは何時の間にか消えていた。
カカシはぽっんと残され人ごみをかきわけ外へ出た。
自販機で飲み物を買う。
空は青い。
(おれは今なにをしているのだろう?)
ふと優しいイルカの笑顔がうかぶ。
そうだ、折角だからイルカ先生にお土産を買おう。
カカシは再び人ごみの中に入った。
なんだこの行列。
ひときは目立つ行列。
ふと見ると隣にいた若い男の子が並んでいた。
「これはなんですか?」
彼はぽっと頬を染めてカカシに耳打ちした。
カカシもにんまり笑った。
彼は言った。
「R20のえっちな本です」
カカシたちのサークルは完売した。
しかしどんな本だったのか?
でもイルカにもいい土産が出来たし。
早く帰ってお風呂に入ろう。
カカシは本を大事にかかえ、少し元気になっていた。
イルカは枝豆をゆでていた。
冷たいビールにはもってこいだ!!
くいっ。
二人は風呂上りにビールを呑んだ。
「おいしい〜」
「あ、先生、今日俺ね、有明の里で凄いレアなものを買いました」
「えっ?れあもの?カカシ先生が????」
カカシは大切に持ち帰ったその本をイルカに差し出した。
イルカはパラパラと本をめくった。
すると、みるみるうちにイル表情が鬼のごと変化した。
そう、カカシがかった本はえろえろの「テンカカ本」だった。
「なにかんがえてんだああ〜〜!!」
”ずどおおお〜〜ん!”
イルカのパンチにカカシは飛んだ。
気がつくと白衣のイルカが笑顔で立っていた。
手には大きな注射器。
「さあ、カカシ先生今夜もお注射しましょう・・・・」
イルカはそっとカカシのズボンに手をのばした・・・・。
END08.07.04
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波乱
7月の7日には年に一度しか逢えない恋人たちの少し悲しいお話があった。
子供たちは短冊に願い事を書いて吊るした。
「へえ〜木ノ葉丸は火影になるのか?・・・ナルトに負けるなよ」
「当たり前だ。ナルト兄ちゃんになんか負けないぞコレ」
もえぎがもじもじと恥ずかしそうに短冊を吊るした。
「お嫁さん」
短冊にはそう書かれていた。
(かわいいなあ〜)
イルカは優しくアカデミーの生徒たちを見守った。
みんな将来は里を守るいい忍びに育つだろう。
そんな中イルカも短冊を吊るした。
「ロマンチックですね〜」
お酒を呑みながらカカシは言う。
「そうですね〜でも一年に一度しか逢えないなんて・・・」
「もし、俺と先生がそうなったらどうします?」
少し試すようにカカシは言った。
「勿論俺は待ちます」
気がついたら二人は恋人になっていた。
出逢った頃には想像もつかないことだ、
意見のくいちがいで衝突もした。
ただ、一度カカシという人を知ってしまってからは、
イルカは夢中になってしまった。
カカシは素敵な恋人だった。
「ところで先生は書いたんでしょ?なんて?」
イルカの笑顔が一瞬ひきつった。
「ま、まあ・・・・・」
「教えてくださいよ」
「そ、それは・・・あの、何時までも幸福でいれますよう」
イルカは嘘をついた。
その夜。
深夜、イルカはそっとカカシにきずかれぬよう部屋を出た。
アカデミーに走る。
教室には短冊のさがった笹。
この短冊とすりかえないと。
イルカは一枚の短冊を手にした。
「へえ〜ラーメン腹いっぱい。なんて先生らしいですね」
”ギクッ”
なんと背後にカカシが立っていた。
くすん。
くすん。
イルカは泣いていた。
「もう、先生そんなことくらいで泣かないで・・・誰だって恋人が夜中に出かけたら心配ですよ」
「ごめんなさいカカシ先生」
カカシはふんわりとイルカの事を抱きしめた。
頭をなでる。
「新しい短冊を書きましょう」
二人は二人の幸福を願って短冊を吊るした。
そんなラブな二人を少し離れたところから光る目がみていた。
二人は全くきがつかない。
七夕のお祭りがアカデミーでおこなわれた。
アカデミー出身のナルトとサクラがお手伝いに参加した。
生徒たちが笹の木の周りに群がっていた。
「ん?」
ナルトはおかしいなと思い木にちかずいた。
「げろっ!」
ナルトは慌ててイルカを呼びにいった。
「な、なんですこれは〜〜〜〜!」
”ふるふるふる”
イルカの手が小刻みに振るえた。
一枚の黒く怪しい短冊。
「生涯先輩との愛を誓います ヤマト」
と、書かれてあった。
「きいいいい〜〜〜〜!」
イルカはその紙をはずしびりびり破った。
今夜は七夕。
恋人たちにも今夜、ひと波乱ありそうだ。
END07.10.25
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作戦
ぼんやりと横になりイルカは天井を見ていた。
隣では恋人のカカシが眠っている。
(カカシ先生・・・どうしたっていうんだ)
ここ数日任務から戻るとカカシはキスだけはしてくれるが、それ以上のことはしてこない。
ベットに入ってさっさと寝てしまう。
こんなこと初めてだ。
付き合い初めてもうかなりたっが、
普段はえっちの塊みたいな彼が何もしてこないなんて・・・。
(もしかして俺のことはもう?)
