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い〜〜な!
「ちょっと、あなた、何て酷い事しているんです!!」
うららかな昼下がるのDランク任務は彼の新米部下たちの為のものだ。(今となっては懐かしい)
カカシ班、カカシの部下、ナルト、サスケ、サクラは草むしりに励んでいた。
そこにアカデミーの先生が駆けてきた。
「あのうなにか?」
「イルカ先生どうしたってばすごい顔で?」
「ナルト〜お前まで、とに角皆今すぐやめるんだ!」
アカデミーの熱血先生、うみのイルカ。
どうやら彼は草むしりが気に入らないらしい・・・。
イルカは言った。
「雑草だって立派な食料なんです、ほら、こうやって〜」
イルカはベストのポケットからマヨネーズを取り出した。
「マヨネーズをつければ野菜に!!」
”あっはっはっはあ〜〜”
涙を流してカカシは笑った。
(この人最高に面白い!)
翌日。
カカシは夕方のスーパーに買物にでた。
夕方恒例のタイムサービスに人々が集まる。
その中に元気のいいしっぽが見えた。
イルカは夢中で牛乳と卵を籠に入れていた。
カカシも思わず買物をした。
「ねえ〜イルカせんせ〜おソースついてますよ」
「えっ!」
二人はスーパーのイートインコーナーで「たこ焼き」を買った。
”クスクス”
カカシは思わず昨日の雑草事件を思い出した。
「なにがおかしいんです!」
イルカはむっとした。
「いえ、かわい〜ね、イルカ先生」
”かああああ〜〜〜”
イルカはゆでだこのように赤くなった。
そんな顔が以外と愛らしい。
「ね、これから俺の部屋こない?」
「はぁ?」
唐突でイルカは首をかしげている。
まだ出逢って間もない二人。
イルカは躊躇した、里の有名人ではないか!
”ひくひくひく”
「あれ?残念だなあ〜〜貰いもののローストビーフとワインが・・・俺一人じゃあ食べ切れなくて〜」
”がたん!”
イルカは立ち上がった。
(いい〜〜なあ〜この人)
そしてカカシの策略は、
”い〜〜な〜この人”を食うことだった。
それはそれはナチュラルな味だったとう。
今ではとても懐かしい二人のあの頃・・・。
おしまい。
08.08.22.
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あなたからのサプライズ
ポストの中に真っ白な封筒が入っていた。
イルカはそれを手に取った。
「はたけカカシ」
差出人にはそう書かれてあった。
はたけカカシはイルカの元教え子の担当上忍だ。
(なんだろう?)
イルカは封を開こうとした。
そこで目が覚めた。
(ゆめ・・・・?)
ベットの中で考える。
カカシ先生から手紙をもらうなんて、
カカシとは何度か言葉を交わした程度の仲だ。
里ナンバーワンの上忍は普段はとぼけた人柄だった。
いったいあの手紙には何が書かれてあったのだろう?
その晩イルカは中忍仲間と居酒屋に入った。
仕事がえりに一杯呑むビールは美味い。
今年は秋になっても毎日暑くビールがおいしかった。
「あそこあいてるぞイルカ」
友達が空いている席を確保した。
イルカは席にむかった。
そして”はっとした。
隣の席には、
はたけカカシと特別上忍の不知火ゲンマの二人がいた。
「イルカ先生、奇遇ですね〜」
「あの、ここ失礼してもよろしいですか?」
イルカたちは少しためらいながら席についた。
「イルカ、今日カカシさん誕生日なんだよ」
ゲンマがにっと笑った。
「もう〜やめてよ・・・・もう誕生日って歳じゃないんだから」
「ホントですか?・・・おめでとうございます!!」
イルカはカカシにビールをすすめた。
イルカたちとカカシたちはそれから2時間ほど楽しい時間を共有した。
(不思議だな)
それから数日が経過した。
空からぽっぽっと雨が降っていた。
イルカも傘をさしトボトボ歩いていた。
同じように雨の中を傘もささずに背中を丸め歩く男を見つけた。
(カカシ先生!)
