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時を止めた男 イルカ先生に贈ります。
毎年は二人で部屋でケーキを食べて祝う平凡なものだった。
今年はイルカに寂しい想いをさせてしまうな。
カカシはテントの中で横になりそんなことをあれこれ思案していた。
もうすぐ彼の誕生日。
おりしも当時の里の情勢は悪く、二人はめいめいに任務に追われ、会う事もままならない状態だった。
「俺カカシ先生とずっといたい・・・」
先日やっとのことで再会したイルカは涙をこぼした。
カカシは黙って恋人の身体を強く抱きしめた。
「俺もおなじなんです」
お互い許されない事は熟知していたものの、
好きあっている恋人とのはなればなれの日々は辛い。
「このまま24時間抱き合っていたい・・・・」
・・・・・・・ふと恋人のそんな言葉がカカシの胸にずっと残っていた。
そうか、時を止める事が出来るならば、
少しだけカカシには心当たりがあった。
数日後。
カカシは資料室の中から本を持ち出した。
それは昔四代目が使用していたものだ。
難しい内容だが、
素早く頭の中に記憶させた。
イルカの誕生日には小さなプレゼントを用意した。
しかし、やはり当日はイルカも任務にでていた。
午前0時。
カカシは印をくむ。
時空間忍術でイルカの泊まっている宿に現れる。
「か、カカシ先生どうして」
イルカは布団から飛び出した。
「さあ、いこう」
「いく?」
「今日は先生のお誕生日です」
「でも俺には任務があるのに」
フフフ。
「大丈夫、時は俺が止めるから」
「え?」
二人はカカシの部屋に移動した。
時は本当に止まったままだった。
部屋の時計も針が動かない。
「ほんとうに・・・ほんとうに・・」
イルカは嬉しくてうれしくて涙をこぼした。
毎晩のようにカカシの事を想い一人布団の中で泣いた。
カカシに会いたい。
彼の願いは叶った。
「これ喜んでもらえるかな?」
カカシはへへっと笑って封筒をイルカに渡した。
「なんですか?」
「あけてみて」
”マッサージ券 10枚”
”お料理券 10枚”
”入浴券 10枚”
お手製のサービス券。
クスクスとイルカは笑った。
子供みたいですね。
カカシ先生らしい
気持ちのこもった贈り物だった。
カカシは立ち上がった。
あらかじめ用意してあった純白のケーキに蝋燭をともす。
時は流れない。
カカシの術で24時間止まったままである。
こんなふうに二人ですごすのは随分久しぶりだった。
「じゃあ〜入浴券を一枚」
恥ずかしそうにイルカは券を差し出した。
時のない部屋での一日は素敵な贈り物だった。
一日も早く里に再び平和が戻る事を願い、
二人はそれぞれの任務についた。
誕生日はその人間がこの世界に生まれた、一年に一度だけの大切な日、そんな日だからこそもっとも好きな人とすごしたい。
カカシと逢えた事がなによりも一番の贈りもの。
081118.
二人に一日も早く平穏な日が戻りますよう。
イルカ先生お誕日おめでとうございます。
ネタメモより。
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メモリアルフィバー09
”トビちゃん、お元気ですか?
俺は今日は非番でコノクロでジーンズを買いました。
暁のみなさんも元気ですか?”
久しぶりにイルカはメル友のトビにメールを送信した。
しばらくして返信がきた。
”みんな元気ですよ。今内職で小南姉さんとお花を造って売っています”
(へえ〜)
”ところで今、木ノ葉の若者には食玩というものが流行で、カカシ先生もよく買ってきます”
”凄いですねえ〜暁では「王様ゲーム」が流行です”
(王様ゲーム??)
古い。何時の時代だよ。
”どんな事をするのですか?”
イルカは怖いものききたさで尋ねる。
”はい、飛段さんとイタチさんのストリップライブです・・・・もう鬼鮫さんなんか、かぶりつきで、盛り上がっています”
(ぞぞぞぞぞ)
イルカは思わず携帯を落とした。
気を取り直し、
”楽しそうですねえ”
と返信した。
”そういえば、もうすぐイルカの誕生日だな。プレゼントは何がいい?”