嫌な想像で頭が一杯になる。
イルカはその夜まんじりとしないまま朝をむかえた。
ようやく明け方に少しだけ眠れた。
気がつくとカカシはもう部屋にはいなかった。
リビングのテーブルの上にお握りが、そしてメモには「また来ます。カカシ」とあった。
イルカは混乱していた。
(何かあったんだろうか?俺にも話せないような)
6月はあまり得意でない。
じめじめと外は雨が降る。
傘をさし、とぼとぼとアカデミーの帰り力の無い足取りで歩く。
今夜は一人だしハンバーガーでも食べていこうかな。
少し暗い気分でファーストフードに入る。
「よお!」
背後からいきなり声をかけられ、イルカは思わず飛び上がった。
そのデカイ声の持ち主は同じ木ノ葉の忍びの並足ライドウだった。
「ライドウかあ〜もう驚かさないでよ〜」
「イルカが一人で晩御飯?犯罪だなこれは」
「はあ?」
「美人は一人で飯を食わせてはいけないという訳だ。」
成り行きでイルカとライドウはサービスセットを買って2階にあがった。
「おまえ、食欲ないのか?」
「え、まあ・・・」
「そんな珍しいこともあるのか・・・それに顔色悪いな」
「そうか?」
「カカシさんと何かあったんだろう!」
"図星!!”
イルカは汗をたらした。
「ほんとわかりやすい奴だな」
果たして恋愛の相談相手に彼がふさわしいか怪しいが、イルカはぽつりぽつりとここ数日のカカシとの事をライドウに話した。
「カカシさん、淡白になったんじゃないか?」
「たんぱくう〜」
”ありえない!”
「イルカはさあ、もっとそうだな、お色気作戦とかやってあの人のえろいハートを目覚めさせないとな、刺激的、うっふう〜〜ん★だ」
「刺激的、うっふう〜ん★って?」
ライドウは店じゅうに響く大声で説明を始めた。
店にいる他の客の視線は冷たい。
「いいかわかったな」
「うん、やってみる有難う」
「成功したら女の子紹介しろよ」
「うん」
お色気大作戦。
何だか狐につままれたような話だが、
少しでもアクションをおこしてみよう。
そして恋人としてあの人の為に・・。
カカシは自分には勿体ないくらいいい恋人だった。
美しい人で自分より料理や掃除も得意で、そんな素敵な人を今まで俺が独占していたのだ。
〜〜ピピピピピ〜〜
その時イルカの携帯が鳴った。
(だれ?)
携帯を開く。
「トビです」
最近メル友になった渦巻き顔のトビだった。
「イルカ、今日またディダラ先輩からしめられた。これから角都たちとカラオケにいくがイルカも来るか?」
お誘いのメールだった。
「ごめん。今夜は用事があるからまたね」
イルカは返事を打った。
予定では明後日の夜カカシが帰ってくる。
まだ雨はやむこともなく降り続けていた。
カカシは任務の帰り洋菓子店に入りケーキを2個買った。
勿論イルカへの土産だった。
カカシにはケーキの美味さがわからないが、イルカにはたいそう美味しいらしく、ぺろぺろお皿まで舐めそうなかんじなのだ。
きっとイルカは喜んでくれる。
ケーキの箱を手にスペアキーで部屋にあがる。
部屋は薄暗い。
居るはずなのに。
どこからか香の匂いがする。
”ちゃらりらららああ〜〜〜〜♪”
唐突にムード音楽が鳴る。
「あ?」
イルカが、
白いバスローを羽織って立っていた。
シャンプーしたての黒髪はおろされ、濡れていた。
バスローブの下からはだけた胸。
ピンク色の乳首。
「カカシ先生・・・」
うるうるうる。
カカシを見上げる瞳はしっとりと潤んでいる。
「なあに?」
「うっふう〜〜ん」
「ね、ケーキ食べよう」
カカシはちらりと見たがそのままキッチンに消えた。
”ぜえぜえぜえ!”