イルカは勇気を出して傘を差し出した。
カカシはびっくりして目を丸くした。
「どうぞ。男同士で狭いですけど、濡れますよ」
「あ、ありがとう」
カカシは丁度報告の仕事があった。
イルカは胸が高鳴った。
二人で雨のなかを歩く。
どちらも言葉は交わさなかったが、
とても暖かい気持ちだった。
やがてアカデミーへ到着した。
「有難うイルカ先生、とても助かりました。・・・・・・それでお礼としてですが、今晩飯いきませんか?」
「わあ〜〜」
ぱっとイルカの顔が輝いた。
「へえ〜〜そんなことあったんですか?」
イルカの部屋でごろごろしながらカカシは言った。
その後二人は付き合う仲に発展していた。
「あの夢の中の手紙がとても不思議で・・・・でもいったい何が書いてあったのか?」
「ホント不思議ですね〜」
二人は笑いあった。
そしてその夜。
カカシは夢をみていた。
カカシの部屋のポストに白い封筒が届いた。
「うみのイルカ」
カカシはそれをハサミで丁寧に開封した。
白い便箋には一言、
「運命」
と書かれてあった。
深夜、カカシは目が覚めた。
”うんめいって?”
イルカとの会話を思い出す。
隣ではイルカがぐっすり眠っていた。
イルカに届いた手紙にも、もしかしてそう書かれてあったのかも知れない。
カカシは自分の運命の額にそっとキスをした。
世の中には言葉や常識で解明できないことが沢山ある。
時代がかわり、進化しても、
誰にも解明できない、
不思議が、
END(07、09、9.15)
昨年のカカシ誕にご一緒できた(チャット)お二人の素的な方に贈りました。
今年もカカシ先生おめでとうございます。
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棚あげ!
暑く気候の不安定な夏が終わるそんなある日。
カカシは恋人のイルカを連れて、「このたん」デパートにいった。
久ぶりのデート。
二人は迷わずメンズの下着のコーナーへ。
そこには色とりどり柄とりどりのトランクスやブリーフ。
「これなんかイルカ先生にぴったりです」
カカシはピンクの紐パンを手にした。
「もう〜なに考えているんです」
そう言いながらも嬉しいイルカであった。
さり気なくカカシに紫のボクサーをみせる。
カカシの趣味はえろかった。
何時も黒のビキニやぴったり身体にフィットしたものを好んだ。
付き合い初めた頃はイルカは赤くなるばかりだった。
男二人デパートのアンダーコーナー。
「イルカ先生、隠れて!!」
「え?」
二人は売り場の影に隠れた。
パンツコーナーに現れたのはイズモとコテツ。
「おい見ろよ〜〜黄金のトランクスだってさ〜」
「コテツこれなんかお前に似合いそうだな、ふふふ」
二人は楽しそうにパンツを選びだした。
「男同士二人でパンツを買いに来るなんて、いゃらしいですね、イルカ先生」
「ええ、不潔です!!」
自分らは何なんだか二人はそこを後にした。
次ぎに二人がのぞいたのはカカシの好きな本屋。
カカシはエロ雑誌のコーナーに迷わずいった。
「もう、またですか?俺って恋人がいるのに女の裸なんて」
イルカはむくれた。
「イルカ先生もたまにはどうです?」
たまの二人そろってのオフは貴重な時間だった。
二人で買物とは少し寂しい。
本当は海や高原でのんびりしたい。
「い、イルカ先生、隠れて!早く!!」
「へ?!」
今度はなんだろう?
今度はエロ雑誌のコーナーにライドウとゲンマの二人。
二人は真剣に雑誌を吟味している。
(あの二人ってそういう関係なの?)
カカシもイルカも同時に感じた。
「でも嫌ですよね・・・・休みにだいの男二人がエロ本買いにいくなんて、彼女とかいないんですかね?」
ふふふ。
「カカシ先生、それ俺たちのことですか?」
カカシは冗談だったがイルカは怒りだした。
カカシは可愛い恋人を怒らせてしまい、あわてて、イルカを大好きなレストランへ連れていった。
「中華にします?それとも里外料理にします?」
イルカは機嫌をなおして楽しそうにレストラン街を歩いた。
そこには90分食べ放題の看板。
様々な里のカレーがそろう。
二人ははしゃいで皿に様々なカレーをよそう。
当然だがイルカはもりもりとカレーをたいらげた。
カカシも茄子丸ごとカレーを見つけた。
茄子はいい〜〜少し辛いが。
カカシはラッシーをごくごく飲んだ。
「カカシさん!」
その時、
カカシの前に楊枝をくわえたゲンマが。
「げ、げげげ、ゲンマ」
「あの?俺そんな名前じゃね〜よ」
ゲンマはムットしている。
「ん?なんだイルカと一緒か・・・ふう〜〜ん?」
にやにや。
ゲンマは笑った。
「なによ、その変な笑いは?」
「だってさ、里じゅうあんたたちの噂だぜ」
「うわさ?」
二人がマジで会話している横でイルカは幸福そうに料理を食べていた。
「カカシさんが無理やりイルカを監禁して、やってしまったとか、」
「かんきん???」
それではまるでカカシが悪い男みたいだ。
「俺と交際しないと雷切するぞ!!とかデートしてくれないと死ぬとか〜〜」
「ええええ????」
なんということか!
