July in サルビアホール

Bear Cafe Freak Presents !
ACOUSTIC SYNDROME Vol.4

2011年7月16日(SAT)
横浜市鶴見区 鶴見区民文化センター・サルビアホール



ホールライブにこだわった Acoustic Syndrome、通称アコシンも、早いもので今回で4回目の開催となる。

過去3回のアコシンは、客席数300以上の比較的大きなホールで開催されたが、今回は3月に開館したばかりの鶴見区民文化センターに、「音楽ホール」という名のキャパ100の手頃な会場を発見、運良く2回目の申し込みで当選となり、今回の公演開催が決まった。


今回利用したサルビアホールの音楽ホールは、手頃な広さとキャパである上に、生音でも十分演奏会ができるくらい音響効果抜群の会場だ。
開館以来、ピアノやクラシック系の演奏会を中心に利用されていたようで、我々のようなポピュラー系のコンサートは初めてとなるらしい。
当然、前回のようなフルバンド形式のユニットの参加は不可能で、アコシンの原点に戻って出演者を厳選させていただいた。
本当は他にも出て頂きたいグループがあったのだが、残念ながら今回声を掛けられなかった皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
回を重ねる毎にこういった悩みも出てくるんだと、あらためて痛感。

ホールの抽選に当選してから半年間、過去の経験を生かしつつ準備にあたったのだが、この規模での開催は初めてである上に、会場に設置されているPA機器が、帯に短し襷に長し状態で、どうにもPAプランが纏まらない。
結局前回もお願いしたM♂EXPRESSのMAKOTOクンに今回もPA総指揮をお願いする事にして、この問題をクリアした。

当選から開催に至る間に、あの東日本大震災が起こり、一時は開催を躊躇する場面もあったが、みんなの熱い想いに支えられて開催を決意、数々の紆余曲折を経て、7月16日(土)、無事開催の日を迎えた。

アコシンは出演者みんなで作り上げていくコンサート。
当日も朝9時前に集合し、会場の仕込みからサウンドチェック、そしてそれぞれの役割分担をこなしていただく。
デジタルミキサーの使い勝手に慣れず、サウンドチェックが大幅に遅れてしまったが、なんとか10分遅れで開場、定刻の午後1時に開演し、熱きミュージシャン達の祭典はその幕を切って落とした。


トップバッターを飾ったのは、やはりこのお二人。
Bear Cafe店主のベアさんと、高校〜大学の後輩にあたる金鶏堂さんのユニット、「メモリーズ」だ。
その息の合ったコンビネーションと円熟味を増した演奏は、流石に年輪を感じる。
金鶏堂さんもこの日の為に相当ギターを練習したとか…。
素晴らしいギターの音色とハーモニーに、会場ものっけからステージに引き込まれていく。

2番手として登場したのは、アコシン初登場の「うさぎとにゃんず」の皆さん。
ギターとマンドリン、ピアノのアンサンブルで懐かしいナンバーをアレンジし、更に今回フルートをフィーチャーしてアクセントをつけたそのサウンドは、まさにこのホールにピッタリ。
これが2度目のライブだというから驚きだが、馴染みのある曲の演奏に客席が魅了されていくのが、舞台袖から見ていて手に取るようにわかった。

3番手は、アコシン2回目の登場となるこのユニット。
今回は新たにパーカッションを加え「ともちょこダック+パイン」として新しいサウンドを披露してくれた。
聞くところによると、パーカッションのパインさんはダックさんのご子息とか…。
その息の合ったバックに乗せたともちょこさんの伸びのあるボーカルは、何度聴いても爽やかで心地良い。
まさにホールライブにピッタリの歌姫だ。

4番手は、アコシン初登場のソロシンガー、「ゾンピー」さん。
ここのところあちこちでご一緒する機会が多く、その堂々とした歌いっぷりにはいつも感心されられていたが、聞けばホールでの演奏は初めてだとか。
今回はこのライブのMCを務めて頂いた奥様のトトロさんもピアニカを持って応援。
ゾンピー調さだまさしワールドを、余すところなく披露していただき、客席を釘付けにしていた。

5番手として登場したのは、歌姫Yukoさんと、その可愛らしい歌声をバックアップするギタリスト・TAKUYAさんのユニット、「ほっとけぇき」。
演奏する曲は昔懐かしい歌謡曲が多く、ライブ中盤にして客席はノリノリ状態に…。
パロディやギャグを交えたメドレーはもう圧巻!
客席も大喜びだ。
クオリティの高い演奏力とトークは絶品で、期待通りのパフォーマンスで会場を沸かせてくれた。


そして、6番手として登場したのが、我が「July」だ。
「税込み300円」として結成して1年、何度か小ネタを交えたライブをこなしてきたが、今回は初のホールライブという事でお笑いを封印、全曲マジ路線で行こうと決めたのが3ヶ月ほど前だった。
メンバーが二人とも7月生まれだということ、ライブデビューが7月に行われるアコシンという事で、ユニット名を新たに「July」に改名、アコシンに初登場させていただいた。