カカシの額には大量の汗がたれていた。
カカシ先生にはお色気作戦も効果がないのか?
まさか本当に淡白に・・。
このままだと二人の生活もお仕舞いだ。
それだけは絶対いやだ!!
カカシがトレーに紅茶とケーキを乗せて運んできた。
「わあ〜チョコタルト」
「すきでしょ」
一瞬イルカは現実を忘れた。
イルカがケーキを食べている間にカカシはお風呂に入ってしまった。
そして午後11時二人はベットへ。
イルカはカカシにぴったりと身体をよせた。
両腕をカカシの首に絡ませ唇を押し付けた。
イルカにしては大胆な攻撃だった。
「ごめんねーイルカ先生」
カカシは、断ってきた。
(俺はカカシ先生に拒否された)
イルカはついに耐えられなくなりしゃくりあげた。
今までこらえてきた想いで後から後から涙が彼の頬を落ちていった。
「イルカ先生!」
カカシは飛び起きた。
「なんで〜?」
「どうしたっていうんです?」
「あなた、淡白なんです!!」
「はあ?」
とに角、イルカ先生泣かないで。
カカシはボリボリ頭をかいた。
イルカは泣いている。
「ついに泣かせてしまったね。・・・・わかったイルカ先生本当の理由を話すから、もう泣かないでください」
「ほ、ほんとうの・・・・りゆう?」
イルカは目をこすった。
カカシはベットを降りて、
パジャマのズボンに手をかけた。
そしてイルカに自分の尻を見せた。
カカシのお尻には大きな青いあざ。
数日前の任務でカカシはお尻を強打した。
「ね、わかったでしょ。もう〜〜ムラムラさせないで先生」
「本当に俺のこと嫌いになったんじゃあ?」
「バカだね〜」
カカシはイルカの事を思い切り抱きしめた。
「バスローブに乳首、おれもう失神しそうです〜〜また治ったらお願いします」
イルカのお色気作戦はどうやら成功したらしい。
「恋人に青い尻なんて見せたくないですね」
カカシは明るく笑った。
「ああん〜〜もう〜〜いゃああ〜〜」
お尻の回復後のカカシは以前にもまして、激しくなっていた。
いやです、と言いながらもイルカは幸福をかみしめていた。
END08.06.05.
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欲望120% 本当は怖い忍者の医学
はたけカカシさんは木ノ葉でも優秀な忍びでした。
高度なSランク任務を多くこなし、人望のある里の誇りでした。
そんなカカシさんの趣味はエッチな小説を読むことです。
時々場面も考えず読みふけることも。
そしてもう一つ彼には好物がありました。
それは恋人のうみのイルカさんとの夜の生活。
はたけさんは任務に私生活にと日夜励んでいました。
カカシさんは今夜もたっぷりとエロ小説を読み。
そしてイルカさんをお腹いっぱい御馳走になりました。
そんなカカシさんを第1の警告が襲いました。
”ひくひく”彼の胃袋がどうしたことか痛みました。
(あれ?どうしたのかな?食べすぎかなあ?)
カカシさんはベットをおりて、市販の胃腸薬を飲みました。
(薬も飲んだんだし、早くイルカ先生と続きをしないと)
彼はただの胃痛とタカをくくりました。
まさかそれが恐ろしい病魔からの警告だと知らずに・・・。
翌日。
カカシさんは朝ご飯を食べていました。
玉子焼きを箸ではさんだ瞬間突然激しいムラムラという生理的欲求がカカシさんを襲いました。
「イルカ先生!!」
息も荒く恋人に襲いかかるカカシさんに、
「どうしたんです?朝から」
恥ずかしがりながらもイルカさんもまんざらではありませんでした。
結局、この日は二人とも遅刻をしました。
(それにしても突然のムラムラだなんて?)
ほんの少しカカシさんは首をかしげました。
もし、この時カカシさんが自分の身体の異変に気がつき早急に病院へいっていれば、
悲劇は起こらなかったでしょう。
その翌日。
任務を終え、同僚のアスマさんとカカシさんは居酒屋でお酒を呑んでいました。
"ムラムラムラ”
そうです!