”その気持ちだけで嬉しいよ”
もうすぐ俺の誕生日。
数日後。
イルカの誕生日の夜。
カカシは得意の料理をつくり、
苺の大きなケーキに蝋燭をたてた。
二人きりのお誕生日。
グラスにワインをそそぐ。
”ピンポ〜ン”
その時、玄関のチャイムが鳴った。
宅配便だった。
「わあ〜トビちゃんからだ」
お誕生日のプレゼントだった。
包みを開けると赤いラッピング。
(わくわく)
カカシもイルカも楽しそうに包みをあけた。
中身は一本のビデオテープ。
「メモリアルフィバー?」
「なんでしょう?フィバー懐かしい言葉です、熱中時代とか?」
「観てみましょう、カカシ先生」
「はい」
二人はビデオをセットした。
”じゃんじゃか〜じゃん、じゃん、じゃああ〜〜ん♪”
二人は固まった。
ピンクのライトに照らされた舞台では飛段とあのうちはイタチがくねくねと踊っていた。
二人は制服を脱ぎはじめた。
「ちょっとだけよお〜」
イタチが真顔でカメラに向かって言う。
「ひいいい〜〜〜〜〜〜」
カカシは腰をぬかした。
イルカはショックでケーキに顔をつっこんだ。
”がらがらがら”
イルカの誕生日は壊れた。
「たまには平和に祝ってください」
イルカより。
0810.「捧げ愛」ス○ロー様に贈ったものです。
イルカ先生お誕生日おめでとうです。来週も誕生日をします。
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飾りたい!
一度でいいから、
一度でいいからあの人に思い切り抱きしめてもらいたい。
片想いの彼は遠い存在だった。
俺のような平凡な男が簡単に好きになれる相手じゃない。
でも、
優しく受付で声をかけてくれる、
ただそれだけで俺は嬉しくて嬉しくて・・・・。
気がついたら自然と彼を想うようになっていた。
どうして彼が好きなのだろう?
”好きに理由はない”
俺ひとり一方通行の片想い。
「イルカせんせ〜」
コンビニで少年雑誌を立ち読みしていたイルカの背後で甘い声。
イルカははっとして雑誌を落とした。
「大丈夫ですか?・・・あ、この本面白いですねえ〜」
はたけカカシ、イルカの憧れの人はのほほんと雑誌を拾った。
こんなところでばったり会うなんて、
「今、お帰りですか?」
「ええ、今日は俺が集めている新しい食玩の発売日なんです」
「食玩?」
以外だった。
エリートのはたけカカシがコンビニで、
「玩具なんていい大人が嫌ですよね」
あはは、
カカシは笑った。
「これこれ、」
カカシは小さな箱を手にした。
「これ犬ですね」
「はい。俺の部屋ってあんまり家具もないし殺風景だから何か飾ろうって」
「お部屋に何か置くと気分がかわりますね・・・・でもシンプルなお部屋なんて素敵です」
イルカは照れながらカカシを見上げた。
「ホントはね、どうしても部屋に飾りたいものがあるけど、それは絶対無理なんです」
絶対無理なもの?
何だろう?
イルカは首をかしげた。
「レアものですか」
「ええ、生ものですよ」
”クックッ”
カカシは笑った。
「それはね、あなたですよ、イルカ先生。・・・・あなたを裸にして部屋に置いておきたいんです」
「ひぃ〜〜〜〜〜」
イルカの想い人は嗜好が少し変のようだ。
二人はコンビニを出た。
外はもう暗い。
ぶらぶらとコンビニ袋を持って繁華街を歩いた。
こんなふうに彼と二人で街を歩けるなんて、
イルカは感激した。
「イルカ先生、そこの角右に曲がってまっすぐ」
「はい?」
どこかお店にでも入るのだろうか?
イルカは角を曲がった。
角を曲がると大きな公園が見えてきた」
緑のオアシス。
「この向こう側の白い建物の3階が俺の部屋です」
「カカシ先生の?」
「折角会ったんですうちでカラオケでもしません?それかゲームでも」
(カラオケ?ゲーム?)
何だかイルカのイメージとカカシは違っていた。
しかし、イルカは躊躇した。
部屋にあがったら、裸にむかれてしまうかもしれない。
「さあ、」
”どん!”
カカシは少し強引にイルカを中に押した。
気がつくとシンプルで美しいカカシの部屋。
「生でいいですか?それとも焼酎?」
「おまかせします」
カカシはコンビニで買った食玩をあけた。
小さな犬のフィギュア。
「かわいいですねえ」
「ええ、イルカ先生みたい」
イルカは再び焦った。
まるでカカシもイルカに気があるみたいだ。
しばらくしてカカシがコップにお水をくんで持ってきた。
「はい、暑いから喉かわいたでしょ」
「ありがとうございます」
イルカはごくごくと飲み干した。
”ぐらり”
イルカの世界が回った。
それは水などではない、日本酒だった。
イルカには強すぎた。
「あらま」
カカシはイルカの身体をささえた。
そして満足そうに微笑んだ。
切ない片想いとは反対に現実的なカカシだった。
「さあ、飾らせてもらいます、勿論裸で・・・・」
090502.