イルカはカカシの告白を喜んでお付き合いしているのに。
世間のめは冷たい。
「ところで、ゲンマおまえ一人なのか?」
「ん?いゃああ〜」
「おまたあ〜〜えろ本たくさん買っちゃった〜」
本屋の袋を抱えたライドウ。
「ゲンマさん、この方どなたです?」
カカシは意地悪く言う。
「ま、世間の奴らの言うことなんか気にすんなよ・・・ははは」
ばつが悪そうにゲンマはライドウと席についた。
そういう自分たちも同じ。
人間は全く、
他人の事はよくわかるが、
自分のことなど案外わかっていないものなのだ。
カカシは今日の日記にそう書いた。
ちなみにこの日。
90分でイルカはカレーを30皿ラッシー10杯飲んだそうだ。
みんな自分のことは棚にあげたがる。
終わる。
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金曜日の夜には・・・
”今夜はこれをあの人に食べてもらいたい”
彼の喜ぶ顔を想うとそれだけで胸が躍る。
きっと好きだろう。
今夜は金曜日の夜。
古めかしい雑居ビルの3Fが彼の仕事場だった。
「はたけ治療院」
これでも彼は医師である。
白銀の髪のなかなかの美青年。
”はぁはぁ”
思い切り走ったので息が荒い。
狭い階段を登る。
エレベーターもないビル。
ドアの前に着くと、
扉が勝手に開いた。
もうすぐ夜間の診療時間。
彼の治療院は整骨院である。
働くサラリーマンなどの為にも夜間こうして診療をおこなっていた。
そして、今夜は・・・・。
「遅いですよ。カカシ先輩」
黒いつぶらな瞳の助手はヤマト。
大学時代からの後輩。
「わるい、わるい」
かれ、はたけカカシは奥に入り、白衣に着替えた。
「先輩、このケーキのお店先週テレビで紹介されたやつですよね。・・・え?わざわざ7本木まで買いに行った・・・・ふう〜〜んあの人のために・・・」
「なによ。悪い」
「ぼくのぶんもあるんでしょうね」
「怖い顔しないで、あるから」
自然とカカシの顔はほころぶ。
ふらふらと少し疲れた足で彼はそこに向かう。
新学期も始まって今月はずっと忙しかった。
何故なら彼は学校の教員だから。
夜の街を歩く姿をショーウインドウに写した。
丸くて明るい瞳に、
元気よく束ねた髪。
イルカは服装を整えた。
片手にはワイン。
つい数ヶ月前までは毎日腰痛がひどく歩くのさえきつかった。
あの先生と出逢って。
彼の長年の悩みは解消した。
健康は素晴らしい!!
先生は白銀の髪の素敵なひとだった。
優しくて少しテレやだ。
(カカシ先生ワイン好きかな?)
輸入物のワインは少しだけ頑張った買物だった。
本当は一緒に呑めたら楽しいだろうに。
イルカは繁華街から少し裏道にそれた。
初めて来た時は随分ボロイ病院だと思った。
まさか、あのひどい腰痛がよくなるとは、
イルカはトントンと階段を登った。
「こんばんは」
「カカシ先生がお待ちしてました」
ぬう〜っとヤマトが現れた。
「あ、ヤマトさんこんばんは・・・・」
「もう、ずっと待ってますよ。ふふ」
待っているなんて、
イルカはぽっと赤くなった。
そんなイルカの耳元でヤマトは言った。
「ぼくは先輩とは長いつきあいですから、なんでも知ってますよ〜〜」
”うふふふ”
「なんでも?!」
「勿論今日のぱんつの色も」
「ひい〜〜〜〜!」
イルカはショックでワインを落としそうになった。
”ゲシ!”