あの昨日のムラムラがカカシさんを襲ったのです。
それも昨日よりもはるかに激しい。
「どうした、カカシ?」
「ん、ちょっとトイレ」
「なんだよ下痢かよ」
「ま、そんなところだ」
カカシさんは居酒屋のトイレに飛び込みました。
そして3回、抜きました。
ようやく激しいムラムラは治まりました。
そして3ヶ月後。
その夜はカカシさんとイルカさんにとっての恋人になって一年目のお祝いの大切な夜でした。
二人は大きなケーキを飾りワインで乾杯しました。
〜〜ムラムラムラムラアアア!〜〜〜〜
そうです、あの3ヶ月前におきたムラムラがカカシさんの身体を激しく襲いました。
「カカシ先生!!」
カカシさんはムラムラを押さえきれすその場に倒れました。
〜ぴ〜ぽ〜〜ぴ〜〜ぽ〜〜
病魔からの第1のシグナルは胃痛でした。
それをただの胃痛とかたずけ病院にもいかずカカシさんは放置していました。
そして次ぎなる警告があの激しいムラムラ。
もし、あの時すぐに病院へ行っていればこんな事態にはならなかったでしょう。
はたけカカシさんの身体を蝕んでいた病は・・。
『病名 破廉恥症候群』
現在木ノ葉の1000人に1人がこの恐ろしい病にかかっています。
これは、エッチな本を読み続けていたり、
夜の生活ばかり極端に励むことによりひきおこす、病なのです。
そして、1ヶ月後。
「イルカ先生」
カカシさんに笑顔が戻りました。
恋人の献身的な看病のおかげでカカシさんは再び健康を取り戻しました。
今では夜は健康的にテレビを観たりえっちの回数も人並みになりました。
「あなたは、18禁の本ばかりみてませんか?そして何より夜の生活で身体を酷使していませんか?・・・・このままほおっておくと大変なことになりますよ・・・」
END
すみません某番組のぱくりです。
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誓い
静かな音楽がコンポから流れてくる。
休日前のいい夜だった。
"今夜こそは”
はたけカカシは隣でお酒を呑み、顔を赤くしているイルカの横顔を見た。
"今夜こそ、彼と結ばれたい!!”
それがこの里をきってのエリート忍者の願いだった。
「カカシ先生。俺、酔ってしまいました」
「そう、でも明日は先生非番だし、もっと呑みましょうよ」
イルカのグラスにカカシはビールをそそぐ。
(いける!!)
(絶対ものにする!!)
カカシはそっとイルカに手を伸ばした。
ここはカカシの部屋。
誰にも邪魔はさせない。
一瞬、イルカが怯えた表情をした。
(かわいい)
カカシは彼を抱き寄せる。
ふんわりと甘い匂いが。
これが、素敵イルカ先生の香り。
「だめ」
イルカはもがいた。
(恥ずかしがったりして〜〜)
カカシはイルカに口つけた。
少し長いキスを二人はした。
そのまま、カカシは勢いにまかせてイルカの身体を床にゆっくりと押し倒した。
「い、いやです!」
イルカが慌てた。
「俺のこと嫌いですか?」
カカシは困ったような顔で言う。
イルカは少し首を振った。
「なら、」
「でもお〜〜」
”イヤイヤ”
イルカは首を振った。
カカシはたまらなかった。
そういう恥じらいの姿がたまらない。
余計にカカシを夢中にさせる。
カカシはイルカの上着をはいだ。
カカシより少し細身のそれでいて肌は日焼けして健康的だった。
美しい身体だった。
カカシはさらにズボンに手をかけた。
「やめてください!!!」
イルカははっとして逃げ腰になっていた。
(どうしてイルカ先生?)
嫌がるイルカ。
「いやああ〜〜〜」
「どうして?そんなこと言われても俺もう抑えられない」
「ズボンだけは勘弁してください!」
なんだか訳のわからないことをイルカは言った。
しかし、カカシは負けなかった。
嫌がるイルカのズボンをホックをはずし、思い切りおろした。
「こ、これは・・・・・!!!!」
「ああああっ!!!」
イルカは両手で顔を隠した。
カカシが見たものは!