何か変な話です〜〜 |
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ノスタルジック 仔カカイル ネタメモより。
子供たちの一日の楽しみの一つに「おやつ」というならわしがあります。
この日、カカシ君は3時の「おやつ」タイムにイルカちゃんからおよばれしていました。
父さんから、好きな人にはお花をプレゼントすると教えてもらい、小さな赤いお花を持って、
「どうぞ」
こたつのある奥の部屋に案内される。
イルカちゃんはきちんと正座した。
「いまおちゃをおだしします」
大人のようなものいいでイルカちゃん(4歳)はお部屋を出ていきました。
お盆にお茶とそして皿にお魚が二匹。
カカシはびっくりした。
「おやつにお魚?」
「どうぞおいしいよ。とおちゃんがかってきたの」
”にっこり”
「イルカちゃん、お箸は?」
「おはし?」
イルカちゃんはカカシの言う意味がわからないようだった。
「カカチ、これはたいやきというの。こうやっておててでたべるの」
「鯛なんだこれ?」
イルカちゃんは手でむんずとお魚を掴みました。
カカシもイルカちゃんの真似をして手に持ちました。
なんだか温かい。
”ぱくっ”
(うっ!)
カカシは目を白黒させた。
お魚の中身は甘いあんこ。
”ぜえぜえ”
日頃甘いものを口にしないカカシにこれは拷問だった。
どうやら、これはお魚の形をしたお菓子のようだ。
それにしてもドロドロに甘い。
それなのにイルカちゃんは美味そうにぺろぺろ食べていた。
「どうしたの?」
「ごめん、オレ甘いの駄目なんだ」
「じゃあ、もらう」
イルカちゃんはしっかりカカシの残した「たいやき」を取り上げる。
イルカちゃんは立ち上がった。
そして冷蔵庫から何か出してきた。
「これはとっても、からいからカカチだいじようぶ」
「ホント?」
瓶である。
ラベルには「キムチ」とかかれてあった。
「イルカちゃん、コレ好きなの?」
蓋を開けると独特の香り。
「とおちゃんのおさけのおともだち」
カカシの頭の中に、うみのさんがビールを呑みながら「キムチ」を食べる姿がリアルにうかんだ。
カカシは「キムチ」を初体験した。
夜。
カカシは部屋で今日の事を日記につけていた。
”イルカちゃんは甘いのが好きだ。でもオレはやっぱりホンモノのお魚の方が美味しいと思った”
カカシは日記を閉じて部屋を出た。
台所に忍びこむ。
”あった”
”あった”
カカシの家の冷蔵庫にもそれはありました。
翌日。
カカシの父、サクモは冷蔵庫から自分の酒の友が消えている事に気がついた。
「まさか」
カカシの部屋には空になった瓶が転がっていた。
カカシは口の周りを赤くして満足そうに眠っていた。
「おやつ」
それはノスタルジック。
090210.
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砂のちくわ
この山道を越えると里だ。
今回は10日くらいの任務だった。
大した内容ではなかったが、
彼は風邪をひいてしまった。
他里で流行りの風邪。
コホッ、コホッ。
カカシは咳き込んだ。
(疲れた)
早く部屋に戻って寝てしまいたい。
でも、その前に報告をすませないと。
夕刻。
重い足取りで受付についた。
「ご苦労様です」
イルカは相変わらず優しい笑顔でカカシを労ってくれた。
「これお願いします」
「あの・・・お顔の色が優れませんけど」
「そうですか、少し風邪ひいたみたいなんです」
「暖かくして栄養とって休んでください」
「有難うございます」
カカシはこの「受付のマドンナ」に前々から興味があった。
その時、よろりとカカシの身体がふらついた。
イルカはすかさずカカシの身体を支えた。
「すぐ木ノ葉病院へ」
「大丈夫です、それより家に帰りたい」
大丈夫という自分にイルカは一緒についてきてくれた。
「俺、以前に少しだけ医療忍術をやったことがあります」
イルカはカカシをベットに横たえ、
その手を額に当てた。
”あったかい”
次第に気持ちよくなり、カカシは眠りについた。
次ぎに目が覚めたのは翌日の朝だった。
たぶん熱があったのだろう。
さがったみたいだ。
カカシは水を飲みにキッチンへいった。
(鍋?)