ヤマトはカカシに蹴り飛ばされた。
「いらっしゃい、イルカ先生・・・どうですお体は?」
ドシリアスな顔をつくりカカシは笑顔を浮かべた。
「どうぞ奥へ・・・・お前は来るな!」
カカシは後輩を追い払い、
二人で診療室に入った。
診療室には簡単なベットとカーテン。
「あのう、これ・・」
イルカはワインを差し出した。
「有難う」
二人は見つめあった。
「じゃあ、脱いで」
カカシはささやいた。
イルカはシャツを脱いだ。
そしてズボンも脱いで診察用の青い服に着替えた。
「ここに寝て・・・」
「はい・・・」
妙にどきどきするような医師の美声。
イルカはうつぶせに寝た。
カカシは細っそりとした患者の腰を撫でた。
(いい腰だ)
それに形のいい尻。
カカシはそのまま手で尻を撫でた。
「いゃ〜〜」
イルカは恥ずかしそうに声をあげた。
「大丈夫、痛くしないから」
診療室の薄い壁の向こうではヤマトが壁にコップをつけて盗みぎぎしていた。
”ああああ〜〜”
”いゃあああ〜〜”
何とも卑猥な声が漏れる。
1時間ほどカカシの治療は続いた。
二人が出てきた頃はもう夜の10時ちかくだった。
「ヤマト、イルカ先生に珈琲を」
「はい、先輩」
「どうですイルカ先生?」
「はい、身体が軽いです」
”にっこり”
この笑顔がカカシにはたまらない。
「実は今日やぼ用で7本木までいきましてロマンスのケーキを買いました」
「えっ?あの有名なチョコレートケーキ!」
イルカの瞳がキラキラ輝く。
三人は濃厚なチョコレートケーキを食べた。
「先輩、ワイン頂いたんですよね。」
「え?あ、ああ・・」
(あれは俺が後で一人で楽しもうとしているのに)
「あけましょうよ〜」
「駄目!」
「けち、・・・イルカさんも呑みたいですよねえ〜」
ヤマトはイルカのせいにした。
そういえばまだ一度も一緒にお酒を呑んだこともない。
「俺は帰ります。・・・・良い子の時間は終わりですし・・・お酒はお二人で」
イルカは立ち上がった。
「のみましょう!!」
その手をがっちりカカシ掴んだ。
イルカは目を丸くした。
カカシの顔があまりに真剣だったから。
夜の診療室。
三人はワインをあけた。
「イルカ先生はお酒はお強いんですか?」
「いぇ、たしなむ程度です」
(チャンスだ!)
これは上手くいけば、
この可愛い先生を、
テイクアウトすることが・・・。
しかし、ここにはヤマトが・・・。
カカシは悪だくみを考え鼻をふくらました。
「ちょっとコンビニに行ってきて、おつまみを」
「もう〜メンドクサイですねえ〜何が欲しいんです?」
「ポテチとチーズ」
ヤマトは立ち上がった。
「先輩、ぼくの留守中にえっちなことしないでください」
"ズキン”
これでイルカ先生と二人きりだ。
「このワイン、おいしい〜〜」
イルカは赤い顔だった。
その頬にカカシは触れた。
「こんなに熱くなっている」
「やめてください」
「ねえ〜イルカ先生、来週の木曜日の夜俺と・・・つきあってください」
カカシは思い切ってきりだした。
「え?ええ・・・」
「王国ホテルでジャズディナーショーがあって」
「そ、そんな俺なんかで?」
イルカは酒が回ってきた。
”くらり〜”
彼の世界が回った。
「イルカ先生!」
”しばらく、お待ちください”
カカシは自分からきりだしたもののチケットはまだ持ってなかった。
しかし、彼にはコネがあった。
彼の大先輩の自来也先生にチケットを頼んだ。
カカシはきばってスーツを用意した。
ふだんはGパンに白衣の構わない格好ばかりしていた。
この夜は俺にとっては特別な夜だ。
ホテルではジャズの生演奏が聴ける。
そして料理は最高級のフランス料理。
「緊張します」
目の前でやはりお洒落してきた彼が不慣れな様子で言う。
「素敵な夜です」
「ええ」
イルカはセカンドバックから小さな包みをだした。
そっとカカシに差し出す。
「これ?」
「今夜はお誕生日ですよね・・・おめでとうございます」
「え?」
何故そのことを?