ズボンの下には真っ赤な毛糸のパンツ。
しかも柄はクマちやんだった。
”しくしくしく”
イルカは泣いていた。
カカシは優しくイルカをなだめた。
「俺がそんな事くらいであなたを嫌いになったりしません・・・でも、プッ」
"毛糸のパンツ”
思わずカカシは吹いた。
「だって子供の時母ちゃんが・・・男はお尻が大事だから絶対冷やさないように。毛糸のパンツをはくようにって」
なんというイルカ母なのだろう。
しかしお尻は大切だ。
「俺の秘密知りましたね?」
「誰にも言いませんよ・・・・大丈夫」
「ホント?約束してください」
「ええ」
カカシはベットに隣で寝ているイルカに”ちゅっ”とキスをした。
イルカは落ち着いた。
指をだして、
二人で指きりをした。
カカシはイルカのパンツのことを黙秘することを誓った。
「でも、そのかわり、俺の恋人になってください!」
イルカはそっとカカシの背中に腕をまわしキュッとカカシに抱きついた。
それが答え。
数日後。
カカシは上忍仲間のアスマと酒をのんだ。
そして、ついポロリと毛糸のパンツの事を話してしまった。
アスマは大笑いしている。
涙まで流して、
カカシは酔っていて、そのことの重大さを忘れていたのだから。
折角、恋人同士になれて初めての約束なのに。
カカシはイルカに嘘をついた。
その夜。
カカシはベットで休んでいた。
”サワサワ”
窓を開けていないのに風がカーテンを揺らした。
カカシは妖しい気配に飛び起きた。
「い、イルカ・・・せんせい?」
そこにはイルカにそっくりな女性が立っていた。
「あんた、よくもうちの可愛いイルカとの約束を破ったね」
それは間違いないイルカの母。
「すみません・・・悪気はなかった」
「わたしの大切な息子を裏切ったんだね!」
母は怖い顔をした。
「ち、違います、俺はあの人のこと・・・とても大切で、誤解です!」
カカシはイルカの母親に必死で詫びた。
そして言った。
「息子さんは一生大切にします!!」
そのカカシの言葉をきいて、イルカの母親はニッコリと笑った。
イルカそっくりの優しい笑顔だった。
「大切にしてね。・・・カカシさんあの子を宜しく」
そして、すう〜っとイルカの母の姿は消えた。
いったい、今のは何だったのだろう?
カカシはその晩は眠ることが出来なかった。
自分の罪を思い知った。
よく晴れた気持ちのいい日。
カカシはイルカと買物に街へでた。
お互い多忙で休みが重なるのは貴重だった。
カカシはイルカが喜ぶような中華の店でランチをした。
イルカもとても喜んでくれた。
そして、カカシはイルカをジュエリーショップに案内した。
「わあ〜すご〜〜い、こんなの見たことない」
イルカは高価なショーケースの中のダイアに目を丸くした。
おおきなダイアモンドの指輪。
カカシは店主を呼んだ。
そして無言でイルカの左手を掴んだ。
「この薬指にサイズをあわせて〜」
「カカシ先生!?」
突然のことにイルカは焦った。
(大切にします。息子さんのことは俺がきっと)
カカシはイルカの母との誓いを守った。
END07.02.11
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給料前の君へ2008
物価の高騰。
すべては弱い者を犠牲とする、そんな世情。
ここに一人の庶民がいた。
昨夜この庶民の恋人が言う。
「たまには焼肉したいですね」
「ええ〜そうですね!」
なんて、言った俺が馬鹿だった。
イルカはもうスーパーの肉売り場で15分も立っていた。
パンも牛乳も小麦粉もみんな値上げした。
高い!!
明日はあの人が家にくる。
今日は20日。
給料前。
寒い。
イルカはやがて肩をおとし、売り場を去った。
いっそ、チエーン店の牛丼で誤魔化すか?
いや、あれも何かと問題ありだし。
ぐう〜〜
腹が減った。
イルカは「一楽」に入った。
「あ、イルカ先生〜〜」
テウチがイルカを見て複雑な顔をした。
(どうしたんだろう)
何時も笑顔で迎えてくれるのに。
「そ、それが・・・・」
「へ?」
「すまない、イルカ先生!!」
テウチは頭を深くさげた。
「どうしたんです?俺なにか」
次ぎのテウチの言葉はイルカを不幸のどんどこに落とした。
「今日から、チャーシューは1枚200両に値上げします。それからラーメンはすべて800両、ネギは20両」
”ぶくぶくぶく”
イルカは自分の口からふいた泡で溺れた。
もう、許せない!!!