出した覚えのない片手鍋がでていた。
蓋を開けるとお粥だった。
(イルカ先生)
カカシはお粥を温めた。
頭の中で「マドンナ」の姿がうかんだ。
あの人からこんな風に優しくされたら、俺は勘違いしてしまう。
あの人はすべての人に平等に優しいのだから。
数日後。
イルカは残業で帰りが遅くなった。
アパートに戻っても食べるものもないので、酒場に入った。
イルカはビールと軽い食事になりそうなツマミを注文した。
(なんだろう?)
イルカは誰かから監視されているような視線を感じた。
(早くでよう)
ささっと食事をすませ店を出たイルカの周りをたちの悪そうな男たちが囲んだ。
「なんですか、あなたがたは?」
イルカは睨みつけた。
「おれたちといい事しょうぜ、兄ちゃん」
逃げようとするイルカに数人がかりで襲ってきた。
イルカは戦った。
しかし、相手は予想以上に強かった。
イルカを押さえつける。
「大人しくしていれば悪いようにしないぜ」
「やめて〜」
その時、
何かが瞬間的に光った。
イルカを囲んでいた男たちの身体が宙に飛んだ。
(?)
「はい、そこまでねえ」
のほほんとそこに現れたのはカカシだった。
「大丈夫ですか、イルカ先生?」
カカシはイルカをたたせた。
衣服の埃をたたく。
「怪我してますね」
「あ、でもかすり傷ですから」
手をすりむいて血が出ていた。
暖かな部屋でイルカはぼんやり座っていた。
ここはカカシの部屋。
先日カカシを送り届けた時にはじっくり見なかったが、男の一人暮らしのわりに綺麗にしている。
カカシは丁寧にイルカの怪我の手当てをした。
「もうできますから」
「すみません」
「いえ、この間のお礼も言ってませんでして、あの時はありがとうございました」
カカシは手当ての後コーヒーを出してくれた。
「もう、風邪はいいんですか?」
「はい、すっかりです。イルカ先生のおかげです」
イルカは柔らかく微笑んだ。
少し顔が赤い。
「あの時のお礼がしたいのです」
「そんな今夜助けていただいただけでも」
イルカは少し困った顔をした。
「おれいだなんて・・・」
「俺何がいいか考えていました。・・・イルカ先生が喜んでくれるものを」
カカシはベストの中から映画のチケットをだした。
「この映画は!」
そう、今、里で話題となっている人気ホラー映画。
「次ぎの非番に是非」
「え?」
カカシは強引にデートにくぎずけた。
”ああ〜夢のようだ〜イルカ先生と二人で映画なんて”
映画の後はお食事。
それから公園でKISS.
カカシの口元はだらしなくゆるんだ。
そしてイルカの非番の日は、二人で映画館の前で待ち合わせた。
カカシはコザッパリしたカジュアルフアッションでイルカを待った。
イルカが歩いてきた。
あたりをキョロキヨロしている。
「イルカ先生」
カカシはイルカの前にたった。
「ええ??」
イルカはとてもカカシに驚いていた。
素顔で会うのは初めてだった。
「俺です」
「びっくりしました・・・カカシ先生って凄いカッコイイんですね」
二人は映画館に入った。
イルカはキャラメルのかかったポップコーンを食べていた。
とてもいい感じだ。
「ところでこの映画怖いんですか?」
「はい、観た人の3人に2人は呪われるそうです」
「ひい〜〜〜〜〜」
カカシは寒くなった。
「ひぃいいいいい〜」
気がつくとカカシはイルカの手を掴んでいた。
怖くて怖くて汗が出てくる。
それなのにイルカはにこにこ笑っている。
”クスクス”
映画館の近くのレストランでイルカは思い出し笑いをしていた。
「もう、終わりましたよ、カカシ先生」
イルカには大変恥ずかしい姿を見られてしまった。
本当ならばデートでいい格好したかったのだ。
「そうだ、今夜は一人でおトイレに行かないでください」
イルカはパンフを読みながら言う。
「ひとりで?」
「ええ、一人で行くと赤い手と青い手が〜^」
「ひいいい〜〜」
カカシは結構怖がりだった。
その晩はカカシはイルカの部屋に泊めてもらえる事になった。
格好悪いが、赤い手と青い手が二人の仲を取り持ってくれた。
カカシがイルカに案内されたのは里の中心からはずれた静かなアパート。
イルカの部屋は可愛い。
「どうぞ」
イルカはカカシに紅茶とお手製のクッキーを出してくれた。
(チャンスだ!)
