岸壁ユニット Presents ! 空と海に誘われて Vol.12

2024年1月21日(SUN)
横浜 Piano Cafe & Bar - Skywriter


岸壁ユニットがホストとなって、毎回選りすぐりの素敵なミュージシャンをお迎えして開催するミニライブシアター、「空と海に誘われて」。
第12回目となる今回のメインパフォーマーは、女性ばかりの4ピースユニット「ことうたぴあの」の皆さん。
その名の通り、ピアノと琴とボーカル…というあまり見かけない組み合わせに、更にシンセサイザーが加わるという異色ユニットとの事だが、正直私はこの方々を存じ上げていなかったので、はてさてどんな音楽を奏でてくれるのかとっても楽しみだ。

さて、今年最初のこのイベント、開催日が近づくと当日の天候が気になるところだが、1週間前からずっと予報が芳しくなく、状況次第では雪に変わる可能性もあるという…。
楽器、特に繊細な琴の運搬が心配だったが、開催日前日、その琴を担当する桐笛さんが風邪でダウンという悲報が重なる。
さてどうしたもんか…という我々の心配をよそに、メンバーの皆さんから「お琴抜きのセットリストに変更して頑張ります!」という力強いお言葉!
という事で、多少の紆余曲折があったものの、ライブは予定通り開催する運びとなった。

開催当日、午前中こそ冷たい雨が残っていたものの、心配していた雪に変わる事もなく、午後にはこの雨も上がるという。
流石、我々の日頃の行いの賜物?天候問題も何とかクリア!
心配していた集客も、ことうたぴあのの皆さん、そして店主にしやんの涙ぐましい努力の甲斐あって、ほぼ満席のお客様にご来場いただく。
特にシンセサイザーのきょうこさん、リハが終わった後も周辺でフライヤーを配って最後の集客活動!?
その明るい笑顔と声掛けで、なんと!当日新規のお客様が3名も!
いやいや、すごいバイタリティだ。

という事で、定刻の午後1時、例によって我々岸壁ユニットの露払いでライブの幕が上がる。


「空海」も12回目ともなると流石にマンネリ感が拭えないので、今回は思い切って何年かぶりに「新曲」にチャレンジすることにした。
新曲…と言っても、ビリーの曲としてはかなり古く、彼の6枚目のアルバム「52nd Street」に収録されているナンバー「Until The Night」がそれだ。
この曲はほぼ全編ハモりで構成されていて、これまでの岸壁の持ちネタにはなかったパターン。
決まれば最高にカッコいい曲なので、必然的にコーラスパートを受け持つことになる相方に無理を言ってこの曲をセレクトさせていただいた。
更に…冒頭からベースがビンビンに絡んでくる曲なので、ここはまぁ岸壁アレンジで何とかしようと思っていたのだが、ある日のSkywriterで適任のベーシストを発掘!
何気にオファーを出すと即決でOKをいただき、この1曲だけサプライズ的に加わっていただく事になった。
岸壁ユニットとしては初めての試みだったが、これがまたメチャ楽しかったし、ベースが加わるだけでこれだけ表現力がアップするんだ…と改めて実感。

 

恒例の「にしやんの俺にも唄わせろコーナー」も、岸壁ユニットとしては初お披露目となる「Daydrean Believer」をチョイス。
その他のビリー鉄板ナンバーも、微妙にギターアレンジを変えたりと、精いっぱいの脱マンネリ化策を講じたのだが、1つ新しいことを入れると何か1つぶっ飛ぶ…的に途中歌詞が崩壊…。
確実に狭まっていく脳のキャパシティにどう対応していくかが今後の課題か…。(爆)
でもまぁ何にしても楽しかった!
演奏の質とか、お客様がどう捉えてくれたかは置いといて、自分的にはとっても気持ち良く終演し、メインパフォーマーにバトンを渡す。

 