「ねえ、ナルト知ってた?イルカ先生今度の選挙に出馬するって?」
「うそおおお〜〜〜!」
END |
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伝説
里では今、ちょっとした話題になっている出来事があった。
「木ノ葉アイドル王コンテスト」
優勝すれば晴れてアイドルとしてデビューできるのだ。
「アイドルだあ〜〜〜!わはははリーよついにお前の出番だ!!」
ギラリ
何時にもまして暑苦しいドアップでマイトガイが笑った。
「はい、頑張ります!」
リーは意味もわからずコンテストに応募させられた。
一方、名門「日向家」
ネジがヒアシに呼ばれた。
「この戦いには日向一族の名誉がかかっている。ネジ、必ず優勝するのだ!」
「当然です」
”キラリ”
美しいネジは自信に満ちた笑いをうかべた。
里中が大騒ぎだ。
そんな中イルカは悩んでいた。
ぶたさんの貯金箱を割った。
中から小銭が出てきた。
何度数えてもお金はふえない。
「ふう〜〜〜」
イルカは深くため息をついた。
と、言うのも数日前。
カカシがイルカの部屋に泊まりにきた時のこと・・。
二人は何時もどうりお酒を呑みながら熱く語り合っていた。
「そういえばカカシ先生・・・・今年のバースデーに何か欲しいものとかありますか?」
カカシはにこにこ笑った。
「そのお祝いしてくれるイルカ先生の気持ちでいいんです」
「そんなあ、俺には今年高価なネックレスを贈っていただいたのに。・・遠慮しないで、ど〜〜んと言ってください!」
酒もはいり気が大きくなってイルカは言った。
「ほんと?」
「ええ、男の約束です!」
「じゃあ、新しいお部屋、広いお部屋に引越ししたいです」
「う・・・・・・・」
イルカは腰がぬけそうになった。
実はカカシは冗談で言っただけだったのだが、
「わかりました。俺にまかせて」
イルカは真面目に答えた。
・・・とは言ったものの・・・
俺の貯金は大したことはない。
ああ〜宝クジでも当たらないかな?
ド〜ンと「木ノ葉ジャンボ」
イルカは宝くじを求め街にでた。
(あつい〜〜)
外はむしむしと暑い。
イルカは喉がかわき、お茶を買うためコンビニに入った。
コンビニにはリーとナルトが漫画を立ち読みしていた。
「イルカ先生!」
二人はうれしそうにイルカの方によって来た。
「ちゃんとやってるか?・・・何時でもアカデミーに帰ってきていいんだぞ」
「もう、いいってばよ・・・それよりさあ、俺今度アイドルになるってば」
「ナニを言っているんです、ナルト君それはボクです!」
「あ、い、ど、る?」
何の話題だ。
「優勝したら歌手デビューと賞金がたくさんでるってばよ・・・そしたら一楽を買い取るってば」
「いくらでるんだ?」
「5000万両」
(それだけあれば)
「あ、イルカ先生はもうおじさんだから駄目だってばよ」
そんなナルトの言葉はイルカの耳をスルーした。
気がつくとイルカは応募ハガキをもらっていた。
今年は木ノ葉でアイドル王コンテストを開催する。
そこに謎の人物がいた。
白銀の長い髪をなびかせた。
テレビコノハプロデューサー。
その名は、たんぼサクモ。
今回彼の仕掛けた大イベントはアイドルコンテスト。
イルカはてくてく薄暗くなった商店街を歩いていた。
夕飯の材料をさがして、
(アイドル王なんて夢みたいだな)
現実の俺はスーパーで安い茄子を買う。
その時。
「そこの美しい君!」
「えっ?」
イルカの動きが止まった。
そして顔を声の方にむける。
美しい銀色の髪の素敵な大人の男が立っていた。
サングラスで顔はよくみえない。
イルカはぼ〜っとした。
ぽろりと手に持っていた茄子を落とす。
気がついたときはその男と純喫茶にいた。
男は珈琲をイルカはトマトジュースをたのんだ。
「私は、有名プロデューサー、たんぼサクモ」
"びしっ”
「え?たんばさんは霊界にいったんでは?」
「いえ、たんばではなく、たんぼです」
プロデューサーなんて初めてみる。
”どきどきどき”
イルカはときめいた。
「君ならなれる。アイドルに!!」
”きたあ〜〜〜〜〜!”
そしてイルカの厳しい影のレッスンが始まった。
イルカは勿論カカシには隠して、
毎日仕事がひけるとたんぼサクモから唄や踊りの稽古をうけた。
コンテストまで後一月。
イルカは毎日汗を流した。
今夜もたんぼさんに叱られた。
疲れた重い足でアパートに帰る。
(駄目だ、ここでくじけては)
階段をやっとのことで登る。
部屋にはカカシが待っていた。
「おかえり、先生。・・・・先生、痩せた??」
「はい、熱いですから少し」
イルカは笑顔をみせた。
「駄目です。もしかして無理なダイエットとかしているんじゃあ?」
カカシはぎゅっとイルカのことを抱きしめた。
”ふらり〜”
イルカの身体から力が抜けた。
「イルカ先生!!」
カカシはイルカをベットにはこんだ。
横にさせ冷たいタオルをつくり頭にのせる。
貧血のようだ。
(おかしいねえ?)
カカシはイルカの部屋を見回した。
最近疲れているのか部屋は乱雑だった。
寝ているうちに少し掃除をしようとカカシは洗濯物らしい衣服を持ち上げた。
”ひらり”
一枚の紙が出てきた。
「めいし?」
カカシは名刺を見て口を開けた。
”たんぼサクモ”
誰それ?