これを機会にイルカともっと、もっと深い仲になりたい。
「イルカ先生」
カカシは狼に変貌した。
「いゃああ〜」
イルカに襲いかかる。
イルカは嫌がりながらも、押し倒されていた。
服を脱がせると健康的で美しい肢体があらわになった。
イルカのほうもまんざらではない様子。
頬を染め、瞳を潤ませていた。
カカシは大変美味しくイルカを御馳走になった。
”チチチチチ”
何処からか鳥のさえずる声。
(うっ、寒い)
翌朝、カカシは目覚めた。
目を開けて、また閉じる。
そして今度は見開く。
(ここは?)
昨夜イルカとイチャイチャ夜をすごしたアパートのはずが、
そこは無人のビル。
裸で眠るカカシの隣には裸のイルカではなく、
裸のキユーピー人形転がっていた。
〜びゅううう〜
〜びゆうう〜〜
冷たいあら風が吹く廃墟の中。
キユーピーと二人きり、
「うそだあああああ〜〜」
夢の一夜は一瞬にして恐怖の夜となった。
謎は多いほうが楽しい。
080104.
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未来予想地図
ベットから手をのばして、目覚ましを取る。
時刻はまだ7時すぎだ。
まだ少し眠っていたいところだが、
カカシはゆっくり起き上がった。
久々の非番。
留守中はイルカ先生が通ってくれていた為、部屋は掃除されていたが、
カカシはシャワーを浴びた。
ようやく目が覚める。
この日はどうしても行きたい場所があった。
コーヒーを沸かし、トーストと簡単なモーニングをとる。
テレビの予報では今日は晴れ。
先日ネットで見つけたペット用品のシヨップでは、餌やグッズが豊富で店には仔犬もいた。
カカシは自分の忍犬たちの首輪やガム、衣類を買い揃えた。
そして忍犬たちをあずけている忍犬牧場へ。
「久ぶりだな。カカシ・・・今日はイルカはいないのか?」
忍犬のリーダーのパックンをはじめ、その他の犬たちもカカシを見ると飛んできた。
カカシは一匹ずつ名前を呼び頭を撫でて、新しい首輪や衣類をつけてあげた。
忍犬はペットではない。
しかし、犬とは愛情の濃い生き物なのだ。
木ノ葉の一角にカカシが借りている忍犬牧場。
普段は人に犬たちの世話はまかしてある。
「ホントは皆で暮らせたらいいのに」
そんな事を以前イルカ先生が言った。
「お庭の広いお家があるといいですね」
そうだ、そのとうりだ!
新しい首輪をつけてもらった忍犬たちは優秀な忍犬と同時に自分の家族同様だ。
何時かイルカ先生と犬と皆で。
半日犬と過ごしカカシは部屋に戻った。
PCを立ち上げて庭のある物件を検索した。
広い庭に寝そべる犬と、テラスでお茶を飲むカカシとイルカの姿がほんのりと目に浮かぶ。
「よし!」
まずは土地の確保。
家はテンゾウに造らせて。
色々想像すると楽しい。
カカシはノートに絵を描いた。
何かを初める時にはまず書いてみると実現しやすいと以前四代目から教わった。
休みはあっという間。
カカシは立ち上がる。
ノートには大きな家と庭と犬の絵。
まるで子供の落書きみたいだが、
カカシの未来予想地図が完成した。
夕飯を作りながら、イルカを待つ。
早くあの絵を見せたい。
そしたら、先生どんな顔するかな?
(ふふふ)
ちよっと考えごとをしながら作ったオムレツは形がくずれていた。
早くあの人の顔が見たい。
未来予想地図。
090226.
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MAMAGOTO WEB拍手より。★仔カカイル
今日はイルカちやんの御家にお招きされた。
俺はお洒落をして、お土産に小さな花束を持っていった。
父さんから、好きなひとにはお花を贈るといいと教えてもらった。
「わあ〜」
イルカちゃんお花みたいに笑って、お部屋に赤いお花を飾った。
「なにしてあそぶ?」
「イルカ、おままごとしたい」
「えっ?」
俺は目を丸くした。
ままごとは女の子の遊びだから。
気がつくと俺はイルカちゃんにネクタイをつけられサラリーマンの姿にされていた。
イルカちゃんはピンクのエプロン。
エプロンのイルカちゃんとっても可愛い。
えへへ。
「あなたおかえりなさい。ここにすわって」
「うん」
俺は言うとうりイルカちゃんの前に座った。
照れくさい。
「これはナニかしら、あなたのけいたい、オンナからメールがいっぱい」
「え?!」
俺はドキドキした。
何故か胸が痛い。
カカシは考えた。
ままごとだよね。
「それにこのあいだ、おとなりのガイさんが、あなたがこうえんで、テンゾウというおとことあっているのみたっていうの〜〜ずいぶんたのしそうだって」
「えええ???」
カカシはギョツとした。
何でそんな事知っているのか?