過去に演奏したことのある「虹と雪のバラード」と、ちいさんが好きな曲を2曲、ひさが前からやってみたかった曲を1曲、そしてこの日ちいさんに歌ってもらう為に作ったオリジナルを1曲、計5曲を用意して30分のステージに臨んだ。

特に、ひさの推薦曲「黒い鷲とカンテレ」とオリジナル曲は、ちいさんにとっては難易度がかなり高かったと思う。
ちいさんばかりに苦労させる訳にはいかないから、ひさも初めてエレガットの指弾きにチャレンジ…。
一時は挫折してセットリスト変更も考えたが、ちいさん持ち前の粘り強さでこれを克服!
細かいミスはいくつかあったものの、予想以上のハイクオリティで最後まで演奏する事ができた。

予想していた通り、ちいさんの声はホールに似合う。
今回アコシンに誘って大正解だった。






ひさ




ちい



7番手は、アコシン1に「サルバトーレとアンバサダー」として出演されたお二人が、新たに「シモさんとキヨさん」と改名して再登場。
キヨさんの叙情ワールドは最近あちこちのライブハウスで聴けるようだが、この名コンビでの本格ライブはなかなか観る事はできない。
ギターにマンドリンと、八面六臂の活躍をされるシモさんだが、今回はノコギリミュージックにチャレンジ、奇抜なアレンジで、会場を唸らせていた。

8番手はアコシン皆勤賞の「Chantons l'amour ! deux (シャントンラムールドゥ)」。
今回も残念ながらオリジナルメンバーのFunsanさんの参加は叶わなかったが、3人の息の合った演奏とyossyさんの歌声がホールに響き渡る様は、まさにアコシンの真骨頂。
今回はカーペンターズの名曲まで披露してくれて、その音楽の幅の広さを余す所なく表現してくれた。
次回は是非4人揃っての演奏を観たいものだ。

そしてこのライブの大トリを取っていただいたのが「TEAM 'OLU 'OLU」の皆さん。
ろくげんさんとのぶさんのオリジナルメンバーに岸壁ユニットのにしやんさんとフラダンサーのRIEさんが加わり、今回は更にウクレレの名手GENさんも参加。
お馴染みのハワイアンの演奏だけでなく、RIEさんが歌い男性陣が踊るという飛び道具まで登場し、大トリに相応しいパフォーマンスで会場を沸かせてくれた。


全グループの演奏後、今回も出演者全員と会場のお客様全員で「上を向いて歩こう」をSing Out。
震災から4ヶ月、この歌をみんなで一緒に歌える事に感謝して、延々6時間に渡る長いライブを終了した。



Sing Out

今回は客席数100という、いつもより一回り小さい会場にした事で、アコシン4回目にしてその原点に戻るライブとなった訳だが、結果的にはそれが大成功に繋がったと思う。
終った後で見るみんなの笑顔・・・
達成感に満ちたその顔一つ一つが、企画して良かった・・・という想いでいっぱいにしてくれる。
このライブの主旨に賛同して集まってくれたミュージシャンの皆さん、ホントにありがとう!


おっと、忘れてはいけないこのお二人!
この長丁場でMCの大役をキッチリこなして会場を和ませてくれた、まみさんとトトロさんにも大きな拍手を送りたい。

そして、裏方としてずっとこのライブを支えてくれたPAのMAKOTOクン、
更にカメラマンとして出演者の素顔を追い続けてくれたキーボーさんにもあらためて大感謝だ。

勿論、暑い中鶴見まで足を運んでくれた全てのオーディエンスの皆さんと、会場を運営している鶴見区民文化センターのスタッフの皆様にも重ねてお礼を言いたい。

皆さんのお陰でアコシン4も大成功のうちに幕を閉じる事ができました。

最後に、受付に設置させていただいた東日本大震災への義援金募金箱には、お客様の善意、計7,000円をお寄せいただきました。
このお金はサルビアホールの義援金募金箱に移し、関係各所に寄付させていただく事をご報告して、このライブレポートを締め括ります。

皆さん、ホントにありがとう!
次回アコシン5で、また笑顔でお会いしましょう!





■演奏曲目

 虹と雪のバラード (トワエモア)

 卒業写真 (ハイファイセット)

 黒い鷲とカンテレ (季節風)

 地球はメリーゴーランド (ガロ)

 この想い永遠に・・・

■競演

 メモリーズ

 うさぎとにゃんず

 ともちょこダック+パイン

 ゾンピー

 ほっとけぇき

 シモさんとキヨさん

 Chantons l'amour ! deux
 (シャントンラムールドゥ)

 TEAM 'OLU 'OLU



DVD収録

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