そんなカカシの心配をもこえ、
「アイドル王コンテスト」は派手に開催された。
「木ノ葉ドーム」には大勢の観客が押しかけた。
その日、
カカシは朝イルカからチケットを渡された。
(そんな、イルカ先生無茶な!)
しかも他の出演者はナルトやリーそしてネジ。
他里からはカンクロウやよくわからない、暁のジャシン教の男まで、
(やめれ〜〜〜)
カカシは頭おさえた。
俺が少しイルカ先生に甘すぎたのだ。
(今夜こそびしっと言ってやる)
カカシは客席を歩いていた。
その時。
”きらり”
会場の中にひときは目立つ銀色のカカシと同じ色の髪。
一瞬だがカカシには見えた。
「そんな馬鹿な・・・」
それはカカシが子供の頃に亡くなったはずの彼の父親。
「他人のそらに?」
カカシは頭をふった。
親父が生きているわけない。
カカシがその男をさがそうとした時、コンテストが始まった。
ナルトたちは唄ったりダンスをしたり会場は盛り上がった。
しかし、カカシが心配しているように、イルカは出てこないようだ。
(よかった。俺の取り越苦労で)
カカシは安心して席を立った。
その時。
『それでは、本日最後のエントリーです。しっぽ隊!!:』
(しっぽお〜〜!?)
(わああああああ)
そして舞台には多重影分身で5人になったイルカたちが・・・。
賑やかに登場した。
”きゃあああ〜〜!”
”きゃああ〜〜!”
信じがたいことに、
女性も
男性も
大人も
子供たちも。
「しっぽ隊」に心を奪われた。
イルカたちはしっぽをふりふり元気に踊り始めた。
会場の客たちは総立ちになり、一緒に踊り始めた。
最高のステージだった。
イルカはアイドル伝説をつくった。
ただ、デビューだけは恋人から猛反対されあきらめた。
でもまあ、賞金がっぽりもらい、
二人は新しい住居を手にいれた。
「しっぽ隊」
それは幻のアイドル。
そして、銀色の髪のたんぼサクモとはいったい何者なのだろう・・・・。
一つの謎が残った。
END07.08.
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エースを狙え!!!
ここは美しい高台にある緑色の木々にそこからは海が見えた。
うみのイルカは木ノ葉学園の一年生。
大きな夢を胸にいっぱいに憧れのテニス部に入部した。
木の葉のテニス部には、イルカが憧れる先輩がいた。
テニス部の華
「おカカ婦人」
美しい銀色の縦ロールの髪にそしてテニスプレイヤーとしても抜群の選手。
そして、もう一人、イルカが心をよせる相手がいた。
それは男子テニス部の王子様「カカ堂先輩」
そんな夢みがちな乙女のイルカの前に新しいテニス部のコーチが現れた。
白銀の髪をかっこつけてなびかせた、コーチ。
名は「宗カカコーチ」
宗カカは女子テニス部のコーチだった。
そして、行き成り、一年生のイルカを県大会のメンバーに選んだ。
まだ、駆け出しの何も出来ないイルカはその日から宗カカの鬼のように厳しいレッスンが、イルカを待っていた。
この日も一人残されイルカは汗を流した。
努力家のイルカは歯をくいしばり頑張る。
「うみの。これから二人だけで特別のレッスンをする」
「はい、コーチ!」
イルカは少し世間知らずのところがある。
気がつくとイルカは宗カカと怪しいラブホテルにいた。
(いったい何のレッスンなの?)
「うみの。・・・テニスに一番大切なものは何だ?」
クールに宗カカは言う。
「はい。情熱と根性です!」
「ばか者!・・・一番大切なものは〜〜〜」
『風呂だ!!』
え?
一瞬イルカはフリーズドライした。
「脱げ!!」
「あ、はい、コーチ!!」
イルカは風呂に入った。
宗カカも裸で入ってきた。
「まずはたまを受けるレッスンだ!」
「いや〜」
大きな恐竜がゆれていた。
イルカはそれを洗わされた。
ごしごしと。
「うみの」
「はい」
「おカカに勝ちたいだろう?」
「はい!」
「ならばこれを口にくわえろ」
「ええ??」
鬼畜なコーチのそれをくわえた。
少しだけイルカは胸がどきどきした。
(ああ〜〜〜)
何て凄いレッスンなの?