イルカちゃんはニコニコ笑っている。
「違うよ、誤解だよ、イルカちゃん、・・・・俺にはイルカちゃんだけだから・・・もう・・・」
何故だかカカシはその時、父の顔が浮かんだ。
きっと父さんもうみのさんとこんな風にやりとりを。
イルカちゃんはロープを手に持っていた。
「イルカうわきゆるさない」
「ひいい〜〜〜」
その時カカシは誓った。
俺は、浮気はしない。
たぶん、しないと思う。
しないんじゃないかな?
まるで何かの唄のようだが、
怖くてできない。
08後半から09初めのWEB拍手お礼画面です。
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ま、そんな日もあるさ
少し残業がかかり、イルカは何時もより遅めに帰宅した。
アパートの2階を見上げると灯り。
(カカシ先生きてる)
急いで帰ってきたので、身体が汗をかいていた。
すぐにお風呂に行きたかったが、彼が来ているから、
そう、その前に夕食を支度しないと。
(どうしょう)
冷蔵庫の中は卵とハムと半分のキャベツ。
そして、キムチだけだった。
給料前であまり買物はしていない。
(ま、いいか)
部屋のほうではカカシはごろごろくつろいでいた。
いい意味でも悪い意味でも馴れ合いがでてきた最近。
「すみません、カカシ先生急な残業で」
「あ、いいです。勝手にきたのは俺ですし」
カカシは本当に勝手にイルカが冷蔵庫にしまってあった、少し高めのビールをだして
呑んでいた。
(ホント勝手だな)
”ハム”
”卵”
”キャベツ”
いっそ全部フライパンでまぜて、出そうか。
少しムットしながらも、ハムエッグを作る。
そしてキャベツの味噌汁。
その時、イルカは炊飯器をあけて、ぎょっとした。
(米がない!)
(しかもパンもねえ〜)
今さらスーパーに行く気力もない。
あちこち探してようやくカップラーメンを2つみつける。
イルカはハムエッグにカップ麺をだした。
これで許してもらおう。
カカシは相変わらず雑誌を見ている。
「そんなにいいんですかね」
「え?はい、イルカ先生も使用しますか?」
「使用〜〜」
何言ってんだよ。
巨乳グラビアアイドル、嫌いではないが、使用だなんて、
イルカはキリキリした。
やはり男は女の方がいいのだ。
「どうぞお食事です」
「え〜カップ麺と卵?」
不思議な組み合わせにカカシは目を丸くした。
「すみません。米もパンもきらしていました」
「あ、いいですよ、お腹に入れは全部同じですから」
さめた笑いにますますイルカはムットした。
この頃やはり二人の関係はだれてきた。
つき会い初めた頃の新鮮さが欠けてしまった。
イルカもようやく入浴タイムだ。
洗面台に写るは男の姿。
当たり前だ、俺は男だ。
(乳が、乳があればいいのか?)
グラビアアイドルの巨乳がイルカの脳裏にちらつく。
もし、俺が女だったとしたら、
イルカは湯船につかった。
もし、俺が女に変化したところで、カカシ先生は喜ぶかもしれないが、
俺てきには喜べない。
(ふうう〜)
イルカはお湯からあがった。
まだ毎日暑さが残り、Tシャッと短パンに着替える。
長い髪は洗い髪でおろしてある。
鏡で見ると、ナカナカに色気があるかもしれない、イルカは思った。
(イルカ先生)
こんな姿をしているとカカシ先生は襲いかかってくるだろう。
だが、しかしカカシは、
部屋のベッドで大の字になってグーグー眠っていた。
「もう〜〜」
イルカはカカシのズボンに手をかけた。
下着ごとおろす。
こうなったら、俺が襲ってやる。
カカシの大きな恐竜を口にくわえた。
”ピク”
カカシの目が開く。
「なにしてんの?イルカ先生」
「見ればわかるでしょ、俺があなたを襲っているんです」
低い声でイルカは笑った。
そして、同時に手でカカシをしごき始めた。
(いゃ〜〜)
カカシは焦った。
今だかってない位のイルカの大胆な攻撃。
今夜はどうしたんだろう?