「ヤマトさんから聞きました」
「あの、たこ〜〜!」
怒りながらも嬉しい。
イルカはその事を知っていて今夜ここに来てくれた。
「でも、カカシ先生にはお祝いしてくれるひとが沢山いるでしょう?」
「そんな相手いません」
「うそ」
イルカは笑った。
「あけてみてください」
カカシは丁寧に包みをひらいた。
シルバーの美しいキーホルダー。
「わあ〜」
早速自分の鍵をつけてみせる。
「このキーホルダーにもう一つ鍵をふやしたい・・」
「え?」
イルカは首をかしげた。
料理が運ばれてきた。
会話はとぎれた。
二人はしばし夢中に高級料理をたべた。
イルカはあまりのおいしさに涙がでた。
そして気がつくとワインをまた呑みすぎてしまった。
”呑みすぎた”
コテ。
食事が終わるとイルカはテーブルに顔をふせていた。
カカシはそんな彼をタクシーに乗せた。
自分の住むマンションへ。
新しいキーホルダーでドアをひらいた。
これからは、デザートタイムだ。
カカシは寝室のドアを開け、
ギョツとした。
ベットにはヤマトが寝ていた。
(こいつう〜〜)
実は二人は同じマンションにの住民だった。
カカシはヤマトの鞄をあさり、部屋の鍵をだした。
誰にも邪魔させない。
今夜は特別なんだ。
カカシはベットにイルカを横たえた。
これは、俺が俺のために贈る最高のプレゼント。
恋人まで、あと一歩。
眠るイルカにそっとカカシは手をのばした・・・。
END
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秋と雨とあなた
大雨が降っていた。
バシャバシャと地面にたたきつけるような。
(まいった)
雨の中カカシは小走りに急いだ。
帰宅途中。
時刻は4時ちかく。
"家に戻るよりこっちの方が近いな”
カカシは雨をしのぐ為、アカデミーの建物に避難した。
カカシは人気のない資料室を選んだ。
タオルすらない。
頭から全身ずぶ濡れだ。
カカシはベストを脱いだ。
そして上着とズボンも。
(げっ!パンツまでびしょびしょ〜)
ま、仕方ない。
カカシはパンツを脱いだ。
少しでもほして、恥ずかしいけど乾かさないと。
その時、資料室の扉が開いた。
(はっ!)
カカシは固まった。
かろうじて、なのかよりによって口布だけはしていた。
「いゃああああ〜〜〜!!」
口布一枚の彼の裸を目撃した人物はドスンとしりもちをついた。
「い、イルカ先生!!」
「うううううう〜〜〜〜」
イルカは声にならないうめきごえをあげた。
当たり前だ、誰もいないはずの資料室にスッポンポンの男が潜んでいたのだから・・。
身体隠さず口をかくす、「スッポンポン仮面」
「イルカ先生、落ち着いてください!俺ですカカシです!!」
「隠して〜前〜〜!」
「あっ!すみません!」
カカシは両手で股間を隠した。
もう、遅いってばよ〜。
そんななるゆきで、
しばらくしてイルカは正気に戻った。
どこからかタオルと着替えを持ってきた。
温かいお茶もいれてくれた。
「すみません・・・・」
「もう、本物の変態かと思いました」
顔を赤くしながらイルカは言った。
外の雨はだいぶ小降りになってきた。
そろそろイルカの定時だ。
「ね、イルカ先生は俺の裸をみましたね」
「え?」
目をぽちぱちさせる。
「ただで見たんですよ。写輪眼のカカシのヌード」
へへへ。
カカシは悪戯っぽく笑った。
「何が欲しいんですか?カカシ先生」
「これから少し俺にあなたの時間をください」
「えっ?」
イルカはキョトンとした。
不幸中の幸いとはこういうことなのだ。
裸を見られた相手がイルカでよかった。
以前から彼に興味があった。
今でもその時のことを思い出すと笑いがこみあげてくる。
”ザーザーザー”
あの日と同じように強い雨が降っていた。
秋の長雨。
カカシは窓の側で外を見ていた。
「カカシ先生、お食事できましたよ。・・・・何みているんです?」
「いえ、恵みの雨です」
好物の秋刀魚の焼けるいい香りがする。
秋の夜。
食卓には好物とそしてあなた。
今夜は遅くまでお酒を片手に、
あなたと語りあおうかな。
おしまい。
07。09.