イルカはコーチに食われてしまった。
翌日。
腰痛をかかえイルカは登校した。
”チャリン〜チャリン〜”
後ろから自転車で素敵なカカ堂先輩が走ってきた。
ハンサムで優しい先輩。
「イルカちゃん」
「カカ堂先輩」
「どうしたの顔色悪いみたいだね」
「な、なんでもありませ〜〜ん!」
昨夜のことは先輩には言えない。
「ね、今日の帰り二人で牛丼屋さんにいこう!」
「わあ〜〜!」
カカ堂先輩と牛丼なんて〜
”るんるんるん”
イルカは嬉しくてスキップをした。
そしてテニス部のコートに入った。
が、
「イルカ、よろしくってよ!!」
”びゅう〜〜”
その時。
イルカめがけて。
おカカ婦人の球の攻撃が始まった。
「いゃあ〜〜」
イルカは倒れた。
「イルカ。そんなことでわたくしに勝てるとおおもい?」
おカカ婦人は長い髪をかきあげた。
「夕べはコーチとレッスンしたそうね」
"ギクッ!”
「今夜はわたくしがお相手してあげてよ〜うっふ〜〜ん」
”ぞおおおおおお〜〜〜!
今日は先輩と楽しいデートなのに!
でもおカカにはさからえない。
イルカの乙女心はゆれた。
カッコイイカカ堂先輩。
美しいおカカ婦人。
秤にかけて、
そしてイルカの中で宗カカコーチが勝った。
夕方の牛丼はとても美味しくてカカ堂先輩は優しく自転車に二人乗りさせてくれたが。
途中でおまわりさんに怒られた。
「イルカちゃん。おいしい?」
「はい!」
ニッコリとイルカは笑ってそして何気なく店の外を見た。
牛丼屋のガラスには、宗カカコーチとおカカ婦人がはりついていた!!!
「エースを狙え、イルカを狙え!」
そしてその後イルカはだれと・・・・。
おしまい。
無責任に終わります。
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俺と胃痛 秋葉原系
気持ちいいけど最近暑い5月のある日。
カカシは河ぞいのベンチに腰掛けた。
恋人のイルカが持たせてくれた愛情弁当。
(ふふふふ)
”何だカカシ、飯喰いにいかないのか?”
”今日は丼屋に行く話ですよ”
文句を言う仲間のアスマとゲンマ。
俺だけのお昼。
至福のランチタイム。
かわいいイルカ先生が早起きして作ったお弁当。
(さあ〜どんなかわいいお弁当だろう)
カカシは綺麗な水玉のランチボックスをひらいた。
”ぽろり〜ころころころ〜〜!”
缶が転がった。
「あれ?」
カカシはスープを拾った。
「ううう〜〜!」
それはスープなどではない。
『ラーメン缶』
「うそお〜〜〜!」
そしてタッパーにはぎっちり白い飯。
ラーメンライス!!
イルカには悪気はない。
少しだけ彼はセンスが人と違うだけだ。
タッパーの下に紙が入っていた。
(これ、もしかして?)
”お仕事頑張ってね”
"スキスキカカシ”
とか書いてあったりして・・・。
どきどき。
わくわく。
カカシは紙を開いた。
『ご飯にラーメンの汁をかけて食べると美味しいです』
"イルカ先生の、馬鹿!!”
カカシは泣きながらタッパーのご飯にラーメンの汁をかけた。
しかし、以外にもこれがナカナカぐ〜〜でした。
おまけ。
カカシはランチボックスの中身を見落としていた。
まだ何かある。
小さな缶。
水羊羹。
い〜ね。
夏じゃない。
しかもピンクの梅羊羹なんて、
お洒落すぎて、今臨海副都心でも流行っているとか?
そう考えてカカシは寒くなった。
「イルカ先生の〜〜おお馬鹿〜〜!!」
カカシは河に向かって叫んだ。
そのランチの後。
にやにやとアスマとゲンマが意味深い笑顔でカカシをみた。
「なに?」
「いいよなあ〜〜弁当作ってくれる相手がいて」
「ま、おまえこそ紅に作ってもらえば」
「あいつの料理は・・まずい」
「それなら、シカマルに頼んだら」
「バカいえ〜」
”ぽっ!”
一瞬アスマの顔が赤くなった。
「ふ〜ん本命はシカマルかあ〜」
カカシはひやかした。
「ったく、どいつもこいつも男同士で」
ゲンマは嫌そうに言った。
「知ってるよ。・・・・先週あんたライドウと男ばかりの美少年のいるメイド喫茶にはいっただろう?」
「そ、それは・・ライドウが話のねたに〜〜〜」
色男のゲンマも・・・。
木ノ葉はもうすぐ夏。
忍者たちの頭の中も夏。
”きりきりきり”
今日もどこかでだれかの胃が痛む音がする・・・。
END
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