「きもちいい?」
「あ、あああ・・・・」
カカシはたまらなくなり声をたてた。
「もっとしてほしい?」
「ええ」
と、答えると同時にカカシは”ガバット起き上がり、イルカを反対にベットに組み引いた。
「いくらでもしてあげる」
イルカは目を閉じた。
気がつくと夜から、朝に。
明るい中二人はベットに転がっていた。
「なかなか刺激的でしたよ」
「もう〜〜」
「雑誌にやくなんて、ホント先生って可愛いです」
「もう〜〜〜」
イルカは顔をおおった。
怒りながらも、
何だかんだあっても、
俺はカカシ先生が好き。
イルカは再び眠りについた。
何か忘れていたが。
「おきて、おきて、」
「ん〜〜」
ねぼけてイルカは目をこする。
「遅刻どころじやないですよ」
「ち、こ、く?」
イルカは枕元の時計をみて、硬直した。
目をこする。
もう一度こする。
何度こすっても、
時刻は午後1時30分。
ま、そんな日もあるさ!
080914.
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ラブファイター!!お下劣注意。
彼は一人旅に出た。
17歳の青春切符を持って、
まだ見ぬ「ただ友」を求めて、
深い森の中、
彼は道に迷っていた。
銀色の髪の美少年。
そろそろ日がかたむいてきた。
夜になる前に今夜の宿を確保しないと。
森の中に唐突にコンビニがあった。
店の中には馬や牛が買物を楽しんでいた。
「すみません、俺は旅をしているんですが、今晩泊めてもらえそうな宿はありませんか?」
牛と馬は”う〜〜ん”と首をかしげた。
「もおお〜だったら、うみのさんの家だなあ」
「あそこの御主人は人がええからのお〜ひひ〜ん」
「うみのさんを紹介してください!」
牛と馬は無言で前足をだした。
ただで、教えてもらえないのは、動物の世界も同じらしい。
彼、はたけカカシはなけなしの銭を二頭に支払った。
赤い煉瓦に煙突のある可愛い家。
カカシは訪ねた。
「たのもお〜〜」
戸をたたくと、
黒い髪に黒目のとても優しそうな人がでてきた。
(この人がうみのさん)
「どうかされましたか、旅のお方?」
「今晩泊めてもらえる宿を探しています」
「そう・・・・それは大変ですね。・・・どうぞ」
カカシは家にあげてもらえた。
そこにはカカシと同年代の少年がいた。
黒い髪を高くむすんで、パッチリとした黒目はうみのさんと似ていた。
カカシはドキドキした。
「イルカ、この旅のお方を案内してくれますか?」
「はい、父ちゃん」
彼はイルカと言う素敵な名前だった。
イルカはカカシを客間に案内した。
父がお茶を運んできた。
「有難うござます」
「泊めてあげるのは構いませんが、我が家には年頃の息子がいます。・・・・カカシさんもし、あなたが息子にいやらしいことしたら、その時は酷い事になりますよ」
「そ、俺はそんな男ではありません!」
カカシは笑った。
とか、言っておいて、カカシはその晩、そっとイルカの部屋にしのんだ。
そして美味しくいただいてしまったのだ。
所詮そんな男だったのだ。
翌朝、
イルカの父、うみのさんが鋭いクワを手に現れた。
「イルカはまだ婿入り前だというのに、何てことしやがる!」
”許さん”
人が変ったみたいに、恐ろしいうみのさん。
「許してください!!」
カカシもまだ17歳、命がおしい。
必死に詫びた。
「そんなに許しをこうならば、今から森に行って3つの果実をとってくることだ」
「え?」
何だか解らないが、それで命が助かるのなら。
カカシは森にでた。
森ではイルカが待っていた。
「イルカちゃん!」
「カカシさん、おれもお手伝いします」
恥ずかしそうにイルカは言った。
実はイルカの方も、美しいカカシのことを好きになっていたのだ。
カカシはミカン、とイチジクをみつけた。
そこにイルカが駆けてきた。
「みつけました!」
それは見事な巨大なバナナ。
「わあ〜〜」
カカシとイルカは果実を手にうみのさんのところへ、
「とってきました」
うみのに差し出す。
うみのはにやりを笑った。
まず、みかんを手にする。
「まず、これを君のお尻の穴に入れなさい」
「へっ!!」
カカシは気が遠くなった。
うみのはクワをみせつけた。
カカシはみかんを自分のお尻に押し込めた。
「ひいいいい〜〜」
涙がでる。
「イルカはもっと痛かったんだぞ。次ぎはイチジクだ!」
「イチジク・・」
カカシは気合を入れた。
「イチジクかんちょおお〜〜!」
ううううう。
カカシはふんばった。
その姿をイルカが物陰からのぞいて、クスクスと笑っていた。
そして、最後に巨大、バナナが残った。
(えぐい)
これだけは、入れたくなかった。
何か危険なものに目覚めそうだ。