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番外編☆マイハニー
”ようこそぼくの家へ”
ヤマト隊長は自分のマイホームにナルトとサクラそしてサイを招いた。
今日は班で集まり焼肉パーティをする。
そして班の皆ともより親密な関係になりたかった。
「げっ!隊長の家一軒家なのか、すごいってば〜」
ナルトがログハウスを見て目を丸くした。
「素敵ね〜」
サクラも感心している。
サイは黙ってまわりを観察している。
ヤマトに案内され三人はリビングへ入った。
コンポから綺麗な音楽が流れている。
「それにしてもこれ全部術で造ったんだよなあ〜」
ナルトが柱をなでた。
「いゃだ、これ葉っぱが出ている」
「いゃあ〜〜ぼくはこれでもエコロジストでね」
ヤマトはお茶を運んできた。
「まあ〜そこにあるビデオでも観てくつろいでいてくれたまえ」
この家のすべてはヤマトが術で造りあげた、
ある意味安上がりだった。
サイはスケッチブックを出して、サラサラと何か描いていた。
それは赤い花の絵だ。
リビングに赤い花が咲く。
「これ縁起悪いってばサイ・・・彼岸花だってば〜〜」
「綺麗でしょ隊長にぴったりですよ」
「よくわかんね〜〜」
ナルトはつぶやいた。
サイにしてみれば気をつかっただけだ。
「わあ〜〜綺麗な花を有難うサイ」
でも、ヤマトは嬉しがっていた。
ヤマトはキッチンで野菜や肉を支度した。
この焼肉をつうじて、カカシ先輩に負けない、熱いチームワークをつくるんだ。
「ふふ今日はホームメイドのケーキも用意したし」
木のきりかぶの形のケーキ。
昨夜本をみながら、気合で焼いたものだ。
お皿を食器棚から下ろそうとした瞬間、
「わあああ〜〜〜!!」
ナルトの叫び声が聞こえた。
ヤマトは皿をおとした。
皿は粉々に割れた。
ヤマトは声の方へ走った。
”いったい何がおきたのか?”
ナルトは何気なく奥の寝室のドアを開いた。
ブルーのベットに、
ナルトは見た!
壁一面に張り巡らされた、カカシの写真。
「こ、こわいってば〜〜隊長〜〜」
サイとサクラは口を大きくあけた。
「ストーカーだってばよ〜」
「変態だわ!」
ヤマトの寝室で三人は固まっていた。
「そうか、見てしまったか。ぼくのハニーの写真を」
全くこりてないのか恐ろしい台詞をはいた。
そう、それはカカシのありとあらえる姿。現在や昔の暗部時代のもの、そしてなかには口に出してはいえないようなきわどい写真。、
勿論盗撮したのだ。
「俺帰る!」
「わたしも」
「ぼくもかえろうかな」
スタスタ。
三人はさめた顔でヤマトの家を出ていった。
親ぼくが深まるどころか、隊長としての信用を思い切り失った彼。
頑張れヤマト隊長!!
END
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カカシ君の日常
大人同志の大事なお話があるんだって、
父さん最近うちに帰って来てもまた出かけてしまう。
オレは知っている。
父さんはうみのさんに会っているんだ。
隠したってすぐわかる。
今夜も父さんはソワソワおめかししている。
「ねえ、オレも行きたい!」
「だめ」
「どんなところにいくの?」
「ん?大人しか入れないお店でお酒を呑むだけだよ」
プンプンするようなコロンまでつけて父、サクモはバッチリきめていた。
大人ってずるい。
オレは大人の姿に変化した。
こんなの簡単だよ。
父さん居酒屋に入っていった。
オレも遅れて入る。
一番奥の席にうみのさんが待っていた。
オレも大人になったらイルカちゃんとこんなお洒落なお店でお酒が呑みたい。
あれ?