そしていよいよ本日のメインパフォーマー・ことうたぴあのさんが登場!
琴の桐笛さんが欠席なので「うたぴあの」ですと言っていたが、聞けば前日急遽セットリストを大幅に入れ替えたとのこと。
そんな事がサラっとできてしまうのは、やはりキャリアとスキル、そして何よりもレパートリーの広さがモノを言っているんだろう。
岸壁ユニットにはとてもできない芸当だ。
このレポートの冒頭で、うっかり「ボーカル」とご紹介してしまったが、「うた」担当の彩さんはプロ級の声楽で、姉で「ぴあの」担当の千帆さんも音大仕込みの本格派。
当然のことながらクラシックが基調となるステージだが、繊細で優雅なピアノの音色にマイク不要のパワフルボイスが見事に調和し、会場は空海とは思えない異次元の空間に…。
お茶目なきょうこさんは、被り物を纏って千帆さんとピアノ連弾をしたかと思えば、ショルダーシンセを操り「うたぴあの」のお二人に色を添える多才ぶりを発揮。
これに琴が加わったら、一体どんな音楽が飛び出してくるんだろうと、あらためて桐笛さんの体調不良が残念でならなかったが、これはまた新たなお楽しみという事で!

そして今回、桐笛さん欠席の代役にと、きょうこさんが急遽アサインしてくれたkuriさんが、ことうたぴあのの幕間に登場。
操るのは「ハンマーダルシマー」という、私自身も初めてお目にかかる珍しい楽器。
なんでも中東に起源をもち、それが西方に伝わって発展した楽器とのことだが、台形の基盤に張り巡らされた弦を木製の撥(?)で叩いて音を奏でる、とっても繊細で美しい音色が特徴だ。
本来はお客様として来場する予定だったkuriさん、直前のオファーにも関わらず快く引き受けてくれたものの、やはり緊張感は相当なもの。
最初は演奏に躓く場面もあったが、十八番の曲を演奏し始めると見事な撥捌きを披露、ハンマーダルシマーの美しい音色を堪能させていただいた。

という事で、クラシックを基調にしながらも我々にも馴染み深いセットリストで大いに楽しませてくれたことうたぴあののステージもあっという間に終了。
以下、クラシックっぽく、彼女たちの演奏曲目をご紹介しておく。

・むこうむこう(三井ふたばこ・詞 / 中田喜直・曲)
・海に通う道(北一夫・詞 / 青英権・曲)
・樅の木(シベリウス<ピアノソロ>)
・冬の星座(堀内敬三・詞 / ヘイス・曲)
・スキー(時雨音羽・詞 / 平井康三郎・曲)
・森のくまさん(アメリカ民謡 / 松田昌・編曲)

 <ダルシマー助演>

・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(アヴェ・マリア) マスカーニ曲
・「菊次郎の夏」より Summer(久石譲・曲)
・「戦場のメリークリスマス」 より Merry Christmas,Mr.Lawrence(坂本龍一・曲)
・「もののけ姫」より もののけ姫(宮崎駿・詞 / 久石譲・曲)
・アメイジンググレイス(Traditional)

おーーー!
何だかレポートもなんとなく格式高く感じられるから不思議だ。(笑)

ことうたぴあの終演後は恒例のアンコールセッション。
シンセのきょうこさんがピアノにまわり、にしやんはベースに、そして千帆さん彩さん姉妹のツインボーカルによる「糸」を演奏して12回目の空海を終了した。

いや〜、今回は内容が濃かったからレポートも文字だらけになってしまった。
にしても、やっぱり琴の演奏も聴きたかった!
いつか必ず再演を実現したいなぁ。
いつもとは全く雰囲気の違った空海…たまにはこういうのも新鮮でいいね。

さて、次回の「空と海に誘われて Vol.13」は3月17日、夢音ジャニーさんをお迎えして開催します。
こちらもお楽しみに!


 → 当日の岸壁ユニットの動画はこちら



■演奏曲目

■共演

Piano Man (Billy Joel)

Just The Way You Are (Billy Joel)

Honesty (Billy Joel)

Daydream Believer (The Monkees)

Until The Night (Billy Joel)

New York State Of Mind (Billy Joel)


<Uncore Session>

糸 (中島みゆき))


ことうたぴあの


<Special Thanks>

久(きゅう)さん / Bass



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