カカシは力んだ。
「ふううう〜〜〜〜ん!」
”ズブリ”
カカシは見事それをおさめた。
死ぬ気で頑張った。
”パチパチパチ”
「ああ?」
そんなカカシのことをうみのさんとイルカが拍手をしていた。
二人はとても嬉しそうだった。
「カカシ君、今までこれだけの試練に耐えたものは一人もいなかった。・・・君にならば、
可愛いイルカのことをまかせられる」
『合格』
父は二人の結婚を許した。
ひょんな、ことで「ただ友」が生涯の伴侶となりました。
めでたし。めでたし。
080301、
★お下品ですみません
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「プレゼント」仔カカイル。
”みつけた”
”みつけた”
小さなイルカは夢中で御家に走った。
だって今日はとても楽しいものを拾ったのです。
イルカの手には何かしつかり握られていた。
イルカは家のドアをあけ、靴をきちんとそろえて、たったった、とリキッチンに入った。
「イルカ、こんな朝早くにどこにいっていたの?」
朝食のみそ汁を作り、イルカの父のうみのさんは困った顔をした。
「とうちゃん、これみて?」
イルカは瞳を輝かせ手の中の物を見せた。
それは大きな、石。
「いしだね?」
「うん、これにえをかくの」
「そういえば、この前テレビでやっていたね。・・・・さあ、イルカ手を洗ってうがいしてご飯だよ」
イルカちゃんはご飯をぺろりと食べてそれから、時間をかけてその石に絵の具でほしの絵を描いた。
箱に入れてこれを、カカシ君にプレゼントします。
イルカちゃんがくれたあの星の石はカカシの机の中にしまわれてあった。
「もう、あれから10年か・・」
気がつくとカカシ君は15歳。
イルカちゃんも今ではすっかり大きく成長していた。
ただ、二人が愛した大人たちはもう二人の前からいなくなってしまった。
小さくて楽しかった毎日。
時間は流れてもカカシの側にはイルカ、イルカの側にはカカシ。
二人は背もすらりと伸びて、
美しい若者にかわっていた。
「ね、これおぼえている?」
カカシは箱の中のプレゼントを出してみせた。
イルカは首をかしげた。
まさか、忘れているのかな?
「まだ、持っていたんだ」
一生懸命書いた星の絵。
10年。
言葉では語りつくせない、日々。
酷なことも多かった。
「イルカ、俺は忍務にいくね〜」
「きょうつけて」
イルカは元気に手を振った。
そんな処は小さな時から変っていない。
カカシの心をつかんではなさない。
パッと輝くようなイルカの笑顔。
「イルカちゃん」
今でもちょこちょことカカシの後を懸命について歩く姿が、カカシの中に残っていた、いつまでも、いつまでも。
二人は慰霊碑の前に立った。
白い百合を手に。
年に何度かは訪れる、誰もがそうするように、近しかったかけがえのない人たちにあいに。
イルカは手を合わせ、何かを伝えるように目を閉じていた。
カカシも隣で手を合わせた。
そして、何時も誓う。
イルカの両親に、
イルカのことは俺が守ります。
「カカシ、お腹すいた」
「ん、じゃあ〜この前見つけた一楽にいこう」
二人の飾った百合がその時、
風もないのに、揺れた。
「あれえ?」
イルカは首をかしげた。
「なに?」
「笑っているよこのお花」
「まさかねえ〜」
二人は顔をみあわせた。
風はない。
音もない。
純白の百合は二人をみて笑っているみたいだった。
うとうと〜〜
けだるい春の昼下がり、カカシは夢を見ていた。
それは大きくなったカカシとイルカちゃんの夢。
内容はよく覚えていないが、
長い、長い夢。
カカシは起き上がった。
(イルカちゃん!)
そうだ、もうすぐ、イルカちゃんが家に来る。
あわてて、身支度して1階におりた。
部屋は散らかって、父が放置していたようだ。
カカシは玄関をあけた。
「カカチ〜」
イルカちゃんは箱を持って立っていた。
”みつけた”
”みつけた”
カカシはイルカちやんからプレゼントされた、星の絵の石を机においた。
「きれいだね」
「うん!」
「イルカちゃん、あのね・・・・」
「なあに?」
「大人になっても・・・俺とつきあって」
カカシは勇気をだして、イルカちゃんの手を握った。
何故だか二人は恥ずかしくなり、
うつむいた。
でも、イルカはとっても嬉しかった。
プレゼント。
人にはわからない。
どんなものでも本当の価値は自分にだけしかわからない。
「ずっと大事にするね!」
カカシに言われて、
またイルカは嬉しそうに”ぱっと笑った。
090325.
過去、未来?現在?少しごった煮になってしまった〜
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