イルカちゃん今、おうちで一人ぼっちだ。
だとしたらこんなところに居る場合じゃない。
オレはお店の人にお土産で焼き鳥を包んでもらった。
まだ温かい焼き鳥を持ってイルカちゃんのお家へいった。
”コンコン”
「どなたですかあ?」
「カカシだよ」
「うそお〜〜〜」
イルカちゃんはドアを開けた。
水色のパジャマ姿。
オレを見て大きな瞳を丸くした。
そして、ぱっと笑った。
「あなた、おかえりなさい。・・・ごはんにする?」
「えへへ」
照れくさい。
「それともおふろ〜」
クスクスイルカちゃんが笑った。
「それとも、ねるう?」
イルカちゃん何処でそんな事覚えたんだろう?
イルカちゃんはご飯の用意をしてくれた。
今夜は料理上手のうみのさんの特製カレーだ。
「カカチ、よあそびはわるいこのすることだよ」
「いいんだ。父さんたちばかりずるい、ねえ、イルカちゃん」
「うん」
ニッコリイルカちやんは笑った。
オレは美味しいカレーを御馳走になった。
きっと今頃は父さんもうみのさんと美味しいものを食べているんだろう。
「そうだ、イルカちゃん焼き鳥買ってきた」
「うわあ〜とりやきだあ〜〜」
「とりやきじゃないよ、焼き鳥だよ」
今夜はオレもイルカちゃんと夜遊び。
でも何時か大人の夜遊びしようね。
END
夏コミは仔カカイルとパパンズで〜す♪
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「眠れない夜に」
時々神経が高ぶるのか眠れない時がある。
蒸し暑くて寝苦しい夜。
イルカは何度も寝返りをうった。
「ねれない先生?」
カカシを起してしまったのだ。
「すみません、起してしまって・・・」
カカシはベットをおりた。
「そうだ、先生ぐっすり眠れるようにお話してあげます」
「おはなし?」
「目を閉じてきいていて」
なんだか子供の時みたい。
昔父ちゃんがよくイルカに話を聞かせてくれた「巨大金魚の話」とか「口さけ女の話」
「どんなお話ですか?」
(わくわく)
「羊さんの話です」
イルカは目を閉じた。
カカシは羊を数えた。
「羊が一匹」
「羊が二匹」
(あああ〜〜〜)
イルカはそれをきいて全身がかっと熱くなった。
ただでさえのカカシの美声。
イルカは赤くなりながら羊をきいた。
(どくどくどく)
心臓も踊る。
「おや、まだ眠れない?」
羊が150匹。
羊が151匹。
(いゃあああ〜〜)
イルカはいつの間にか自分の股間を押さえていた。
「ねえ〜何してんの先生一人で?」
「えっ?」
「一人で股間なんか押さえていゃらし〜」
「な、いゃらしいのはあなたの方です!」
イルカはがばっと身体を起した。
余計に目がさえた。
猛烈にえろい気分だった。
イルカはパジャマを脱ぎ捨てた。
「もう、駄目、責任とって〜〜〜」
”ガバッ!”
イルカはカカシに飛び掛った。
「せんせ?」
カカシはぐったり眠るイルカの髪をすいた。
(よかった眠れた)
〜〜ふあああ〜〜
大きなあくびをする。
でも今度は自分の方が目がさえてしまった。
カカシは目を閉じた。
"羊が5321匹。
羊が5322匹。
あああ〜〜ん、
カカシ先生のエッチ〜〜〜
END
井上さんの羊のCDに贈ります。 |
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百年の恋
毎年思うことだが、この時期の暑さはしんどいものだ。
忍服が半そでになったくらいでは解消できない。
カカシはイルカのアパートに向かっていた。
任務の帰り。
手には土産の枝豆。
(でも、これ全部先生一人で食べるんだろうな)
そんなことを考えながら、アパートの階段をトントンと登る。
ドアに手をかけると無用心にも鍵はあいていた。
「?」
カカシは不信に思い、中に入った。
人の気配はある。
カカシは部屋に入り、はっとした。
イルカが、丸くなって倒れていたのだ!
「イルカ先生!!」
イルカは真っ青になっていた。
額には汗。
「お、おなかが・・・痛い・・・」
「え?お腹?」
カカシはイルカの日頃飲んでいる胃薬を探した。
薬を飲ませ、
タオルで汗を拭いた。
そっと身体をベットに横たえる。
イルカも安心したように目を閉じる。
カカシもほっとした。
水を飲んで一息ついた。
それから一時間位経過した。
ようやく痛みが治まったイルカが起きてきた。
「もう大丈夫なの?」
「はい、有難うございます。カカシ先生」
カカシはぎゅっとイルカの身体を抱きしめた。
"大切なあなた”
二人は落ち着いてお茶を飲んだ。
「でも、どうしてそんなに動けないほど痛くなったんです?」
「えっ?」
イルカはびくっとした。
顔がひきつる。
「正直に言ってください。何を食べたんです?」
イルカはホロホロと涙をうかべた。
カカシは慌てた、まさか泣きだすようなことなんて。
イルカは泣きながら話はじめた。
「こんなことを知ったら、あなたが俺を嫌いになってしまうかもしれません」
「何言っているんです。・・・俺があなたを?今更。・・・大丈夫ですよ」
カカシは笑ってみせた。
「ホントに怒りません?」
「ええ」
イルカは話はじめた。
アカデミーが終わった。
暑い一日だった。
イルカは喉がからからだった。
途中、スーパーで大きなすいかを買った。
イルカはアパートに帰り、スイカを包丁で半分に割った。
そして、スプーンをつきたてた。
まるで、グレープフルーツを食べるようにイルカは夢中で丸いスイカをすべて完食した。
気がつくと、カカシの顔色がまるでスイカの皮のように緑色に変色していった。
それでも百年の恋はかわらない。
END07、05.13 |
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誕生!?
「もう、この世はおしまいだ!」
木ノ葉の忍びたちは皆恐怖支配に怯えた。
昨日突然火影の綱手、五代目が引退した。
引退して自来也とハワイの里に長期バカンスにでた。
そして、
六代目に、
まさか!
まさか!
こんな奴が選ばれるとは!!
ホムラとコハルの陰謀だ。
”こんなのありえない!”
カカシは肩を落とした。
六代目火影、その名をダンゾウ。
「カカシ先生、お腹が寒い・・・」
「大丈夫ですか?イルカ先生」
カカシは痛々しい恋人の姿に胸を痛めた。
ダンゾウの支配下となった現在、
木ノ葉の忍服はすべて「へそ出し」ルックとなった。
勿論、カカシもイルカもへそを出していた。
イルカはむにゅっと自分の腹をつまんだ。
「おれ、本気でダイエットします・・・・いいですね〜カカシ先生はスタイル抜群で」
「俺だって嫌です、もう三十路になるのに・・・・」
カカシは仲間を見た。
可愛く若い忍びたちはいいが、
同じ、上忍仲間のガイのへそ出し。
(きもちわりいい〜〜)
そして、更に恐ろしいのは、
「ああっ!!」
イルカはついに見てしまった。
毛深いアスマは胸毛からのびたへそ毛をおしげもなくさらしていた。
「いゃああ〜〜」
イルカは失神した。
(悪夢だ!)
「俺だって好きで、こんな格好するかよ!」
アスマはタバコをくわえた。
もうやけくそだった。
その時。
「アスマ!!」
紅がつかつかとアスマの元に歩いてきた。
「あんた、人前で腹なんて出すんじゃないわよ!!」
”バシ!バシ!”
”ボコ!”ボコ!”
「しばらくお待ち下さい!」
アスマは紅に袋にされた。
当分口もきいてもらえないだろう。
〜〜ああ〜〜寒い〜〜〜
カカシはイルカのために腹巻を買った。
右も左もへそ出し。
ヤマトもゲンマもライドウもみんなへそ出し。
そしてエビスやイビキにいたっては一種の犯罪だった。
楽しいのはダンゾウ一人。
サイを筆頭に若く綺麗な男のへそ出しをはべらせへらへらしていた。
しかも、自分のことを「ダンさま」と呼ばせていた。
(このエロ親父!!)
「もう、許せない!!我慢できない!!」
殺るしかねえ〜〜!!
カカシの写輪眼が光った。
そして、六代目火影、はたけカカシが誕生した。
オマケ
そのころ、暁内でもリーダーが新しい制服を出してきた。
兄さんもへそ出し、鬼鮫も、トビもみんな・・・・。
END
えぐいです。
許して〜〜〜
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